旧版・とあるチートを持って!   作:黒百合

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アイシテルのたくらみ2

「ねぇ、ひかり。このネコはどう?」

「こ、これはまた可愛い・・・なんだこの可愛さ。」

 

あれから一ヶ月ほどが経過した。

現在2人で仲良く読書中。

なぜこうなったかは特に語ることも無い。

 

共通の趣味。

それは友達作りや合コンでのきっかけとしてはあまりにもポピュラーでセオリーで常套手段である。

そう、ネコ。

ネコの話題に響がーーー正確にはアイシテルが響に乗らせるように誘導してしまったのが運の尽き。

いや、今はまだ美少女だが将来的に確実に美人となる女性と接点をもてたのだから男としては喜ぶべきである。

事実、響は喜んでいる。が。

それと同時に悲しんでもいる。

 

彼女に会いたくなかったのは言うまでも無く高町なのはと彼女が親友であるから。

親友を傷つけた人間に友好的に接するような人間はいないだろう。

ゆえに彼女と友達になったところで本名を明かしてしまえばそれだけの関係なのだ。

どの道彼女にフラグを立てて、イチャラブすることは叶わない。

 

そのことに嘆き苦しんでいた。

不幸中の幸いといえばネコの本が意外と面白いということである。

 

気づいたら普通にネコ好きとなっていた。

 

「あ、そういえばね?」

「ん?何。」

「今週末にお茶会があるの。ひかりも来る?」

「・・・ううむ。」

「何か用事があるかな?」

「いや・・・その。別に暇ではあるけどさ。」

 

響が渋り理由は言わずもがな。

彼女のお茶会に誰が来るかと言うこと。

2人きりでお茶会をするなんてことはまずないだろう。

それならお茶会というよりも普通に食事である。

 

「他に誰か来る?ていうか来るよね。確実に。」

「ええと・・・アリサちゃんとなのはちゃんていう私のお友達とそのお兄ちゃん。あとはなのはちゃんと特に仲の良い男の子も来るの。大丈夫だよ?きっとすぐに仲良くなれるから。」

「いや・・・遠慮しておくね。せっかくだけども・・・」

「どうして?」

「いや、だから人見知りだと何回言えば・・・」

 

こうして誘われるのは何度目か。

響はこれ一度きりではなく何度も誘われていた。

その都度断ってきたのだ。人見知りという理由で。

もちろん響とて行きたいことは行きたい。

別に人見知りではないのだし、美少女達と、将来のおっぱーーーげふんげふん。と近づける良い機会である。

下心を無しにしてもこんな良い子達と友達になれるのは光栄だ。

だがしかし。

もしバレたら?と考えると如何せん足が動かない。

ばれないとは思うものの、ばれた際のリアクションを考えると非常に気まずいのだ。

すずかだけにバレルのはともかくとしてもなのはにアリサまでいるとなるとせっかくのお茶会が台無しになってしまう。

そんなことになってしまうと響のみならず、彼女達も気まずくなるだろうし、十中八九お茶会どころではなく。

ばれたときの状況を考えると非常に気が進まないのだ。

 

というわけで。

 

「ごめんね。悪いけどこの話は無かったことに・・・」

「・・・どうして?」

「え?」

「毎回思うんだけど、ひかりって私の事嫌い?」

「い、いや、別に。」

「その割にはどこか壁を作ってる気がする。」

「そ・・・そうかな?」

「お茶会、そんなに行きたくない?人見知りだって早めに直しておかないとこれから先、苦労するよ?」

「え・・・っと、うん、それは分かってるんだけど・・・」

「怖いのは分かる・・・なんてことは言わない。私は人見知りってわけじゃないし、気持ちが十全に分かるんなんて口が裂けてもいえない。でも、頑張って直そうとしない限り何時までもそのままなんだよ?」

「そ、そうだね。」

「じゃあ頑張ろうよ。皆良い人達だからきっと助けてくれるし、ひかりの力になれると思うな。きっと今が良い機会。やるべき時だと思う。」

「・・・えっと・・・その・・・」

「ね?」

「あ、うん、じゃあちょっとだけ・・・お邪魔してもいい?」

「もちろん。」

 

こうして響の出席が決まったのである。

帰り道。

 

「・・・憂鬱だ。」

『押し切られちゃったねぇ。結局。』

「・・・ああ。」

『真摯に相手を思いやる相手に弱いね、響は。』

「・・・ああ。」

『・・・大変だね。』

「・・・笑えるのを堪えてるんだろ・・・分かってる。その震えた声で話しかけるのをやめろ。打ち殺すよ?」

『あれぇ?そんなことを言ってもいいのかな?』

「あ゛?」

『厨房を強化しちゃうぞぉ。ようやく先が見えてきたところなのに、ここで強化しちゃうとあと一年はあれと顔を突き合せないといけなくなっちゃうよ?』

「すいませんでした。だからそれだけは勘弁してください。」

『よろしい。』

 

泣く泣く謝る。

 

「なあ・・・ほんとどうしよう。

バレルと思うんだ。意外と。」

『どうして?』

「なのは・・・と俺が呼ぶのは馴れ馴れしすぎるか。高町さんは被害者だ。おそらく他の人間よりも俺の顔を強く覚えてる・・・と思う。」

『まぁ確かにね。』

「誤魔化せるか結構な不安がある。いっそのこと風邪とか急用で休むのはどうだろうか?」

『あそこまで言ったのに?状況からして嘘だとばれるんじゃないかな。下手したらお見舞いなんてこともあるかも。』

「さ、さすがにそこまでは・・・」

『彼女達はやたらとお人よしだしねぇ。ありえないと断じるのは難しいんじゃない?もしくはすずかちゃんがお見舞いに行くねって話になってそこから皆で行く!なんて流れにもなるかも。』

「・・・そうなると文母さんを目撃されるな。」

『ばれるでしょうね。』

 

学校に親が呼ばれた時に、すずかやアリサが見てないとも言い切れない。

 

『いっそのこと女ってことにして女装したら?

まずばれないと思うよ?』

「・・・それはちょっと遠慮したいな。そもそもばれるだろう。」

『大丈夫じゃない?

ほら、響って綺麗系のイケメンだし、女に見えなくも無いよ?多分。』

「仮に女装したとしてもいきなり女装して行ったらなんじゃそら!?って話になるだろうが。」

『女の子でしたってことにしたら?』

「これ以上嘘で塗り固めたらまた何かややこしい状況になりそうだから遠慮しておく。」

『んもうっ!あれもいや!これもいやじゃ話が進まないでしょっ!!』

「・・・もっとまともな案をくれ。」

『ばれたらばれたでいいんじゃないの?その時はその時だよ。』

「・・・。」

『それにこのまま嘘を付いてたところでいつかどこかでバレるのは明白。

それともずーっと嘘をついたまま友人関係を育もうって言うの?』

「うぐっ・・・それを言われると・・・」

『ばれた時はばれた時に考えれば良いよっ!

さあいこうっ!!』

「・・・面白がってるでしょ?」

『今更なにを。』

「・・・俺、アイシテルのこと嫌い。」

『安心して。私も響の事、好きという訳じゃないから。』

「・・・そうか。」

 

なんか傷ついた響である。

結局『我に妙案ありっ!』というアイシテルに任せて考えることを放棄した響であった。

 

 

 

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