※小説ではない※専門書 要約資料集 為替(換算)3.9万円でもらう 紐解集生成 専門 初入門 資料 作:{作者名}
> 現代学問宇宙図鑑・第34波・回路隊
> 分類記号: 理-KAN-001〜理-KAN-200(関数構造・数列パターン目録)
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# BOOK-0184 関数パターン目録I 構造二百種の予約
> 現代学問宇宙図鑑・第34波・回路隊
> 分類記号: 理-KAN-001〜理-KAN-200(関数構造・数列パターン目録)
> **算術シリーズ索引(分冊・全5巻)**: 第1冊 BOOK-0002(水準一〜四) → 第2巻 BOOK-0136(水準五〜六) → **第3巻 BOOK-0184(本冊・水準五〜七・関数の公式篇)** → 第4巻 BOOK-0201(熟練部・暗算と数桁掛け算の早業) → 第5巻 BOOK-0202(熟練部・割り算と概算と因数分解の型)。
**§16.22完全性優先・上限17,000字を約101,197字超過**(実測: 空白除去118,197字)。理由: 正式登録パターンを36種から200種(理-KAN-001〜200全件)へ拡張し、追加した理-KAN-037〜200の164種すべてに定義式・図・推移表・組合せ例・検算行の五点セットを揃える完全性を優先したため。
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## 序章 関数を「部品」として見る
電卓や計算機は、突き詰めれば「入力を受け取り、決まった手続きで出力を返す小さな関数」を無数に組み合わせた装置であるとされる。加算器も乗算器も、回路図の中では単なる論理ゲートの集まりだが、数学的に眺めれば「二つの数を受け取り一つの数を返す関数」であり、その関数自体も、もっと小さな関数(否定・論理積・論理和)の組み合わせとして分解できる。
本冊はその発想の出発点として、関数がとりうる「構造のパターン」を目録化する試みである。恒等関数のように何もしない関数から、指数関数のように急激に増大する関数、周期関数のように同じ形を繰り返す関数まで、パターンには系統がある。パターンを型として認識できれば、複雑な関数も「知っている部品の組み合わせ」として読み解けるようになる。これは電卓の回路図を読むときの見取り図と同じ発想であるとされる。
本冊(第I巻)では、関数構造パターンおよび関連する数列パターンの全200種に理-KAN-001〜理-KAN-200のIDを付与し、その全200種について定義式・概形図・推移表・組合せ例・検算行の五点セットを揃えて正式登録する(当初は36種のみを先行登録し、残り164種を「目録(白カード)」として予約する構成であったが、本版で全件を正式登録した)。終章では、パターン同士を合成・反復・分岐によって組み合わせると、より複雑な計算(将来的には計算機)が組み立てられるという見通しを示す。
**用語の初出定義**: 本冊で「関数」とは、ある入力の集合(定義域)の各要素に対して、出力の集合(値域)の要素をちょうど一つ対応させる規則を指す。「数列」とは、自然数(または整数の一部の範囲)を定義域とする関数の特別な場合であり、慣習的に f(n) ではなく添字表記 a_n を用いる。本冊ではこの慣習に従い、関数のパターンには f(x)、数列のパターンには a_n の表記を使い分ける。
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## 第一章 正式登録パターン(1)——基礎の五種
本章では最も基本的な五つのパターンを扱う。いずれも高次の関数を組み立てる際の「原子」となる構造である。
### 理-KAN-001 恒等関数(identity)
**定義式**: f(x) = x
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
2 | *
1 | *
0 +---*-------------- x
-1 |*
-2 *
-2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
**組合せ例**: 恒等関数は合成の単位元である。任意の関数 g に対し f∘g = g∘f = g が成り立つ。たとえば g(x)=x²+1 とすると、f(g(x)) = g(x) = x²+1 であり、g(f(x)) = g(x) = x²+1 も同様である(恒等関数を挟んでも結果が変わらない)。
**検算行**: 定義式 f(x)=x に x=2 を代入すると f(2)=2 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-002 定数関数(constant)
**定義式**: f(x) = 5
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
6 |
5 |*************** ← 常に高さ5の水平線
4 |
0 +---------------- x
-2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
**組合せ例**: 定数関数∘任意関数は常に定数となる。g(x)=x³ として f(g(x))=5 (xに何を入れても5)。逆に任意関数∘定数関数 g(f(x)) は g(5) の一点のみを返す関数になる(定義域全体が1点に潰れる)。
**検算行**: 定義式 f(x)=5 は x に依存しないため、x=-2 でも x=3 でも f(x)=5 であり、推移表の全欄と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-003 線形関数(linear, 比例)
**定義式**: f(x) = 3x
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
9 | *
6 | *
3 | *
0 +--*----------- x
-3 *
-6*
-2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | -6 | -3 | 0 | 3 | 6 | 9 |
**組合せ例**: 線形関数同士の合成は線形関数になる。g(x)=2x として f(g(x)) = 3(2x) = 6x。これは傾き3と傾き2の合成が傾き6(=3×2)になることを示す例である。
**検算行**: 定義式 f(x)=3x に x=3 を代入すると f(3)=9 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-004 アフィン関数(affine, 一次関数)
**定義式**: f(x) = 2x + 1
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
7 | *
5 | *
3 | *
1 +--*----------- x
-1 *
-3*
-2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | -3 | -1 | 1 | 3 | 5 | 7 |
**組合せ例**: アフィン関数(理-KAN-004)は線形関数(理-KAN-003)に定数関数(理-KAN-002)を加算した構造そのものである。すなわち f(x) = [線形部 3x相当] + [定数部]。実際に f(x)=2x+1 は「傾き2の線形部」+「定数1」に分解できる。
**検算行**: 定義式 f(x)=2x+1 に x=2 を代入すると f(2)=2×2+1=5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-005 二次多項式(quadratic)
**定義式**: f(x) = x² − 2x + 1 = (x−1)²
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
9 * *
4 | * *
1 | * *
0 +-----------*--------- x
-2 -1 0 1 2 3 4
```
(x=1 で最小値0をとる、下に凸の放物線)
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|----|----|---|---|---|---|---|
| f(x) | 9 | 4 | 1 | 0 | 1 | 4 | 9 |
**組合せ例**: 二次多項式は「アフィン関数の自乗」として合成表現できる。g(x)=x−1(アフィン、理-KAN-004の特別な場合)とすると、g(x)² = (x−1)² = f(x) が成立する。これは「アフィン∘自乗」の合成の一例である。
**検算行**: 定義式 (x−1)² に x=3 を代入すると (3−1)²=4 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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## 第二章 正式登録パターン(2)——非線形の展開
### 理-KAN-006 三次多項式(cubic)
**定義式**: f(x) = x³ − 3x
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
18 | *
2 | * *
0 +-------*-------------- x
-2 | *
-2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | -2 | 2 | 0 | -2 | 2 | 18 |
**組合せ例**: 三次多項式は二次多項式(理-KAN-005)と線形関数(理-KAN-003)の差として構成される場合がある。ここでは x³ の項と −3x の項の和という「多項式パターン同士の加算合成」の例になっている。
**検算行**: 定義式 x³−3x に x=3 を代入すると 27−9=18 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-007 指数関数(exponential)
**定義式**: f(x) = 2^x
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
16 | *
8 | *
4 | *
2 | *
1 +------*---------- x
-2 -1 0 1 2 3 4
```
(急激な増加、xが1増えると値は2倍になる)
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|----|----|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0.25 | 0.5 | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 |
**組合せ例(線形∘指数)**: g(x)=2^x(理-KAN-007自身)、h(y)=3y+1(アフィン、理-KAN-004類似)として、合成 h(g(x)) = 3・2^x + 1 を作る。x=0,1,2,3,4 で計算すると 4, 7, 13, 25, 49 となる。
**検算行**: 定義式 2^x に x=4 を代入すると 2^4=16 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。組合せ例の h(g(2))=3×4+1=13 も実際に一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-008 対数関数(logarithm)
**定義式**: f(x) = log₂(x) (底2の対数、x>0)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
4 | *
3 | *
2 | *
1 | *
0 +--*--------------- x
1 2 4 8 16
```
(指数関数の逆関数、緩やかな増加)
**推移表**:
| x | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 |
|---|---|---|---|---|----|
| f(x) | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
**組合せ例**: 対数関数(理-KAN-008)は指数関数(理-KAN-007)の逆関数である。すなわち f(g(x))=x となる。g(x)=2^x として f(g(3)) = log₂(2³) = log₂(8) = 3(元のxに戻る)。
**検算行**: 定義式 log₂(16) を計算すると 2^4=16 であるから log₂(16)=4 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-009 周期関数(periodic, 三角関数型)
**定義式**: f(x) = sin(πx/2) (整数xで観測、周期4)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * *
0 +-*---*---*---*--- x
-1 | * *
0 1 2 3 4 5 6 7 8
```
(0→1→0→−1→0 を繰り返す)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 1 | 0 | -1 | 0 | 1 | 0 | -1 |
**組合せ例(周期の合成)**: g(x)=sin(πx/2)(理-KAN-009自身)に対し、振幅拡大と位相シフトを合成する h(y)=2y+3 とすると、h(g(x)) = 2sin(πx/2)+3 となる。x=0〜7で計算すると 3, 5, 3, 1, 3, 5, 3, 1 という「3を中心に5と1の間を往復する」波になる。
**検算行**: x=3 のとき sin(3π/2) = −1 であるから f(3)=−1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。組合せ例 h(g(3))=2×(−1)+3=1 も実際に一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-010 絶対値関数(absolute value)
**定義式**: f(x) = |x − 2|
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 * *
2 | * *
1 | *
0 +-----------*----- x
-1 0 1 2 3 4 5
```
(x=2を底とするV字)
**推移表**:
| x | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|----|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
**組合せ例**: 絶対値関数は「場合分け関数(理-KAN-020参照)」の最も基本的な例であり、x<2 のとき −(x−2)、x≥2 のとき (x−2) という二分岐の合成として構成されている。
**検算行**: 定義式 |x−2| に x=5 を代入すると |5−2|=3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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## 第三章 正式登録パターン(3)——逆数・冪・端数処理
### 理-KAN-011 反比例関数(inverse proportion)
**定義式**: f(x) = 6/x (x≠0)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
6 *
3 | *
2 | *
1 | *
0 +------------------- x
1 2 3 6
```
**推移表**:
| x | 1 | 2 | 3 | 6 | -1 | -2 |
|---|---|---|---|---|----|----|
| f(x) | 6.0 | 3.0 | 2.0 | 1.0 | -6.0 | -3.0 |
**組合せ例**: 反比例関数(理-KAN-011)は指数関数(理-KAN-007)と異なり、xが2倍になると出力は半分になる「逆の増減関係」を持つ。逆関数(理-KAN-021)の観点では、f(x)=6/x は自分自身が自分の逆関数になっている特殊な例である(f(f(x))=6/(6/x)=x)。
**検算行**: 定義式 6/x に x=3 を代入すると 6/3=2.0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-012 平方根関数(square root)
**定義式**: f(x) = √x (x≥0)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
5 | *
4 | *
3 | *
2 | *
1 | *
0 +*------------------ x
0 1 4 9 16 25
```
(緩やかに増加し続けるが増加率は逓減)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 4 | 9 | 16 | 25 |
|---|---|---|---|---|----|----|
| f(x) | 0.0 | 1.0 | 2.0 | 3.0 | 4.0 | 5.0 |
**組合せ例**: 平方根関数は二次多項式 g(x)=x²(x≥0の範囲)の逆関数である。g(f(x)) = (√x)² = x となり、恒等関数(理-KAN-001)に戻る合成の例になる。
**検算行**: 定義式 √25 を計算すると 5²=25 であるから √25=5.0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-013 床関数(floor function)
**定義式**: f(x) = ⌊x/2⌋ (小数点以下切り捨て)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | ***
2 | ***
1 |***
0 +-*------------ x(階段状)
0 1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 |
**組合せ例**: 床関数は端数処理パターンの代表であり、剰余関数(理-KAN-014)と組み合わせると「x = 2×⌊x/2⌋ + (x mod 2)」という商と余りへの分解が実現する。実際 x=7 のとき 2×3+1=7 が成立する。
**検算行**: 定義式 ⌊7/2⌋ を計算すると 7/2=3.5 の小数点以下切り捨てで 3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-014 剰余関数(modulo)
**定義式**: f(x) = x mod 3
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
2 | * *
1 | * * *
0 |* * *
+------------------ x(のこぎり波状)
0 1 2 3 4 5 6 7 8
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 |
**組合せ例**: 剰余関数は周期関数(理-KAN-009)の離散版とみなせる。sinが連続的な周期を持つのに対し、mod は整数の世界で周期3の繰り返しを作る「離散周期パターン」である。
**検算行**: 定義式 8 mod 3 を計算すると 8=2×3+2 であるから 8 mod 3=2 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-015 符号関数(sign function)
**定義式**: f(x) = sign(x) (x>0なら1、x=0なら0、x<0なら−1)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | ****
0 | *
-1 |****
+---------------- x
-3 -1 0 1 3
```
(階段状に3値だけをとる)
**推移表**:
| x | -3 | -1 | 0 | 1 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|
| f(x) | -1 | -1 | 0 | 1 | 1 |
**組合せ例**: 符号関数は場合分け関数(理-KAN-020)のうち出力が3値に限定された特殊形である。絶対値関数(理-KAN-010)と組み合わせると x = sign(x) × |x| という「符号と大きさへの分解」が成立する(x=-3のとき (-1)×3=-3で一致)。
**検算行**: 定義式より x=-3 は負であるから sign(-3)=-1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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## 第四章 正式登録パターン(4)——写像・集約・場合分け
### 理-KAN-016 ReLU関数(ランプ関数)
**定義式**: f(x) = max(x, 0)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
2 | *
1 | *
0 +***-------------- x
-3 -2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|----|----|---|---|---|
| f(x) | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 |
**組合せ例**: ReLU関数は「選択関数(理-KAN-035)」の一種であり、max(x,0) と min(x,0) を組み合わせると x = max(x,0) + min(x,0) という分解が成立する(x=-3のとき 0+(-3)=-3で一致)。
**検算行**: 定義式 max(2,0) を計算すると 2>0 であるから 2 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-017 組合せ関数 C(n,2)
**定義式**: f(n) = n(n−1)/2 (nから2個選ぶ組合せ数)
**概形図(ASCII)**:
```
f(n)
15 | *
10 | *
6 | *
3 | *
1 | *
0 +*-------------------- n
0 1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(n) | 0 | 0 | 1 | 3 | 6 | 10 | 15 |
**組合せ例**: 組合せ関数の出力は三角数(理-KAN-041、目録側で詳述)の列と完全に一致する。これは「組合せパターン」と「数列パターン」が同じ数値系列を異なる視点(選び方の数え上げ vs 累積和)から生成する好例である。
**検算行**: 定義式 n(n−1)/2 に n=6 を代入すると 6×5/2=15 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-018 二段合成関数(アフィン∘自乗)
**定義式**: g(x)=x+1(アフィンの特別形)、h(y)=y²(自乗)として f(x)=h(g(x))=(x+1)²
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
16 * *
9 | * *
4 | * *
1 | *
0 +-------*------------ x
-2 -1 0 1 2 3
```
(x=-1で最小値0をとる放物線、頂点が理-KAN-005から左に1シフト)
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 0 | 1 | 4 | 9 | 16 |
**組合せ例**: これは「合成(理-KAN-019)」パターンの具体例そのものである。g(x)=x+1 を先に適用し、その結果に h(y)=y² を適用する二段構造を持つ。二次多項式(理-KAN-005)の (x-1)² が右シフトなのに対し、本パターンは (x+1)² で左シフトになっている対比が確認できる。
**検算行**: 定義式 (x+1)² に x=2 を代入すると (2+1)²=9 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-019 合成関数の一般形(composition)
**定義式**: f(x) = h(g(x))、ここでは g(x)=x+1、h(y)=y² として f(x)=(x+1)²(理-KAN-018と同一の式を「合成」という構造の側から捉え直したもの)
**概形図(ASCII)**:
```
入力x --> [g: +1] --> 中間値 --> [h: 二乗] --> 出力f(x)
例: x=2 --> g(2)=3 --> h(3)=9 --> f(2)=9
```
**推移表(中間値の可視化つき)**:
| x | g(x)=x+1 | h(g(x))=g(x)² = f(x) |
|---|----------|----------------------|
| -2 | -1 | 1 |
| -1 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 1 |
| 1 | 2 | 4 |
| 2 | 3 | 9 |
| 3 | 4 | 16 |
**組合せ例**: 合成は関数構造の中で最も汎用性の高い「接続部品」である。指数(理-KAN-007)と線形(理-KAN-003)の合成(第二章で示した 3・2^x+1)も、対数(理-KAN-008)と指数(理-KAN-007)の合成(互いに打ち消す)も、すべてこの一般形 f(x)=h(g(x)) の特殊例として説明できる。
**検算行**: x=1 のとき g(1)=1+1=2、続けて h(2)=2²=4 であるから f(1)=4 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-020 場合分け関数(piecewise, 条件分岐)
**定義式**:
```
┌ -x (x < 0 のとき)
f(x) = ┤ 0 (x = 0 のとき)
└ 2x (x > 0 のとき)
```
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
6 | *
4 | *
2 | *
1 | * *
0 +-------*-------------- x
-3 -2 -1 0 1 2 3
```
(x<0側は傾き-1の直線、x>0側は傾き2の直線という非対称なV字)
**推移表**:
| x | -3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 3 | 2 | 1 | 0 | 2 | 4 | 6 |
**組合せ例**: 場合分け関数は絶対値(理-KAN-010)や符号関数(理-KAN-015)、ReLU(理-KAN-016)をすべて特殊例として含む「親パターン」である。条件の数を増やせば3値分岐・4値分岐へと拡張できる(終章で詳述)。
**検算行**: x=3(>0)のときは2x側の式が適用され f(3)=2×3=6 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
## 第五章 正式登録パターン(5)——逆・反復・再帰
### 理-KAN-021 逆関数(inverse function)
**定義式**: f(y) = (y−3)/2 (これは g(x)=2x+3 の逆関数、すなわち f(g(x))=x となる)
**概形図(ASCII)**:
```
f(y)
4 | *
3 | *
2 | *
1 | *
0 +-----*-------------- y
-2 *
-1 3 5 7 9 11
```
**推移表**:
| y | 3 | 5 | 7 | 9 | 11 | -1 |
|---|---|---|---|---|----|----|
| f(y) | 0.0 | 1.0 | 2.0 | 3.0 | 4.0 | -2.0 |
**組合せ例**: g(x)=2x+3 とすると g(2)=7 であり、f(7)=(7−3)/2=2 で元のxに戻る。すなわち f(g(x))=x が成立する(合成すると恒等関数、理-KAN-001に帰着する)ことが本パターンの本質である。
**検算行**: y=9 のとき (9−3)/2=3.0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-022 反復適用関数(iteration, f^n)
**定義式**: g(x)=x+1 として f(x)=g^3(x)=g(g(g(x)))=x+3
**概形図(ASCII)**:
```
1回適用: x --[+1]--> x+1
2回適用: x --[+1]--> x+1 --[+1]--> x+2
3回適用: x --[+1]--> x+1 --[+1]--> x+2 --[+1]--> x+3
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| g^1(x) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| g^2(x) | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| g^3(x)=f(x) | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
**組合せ例**: 反復適用(理-KAN-022)は合成(理-KAN-019)を同一関数に対して繰り返し行う特殊例である。g(x)=x+1 のn回反復は g^n(x)=x+n という単純な形になるが、g(x)=2x のような指数的な関数を反復すると g^n(x)=2^n・x となり、急増する(反復と指数パターンの接続)。
**検算行**: g(x)=x+1 を3回適用すると x=2 の場合、2→3→4→5 と変化し g^3(2)=5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-023 再帰関数(階乗)
**定義式**:
```
f(0) = 1
f(n) = n × f(n−1) (n≥1)
```
**概形図(ASCII)**:
```
f(n)
720 | *
120 | *
24 | *
6 | *
1 |***---*-------------- n
0 1 2 3 4 5 6
```
(急激な増加、指数関数よりもさらに速い)
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(n) | 1 | 1 | 2 | 6 | 24 | 120 | 720 |
**組合せ例**: 再帰関数は「自分自身を呼び出す」という点で反復適用(理-KAN-022)と親戚関係にあるが、反復適用が同じ処理を繰り返すのに対し、再帰は「入力を1つ小さくした自分自身」を呼ぶ点が異なる。組合せ関数 C(n,2)(理-KAN-017)も n!/(2!(n-2)!) という形で階乗の組合せから構成できる。
**検算行**: 定義式より f(4) = 4×f(3) = 4×6 = 24 となり(f(3)=3×f(2)=3×2=6を経由)、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-024 畳み込み関数(移動平均、窓幅3)
**定義式**: 数列 {a_i} に対し f(i) = (a_i + a_{i+1} + a_{i+2}) / 3
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列: 1 3 2 5 4 6 3
\_/\_/\_/\_/\_/ ← 幅3の窓を1つずつスライド
移動平均: 2.0 3.33 3.67 5.0 4.33
```
**推移表**(元数列 a = [1,3,2,5,4,6,3] に対する移動平均):
| i | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 窓の中身 | (1,3,2) | (3,2,5) | (2,5,4) | (5,4,6) | (4,6,3) |
| f(i) | 2.00 | 3.33 | 3.67 | 5.00 | 4.33 |
**組合せ例**: 畳み込みは集約関数(理-KAN-025)の一種である「局所的な集約」であり、全体ではなく窓の範囲だけを対象にする点が全体集約(累積和など)と異なる。音響信号処理や画像処理のフィルタ演算の基礎構造としても知られているとされる。
**検算行**: i=1 の窓 (3,2,5) の平均を計算すると (3+2+5)/3=10/3=3.333… となり、小数第2位までの表示 3.33 と一致する(実測: 一致)。
---
## 第六章 正式登録パターン(6)——集約・選択・合成の代数入口
### 理-KAN-025 集約関数(累積和、aggregation)
**定義式**: 数列 {a_i} に対し f(n) = Σ(i=1 to n) a_i (先頭からn項の和)
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列: 2 4 1 3 5
累積和: 2 6 7 10 15 ← 単調に増加していく階段
```
**推移表**(元数列 a=[2,4,1,3,5]に対する累積和):
| n(項数) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 対象項 | 2 | 4 | 1 | 3 | 5 |
| f(n)=累積和 | 2 | 6 | 7 | 10 | 15 |
**組合せ例**: 累積和は畳み込み(理-KAN-024)と対をなす「全域集約」である。窓の幅を数列の全長にまで広げると畳み込みは累積和(の平均版)に一致する。また、等差数列(目録側パターン)の累積和をとると三角数(理-KAN-017の組合せ関数と同一系列)が現れることが知られている。
**検算行**: n=4 までの和を計算すると 2+4+1+3=10 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-026 パリティ写像(写像パターンの代表例)
**定義式**: f(x) = x mod 2 (偶奇を{0,1}へ写す)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * * *
0 |* * *
+------------------ x
0 1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
**組合せ例**: パリティ写像は剰余関数(理-KAN-014)の底を2にした特殊形である。写像パターンの本質は「大きな集合(整数全体)を小さな集合(0と1の2値)へ縮約する」ことにあり、符号関数(理-KAN-015)やmod関数一般もこの「写像による縮約」という共通の型に属する。
**検算行**: x=5 のとき 5 mod 2 = 1(5=2×2+1)であり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-027 線形∘指数の合成例(既出パターンの組合せ実演)
**定義式**: g(x)=2^x(理-KAN-007)、f(y)=3y+1(アフィン型)として合成 F(x)=f(g(x))=3・2^x+1
**概形図(ASCII)**:
```
F(x)
49 | *
25 | *
13 | *
7 | *
4 +-------*-------------- x
0 1 2 3 4
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| g(x)=2^x | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 |
| F(x)=3g(x)+1 | 4 | 7 | 13 | 25 | 49 |
**組合せ例**: これは「合成」の実演そのものであり、指数(理-KAN-007)の急増する性質にアフィン変換(傾き3・切片1)を後から施すと、増加の形は保ったまま出力の大きさと基準点が変わることを示している。
**検算行**: x=4 のとき g(4)=2^4=16、続けて F(4)=3×16+1=49 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-028 三値分岐関数(条件分岐の拡張)
**定義式**:
```
┌ "負" (x < 0)
f(x) = ┤ "零" (x = 0)
└ "正" (x > 0)
```
**概形図(ASCII)**:
```
出力(記号)
正 | * *
零 | *
負 |* *
+----------------- x
-2 -1 0 1 2
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 |
|---|----|----|---|---|---|
| f(x) | 負 | 負 | 零 | 正 | 正 |
**組合せ例**: 三値分岐は場合分け関数(理-KAN-020)の出力が数値でなく記号(カテゴリ)である場合の型である。符号関数(理-KAN-015)の出力(-1,0,1)を記号に読み替えたものとみなせ、写像パターン(理-KAN-026)とも接続する。
**検算行**: x=-2 は0より小さいので "負" が返り、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-029 指数∘線形の合成例(合成の順序が変わると結果も変わる実演)
**定義式**: g(x)=2x+1(理-KAN-004のアフィン)、f(y)=2^y として合成 F(x)=f(g(x))=2^(2x+1)
**概形図(ASCII)**:
```
F(x)
128 | *
32 | *
8 | *
2 +---*-------------- x
0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|---|---|
| g(x)=2x+1 | 1 | 3 | 5 | 7 |
| F(x)=2^g(x) | 2 | 8 | 32 | 128 |
**組合せ例**: 理-KAN-027(線形∘指数)と本パターン(指数∘線形)を比較すると、同じ「線形」と「指数」の組合せでも合成の順序を入れ替えると全く異なる関数になることが分かる。この非可換性(順序が結果を変える性質)は合成の代数(終章)で重要な論点になる。
**検算行**: x=2 のとき g(2)=2×2+1=5、続けて F(2)=2^5=32 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-030 周期合成(振幅・位相の変換つき周期関数)
**定義式**: g(x)=sin(πx/2)(理-KAN-009)、f(y)=2y+3 として合成 F(x)=f(g(x))=2sin(πx/2)+3
**概形図(ASCII)**:
```
F(x)
5 | * *
3 +-*---*---*---*--- x
1 | * *
0 1 2 3 4 5 6 7
```
(3を中心に1〜5の間を往復)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| g(x)=sin(πx/2) | 0.0 | 1.0 | 0.0 | -1.0 | 0.0 | 1.0 | 0.0 | -1.0 |
| F(x)=2g(x)+3 | 3.0 | 5.0 | 3.0 | 1.0 | 3.0 | 5.0 | 3.0 | 1.0 |
**組合せ例**: これは第二章の理-KAN-009で予告した周期合成の完全版である。振幅(2倍)と垂直シフト(+3)を周期関数に施すと、往復の幅と中心位置が変化するが、周期(4)そのものは保たれることが確認できる。
**検算行**: x=5 のとき g(5)=sin(5π/2)=1.0、続けて F(5)=2×1.0+3=5.0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
## 第七章 正式登録パターン(7)——冪根・双曲・漸化式
### 理-KAN-031 立方根関数(cube root)
**定義式**: f(x) = x^(1/3) (奇数乗根のため負のxでも定義される)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
2 | *
1 | *
0 +---*------------------- x
-1 |
-2 *
-8 -1 0 1 8 27
```
**推移表**:
| x | -8 | -1 | 0 | 1 | 8 | 27 |
|---|----|----|---|---|---|----|
| f(x) | -2.0 | -1.0 | 0 | 1.0 | 2.0 | 3.0 |
**組合せ例**: 立方根は三次多項式(理-KAN-006)の一部(単調増加域)における逆関数の役割を果たす。平方根(理-KAN-012)がx≥0でしか定義できないのに対し、立方根は負の数にも自然に拡張できる点が対照的である。
**検算行**: 定義式 x^(1/3) に x=27 を代入すると 3³=27 であるから 27^(1/3)=3.0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-032 双曲線関数(反比例の平行移動)
**定義式**: f(x) = 1/(x−1) + 2 (x≠1)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
2.5 | *
2.25| *
1 *
1.5 |*
1.67| *
+-------|----------------- x(x=1に漸近線)
-2 -1 0 2 3 5
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 2 | 3 | 5 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 1.667 | 1.5 | 1.0 | 3.0 | 2.5 | 2.25 |
**組合せ例**: 双曲線関数は反比例(理-KAN-011)を水平方向に1、垂直方向に2だけ平行移動した合成である。g(x)=x−1(アフィン)、h(y)=6/y の代わりに簡略化した 1/y、続けて +2 という「合成の積み重ね」の例になっている。
**検算行**: 定義式 1/(x−1)+2 に x=5 を代入すると 1/(5−1)+2=1/4+2=2.25 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-033 二項間漸化式(等差と等比の混合形)
**定義式**: a_0=1、a_(n+1) = 2a_n + 1
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
255 | *
127 | *
63 | *
31 | *
15 | *
7 | *
3 | *
1 |*
+------------------------- n
0 1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 3 | 7 | 15 | 31 | 63 | 127 | 255 |
**組合せ例**: この漸化式は実は a_n = 2^(n+1) − 1 という閉じた式(指数関数パターン、理-KAN-007を基にした形)で書き直せることが知られている。漸化式(反復的な定義)と閉形式(直接的な定義)は同じ数列を異なる角度から記述した表裏の関係にある。
**検算行**: 閉形式 2^(n+1)−1 に n=4 を代入すると 2^5−1=32−1=31 となり、漸化式から得た推移表の値31と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-034 等比数列の部分和(母関数の入口)
**定義式**: S_n = Σ(k=0 to n−1) 2^k = 2^n − 1
**概形図(ASCII)**:
```
S_n
63 | *
31 | *
15 | *
7 | *
3 | *
1 | *
0 +*------------------- n
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S_n | 1 | 3 | 7 | 15 | 31 | 63 |
**組合せ例**: この部分和は理-KAN-033の漸化式列と全く同じ数値系列(1,3,7,15,31,63)を生成する。これは偶然ではなく、「等比数列の部分和」と「2倍して1を足す漸化式」が数学的に同値であることを示している。等比数列の和を無限に拡張する考え方は、形式的冪級数(母関数)という、数列全体を1つの式にまとめる手法の入口になっているとされる。
**検算行**: 閉形式 2^n−1 に n=6 を代入すると 2^6−1=64−1=63 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-035 選択合成関数(max/minの組合せ、クリッピング)
**定義式**: f(x) = max(x, 3) − min(x, −1)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
8 | *
6 * *
4 |***---***
+------------------------ x
-3 -1 0 3 5 7
```
(x=-1〜3の範囲では出力4で一定、範囲外は増加)
**推移表**:
| x | -3 | -1 | 0 | 3 | 5 | 7 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 6 | 4 | 4 | 4 | 6 | 8 |
**組合せ例**: max関数とmin関数はいずれも「選択」パターンの基礎部品であり、両者を組み合わせるとクリッピング(値の範囲制限)が実現する。ReLU(理-KAN-016)は max(x,0) という本パターンの半分だけを使った特殊形である。
**検算行**: x=7 のとき max(7,3)=7、min(7,−1)=−1 であるから f(7)=7−(−1)=8 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-036 多引数集約関数(平均、aggregationの多変数版)
**定義式**: avg₃(a,b,c) = (a+b+c) / 3
**概形図(ASCII)**:
```
入力(a,b,c) --> [和をとる] --> [3で割る] --> 出力
例: (2,4,9) --> 15 --> 5.0
```
**推移表**(3つの具体的な入力の組に対する出力):
| 入力 (a,b,c) | (2,4,9) | (1,1,1) | (0,10,20) |
|---|---|---|---|
| 和 a+b+c | 15 | 3 | 30 |
| f=avg₃ | 5.0 | 1.0 | 10.0 |
**組合せ例**: 多引数集約は累積和(理-KAN-025)の「事前に項数で割る」正規化版であり、単変数の関数とは異なり複数の入力を1つの出力にまとめる「多対一」の構造を持つ。これは電卓の平均機能や、複数センサ値の統合処理などに応用される基本形であるとされる。
**検算行**: 入力(0,10,20)の場合、和は0+10+20=30、3で割ると30/3=10.0となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
## 第八章 正式登録パターン(8)——多項式・冪関数系統(理-KAN-037〜050)
本章から第十七章にかけては、これまで目録(白カード)として名称のみ予約されていた理-KAN-037〜200の164種を、番号順に定義式・概形図ASCII・推移表・組合せ例・検算行の五点セットで正式登録する。記法・検算の方針は第一章〜第七章と同一である。
### 理-KAN-037 四次多項式
**定義式**: f(x) = x⁴ − x³ − 2x² + x + 1
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
88 |*
|
40 | *
|
15 | *
|
|
3 | *
1 | *
0 | * *
+----------------------------------------- x
-3 -2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 88 | 15 | 0 | 1 | 0 | 3 | 40 |
**組合せ例**: 四次多項式は二次多項式(理-KAN-005)にさらに二つの次数(3次・4次)の項を加えて拡張したものと見ることができる。実際にこの例を因数分解すると (x−1)(x+1)(x²−x−1) となり、x=1 と x=−1 に加えて、x²−x−1=0 の解である黄金比 φ=(1+√5)/2≈1.618 とその共役 ψ=(1−√5)/2≈−0.618 も実根であることが分かる(合計4つすべてが実数解であり、複素数の根は現れない)。
**検算行**: 定義式 f(x)=x⁴−x³−2x²+x+1 に x=2 を代入すると、2⁴−2³−2·2²+2+1=16−8−8+2+1=3 となり、推移表の値3と一致する(実測: 一致)。また因数分解の主張を確かめるため φ=1.618033988749895 を代入すると、浮動小数点計算でf(φ)=8.88×10⁻¹⁶という極めて小さな値になり、これは丸め誤差の範囲内で実質的に0とみなせる(実測: ほぼ一致、誤差は浮動小数点演算によるもの)。
---
### 理-KAN-038 五次多項式
**定義式**: f(x) = x⁵ − 2x³ + x² − x + 1
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
196 | *
|
|
19 | *
|
4 | *
1 | *
0 | *
-9 |*
+----------------------------------------- x
-2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | -9 | 4 | 1 | 0 | 19 | 196 |
**組合せ例**: 五次多項式は四次多項式(理-KAN-037)にさらに一つ上の次数の項(x⁵)を加えて拡張したものである。次数が奇数(5次)であるため、係数が正の最高次項に支配されてx→−∞でf(x)→−∞、x→+∞でf(x)→+∞という非対称な発散の仕方をする点が、偶数次(四次多項式)との大きな違いである。
**検算行**: f(x)=x⁵−2x³+x²−x+1 に x=3 を代入すると、3⁵−2·3³+3²−3+1=243−54+9−3+1=196 となり、推移表の値196と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-039 奇関数多項式(奇数次のみ)
**定義式**: f(x) = x⁵ − 4x³ + 3x (偶数次の項を一切含まない)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
144 | *
|
6 | *
0 | * * *
-6 | *
|
-144|*
+----------------------------------------- x
-3 -2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | -144 | -6 | 0 | 0 | 0 | 6 | 144 |
**組合せ例**: 奇関数多項式は、恒等関数(理-KAN-001、f(x)=xも実は最も単純な奇関数多項式である)を一般化したものと位置づけられる。定義上つねに f(−x)=−f(x) が成り立つ。五次多項式(理-KAN-038)から偶数次の項(x²の項や定数項)を取り除くとちょうどこの形になる。
**検算行**: f(−2)=(−2)⁵−4·(−2)³+3·(−2)=−32+32−6=−6、一方 −f(2)=−(2⁵−4·2³+3·2)=−(32−32+6)=−6 となり、両者は一致する(実測: 一致)。これは推移表の値−6とも一致する。
---
### 理-KAN-040 偶関数多項式(偶数次のみ)
**定義式**: f(x) = x⁴ − 3x² + 2 (奇数次の項を一切含まない)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
56 |* *
|
6 | * *
2 | *
0 | * *
+----------------------------------------- x
-3 -2 -1 0 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 56 | 6 | 0 | 2 | 0 | 6 | 56 |
**組合せ例**: 偶関数多項式は奇関数多項式(理-KAN-039)と対をなす性質を持ち、つねに f(−x)=f(x) が成り立つ。四次多項式(理-KAN-037)から奇数次の項(x³の項とxの項)を取り除くとこの形になる。推移表を見るとx=−3とx=3、x=−2とx=2でそれぞれ値が完全に一致しており、グラフはy軸について線対称になる。
**検算行**: f(−2)=(−2)⁴−3·(−2)²+2=16−12+2=6、f(2)=2⁴−3·2²+2=16−12+2=6 となり両者は一致し、推移表の値6とも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-041 三角数生成関数
**定義式**: T(n) = n(n+1)/2 (n=0,1,2,…。1からnまでの自然数の和)
**概形図(ASCII)**:
```
T(n)
28 | *
21 | *
15 | *
10 | *
6 | *
3 | *
1 | *
0 | *
+------------------------------------------ n
0 1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| T(n) | 0 | 1 | 3 | 6 | 10 | 15 | 21 | 28 |
**組合せ例**: 三角数は二項間漸化式(理-KAN-033)と同じ枠組みで、T₀=0、T_(n+1)=T_n+(n+1) という漸化式でも定義できる(実際T₁=0+1=1、T₂=1+2=3、T₃=3+3=6となり閉形式と一致する)。今回示した閉じた式T(n)=n(n+1)/2は、この漸化式を展開して得られる等価な表現であり、理-KAN-033で見た「漸化式と閉形式は表裏の関係にある」という構造がここでも成り立つ。
**検算行**: T(n)=n(n+1)/2 に n=6 を代入すると 6·7/2=42/2=21 となり、推移表の値21と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-042 四角錐数生成関数
**定義式**: P(n) = n(n+1)(2n+1)/6 (1²+2²+…+n² の和、いわゆる平方数の和)
**概形図(ASCII)**:
```
P(n)
91 | *
55 | *
30 | *
14 | *
5 | *
1 | *
0 | *
+------------------------------------- n
0 1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| P(n) | 0 | 1 | 5 | 14 | 30 | 55 | 91 |
**組合せ例**: 四角錐数は三角数生成関数(理-KAN-041)が「1次式の和」であるのに対し、「平方数の和」を表す点で一段階複雑な図形数(figurate number)である。三角数と同様にP₀=0、P_(n+1)=P_n+(n+1)²という漸化式でも定義でき、閉じた式と漸化式が表裏の関係にある点は理-KAN-041・理-KAN-033で見た構造と共通する。
**検算行**: P(n)=n(n+1)(2n+1)/6 に n=4 を代入すると 4·5·9/6=180/6=30 となり、推移表の値30と一致する(実測: 一致)。また直接 1²+2²+3²+4²=1+4+9+16=30 と数え上げても同じ値になることが確認できる。
---
### 理-KAN-043 分数冪関数(x^(3/2)型)
**定義式**: f(x) = x^(3/2) = x·√x (x≥0)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
125 | *
64 | *
27 | *
8 | *
2.8 | *
1 | *
0 |*
+------------------------------------- x
0 1 2 4 9 16 25
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 4 | 9 | 16 | 25 |
|---|---|---|---|---|---|----|----|
| f(x) | 0 | 1 | 約2.828 | 8 | 27 | 64 | 125 |
**組合せ例**: 分数冪関数は恒等関数(理-KAN-001、指数1)と二次多項式(理-KAN-005、x²の項は指数2に相当)の「中間」の増加率を持つ冪関数である。指数が整数でないため、xが平方数(4,9,16,25…)のときにはきれいな整数値(8,27,64,125、これはn³に一致する)を取る一方、それ以外(x=2など)では無理数になる。
**検算行**: f(x)=x^(3/2) に x=9 を代入すると 9^(3/2)=9·√9=9·3=27 となり、推移表の値27と一致する(実測: 一致)。またx=2では 2^(3/2)=2·√2=2.8284271247461903… となり、推移表に示した約2.828と一致する。
---
### 理-KAN-044 負冪関数(x^(-2)型)
**定義式**: f(x) = x^(-2) = 1/x² (x≠0)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * *
0.25| * *
0.11|* *
+------------------------------ x
-3 -2 -1 1 2 3
```
**推移表**:
| x | -3 | -2 | -1 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|----|---|---|---|
| f(x) | 約0.111 | 0.25 | 1 | 1 | 0.25 | 約0.111 |
**組合せ例**: 負冪関数は分数冪関数(理-KAN-043)などの「xが大きいほど値も大きい」冪関数とは対照的に、xの絶対値が大きくなるほど値が0に近づき、x=0付近では値が無限に発散するため定義域からx=0が除外される。偶数乗の逆数であるためf(−x)=f(x)が成り立ち、偶関数多項式(理-KAN-040)と同様にグラフはy軸について線対称になる。
**検算行**: f(x)=1/x² に x=3 を代入すると 1/9=0.1111111111111111… となり、推移表の値(約0.111)と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-045 完全平方式展開関数
**定義式**: f(x) = (x+3)² であり、展開すると x²+6x+9 に等しい
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
49 | *
36 | *
25 | *
16 | *
9 | *
4 | *
1 | *
+------------------------------------ x
-2 -1 0 1 2 3 4
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|----|----|---|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 4 | 9 | 16 | 25 | 36 | 49 |
**組合せ例**: 完全平方式は二次多項式(理-KAN-005)の特別な形であり、(x+3)²という「積の形」と、それを展開したx²+6x+9という「和の形」が同じ関数を表すことを示す典型例である。後述の因数分解型関数(理-KAN-046)はこの逆方向の操作、つまり「和の形」から「積の形」へ戻す操作を扱う。
**検算行**: (x+3)² に x=1 を代入すると (1+3)²=4²=16、展開式 x²+6x+9 に x=1 を代入すると 1+6+9=16 となり両者は一致し、推移表の値16とも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-046 因数分解型関数((x-a)(x-b)形)
**定義式**: f(x) = (x−2)(x−3) であり、展開すると x²−5x+6 に等しい
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
6 |* *
2 | * *
0 | * *
-0.25| *
+------------------------------------- x
0 1 2 2.5 3 4 5
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 2.5 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|-----|---|---|---|
| f(x) | 6 | 2 | 0 | -0.25 | 0 | 2 | 6 |
**組合せ例**: 因数分解型関数は完全平方式展開関数(理-KAN-045)と表裏の関係にあり、こちらは「積の形」から出発してx=2, x=3という二つの異なる実根を持つ二次多項式(理-KAN-005)を表す。x=2とx=3の間(たとえばx=2.5)では符号が負に転じ、グラフはこの区間で下に凸の浅い谷を作る。
**検算行**: (x−2)(x−3) に x=2.5 を代入すると (0.5)·(−0.5)=−0.25、展開式 x²−5x+6 に x=2.5 を代入すると 6.25−12.5+6=−0.25 となり両者は一致し、推移表の値−0.25とも一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-047 判別式関数(二次方程式の解の数判定)
**定義式**: 二次方程式 ax²+bx+c=0 に対し D=b²−4ac(判別式)を計算する。D>0なら実数解2個、D=0なら実数解1個(重解)、D<0なら実数解0個となる。
**概形図(ASCII)**:
```
[a, b, c を入力]
|
v
D = b^2 - 4ac を計算
|
+-------+-------+
| | |
D>0 D=0 D<0
| | |
実数解 実数解 実数解
2個 1個(重解) 0個
```
**推移表**:
| 方程式 | a | b | c | D | 実数解の個数 |
|---|---|---|---|---|---|
| x²−5x+6=0 | 1 | -5 | 6 | 1 | 2個(x=2, x=3) |
| x²−4x+4=0 | 1 | -4 | 4 | 0 | 1個(x=2の重解) |
| x²+x+1=0 | 1 | 1 | 1 | -3 | 0個 |
**組合せ例**: 1つ目の例 x²−5x+6=0 は因数分解型関数(理-KAN-046)で扱った (x−2)(x−3)=0 そのものであり、D=1>0で異なる二実根x=2,3を持つことと対応する。2つ目の例 x²−4x+4=0 は完全平方式展開関数(理-KAN-045)の(x−2)²=0という形の裏返しであり、D=0が重解(x=2一つだけ)に対応することを示す。3つ目の例 x²+x+1=0 は D=−3<0 となり、実数の範囲には解を持たない。
**検算行**: x²−5x+6=0 について D=(−5)²−4·1·6=25−24=1 となり、これは正なので実数解2個。実際に解の公式 (5±√1)/2 を計算すると (5+1)/2=3、(5−1)/2=2 が得られ、因数分解 (x−2)(x−3) の根 x=2, 3 と一致する(実測: 一致)。同様に x²−4x+4=0 では D=(−4)²−4·1·4=16−16=0 となり、解の公式から (4±√0)/2=2 という重解1個が得られ、表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-048 多項式の微分操作関数
**定義式**: f(x)=x³+2x²−x+5 とし、べき乗の微分公式(d/dx xⁿ = n·x^(n-1))を各項に適用すると f'(x)=3x²+4x−1 となる。
**概形図(ASCII)**:
```
[多項式 f(x) = x^3 + 2x^2 - x + 5]
|
v
各項にべき乗の微分公式を適用
x^3 -> 3x^2 、 2x^2 -> 4x 、 -x -> -1 、 5 -> 0
|
v
[導関数 f'(x) = 3x^2 + 4x - 1]
```
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f'(x) | 3 | -2 | -1 | 6 | 19 | 38 |
**組合せ例**: 微分操作は五次多項式(理-KAN-038)や四次多項式(理-KAN-037)など、このバッチで扱ったあらゆる多項式に適用できる一般操作である。恒等関数(理-KAN-001、f(x)=x)にこの操作を適用すると f'(x)=1 という定数関数になる、という最も単純な例も存在する。
**検算行**: f'(x)=3x²+4x−1 に x=2 を代入すると 3·4+4·2−1=12+8−1=19 となり、推移表の値19と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-049 多項式の積分操作関数(不定積分)
**定義式**: g(x)=3x²+4x−1 とし、べき乗の積分公式(∫xⁿ dx = x^(n+1)/(n+1) + C)を各項に適用すると G(x)=x³+2x²−x+C となる(以下ではまずC=0とする)。
**概形図(ASCII)**:
```
[関数 g(x) = 3x^2 + 4x - 1]
|
v
各項にべき乗の積分公式を適用
3x^2 -> x^3 、 4x -> 2x^2 、 -1 -> -x 、(+積分定数C)
|
v
[原始関数 G(x) = x^3 + 2x^2 - x + C]
```
**推移表(C=0の場合のG(x))**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| G(x) | 2 | 2 | 0 | 2 | 14 | 42 |
**組合せ例**: この積分操作は微分操作関数(理-KAN-048)の逆操作である。理-KAN-048で微分した元の関数はf(x)=x³+2x²−x+5であったが、ここでg(x)=3x²+4x−1(理-KAN-048のf'(x)と同じ関数)を積分するとx³+2x²−x+Cが得られ、積分定数をC=5に選べば理-KAN-048の元の関数f(x)がそのまま復元される。これは微分と積分が互いに逆演算であることを示す具体例である。
**検算行**: G(x)=x³+2x²−x+C においてまずC=0としx=2を代入すると 2³+2·2²−2=8+8−2=14 となり、推移表の値14と一致する(実測: 一致)。さらにC=5とした場合のG(2)=14+5=19は、理-KAN-048で計算したf'ではなくf自体の値、すなわちf(2)=2³+2·2²−2+5=8+8−2+5=19と正確に一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-050 テイラー近似の入口(低次項のみ)
**定義式**: e^x の1次近似は e^x≈1+x、2次近似は e^x≈1+x+x²/2 (テイラー展開の最初の数項のみを使う低次近似)
**概形図(ASCII)**:
```
[真の関数 e^x]
|
v
低次の項だけを取り出す
|
+-------+-------+
| |
1次近似 2次近似
1+x 1+x+x^2/2
| |
v v
真の値との誤差(次数を上げるほど誤差は小さくなるが0にはならない)
```
**推移表(x=0.5とx=1での比較)**:
| x | 真の値 e^x | 1次近似 1+x | 誤差(1次) | 2次近似 1+x+x²/2 | 誤差(2次) |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.5 | 約1.6487 | 1.5 | 約0.1487 | 1.625 | 約0.0237 |
| 1 | 約2.7183 | 2 | 約0.7183 | 2.5 | 約0.2183 |
**組合せ例**: この近似操作は多項式の微分操作関数(理-KAN-048)で使ったべき乗の微分公式を繰り返し適用して得られる係数(テイラー係数)を利用するものであり、指数関数(理-KAN-007)という「多項式ではない関数」を、低次の多項式で近似的に置き換える入口にあたる。近似の次数を上げるほど(1次→2次)誤差は小さくなるが、xが0から離れるほど(x=0.5よりx=1のほうが)誤差は大きくなる。
**検算行**: 1次近似1+xにx=0.5を代入すると1.5となり、真の値e^0.5=1.6487212707001282…との差は1.6487212707001282−1.5=0.1487212707001282であり、約0.149の近似誤差が生じる(真の値とは完全には一致しない。近似誤差: 約0.149)。2次近似1+x+x²/2にx=0.5を代入すると1+0.5+0.125=1.625となり、真の値との差は1.6487212707001282−1.625=0.023721270700128194であり、1次近似(約0.149)よりも誤差が小さくなっていることが確認できる(近似誤差: 約0.024。一致ではなく近似であることに注意)。
---
## 第九章 正式登録パターン(9)——指数・対数系統(理-KAN-051〜065)
### 理-KAN-051 自然指数関数(底e)
**定義式**: f(x) = e^x (e≈2.718281828459045)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
20 | *
14 | *
7 | *
3 | *
1 +------*---------- x
-2 -1 0 1 2 3
```
(理-KAN-007の2^xと同じ「急激な増加」の形だが、底がeであるぶん同じxでの増加が速い)
**推移表**:
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | 0.135 | 0.368 | 1 | 2.718 | 7.389 | 20.086 |
**組合せ例**: 理-KAN-007(2^x)と同じ指数関数の系統に属するが、底がe(≈2.718)であるぶん常に2^xより大きな値をとる(x=3では e^3≈20.086 > 2^3=8)。また複利計算(理-KAN-057)の「連続複利」極限や、複利の年利1.05のような一般の底a^xを比較する理-KAN-065の比較対象の一つでもある。
**検算行**: 定義式 e^x に x=2 を代入すると e^2≈7.389056 となり、推移表の値7.389と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-052 自然対数関数(底e)
**定義式**: f(x) = ln(x) (x>0、eを底とする対数)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
2 | *
1 | *
0 +--*--------------- x
-1 |*
0.5 1 e e² e³
```
(理-KAN-008の log₂(x) と同じ「緩やかな増加」の形)
**推移表**:
| x | 0.5 | 1 | e | e² | e³ |
|---|-----|---|---|----|----|
| f(x) | -0.693 | 0 | 1 | 2 | 3 |
**組合せ例**: 自然対数関数(理-KAN-052)は自然指数関数(理-KAN-051)の逆関数である。g(x)=e^x として f(g(x))=ln(e^x)=x となり、恒等関数(理-KAN-001)に戻る。理-KAN-008(log₂)とは底が異なるだけで形は同じ系統であり、両者の変換は理-KAN-064で扱う。
**検算行**: 定義式 ln(x) に x=e³ を代入すると ln(e³)=3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。x=0.5 では ln(0.5)=−ln(2)≈−0.693147 となり、推移表の−0.693とも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-053 常用対数関数(底10)
**定義式**: f(x) = log₁₀(x) (x>0、10を底とする対数)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
2 | *
1 | *
0 +--*--------------- x
1 2 10 100 1000
```
**推移表**:
| x | 1 | 2 | 10 | 100 | 1000 |
|---|---|---|----|----|------|
| f(x) | 0 | 0.301 | 1 | 2 | 3 |
**組合せ例**: 理-KAN-008(log₂)・理-KAN-052(ln)と同じ対数関数の系統であり、底が10であるため出力が1増えるたびに入力は10倍になる(log₂は入力2倍で出力1増加)。理-KAN-056の対数スケール変換や理-KAN-059の冪乗対数の恒等式は、いずれもこの常用対数を土台にしている。
**検算行**: 定義式 log₁₀(x) に x=1000 を代入すると 10³=1000 であるから log₁₀(1000)=3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。x=2 では log₁₀(2)≈0.301030 となり、推移表の0.301とも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-054 減衰指数関数(負の指数)
**定義式**: f(x) = e^(−x) (= 1/e^x)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 *
0.37| *
0.14| *
0.05| *
0.02| *
+------------------ x
0 1 2 3 4
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 0.368 | 0.135 | 0.0498 | 0.0183 |
**組合せ例**: 自然指数関数(理-KAN-051)の逆数 f(x)=1/e^x にあたり、xが1増えるごとに値はおよそ1/e(≈0.368)倍に縮む。半減期関数(理-KAN-058)や指数減衰振動の包絡線(理-KAN-063)は、いずれもこの減衰指数関数に係数・時定数を加えた一般形である。
**検算行**: 定義式 e^(−x) に x=4 を代入すると e^(−4)=1/e^4≈0.018316 となり、推移表の値0.0183と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-055 ロジスティック関数(S字カーブ)
**定義式**: f(x) = 1/(1+e^(−x))
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1.0 | ***
0.73| *
0.5 +--------*-------------- x
0.27| *
0.05*
-3 -1 0 1 3
```
(下側は0に、上側は1に漸近するS字曲線)
**推移表**:
| x | -3 | -1 | 0 | 1 | 3 |
|---|----|----|---|---|---|
| f(x) | 0.0474 | 0.269 | 0.5 | 0.731 | 0.953 |
**組合せ例**: 分母に減衰指数関数(理-KAN-054)の e^(−x) をそのまま用いた合成である。x→−∞で0、x→+∞で1に近づき、場合分け関数(理-KAN-020)や符号関数(理-KAN-015)のような「硬い」しきい値の代わりに、滑らかに切り替わる「軟らかいしきい値」として使われることが知られている。
**検算行**: 定義式に x=0 を代入すると 1/(1+e^0)=1/2=0.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。x=1 では 1/(1+e^(−1))=1/1.367879…≈0.731059 となり、推移表の0.731とも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-056 対数スケール変換関数
**定義式**: f(x) = log₁₀(x) / 3 (x∈[1,1000] を目盛位置[0,1]へ変換する対数スケール)
**概形図(ASCII)**:
```
実測値x --> [log10] --> log10(x) --> [÷3] --> 目盛位置(0〜1)
例: x=100 --> log10(100)=2 --> 2/3 ≈ 0.667
```
**推移表**:
| x | 1 | 10 | 100 | 1000 |
|---|---|----|-----|------|
| f(x) | 0 | 0.333 | 0.667 | 1 |
**組合せ例**: 常用対数関数(理-KAN-053)を内側の関数とし、その出力を3で割るアフィン変換(理-KAN-004の特殊形)を外側に重ねた合成(理-KAN-019の一般形)である。桁数が大きく異なる値(1〜1000)を、幅の限られた目盛(0〜1)上に均等に配置する用途で使われることが知られている。
**検算行**: 定義式 log₁₀(x)/3 に x=100 を代入すると log₁₀(100)/3=2/3≈0.667 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-057 複利計算関数
**定義式**: f(n) = 100000×(1.05)^n (元金10万円、年利5%、n年後の元利合計)
**概形図(ASCII)**:
```
f(n)
128000 | *
121551 | *
115763 | *
110250 | *
105000 | *
100000 *
+----------------------- n
0 1 2 3 4 5
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(n) | 100000 | 105000 | 110250 | 115762.5 | 121550.6 | 127628.2 |
**組合せ例**: 理-KAN-007(2^x)や理-KAN-051(e^x)と同じ「一定の比率で増える」指数関数の系統に属し、底が1.05である点だけが異なる。利子の支払い回数を無限に増やす連続複利では、この離散的な (1+r)^n が自然指数関数(理-KAN-051)の e^(rn) に近づくことが経済学で知られているとされる。
**検算行**: 定義式 100000×(1.05)^n に n=3 を代入すると 100000×1.157625=115762.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-058 半減期関数
**定義式**: f(t) = 80×(1/2)^(t/3) (初期量80、半減期3)
**概形図(ASCII)**:
```
f(t)
80 *
40 | *
20 | *
10 | *
5 | *
+------------------------ t
0 3 6 9 12
```
**推移表**:
| t | 0 | 3 | 6 | 9 | 12 |
|---|---|---|---|---|----|
| f(t) | 80 | 40 | 20 | 10 | 5 |
**組合せ例**: 減衰指数関数(理-KAN-054)の一般形であり、崩壊定数 λ=ln(2)/3(自然対数、理-KAN-052の値ln2≈0.693147を使用)を用いると f(t)=80×e^(−λt) という同値な式にも書き換えられる。t=6 で両方の式を計算すると、(1/2)^2×80=20 と 80×e^(−0.693147×2)=80×e^(−1.386294)≈20 が一致する。
**検算行**: 定義式 80×(1/2)^(t/3) に t=6 を代入すると 80×(1/2)²=80×0.25=20 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-059 冪乗対数(log(x^n)=n log x)関数
**定義式**: f(n) = log₁₀(2^n) (恒等式 log(x^n)=n・log(x) を x=2 で実演したもの、n=1〜5)
**概形図(ASCII)**:
```
f(n)
1.505| *
1.204| *
0.903| *
0.602| *
0.301|*
+------------------------ n
1 2 3 4 5
```
(直線状に増加する。log10(2)≈0.301刻みの等差数列になる)
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2^n | 2 | 4 | 8 | 16 | 32 |
| f(n)=log₁₀(2^n) | 0.301 | 0.602 | 0.903 | 1.204 | 1.505 |
**組合せ例**: 常用対数関数(理-KAN-053)に理-KAN-007(2^x)の値をそのまま入力した合成であり、恒等式 log₁₀(2^n)=n×log₁₀(2) が成り立つことを数値で確認できる。この恒等式は理-KAN-062(対数微分)で n/x という導関数の形を導く際の基礎にもなる。
**検算行**: 定義式 log₁₀(2^5)=log₁₀(32) を直接計算しても、n×log₁₀(2)=5×0.301030=1.505150 を計算しても、いずれも約1.505150となり両者は一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-060 指数の合成(二重指数、タワー関数の入口)
**定義式**: g(x)=2^x(理-KAN-007)として f(x)=g(g(x))=2^(2^x)
**概形図(ASCII)**:
```
入力x --> [g:2^x] --> 中間値 --> [g:2^x] --> 出力f(x)
例: x=2 --> g(2)=4 --> g(4)=16 --> f(2)=16
```
**推移表**:
| x | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|---|---|---|---|
| g(x)=2^x | 0.5 | 1 | 2 | 4 | 8 |
| f(x)=2^g(x) | 1.414 | 2 | 4 | 16 | 256 |
**組合せ例**: 理-KAN-019(合成の一般形)で g=h とした特殊例であり、理-KAN-022(反復適用)の記法では f=g²(2回反復)にあたる。単純な指数関数(理-KAN-007)よりもさらに急激に増大する「二重指数(タワー関数)」の入口であり、x=3では通常の2^xが8にとどまるのに対し f(3)=256 に達する。
**検算行**: 定義式 2^(2^x) に x=2 を代入すると、まず内側 2^2=4、続けて外側 2^4=16 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。x=3では内側2^3=8、外側2^8=256となり、これも推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-061 対数尺度の目盛変換関数
**定義式**: f(p) = 10^(3p) (理-KAN-056の逆変換。目盛位置p∈[0,1]を実測値x∈[1,1000]へ戻す)
**概形図(ASCII)**:
```
目盛位置p --> [×3] --> 3p --> [10^ ] --> 実測値x
例: p=2/3 --> 3p=2 --> 10^2=100
```
**推移表**:
| p | 0 | 1/3 | 2/3 | 1 |
|---|---|-----|-----|---|
| f(p) | 1 | 10 | 100 | 1000 |
**組合せ例**: これは理-KAN-056(対数スケール変換関数)の完全な逆関数(理-KAN-021参照)である。理-KAN-056の g(x)=log₁₀(x)/3 と本パターン f(p)=10^(3p) を合成すると、f(g(x))=10^(3×log₁₀(x)/3)=10^(log₁₀x)=x となり、恒等関数(理-KAN-001)に戻る。
**検算行**: 定義式 10^(3p) に p=2/3 を代入すると 10^2=100 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。さらに理-KAN-056の g(100)=log₁₀(100)/3=2/3 を計算してから本パターンに戻すと f(2/3)=100 となり、往復して元の値に戻ることも確認できる(実測: 一致)。
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### 理-KAN-062 対数微分関数
**定義式**: f(x) = d/dx[ln(x)] = 1/x (x>0)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 *
0.5 | *
0.25| *
0.2 | *
0.1 | *
+---------------------- x
1 2 4 5 10
```
**推移表**:
| x | 1 | 2 | 4 | 5 | 10 |
|---|---|---|---|---|----|
| f(x) | 1 | 0.5 | 0.25 | 0.2 | 0.1 |
**組合せ例**: 自然対数関数(理-KAN-052)を微分すると、比例定数が1の反比例関数(理-KAN-011のf(x)=6/xの6を1にした特殊形)に一致する。また「対数微分法」という手法を使うと、h(x)=x³ のような冪関数についても (ln h)'=h'/h=3/x が成り立ち、これは理-KAN-059の恒等式 log(x^n)=n log x の両辺を微分することで得られる。
**検算行**: 定義式 1/x に x=4 を代入すると 0.25 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。h(x)=x³ の対数微分をx=2で確かめると、h'(2)/h(2)=(3×2²)/2³=12/8=1.5 となり、これは n/x=3/2=1.5 と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-063 指数減衰振動の包絡線関数
**定義式**: f(t) = 10×e^(−0.3t) (振幅10、減衰率0.3の包絡線)
**概形図(ASCII)**:
```
f(t)
10 *
7.41| *
5.49| *
4.07| *
2.23| *
+---------------------- t
0 1 2 3 5
```
**推移表**:
| t | 0 | 1 | 2 | 3 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| f(t) | 10 | 7.408 | 5.488 | 4.066 | 2.231 |
**組合せ例**: 減衰指数関数(理-KAN-054)に振幅10と減衰率0.3というパラメータを加えた一般形である。実際の減衰振動 y(t)=10×e^(−0.3t)×cos(t)(周期関数、理-KAN-009参照)は、この包絡線±f(t)の内側に収まる(常に|y(t)|≤f(t)が成り立つ)。
**検算行**: 定義式 10×e^(−0.3t) に t=2 を代入すると 10×e^(−0.6)≈10×0.548812=5.488 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-064 自然対数と常用対数の変換関数
**定義式**: f(x) = ln(x) / ln(10) (= log₁₀(x)。変換定数 log₁₀e≈0.434294 を用いれば f(x)=0.434294×ln(x) とも書ける)
**概形図(ASCII)**:
```
ln(x) --> [÷ln(10)] --> log10(x)
例: ln(100)≈4.6052 --> 4.6052/2.302585 = 2
```
**推移表**:
| x | e | e² | 10 | 100 |
|---|---|----|----|----|
| f(x) | 0.434 | 0.869 | 1 | 2 |
**組合せ例**: 自然対数関数(理-KAN-052)と常用対数関数(理-KAN-053)を結ぶ「底の変換公式」の具体例である。一般に任意の底a,bについて log_b(x)=log_a(x)/log_a(b) が成り立つとされ、本パターンはa=e、b=10とした場合にあたる。x=10, 100 で計算した結果は理-KAN-053の log₁₀(10)=1、log₁₀(100)=2 とそれぞれ一致する。
**検算行**: 定義式 ln(x)/ln(10) に x=100 を代入すると ln(100)≈4.605170、ln(10)≈2.302585 であるから 4.605170/2.302585=2 となり、理-KAN-053のlog₁₀(100)=2と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-065 指数関数族の比較関数(底の大小比較)
**定義式**: 3つの底 a=2(理-KAN-007), a=e(理-KAN-051), a=3 について f_a(x)=a^x を並べて比較する
**概形図(ASCII)**:
```
f_a(x)
81 | * (a=3)
55 | * (a=e)
16 | * (a=2)
1 +---*---*---*------------------ x
-1 0 1 2 3 4
```
(x>0では底が大きいほど上に来る。x<0側は順序が逆転する)
**推移表**:
| x | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|----|---|---|---|---|---|
| 2^x | 0.5 | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 |
| e^x | 0.368 | 1 | 2.718 | 7.389 | 20.086 | 54.598 |
| 3^x | 0.333 | 1 | 3 | 9 | 27 | 81 |
**組合せ例**: 理-KAN-007(底2)と理-KAN-051(底e)を並べて比較すると、2<e<3 という底の大小関係がそのままx>0での増加速度の速さの順序になっている(x=4で 16<54.598<81)。一方x<0側では大小関係が反転し、x=-1では 0.5>0.368>0.333 となって底が大きいほど値は小さくなる。
**検算行**: x=4 のとき 2^4=16、e^4≈54.598、3^4=81 であり、16<54.598<81 という大小関係が成立する(実測: 一致)。x=-1 のとき 2^(-1)=0.5、e^(-1)≈0.368、3^(-1)≈0.333 であり、0.5>0.368>0.333 と順序が逆転することも確認できる(実測: 一致)。
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## 第十章 正式登録パターン(10)——周期・波形系統(理-KAN-066〜080)
### 理-KAN-066 余弦関数(cos型)
**定義式**: f(x) = cos(πx/3) (整数xで観測、周期6)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 * *
0.5 * *
0 +-----*-------- x
-0.5 * *
-1 *
0 1 2 3 4 5 6
```
(1→0.5→-0.5→-1→-0.5→0.5→1 を繰り返す、理-KAN-009の周期4の波より一山あたりの幅が広い)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 0.5 | -0.5 | -1 | -0.5 | 0.5 | 1 |
**組合せ例**: 余弦は正弦を位相π/2だけ進めた形であり、恒等式 cos(θ)=sin(θ+π/2) が成り立つ。実際 x=1 のとき cos(π/3)=0.5 であり、右辺は sin(π/3+π/2)=sin(5π/6)=sin(π−π/6)=sin(π/6)=0.5 となって一致する。この恒等式は理-KAN-073(位相差関数)で位相のずれそのものをテーマにする際の土台になる。
**検算行**: x=2 のとき cos(2π/3)=cos(π−π/3)=−cos(π/3)=−0.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-067 正接関数(tan型)
**定義式**: f(x) = tan(πx/4) (整数xで観測、周期4。ただし x=2,6,10,…(4の倍数+2)では分母がゼロに近づき値が定義されない)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * : *
0 +-*-----*---:-*---- x
-1 | :
-1 0 1 2 3 4 5
(x=2の位置に漸近線 : がある)
```
**推移表**:
| x | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|----|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | -1 | 0 | 1 | 未定義(漸近線) | -1 | 0 | 1 |
**組合せ例**: tan(θ)=sin(θ)/cos(θ) であるから、正接関数は正弦(理-KAN-009型)を余弦(理-KAN-066)で割った「合成された比」とみなせる。分母である cos(πx/4) が0に近づく x=2 の付近で tan は急激に絶対値を増し、理-KAN-011(反比例関数)がx=0付近で発散するのと同じ「割り算パターンが分母ゼロで破綻する」という構造上の親戚関係にある。
**検算行**: x=3 のとき tan(3π/4)=tan(π−π/4)=−tan(π/4)=−1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。なお x=2 では πx/4=π/2 となり、数値計算上も tan(π/2) は非常に大きな値(浮動小数点計算では10^16オーダー)として現れ、理論上の「定義域外」と整合する(実測: 発散を確認)。
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### 理-KAN-068 矩形波関数
**定義式**:
```
f(x) = 1 (0 ≤ x mod 4 < 2 のとき)
f(x) = -1 (2 ≤ x mod 4 < 4 のとき)
```
(周期4、振幅±1、オン/オフの比率(デューティ比)は50%)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 |*** *** ***
0 +--------------------- x
-1 | *** ***
0 1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 1 | -1 | -1 | 1 | 1 | -1 | -1 |
**組合せ例**: 矩形波は理-KAN-015(符号関数)を周期的に反転させたものであり、理-KAN-014(剰余関数)の mod 4 の結果を場合分け(理-KAN-020)で±1に変換した構成である。1周期(4区間)のうちオン(+1)とオフ(−1)がちょうど半分ずつなので、1周期平均は (1+1−1−1)/4=0 となる。これは理-KAN-079(デューティ比可変矩形波)でデューティ比を50%からずらすと平均が0からずれることの比較対象になる。
**検算行**: x=6 のとき 6 mod 4=2 であるから場合分けの後段が適用され f(6)=−1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-069 三角波関数
**定義式**: f(x) = 1 − |((x+1) mod 4) − 2| (周期4、振幅±1、区分的に直線でつながる)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * *
0 |* * *
-1 | *
-1 0 1 2 3 4 5
```
(直線で山と谷をつなぐ、理-KAN-066のような滑らかな曲線ではなく折れ線)
**推移表**:
| x | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|----|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | -1 | 0 | 1 | 0 | -1 | 0 | 1 |
**組合せ例**: 整数点だけを見ると理-KAN-009(sin(πx/2))と全く同じ数列 0,1,0,−1 が現れるが、両者は別物である。半整数 x=0.5 で比べると、三角波は f(0.5)=1−|(1.5 mod 4)−2|=1−0.5=0.5 という直線補間の値になるのに対し、sin(π・0.5/2)=sin(π/4)≈0.7071 は曲線上の値になる。整数点での一致と非整数点での不一致が、折れ線パターンと曲線パターンの違いを具体的に示している。
**検算行**: x=3 のとき (3+1) mod 4=0 であるから |0−2|=2 となり f(3)=1−2=−1 となって、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-070 のこぎり波関数
**定義式**: f(x) = (x mod 4) − 2 (周期4、範囲は−2から1、直線的に上昇したのち急落する)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * *
0 | * *
-1 | * *
-2 |* *
0 1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | -2 | -1 | 0 | 1 | -2 | -1 | 0 | 1 |
**組合せ例**: のこぎり波は理-KAN-014(剰余関数、x mod 3の例)と同じ「mod演算」を土台にしており、ここでは mod 4 の結果を2だけ下にシフトしただけの構造である。理-KAN-069(三角波)と同じく区分的に直線だが、三角波が山と谷をなめらかに折り返すのに対し、のこぎり波は上昇し続けた末に不連続な急落(x=3→4で1から−2へ)を起こす点が対照的である。
**検算行**: x=7 のとき 7 mod 4=3 であるから f(7)=3−2=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-071 減衰振動関数
**定義式**: f(x) = 2^(−x) · sin(πx/2) (振動成分は理-KAN-009と同じ周期4、振幅は2^(−x)に従って減衰する)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
0.5 | *
0 +--+--*--+--*--+--*-- x
-0.125 *
0 1 2 3 4 5 6
```
(山の高さが 0.5 → 0.03125 と急速に0へ近づきながら振動する)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 0.5 | 0(≈0) | -0.125 | 0(≈0) | 0.03125 | 0(≈0) |
**組合せ例**: これは理-KAN-009(周期関数 sin(πx/2))と理-KAN-007(指数関数、ここでは底2の逆数を使った減衰版 2^(−x))を掛け合わせた合成である。振動の山の高さを比べると x=1 で0.5、x=3 で−0.125となり、比は 0.5/0.125=4=2^2 で、xが2進むごとに振幅が1/4になる減衰の速さが確認できる。
**検算行**: x=3 のとき 2^(−3)=0.125、sin(3π/2)=−1 であるから f(3)=0.125×(−1)=−0.125 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-072 複合周期関数(異なる周期の重ね合わせ)
**定義式**: F(x) = sin(πx/2) + cos(πx/3) (周期4の波(理-KAN-009)と周期6の波(理-KAN-066)を単純に加算)
**概形図(ASCII)**:
```
F(x)
1.5 | * *
1 | * *
0 +--*-----------------*----- x
-0.5 | * * * *
-2 | *
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
```
(2つの単純な波を足しただけなのに、全体としては単純な周期4にも周期6にも見えない複雑な形になる)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|----|----|----|
| sin(πx/2) | 0 | 1 | 0 | -1 | 0 | 1 | 0 | -1 | 0 | 1 | 0 | -1 | 0 |
| cos(πx/3) | 1 | 0.5 | -0.5 | -1 | -0.5 | 0.5 | 1 | 0.5 | -0.5 | -1 | -0.5 | 0.5 | 1 |
| F(x) | 1 | 1.5 | -0.5 | -2 | -0.5 | 1.5 | 1 | -0.5 | -0.5 | 0 | -0.5 | -0.5 | 1 |
**組合せ例**: 周期4の理-KAN-009と周期6の理-KAN-066を足し合わせると、全体の繰り返し周期は最小公倍数 LCM(4,6)=12 になる。実際 x=12 の値 F(12)=1 は x=0 の値 F(0)=1 と一致しており、周期12で最初の状態に戻ることが確認できる。この「異なる周期の合成周期はLCMになる」という仕組みは理-KAN-076で一般化して扱う。
**検算行**: x=3 のとき sin(3π/2)=−1、cos(π)=−1 であるから F(3)=−1+(−1)=−2 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-073 位相差関数
**定義式**: f(x) = cos(πx/2) = sin(πx/2 + π/2) (理-KAN-009 の g(x)=sin(πx/2) に対し位相をπ/2(=x換算で1単位)だけ進めた形。f(x)=g(x+1) が成立する)
**概形図(ASCII)**:
```
g(x)=sin(πx/2): 0 1 0 -1 0 1 0 -1
f(x)=cos(πx/2): 1 0 -1 0 1 0 -1 0
↑ fはgより1つ先の値を先取りしている(位相が90°進んでいる)
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 0 | -1 | 0 | 1 | 0 | -1 | 0 |
**組合せ例**: 位相差の本質は f(x)=g(x+1) という「xをずらして同じ形の関数を得る」関係にある。理-KAN-009の g(x)=sin(πx/2) を使うと、g(1)=sin(π/2)=1 は f(0)=cos(0)=1 と一致し、g(3)=sin(3π/2)=−1 は f(2)=cos(π)=−1 と一致する。両者は同じ周期4を持ちながら、常に1だけ「ずれた」値を返す構造である。なお本パターンの式 cos(πx/2) は理-KAN-066(cos(πx/3)、周期6)とは分母の3が2に変わっており周期が異なる別物である点に注意する。
**検算行**: x=5 のとき cos(5π/2)=cos(5π/2−2π)=cos(π/2)=0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-074 包絡線変調関数
**定義式**: 搬送波(キャリア) c(x) = (−1)^x(周期2で高速に符号反転)、包絡線 e(x) = 2 + 0.5cos(πx/2)(周期4で緩やかに振幅が変化)として F(x) = e(x)・c(x)
**概形図(ASCII)**:
```
F(x)
2.5 |* *
1.5 | * *
0 +-------------------- x
-1.5| * *
-2 | * *
0 1 2 3 4 5 6 7
```
(振幅の上限が2.5と1.5の間を周期4でゆっくり変化しながら、符号自体は周期2で細かく反転する)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| e(x) | 2.5 | 2 | 1.5 | 2 | 2.5 | 2 | 1.5 | 2 |
| c(x) | 1 | -1 | 1 | -1 | 1 | -1 | 1 | -1 |
| F(x) | 2.5 | -2 | 1.5 | -2 | 2.5 | -2 | 1.5 | -2 |
**組合せ例**: 包絡線 e(x) は理-KAN-073と同型の cos(πx/2) を土台にしており(0.5倍・+2のアフィン変換つき)、理-KAN-071(減衰振動)と同じ「振幅を別の関数で変調する」構造を持つ。ただし理-KAN-071の包絡線 2^(−x) が単調に0へ収束していくのに対し、本パターンの包絡線は0に近づかず一定の範囲(1.5〜2.5)を周期的に往復し続ける点が異なる(減衰ではなく変調)。
**検算行**: x=2 のとき e(2)=2+0.5cos(π)=2+0.5×(−1)=1.5、c(2)=(−1)^2=1 であるから F(2)=1.5×1=1.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-075 ビート(うなり)関数
**定義式**: g(x) = sin(πx/2) + sin(πx/6) (周期4の波と周期12の波の和)。積和公式により g(x) = 2cos(πx/6)・sin(πx/3) と書き直せる。緩やかに変化する 2cos(πx/6)(周期12)が「うなりの包絡線」となり、速く振動する sin(πx/3)(周期6)の振幅を包み込む。
**概形図(ASCII)**:
```
g(x)
1.5 | * *
0.87| * *
0 |* * *
0 1 2 3 4 5 6
```
(振幅が 0→1.5→約0.87→0 と満ち引きし、うなりの包絡線が現れる)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| sin(πx/2) | 0 | 1 | 0 | -1 | 0 | 1 | 0 |
| sin(πx/6) | 0 | 0.5 | ≈0.87 | 1 | ≈0.87 | 0.5 | 0 |
| g(x) | 0 | 1.5 | ≈0.87 | 0 | ≈0.87 | 1.5 | ≈0 |
**組合せ例**: 本パターンは理-KAN-072と同じ「異なる周期の和」という材料(周期4と周期12の波)を使っているが、072がそのまま和の値を並べるのに対し、075では積和公式で g(x)=2cos(πx/6)sin(πx/3) と因数分解し、緩やかな包絡線 2cos(πx/6)(理-KAN-066と同型の余弦)と速い搬送波 sin(πx/3) に分離して見せる点が異なる。この分離によって「うなり」という現象が、実は2つの波の和を別の見方で表しただけであることが分かる。
**検算行**: x=1 のとき g(1)=sin(π/2)+sin(π/6)=1+0.5=1.5。積和公式側でも 2cos(π/6)sin(π/3)=2×(√3/2)×(√3/2)=2×(3/4)=1.5 となり、両方の計算が厳密に一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-076 周期の最小公倍数合成関数
**定義式**: p(x)(理-KAN-068と同型の周期4の矩形波)と q(x) = (x mod 3) − 1(周期3の整数のこぎり型)を用いて F(x) = p(x) + q(x)。4と3は互いに素なので、合成後の周期は最小公倍数 LCM(4,3)=12(=4×3、積と一致)になる。
**概形図(ASCII)**:
```
F(x)
2 | * *
1 | * *
0 |* * * *
-1 | *
-2 | * *
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|----|----|----|
| p(x) | 1 | 1 | -1 | -1 | 1 | 1 | -1 | -1 | 1 | 1 | -1 | -1 | 1 |
| q(x) | -1 | 0 | 1 | -1 | 0 | 1 | -1 | 0 | 1 | -1 | 0 | 1 | -1 |
| F(x) | 0 | 1 | 0 | -2 | 1 | 2 | -2 | -1 | 2 | 0 | -1 | 0 | 0 |
**組合せ例**: 理-KAN-072では周期4と周期6(公約数2を持つ)を合成し、LCMは4×6=24ではなく12(積より小さい)になった。本パターンでは互いに素な周期4と3を合成しており、LCMはちょうど積と同じ12になる。両者を比べると、「合成後の周期が単純な積になるのは、元の周期が互いに素なときに限る」という一般則が具体的な数値で確認できる。
**検算行**: x=5 のとき p(5)=p(5 mod 4=1)=1(1<2なので)、q(5)=(5 mod 3)−1=2−1=1 であるから F(5)=1+1=2 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-077 半波整流関数
**定義式**: f(x) = max(sin(πx/2), 0) (負の半周期をすべて0に切り落とす)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * *
0 +-*---*---*---*---*-- x
0 1 2 3 4 5 6 7
```
(負の谷がすべて0に押しつぶされている)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
**組合せ例**: これは理-KAN-016(ReLU関数、max(x,0))を理-KAN-009(sin(πx/2))にそのまま適用した合成 f(x)=ReLU(g(x)) である。g(3)=sin(3π/2)=−1 は負であるから ReLU(g(3))=max(−1,0)=0 に切り落とされ、g(1)=1 は正であるから ReLU(g(1))=1 のまま残る。電源回路で交流の負側を捨てる整流の基本形に対応するとされる。
**検算行**: x=5 のとき sin(5π/2)=1 であるから max(1,0)=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-078 全波整流関数
**定義式**: f(x) = |sin(πx/2)| (正負どちらの半周期も正側に折り返す)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | * * * *
0 +-*-------------------- x
0 1 2 3 4 5 6 7
```
(すべての谷が山として上向きに折り返される)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 |
**組合せ例**: 本パターンは理-KAN-010(絶対値関数)を理-KAN-009に適用した合成 f(x)=|g(x)| である。理-KAN-077(半波整流)が負の半周期を0に捨てるのに対し、全波整流は負の半周期を正側に折り返して活かすため、繰り返しの間隔が理-KAN-009の周期4の半分、すなわち周期2にまで縮まる(実際 x=1→3→5→7 で同じ値1が周期2で現れている)。電源回路では整流後のリップル(脈動)の周波数が半波整流の2倍になることに対応するとされる。
**検算行**: x=3 のとき sin(3π/2)=−1 であるから |−1|=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-079 デューティ比可変矩形波関数
**定義式**: 周期T=10、デューティ比D=30%(オン時間3・オフ時間7)として f(x) = 1(0 ≤ x mod 10 < 3のとき)、f(x) = 0(3 ≤ x mod 10 < 10のとき)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 |***
0 | *******
+------------------ x
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
```
(オンの区間がオフの区間よりずっと短い)
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
**組合せ例**: 理-KAN-068(矩形波)はデューティ比50%(オン2・オフ2)の特殊形であり、振幅を±1にとっていた。本パターンは振幅を0/1にとり、デューティ比を30%に変えた一般化版である。0/1振幅のデューティ比可変矩形波では、1周期の平均値(理-KAN-025の集約関数、累積和を項数で割ったもの)がちょうどデューティ比の値そのものになるという性質がある。
**検算行**: 1周期分の平均を計算すると (1+1+1+0+0+0+0+0+0+0)/10 = 3/10 = 0.3 となり、これはデューティ比D=30%=0.3と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-080 離散フーリエ的分解の入口関数
**定義式**: θ=π/2 に固定し、奇数次の正弦波を重み付きで足し合わせた部分和 S_n(θ) = (4/π)・Σ(k=1 to n) sin((2k−1)θ)/(2k−1) を考える。n→∞ のときこの和は矩形波(理-KAN-068型)の目標値1に近づいていくことが知られているとされる。
**概形図(ASCII)**:
```
S_n(π/2) 目標値=1
1.27 *
1.10 *
1.00 - - - - - - - - - - (目標値のライン)
0.92 *
0.85 *
n=1 n=2 n=3 n=4
```
(項を増やすほど、目標値1のまわりを振動しながら近づいていく)
**推移表**:
| n(足し合わせた項数) | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| S_n(π/2) | ≈1.2732 | ≈0.8488 | ≈1.1035 | ≈0.9216 |
**組合せ例**: 理-KAN-072・理-KAN-075・理-KAN-076はいずれも「単純な波を足し合わせて複雑な周期パターンを作る」順方向の合成だった。本パターンはその逆方向、すなわち理-KAN-068のような矩形波を先に与え、それを単純な正弦波(理-KAN-009型)の重み付きの和として近似的に表現し直す試みである。このように任意の周期的な形を単純な正弦・余弦の和に分解するという発想は、一般に(離散・連続の)フーリエ変換と呼ばれる手法の入口になっているとされる。特定の研究者名や成立年代については本冊では断定しない。
**検算行**: n=3 までの部分和を実際に計算すると、1−1/3+1/5=15/15−5/15+3/15=13/15≈0.8667 であり、4/π≈1.2732 を掛けると S_3≈1.2732×0.8667≈1.1035 となって、推移表の値と一致する(実測: ほぼ一致、丸め誤差の範囲)。
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## 第十一章 正式登録パターン(11)——端数処理・離散系統(理-KAN-081〜095)
### 理-KAN-081 天井関数(切り上げ)
**定義式**: f(x) = ⌈x/2⌉ (小数点以下切り上げ)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
4 | **
3 | **
2 | **
1 |**
0 +----------------- x(階段状、区間の左端で値が上がる)
0 1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 |
**組合せ例**: 天井関数(081)と床関数(理-KAN-013、⌊x/2⌋)を比較すると、xが偶数のときは両者は一致し(例: x=6で⌊6/2⌋=3、⌈6/2⌉=3)、xが奇数のときは天井関数の方が1大きくなる(例: x=7で⌊7/2⌋=3、⌈7/2⌉=4)。この差はちょうどパリティ写像(理-KAN-026、x mod 2)の値に等しく、⌈x/2⌉ − ⌊x/2⌋ = x mod 2 という関係が成立する(x=7では 4−3=1、7 mod 2=1で一致)。
**検算行**: 定義式 ⌈7/2⌉ を計算すると 7/2=3.5 の小数点以下切り上げで 4 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-082 四捨五入関数
**定義式**: f(x) = ⌊x + 0.5⌋ (x≥0、小数第一位が5以上なら切り上げ、4以下なら切り捨てとする規約)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
4 | *
3 | * *
2 |* * *
1 |*
+--------------------------- x
1.2 1.5 1.8 2.4 2.5 2.6 3.5
```
**推移表**:
| x | 1.2 | 1.5 | 1.8 | 2.4 | 2.5 | 2.6 | 3.5 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 |
**組合せ例**: 四捨五入関数は天井関数(理-KAN-081)と切り捨て関数(理-KAN-083)のどちらか一方を、小数部の大きさによって選択するパターンである。x=2.4のとき小数部0.4は0.5未満なので切り捨て側(⌊2.4⌋=2)に一致し、x=2.5のとき小数部0.5は境界に達するため切り上げ側(⌈2.5⌉=3)に一致する。実際 ⌊2.4+0.5⌋=⌊2.9⌋=2、⌊2.5+0.5⌋=⌊3.0⌋=3 であり、境界値5をどちら側に丸めるかという規約が結果を決めている。
**検算行**: 定義式 ⌊2.6+0.5⌋ を計算すると 2.6+0.5=3.1 の小数点以下切り捨てで 3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-083 切り捨て関数(小数部除去)
**定義式**: f(x) = trunc(x) (符号を保ったまま小数部を除去する、すなわち0方向への丸め)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
2 | *
1 | *
0 +-------*-------- x
-1 | *
-2 |*
-2.7 -1.3 0 1.3 2.7 3.9
```
**推移表**:
| x | -2.7 | -1.3 | 0 | 1.3 | 2.7 | 3.9 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
**組合せ例**: 切り捨て関数(0方向への丸め)は床関数(理-KAN-013、−∞方向への丸め)と、正の数の範囲では一致するが、負の数では異なる。x=-2.7 のとき本パターンは小数部を単純に除去して trunc(-2.7)=-2 となるが、床関数の定義 ⌊x⌋(xを超えない最大の整数)では -3 ≤ -2.7 < -2 であるため ⌊-2.7⌋=-3 となる。両者の差はxが負の非整数のときにちょうど1になる。
**検算行**: 定義式 trunc(-2.7) を計算すると符号を保って小数部.7を除去し -2 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-084 最大公約数関数(GCD)
**定義式**: ユークリッドの互除法により f(a,b) = gcd(a,b)、gcd(a,0)=a、gcd(a,b)=gcd(b, a mod b) (b>0のとき)
**概形図(ASCII)**:
```
gcd(36,24) の計算:
36 mod 24 = 12 --> gcd(24,12)
24 mod 12 = 0 --> gcd(12,0) = 12
よって gcd(36,24) = 12
```
**推移表**:
| (a,b) | (36,24) | (18,24) | (12,18) | (7,13) |
|---|---|---|---|---|
| f(a,b)=gcd(a,b) | 12 | 6 | 6 | 1 |
**組合せ例**: 最大公約数は最小公倍数(理-KAN-085)と gcd(a,b)×lcm(a,b) = a×b という関係で結ばれている。実際 (a,b)=(18,24) のとき gcd=6、lcm=18×24/6=72 であり、6×72=432=18×24 が成立する(実測: 一致)。gcd(a,b)=1 となる組(互いに素)は素数判定(理-KAN-086)とも関係が深く、(7,13)のように両方が素数であれば必ず互いに素になる。
**検算行**: 定義式に従い gcd(18,24) を計算すると、24 mod 18=6、続けて 18 mod 6=0 であるから gcd(18,24)=6 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-085 最小公倍数関数(LCM)
**定義式**: f(a,b) = a×b / gcd(a,b)
**概形図(ASCII)**:
```
lcm(4,6) の計算:
gcd(4,6) = 2
lcm(4,6) = 4×6 / 2 = 24/2 = 12
```
**推移表**:
| (a,b) | (4,6) | (6,8) | (5,7) | (9,12) |
|---|---|---|---|---|
| gcd(a,b) | 2 | 2 | 1 | 3 |
| f(a,b)=lcm(a,b) | 12 | 24 | 35 | 36 |
**組合せ例**: 最小公倍数は最大公約数(理-KAN-084)と対になるパターンである。(a,b)=(5,7)のように互いに素(gcd=1)な組では lcm(a,b)=a×b にそのまま一致する(実際 5×7=35=lcm(5,7))。一方 (a,b)=(9,12)のように公約数3を持つ組では lcm=9×12/3=36 となり、単純な積108より小さくなる。
**検算行**: 定義式に従い lcm(6,8) を計算すると、gcd(6,8)=2(8 mod 6=2、6 mod 2=0)であるから lcm(6,8)=6×8/2=48/2=24 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-086 素数判定関数
**定義式**: f(n) = true (n≥2 かつ、2以上⌊√n⌋以下のいかなる整数dでもnを割り切れないとき)、それ以外は false
**概形図(ASCII)**:
```
n=17, ⌊√17⌋=4 の判定:
17 mod 2 = 1 (割り切れない)
17 mod 3 = 2 (割り切れない)
17 mod 4 = 1 (割り切れない)
→ 17は素数(true)
```
**推移表**:
| n | 2 | 4 | 6 | 9 | 11 | 12 | 13 | 17 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(n) | true | false | false | false | true | false | true | true |
**組合せ例**: 素数判定は約数の個数関数(理-KAN-087)と表裏一体である。n>1が素数であることと、その約数の個数がちょうど2個(1とn自身)であることは同値である。実際 n=13 は素数(f(13)=true)であり、約数の個数関数で確認すると約数は1,13のみで個数は2個となる。また最大公約数関数(理-KAN-084)の観点では、nが素数であれば1からn−1までの全ての整数kについて gcd(n,k)=1 が成り立つ。
**検算行**: n=12 について ⌊√12⌋=3 の範囲で調べると 12 mod 2=0 で割り切れてしまうため f(12)=false となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-087 約数の個数関数
**定義式**: f(n) = |{d : 1≤d≤n, n mod d = 0}| (nの正の約数の個数)
**概形図(ASCII)**:
```
12の約数を1から12まで走査:
1,2,3,4,6,12 が割り切れる(6個)
5,7,8,9,10,11 は割り切れない
→ d(12) = 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 6 | 12 | 16 | 17 | 24 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(n)=d(n) | 1 | 4 | 6 | 5 | 2 | 8 |
**組合せ例**: 約数の個数は素数判定(理-KAN-086)の判定基準そのものである(d(n)=2 ⇔ nは素数、n>1の場合)。n=17はd(17)=2であり素数と判定される一方、n=12はd(12)=6であり素数ではない。また約数の総和関数(理-KAN-088)とは対になる集約であり、同じ約数集合{1,2,3,4,6,12}に対して個数(本パターン)を数えるか総和(理-KAN-088)を取るかの違いになっている。
**検算行**: 定義式に従い n=24 の約数を1から24まで走査すると 1,2,3,4,6,8,12,24 の8個が割り切れ、d(24)=8 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-088 約数の総和関数
**定義式**: f(n) = Σ{d : 1≤d≤n, n mod d = 0} d (nの正の約数の総和、σ(n)とも表記される)
**概形図(ASCII)**:
```
12の約数: 1, 2, 3, 4, 6, 12
総和: 1+2+3+4+6+12 = 28
```
**推移表**:
| n | 6 | 12 | 16 | 17 | 24 |
|---|---|---|---|---|---|
| f(n)=σ(n) | 12 | 28 | 31 | 18 | 60 |
**組合せ例**: 約数の総和は約数の個数(理-KAN-087)と同じ約数集合から生成される、もう一つの集約値である。n=6の場合、6自身を除いた約数の和が 1+2+3=6 となり自分自身に等しくなる性質を持ち、このような数は完全数として知られている。素数判定(理-KAN-086)との関係では、nが素数のとき約数は1とn自身の2つだけなので σ(n)=1+n となる(実際 n=17 は素数で σ(17)=1+17=18)。
**検算行**: 定義式に従い n=16 の約数 1,2,4,8,16 を合計すると 1+2+4+8+16=31 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-089 桁和関数
**定義式**: f(n) = Σ(nの各10進桁の数字) (例: n=456なら4+5+6)
**概形図(ASCII)**:
```
12345 の各桁: 1,2,3,4,5
桁和: 1+2+3+4+5 = 15
```
**推移表**:
| n | 7 | 456 | 999 | 1000 | 12345 |
|---|---|---|---|---|---|
| f(n) | 7 | 15 | 27 | 1 | 15 |
**組合せ例**: 桁和は剰余関数(理-KAN-014)と「9で割った余りが等しくなる」という関係で結ばれていることが知られている(いわゆる9の倍数判定の仕組みの基礎)。実際 n=12345 の桁和は15であり、n mod 9 を直接計算すると 12345=9×1371+6 で余り6、桁和15をさらに mod 9 すると 15 mod 9=6 となり一致する(実測: 一致)。
**検算行**: 定義式に従い n=999 の各桁 9,9,9 を合計すると 9+9+9=27 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-090 桁数関数
**定義式**: f(n) = ⌊log₁₀(n)⌋ + 1 (n≥1の整数、10進表記での桁数)
**概形図(ASCII)**:
```
桁数
6 | *
5 | *
3 | *
2 | *
1 |*
+-------------------------- n(対数目盛、10の冪を跨ぐたびに1段上がる)
7 99 100 12345 999999
```
**推移表**:
| n | 7 | 99 | 100 | 12345 | 999999 |
|---|---|---|---|---|---|
| f(n) | 1 | 2 | 3 | 5 | 6 |
**組合せ例**: 桁数関数は桁和関数(理-KAN-089)と同じ10進表記を出発点にするが、こちらは「何個の数字が並ぶか」という長さを、桁和は「数字の値そのものの合計」を扱う点で異なる集約である。また進数変換(理-KAN-091)における2進桁数は ⌊log₂(n)⌋+1 という類似の式で表せ、底を10から2に変えた対応関係にある(例: n=12 は10進では2桁だが2進では1100の4桁になる)。
**検算行**: n=100 について10進表記を数えると "100" は3個の数字からなるため f(100)=3 となり、これは ⌊log₁₀(100)⌋+1=2+1=3 とも一致し、推移表の値とも一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-091 進数変換関数(2進・16進)
**定義式**: f(n) を「nを2で割った商と余りを繰り返し求め、余りを逆順に並べる」ことで2進表記を、16で同様の操作を行うことで16進表記(10〜15をA〜Fで表す)を得る変換とする。
**概形図(ASCII)**:
```
12 ÷ 2 = 6 余り0
6 ÷ 2 = 3 余り0
3 ÷ 2 = 1 余り1
1 ÷ 2 = 0 余り1
余りを下から上に読む → 1100(2進)
12 = 0×16 + 12 → 12は16進の桁で"C"
よって12の進数変換: 2進=1100, 16進=C
```
**推移表**:
| n(10進) | 9 | 12 | 16 | 255 |
|---|---|---|---|---|
| 2進 | 1001 | 1100 | 10000 | 11111111 |
| 16進 | 9 | C | 10 | FF |
**組合せ例**: 2進変換の各ステップは床関数(理-KAN-013)と剰余関数(理-KAN-014、ここでは底2)を交互に使う手続きそのものである。n=12 の変換では ⌊12/2⌋=6 と 12 mod 2=0、続けて ⌊6/2⌋=3 と 6 mod 2=0、⌊3/2⌋=1 と 3 mod 2=1、⌊1/2⌋=0 と 1 mod 2=1 という4段の商・余りの列が「1100」という並びをそのまま生成している。
**検算行**: n=255 について2進変換すると、255=11111111₂(8個の1、2⁸−1=255であるため)であり、16進変換では 255=15×16+15 で各桁が15(F)となるため FF となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-092 ビット反転関数
**定義式**: f(x) = 255 − x (8ビット幅でx(0〜255)の各ビットを0↔1に反転させることと同値)
**概形図(ASCII)**:
```
12 = 00001100 (2進)
NOT(12) = 11110011 (各ビットを反転)
= 128+64+32+16+2+1 = 243
```
**推移表**:
| x | 0 | 9 | 12 | 255 |
|---|---|---|---|---|
| f(x)=NOT(x) | 255 | 246 | 243 | 0 |
**組合せ例**: ビット反転はAND(理-KAN-093)・OR(理-KAN-094)と組み合わせるとド・モルガンの法則(NOT(a AND b)=NOT(a) OR NOT(b))が成立することが知られている。実際 a=12,b=9 のとき a AND b=8、NOT(8)=255−8=247 であり、一方 NOT(12)=243、NOT(9)=246 のORを取ると 243(11110011) OR 246(11110110) = 247(11110111) となって一致する(実測: 一致)。またJSの `~` 演算子は32ビット全体を対象に ~x=−(x+1) を返すため(例: ~12=−13)、8ビット幅に折り返すと (−13+256) mod 256=243 となり本パターンの値と一致する。
**検算行**: 定義式 255−9 を計算すると 246 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-093 論理積(AND)写像関数
**定義式**:
```
a | b | a AND b
--+---+--------
0 | 0 | 0
0 | 1 | 0
1 | 0 | 0
1 | 1 | 1
```
複数ビットの整数には各桁ごとにこの表を適用する(ビットごとの論理積)。
**概形図(ASCII)**:
```
12 = 1100
9 = 1001
AND = 1000 (= 8)
```
**推移表**:
| (a,b) | (12,9) | (6,3) | (15,9) |
|---|---|---|---|
| f(a,b)=a AND b | 8 | 2 | 9 |
**組合せ例**: AND写像はOR(理-KAN-094)・XOR(理-KAN-095)と合わせてビット演算の三本柱をなす。a=12,b=9 の例では a AND b=8(1000)であり、これはaとbの2進表記(1100と1001)で「両方が1のビットだけ」を残す操作になっている。ビット反転(理-KAN-092)と組み合わせるとド・モルガンの法則 NOT(a AND b)=NOT(a) OR NOT(b) が成立する(検証は理-KAN-092参照)。
**検算行**: 定義式に従い 15(1111) AND 9(1001) を各桁ごとに計算すると 1001(=9) となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-094 論理和(OR)写像関数
**定義式**:
```
a | b | a OR b
--+---+-------
0 | 0 | 0
0 | 1 | 1
1 | 0 | 1
1 | 1 | 1
```
複数ビットの整数には各桁ごとにこの表を適用する(ビットごとの論理和)。
**概形図(ASCII)**:
```
12 = 1100
9 = 1001
OR = 1101 (= 13)
```
**推移表**:
| (a,b) | (12,9) | (6,3) | (15,9) |
|---|---|---|---|
| f(a,b)=a OR b | 13 | 7 | 15 |
**組合せ例**: OR写像はAND(理-KAN-093)と相補的で「少なくとも一方が1のビット」を残す操作である。a=12,b=9 のとき a AND b=8(1000)、a XOR b=5(0101、理-KAN-095参照)であり、両者のORを取ると 1000 OR 0101 = 1101 = 13 となって a OR b の値と一致する(実測: 一致)。すなわち a OR b = (a AND b) OR (a XOR b) という関係が成立する。
**検算行**: 定義式に従い 6(0110) OR 3(0011) を各桁ごとに計算すると 0111(=7) となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-095 排他的論理和(XOR)写像関数
**定義式**:
```
a | b | a XOR b
--+---+--------
0 | 0 | 0
0 | 1 | 1
1 | 0 | 1
1 | 1 | 0
```
複数ビットの整数には各桁ごとにこの表を適用する(ビットごとの排他的論理和)。
**概形図(ASCII)**:
```
12 = 1100
9 = 1001
XOR = 0101 (= 5)
```
**推移表**:
| (a,b) | (12,9) | (6,3) | (15,9) |
|---|---|---|---|
| f(a,b)=a XOR b | 5 | 5 | 6 |
**組合せ例**: XORはAND(理-KAN-093)・OR(理-KAN-094)から a XOR b = (a OR b) AND NOT(a AND b) という形で構成できる。a=12,b=9 の例では a OR b=13(1101)、a AND b=8(1000)、NOT(8)を8ビット幅で取ると255−8=247(11110111)であり、13 AND 247 を計算すると 00001101 AND 11110111 = 00000101 = 5 となって a XOR b の値と一致する(実測: 一致)。またビット反転(理-KAN-092)との関係では、全ビットが1のパターン(8ビットなら255)とのXORはビット反転そのものになる(実際 12 XOR 255=243=NOT(12)と一致)。
**検算行**: 定義式に従い 15(1111) XOR 9(1001) を各桁ごとに計算すると 0110(=6) となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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## 第十二章 正式登録パターン(12)——合成・逆・反復の応用系統(理-KAN-096〜110)
### 理-KAN-096 三重合成関数(f∘g∘h)
**定義式**: F(x) = f(g(h(x)))、ここでは h(x)=x+1、g(y)=2y、f(z)=z-3 として、これらを合成すると F(x)=2(x+1)-3=2x-1 という一次関数になる
**概形図(ASCII)**:
```
x --[h:+1]--> h(x) --[g:×2]--> g(h(x)) --[f:-3]--> F(x)
例: x=2 --> h(2)=3 --> g(3)=6 --> f(6)=3 --> F(2)=3
```
**推移表(中間値の可視化つき)**:
| x | h(x)=x+1 | g(h(x))=2h(x) | f(g(h(x)))=F(x) |
|---|---|---|---|
| -2 | -1 | -2 | -5 |
| -1 | 0 | 0 | -3 |
| 0 | 1 | 2 | -1 |
| 1 | 2 | 4 | 1 |
| 2 | 3 | 6 | 3 |
| 3 | 4 | 8 | 5 |
**組合せ例**: 理-KAN-019(合成関数の一般形)が2段階の合成 f(g(x)) を扱うのに対し、本パターンはそれを3段階に拡張したものであり、F=f∘(g∘h)=(f∘g)∘h という結合律により、どちらの順に2つずつまとめても同じ結果になる。もしh=g=fがすべて同一の関数であれば、これは理-KAN-022(反復適用)においてn=3とした特殊例に一致する。
**検算行**: x=2のとき、h(2)=2+1=3、続けてg(3)=2×3=6、最後にf(6)=6-3=3と計算されるためF(2)=3となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-097 自己合成の不動点探索関数
**定義式**: f(x)=(x+2)/2 とし、x_{n+1}=f(x_n) を初期値x_0=0から反復して、方程式f(x)=x(解はx=2)を満たす不動点を数値的に探索する
**概形図(ASCII)**:
```
x0=0 --[f]--> x1=1 --[f]--> x2=1.5 --[f]--> x3=1.75 --[f]--> x4=1.875 --[f]--> x5=1.9375 --> ... → 2(不動点)
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| x_n | 0 | 1 | 1.5 | 1.75 | 1.875 | 1.9375 |
**組合せ例**: 理-KAN-022(反復適用)の使い方の一種であり、同じ関数fを初期値から繰り返し適用して得られる数列{x_n}が一定値(不動点)へ近づく様子を捉えるパターンである。理-KAN-100(ニュートン法の入口)も同様に反復によって特定の値へ近づける構造を持つが、あちらは「方程式の根」を目的とし、更新式自体がxごとに変化する点で本パターンより複雑である。
**検算行**: x_0=0から出発し、f(0)=(0+2)/2=1、f(1)=(1+2)/2=1.5、f(1.5)=(1.5+2)/2=1.75と計算すると、推移表のx_1, x_2, x_3の値と一致する(実測: 一致)。不動点はf(x)=xを解くとx+2=2x、すなわちx=2であり、数列{x_n}はn=5までで1.9375まで2に近づいている。
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### 理-KAN-098 逆関数存在性の判定関数(単射性チェック)
**定義式**: 関数fが単射(異なる入力に必ず異なる出力が対応する)かどうかを、複数の入力に対する出力の重複の有無で判定する。単射の例としてf_inj(x)=2x+1、非単射の例としてf_non(x)=x² を用いる
**概形図(ASCII)**:
```
単射の例 f_inj(x)=2x+1 非単射の例 f_non(x)=x²
-2 --> -3 -2 --> 4 ┐
-1 --> -1 -1 --> 1 │ 出力が重複
0 --> 1 1 --> 1 │ (異なる入力が
1 --> 3 2 --> 4 ┘ 同じ出力に)
2 --> 5
(出力5つがすべて異なる → 単射 → 逆関数が定義できる)
```
**推移表**:
| x | f_inj(x)=2x+1 | f_non(x)=x² |
|---|---|---|
| -2 | -3 | 4 |
| -1 | -1 | 1 |
| 0 | 1 | 0 |
| 1 | 3 | 1 |
| 2 | 5 | 4 |
**組合せ例**: 理-KAN-021(逆関数)が定義できるかどうかの前提条件を扱うパターンであり、単射性は逆関数が存在するための必要条件である。理-KAN-099(部分逆関数)は、f_nonのように全体では単射でない関数でも、定義域を制限すれば単射にできる場合に、その制限版の逆関数を扱う。
**検算行**: f_non(-2)=(-2)²=4、f_non(2)=2²=4であり、異なる入力-2と2が同じ出力4を持つため非単射であることが実測で確認できる(実測: 一致)。同様にf_non(-1)=1、f_non(1)=1も一致し、非単射性を裏付ける。一方f_inj(-2)=-3、f_inj(2)=5をはじめ、表中の5つの入力に対する出力{-3,-1,1,3,5}はすべて異なるため単射である。
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### 理-KAN-099 部分逆関数(定義域制限つき逆)
**定義式**: f(x)=x² は定義域を制限しないと単射でない(理-KAN-098参照)が、定義域をx≥0に制限すると単射になり、逆関数f⁻¹(y)=√y が定義できる
**概形図(ASCII)**:
```
制限前: x=-2 と x=2 の両方が y=4 に対応 → 逆関数を定義できない
制限後(x≥0に限定):
x --[二乗]--> y y --[√ ]--> x
0 --> 0 0 --> 0
1 --> 1 1 --> 1
2 --> 4 4 --> 2
3 --> 9 9 --> 3
4 --> 16 16 --> 4
```
**推移表**:
| x(x≥0) | f(x)=x² | y | f⁻¹(y)=√y |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 1 | 1 |
| 2 | 4 | 4 | 2 |
| 3 | 9 | 9 | 3 |
| 4 | 16 | 16 | 4 |
**組合せ例**: 理-KAN-098で確認した通りf(x)=x²は定義域全体では単射でないため理-KAN-021の逆関数を持たないが、定義域をx≥0に制限した部分関数として扱えば単射になり逆関数が定義できる。この「制限してから逆を取る」操作が部分逆関数のパターンである。
**検算行**: f(3)=3²=9であり、続けてf⁻¹(9)=√9=3を計算するとf⁻¹(f(3))=3となり元の値に戻る。node上でMath.sqrt(9)を計算すると3が得られ、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-100 反復収束関数(ニュートン法の入口)
**定義式**: f(x)=x²-2 の根(√2)を求めるため、ニュートン法の漸化式 x_{n+1}=x_n-f(x_n)/f'(x_n)=x_n-(x_n²-2)/(2x_n) を x_0=1 から反復する
**概形図(ASCII)**:
```
x0=1
--[ニュートン更新]--> x1=1.5
--[ニュートン更新]--> x2=1.4166666666666667
--[ニュートン更新]--> x3=1.4142156862745099
--[ニュートン更新]--> x4=1.4142135623746899 ≈ √2(=1.4142135623730951)
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| x_n | 1 | 1.5 | 1.4166666666666667 | 1.4142156862745099 | 1.4142135623746899 |
**組合せ例**: 理-KAN-097(不動点探索)と同じ「反復して値へ近づける」構造を持つが、ニュートン法は更新式に-f(x)/f'(x)という補正項を含み、更新のたびに写像そのものがxに依存して変化する点で097の単純な固定関数の反復より複雑である。理-KAN-022(反復適用)の応用例のうち、収束が非常に速い(二次収束的な)パターンとして位置づけられる。
**検算行**: x_0=1から出発し、x_1=1-(1²-2)/(2×1)=1-(-1)/2=1.5、x_2=1.5-(1.5²-2)/(2×1.5)=1.5-0.25/3=1.4166666666666667と計算され、node実行結果と一致する(実測: 一致)。x_4=1.4142135623746899はMath.sqrt(2)=1.4142135623730951と小数第11位まで一致しており、わずか4回の反復で急速に収束することが確認できる。
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### 理-KAN-101 反復発散判定関数
**定義式**: x_{n+1}=2x_n、x_0=1 として反復し、数列が発散する(無限に増大する)ことを判定する
**概形図(ASCII)**:
```
x0=1 --[×2]--> x1=2 --[×2]--> x2=4 --[×2]--> x3=8 --[×2]--> x4=16 --[×2]--> x5=32 --[×2]--> x6=64 --> ...∞
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| x_n | 1 | 2 | 4 | 8 | 16 | 32 | 64 |
**組合せ例**: 理-KAN-097や理-KAN-100が収束する反復の例であるのに対し、本パターンは同じ理-KAN-022(反復適用)の構造を用いながら発散する場合を示す対比例である。反復関数がf(x)=2xのように傾きの絶対値が1より大きい線形写像である場合、不動点x=0は「反発的」であり、0以外のどんな初期値から始めても数列は発散する。
**検算行**: x_0=1から2倍ずつを4回繰り返すと1→2→4→8→16と変化し、node計算のx_4=16と一致する(実測: 一致)。さらに6回目まで続けるとx_6=64となり、明らかに際限なく増大していく発散傾向が確認できる。
---
### 理-KAN-102 周期反復関数(f^nが元に戻る周期性)
**定義式**: f(x)=1/(1-x) とすると、f³(x)=f(f(f(x)))=x となる(周期3)ことを複数の初期値で確認する
**概形図(ASCII)**:
```
x=2 --[f]--> -1 --[f]--> 0.5 --[f]--> 2 (3回で元に戻る)
x=4 --[f]--> -0.333... --[f]--> 0.75 --[f]--> 4 (同様に3周期)
```
**推移表**:
| x_0 | f(x_0) | f²(x_0) | f³(x_0) |
|---|---|---|---|
| 2 | -1 | 0.5 | 2 |
| 3 | -0.5 | 0.6666666666666666 | ≈3 |
| 4 | -0.3333333333333333 | 0.75 | 4 |
| 5 | -0.25 | 0.8 | ≈5 |
**組合せ例**: 理-KAN-022(反復適用)においてn回適用した結果が元の入力にちょうど一致してしまう特殊な場合であり、理-KAN-097(不動点への収束)や理-KAN-101(発散)とは対照的に、値が収束も発散もせず一定の周期でループを繰り返す。本例は周期3だが、g(x)=-xのように f²(x)=x となる周期2の関数も同じ枠組みで説明できる。
**検算行**: x_0=3から出発しf(3)=1/(1-3)=-0.5、f(-0.5)=1/(1-(-0.5))=1/1.5=0.6666666666666666、f(0.6666666666666666)=1/(1-0.6666666666666666)=2.9999999999999996 をnodeで得た。理論値の3との差は浮動小数点演算特有の丸め誤差(10^-16程度)であり、周期3で元の値にほぼ正確に戻ることが確認できる(実測: ほぼ一致、誤差は浮動小数点丸めの範囲内)。x_0=4の場合はnode計算でも誤差なく厳密にf³(4)=4となった(実測: 一致)。
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### 理-KAN-103 交換子関数(f∘g と g∘f の差)
**定義式**: g(x)=x+1、h(x)=2x として、交換子 C(x)=(g∘h)(x)-(h∘g)(x)=g(h(x))-h(g(x)) を計算する
**概形図(ASCII)**:
```
経路1: x --[h:×2]--> 2x --[g:+1]--> 2x+1
経路2: x --[g:+1]--> x+1 --[h:×2]--> 2x+2
差: C(x) = (2x+1)-(2x+2) = -1 (xに関わらず一定)
```
**推移表**:
| x | g(h(x))=2x+1 | h(g(x))=2x+2 | C(x) |
|---|---|---|---|
| 0 | 1 | 2 | -1 |
| 1 | 3 | 4 | -1 |
| 2 | 5 | 6 | -1 |
| 3 | 7 | 8 | -1 |
| 4 | 9 | 10 | -1 |
**組合せ例**: 理-KAN-019(合成関数の一般形)のg,hを2通りの順序(g∘hとh∘g)で合成し、その結果を比較する応用形である。今回のg,hはいずれも一次関数だが、順序を入れ替えると出力が常に-1だけずれ、合成という操作が一般に非可換である(順序を変えると結果が変わりうる)ことを具体的な数値で示している。
**検算行**: x=2のときg(h(2))=g(4)=4+1=5、h(g(2))=h(3)=3×2=6であり、差はC(2)=5-6=-1となり推移表の値と一致する(実測: 一致)。他のxの値でもすべてC(x)=-1と一定であることがnode計算で確認できた。
---
### 理-KAN-104 恒等への収束反復関数
**定義式**: パラメータnを持つ関数列 f_n(x)=x+(1/2)^n を考え、nを増やしたときf_n(x)が恒等関数id(x)=xへ収束する様子を、x=3の場合について確認する
**概形図(ASCII)**:
```
n=1: f_1(3)=3.5 (idからの差 0.5)
n=2: f_2(3)=3.25 (差 0.25)
n=3: f_3(3)=3.125 (差 0.125)
n=4: f_4(3)=3.0625 (差 0.0625)
n=5: f_5(3)=3.03125 (差 0.03125)
n=6: f_6(3)=3.015625 (差 0.015625)
n→∞ で f_n(3) → 3 = id(3)
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f_n(3) | 3.5 | 3.25 | 3.125 | 3.0625 | 3.03125 | 3.015625 |
| \|f_n(3)-3\| | 0.5 | 0.25 | 0.125 | 0.0625 | 0.03125 | 0.015625 |
**組合せ例**: 理-KAN-097や理-KAN-100が「同じ関数を繰り返し適用して1つの数値に近づける」反復であるのに対し、本パターンはパラメータnで添字付けられた関数の列{f_n}自体が、関数として恒等関数id(x)=xに近づいていく点が異なる。理-KAN-107(関数距離測定関数)の考え方を用いれば、|f_n(x)-id(x)|=(1/2)^nという「関数間の距離」がnとともに0へ近づくこととして定式化できる。
**検算行**: n=4のときf_4(3)=3+(1/2)^4=3+0.0625=3.0625となり、node計算結果と一致する(実測: 一致)。n=1から6までidとの差0.5, 0.25, 0.125, 0.0625, 0.03125, 0.015625は毎回ちょうど半分になっており、n→∞で差が0に近づく(f_nがidに収束する)ことが数値的に確認できる。
---
### 理-KAN-105 関数の平均合成(2関数の中間形)
**定義式**: g(x)=x²、h(x)=2x として、平均合成 M(x)=(g(x)+h(x))/2 を定義する
**概形図(ASCII)**:
```
x --[g:二乗]--> g(x) ┐
├--[平均]--> M(x)=(g(x)+h(x))/2
x --[h:×2 ]--> h(x) ┘
```
**推移表**:
| x | g(x)=x² | h(x)=2x | M(x)=(g(x)+h(x))/2 |
|---|---|---|---|
| -2 | 4 | -4 | 0 |
| -1 | 1 | -2 | -0.5 |
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 2 | 1.5 |
| 2 | 4 | 4 | 4 |
| 3 | 9 | 6 | 7.5 |
**組合せ例**: 理-KAN-019の合成が2つの関数を「直列」につなぐのに対し、本パターンは2つの関数を「並列」に評価してから足し合わせる点が特徴である。理-KAN-106(加重合成関数)は、本パターンの重み1/2と1/2を任意の比率a、1-aへ一般化したものであり、a=0.5とすれば本パターンのM(x)に一致する。
**検算行**: x=3のときg(3)=3²=9、h(3)=2×3=6であり、M(3)=(9+6)/2=7.5となる。node計算でも7.5が得られ、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-106 加重合成関数(重み付き線形結合)
**定義式**: g(x)=x²、h(x)=2x(理-KAN-105と同じ関数)を用い、重みa=0.25としてW(x)=a・g(x)+(1-a)・h(x)=0.25x²+0.75(2x) を定義する
**概形図(ASCII)**:
```
a=0.25で重みづけ
x --[g:二乗]--> g(x)×0.25 ┐
├--[合計]--> W(x)
x --[h:×2 ]--> h(x)×0.75 ┘
```
**推移表**:
| x | g(x)=x² | h(x)=2x | W(x)=0.25g(x)+0.75h(x) |
|---|---|---|---|
| -2 | 4 | -4 | -2 |
| -1 | 1 | -2 | -1.25 |
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 2 | 1.75 |
| 2 | 4 | 4 | 4 |
| 3 | 9 | 6 | 6.75 |
**組合せ例**: 理-KAN-105の平均合成(重みが0.5固定)を一般化し、重みaを任意の値に変えられるようにしたパターンである。a=0とすればW(x)=h(x)、a=1とすればW(x)=g(x)そのものになり、aを0から1まで動かすとgとhの間を連続的に補間する関数の族が得られる。
**検算行**: x=3のときg(3)=9、h(3)=6であり、W(3)=0.25×9+0.75×6=2.25+4.5=6.75となる。node計算結果も6.75であり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-107 関数距離測定関数(2つの関数の差の大きさ)
**定義式**: g(x)=x²、h(x)=2x(理-KAN-105・106と同じ関数)について、各標本点での差の絶対値d(x)=|g(x)-h(x)|を計算し、その最大値を関数間の「距離」とする
**概形図(ASCII)**:
```
x= -2 -1 0 1 2 3 4
d= 8 3 0 1 0 3 8 <-- |g(x)-h(x)|
↑最大値(距離)=8 (x=-2,4で達成)、合計=23
```
**推移表**:
| x | g(x)=x² | h(x)=2x | d(x)=\|g(x)-h(x)\| |
|---|---|---|---|
| -2 | 4 | -4 | 8 |
| -1 | 1 | -2 | 3 |
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 2 | 1 |
| 2 | 4 | 4 | 0 |
| 3 | 9 | 6 | 3 |
| 4 | 16 | 8 | 8 |
**組合せ例**: 理-KAN-105(平均合成)や理-KAN-106(加重合成)が2つの関数を「混ぜる」パターンであるのに対し、本パターンは2つの関数がどれだけ「離れているか」を数値化するものである。理-KAN-104(恒等への収束反復関数)で用いた|f_n(x)-x|も、本パターンのd(x)=|f_n(x)-id(x)|という特殊例として位置づけられる。
**検算行**: 標本点x∈{-2,-1,0,1,2,3,4}についてd(x)を計算すると8,3,0,1,0,3,8となり、これらの最大値は8、合計は23である。node計算でもmax=8, sum=23が得られ、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-108 線形補間関数
**定義式**: 既知の2点(0,0)と(4,16)を通る直線を用い、その間の値をL(x)=0+((16-0)/(4-0))×(x-0)=4x として推定する
**概形図(ASCII)**:
```
既知点: (0,0) -------------------- (4,16)
直線で結ぶ(傾き4)
L(1)=4 L(2)=8 L(3)=12 <-- 直線上の推定値
仮に元データがx²だった場合の真値: 1, 4, 9 <-- ずれ(誤差)が生じる
```
**推移表**:
| x | L(x)=4x(線形補間値) | 真の値(仮にx²だった場合) | 誤差 |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 4 | 1 | 3 |
| 2 | 8 | 4 | 4 |
| 3 | 12 | 9 | 3 |
| 4 | 16 | 16 | 0 |
**組合せ例**: 理-KAN-003に相当するとされる一次関数(線形)の考え方を、離散的な2点間の推定に応用したものである。両端点(x=0,4)では真の値と完全に一致するが、中間点(x=1,2,3)では誤差が生じる。この誤差を減らす工夫が理-KAN-109(区分多項式補間関数)である。
**検算行**: x=2のときL(2)=4×2=8となり、node計算結果とも一致する(実測: 一致)。仮に元データがf(x)=x²であった場合の真値はf(2)=4であるため、線形補間の誤差は|8-4|=4であることが分かる。
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### 理-KAN-109 区分多項式補間関数(スプラインの入口)
**定義式**: 3点(0,0),(2,4),(4,16)を通る折れ線を区間ごとに異なる直線でつなぐ。区間[0,2]ではS₁(x)=2x(傾き(4-0)/(2-0)=2)、区間[2,4]ではS₂(x)=4+6(x-2)(傾き(16-4)/(4-2)=6)とする
**概形図(ASCII)**:
```
(0,0) --傾き2--> (2,4) --傾き6--> (4,16)
区間[0,2]: S1(x)=2x 区間[2,4]: S2(x)=4+6(x-2)
S1(1)=2 S2(3)=10
```
**推移表**:
| x | 区間 | 区分多項式の値 | 真の値(x²) | 誤差 |
|---|---|---|---|---|
| 0 | [0,2] | 0 | 0 | 0 |
| 1 | [0,2] | 2 | 1 | 1 |
| 2 | 境界 | 4 | 4 | 0 |
| 3 | [2,4] | 10 | 9 | 1 |
| 4 | [2,4] | 16 | 16 | 0 |
**組合せ例**: 理-KAN-108(線形補間関数)を、単一区間ではなく複数の区間に分けて適用したものである。理-KAN-108では(0,0)から(4,16)まで1本の直線で結んだためx=2での誤差が4もあったが、中間点(2,4)を追加して区間を分けた本パターンではx=1, x=3での誤差がそれぞれ1に縮小しており、区間を細かく分けるほど真の曲線に近づいていくという、いわゆる「スプライン」的発想の入口になっているとされる。
**検算行**: 区間[2,4]でS2(3)=4+6×(3-2)=4+6=10となり、node計算結果とも一致する(実測: 一致)。真の値がf(3)=3²=9だとすれば誤差は|10-9|=1であり、理-KAN-108の同種の誤差4より小さくなっている。
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### 理-KAN-110 外挿関数(既知点の外側への延長)
**定義式**: 理-KAN-109で求めた区間[2,4]の直線S₂(x)=4+6(x-2)を、既知範囲の外側(x>4)にそのまま延長し、E(x)=16+6(x-4) としてx=5,6での値を推定する
**概形図(ASCII)**:
```
既知範囲: (0,0) -- (2,4) -- (4,16) |既知の終端
延長(外挿): (4,16) --傾き6のまま延長--> E(5)=22 --> E(6)=28
真の値(仮にx²であれば): 25, 36 <-- 外挿の誤差は内挿より急速に拡大する
```
**推移表**:
| x | 外挿値E(x)=16+6(x-4) | 真の値(x²) | 誤差 |
|---|---|---|---|
| 4 | 16 | 16 | 0 |
| 5 | 22 | 25 | 3 |
| 6 | 28 | 36 | 8 |
**組合せ例**: 理-KAN-108(線形補間関数)・理-KAN-109(区分多項式補間関数)が既知の点の「内側」を埋めるのに対し、本パターンは同じ直線の式を「外側」にまで適用するものである。理-KAN-109ではx=3の誤差が1だったのに対し、外挿したx=5では誤差3、x=6では誤差8と急速に拡大しており、既知データの範囲外への延長(外挿)は範囲内の補間より信頼性が低い傾向があることが数値的に確認できる。
**検算行**: x=6のときE(6)=16+6×(6-4)=16+12=28となり、node計算結果と一致する(実測: 一致)。真の値が仮にf(x)=x²であるとすればf(6)=36であるため、外挿の誤差は|28-36|=8であり、理-KAN-109のx=3における誤差1より大幅に大きくなっている。
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## 第十三章 正式登録パターン(13)——数列パターン系統(理-KAN-111〜130)
### 理-KAN-111 等差数列一般項(arithmetic sequence)
**定義式**: a_n = a_1 + (n−1)d、具体的には a_1=2, d=3 として a_n = 3n − 1
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
20 | *
17 | *
14 | *
11 | *
8 | *
5 | *
2 | *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 2 | 5 | 8 | 11 | 14 | 17 | 20 |
**組合せ例**: 等差数列は線形関数(理-KAN-003)・アフィン関数(理-KAN-004)の定義域を自然数に制限した特別な場合である。実際 a_n=3n−1 は f(x)=3x−1(アフィン関数)の x に n を代入したものと同一の式になる。階差数列(理-KAN-115)の観点では、等差数列の階差 a_(n+1)−a_n は常に公差d=3で一定になる。公差が負の場合(例えば a_1=10, d=−2)には a_n=12−2n という減少数列になり、n=1で10、n=2で8、n=3で6と単調に下がっていく。
**検算行**: 定義式 a_n=3n−1 に n=5 を代入すると 3×5−1=14 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-112 等比数列一般項(geometric sequence)
**定義式**: a_n = a_1 × r^(n−1)、具体的には a_1=3, r=2 として a_n = 3 × 2^(n−1)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
96 | *
48 | *
24 | *
12 | *
6 | *
3 | *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 3 | 6 | 12 | 24 | 48 | 96 |
**組合せ例**: 等比数列は指数関数(理-KAN-007)の定義域を自然数に制限した特別な場合であり、a_n=3×2^(n−1) は f(x)=3×2^(x−1) の離散版である。理-KAN-034の等比数列の部分和は初項1・公比2の場合の累積和(S_n=2^n−1)であり、本パターン(初項3・公比2の項そのもの)とは初項・公比の設定、および「項」か「和」かという着眼点が異なる同系列のパターンである。
**検算行**: 定義式 a_n=3×2^(n−1) に n=5 を代入すると 3×2^4=3×16=48 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-113 フィボナッチ数列(Fibonacci)
**定義式**: a_1=1, a_2=1, a_(n+2) = a_(n+1) + a_n (n≥1)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
21 | *
13 | *
8 | *
5 | *
3 | *
2 | *
1 |* *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6 7 8
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 1 | 2 | 3 | 5 | 8 | 13 | 21 |
**組合せ例**: フィボナッチ数列は三項間の漸化式(理-KAN-128)のうち係数がすべて1である最も単純な場合である。またリュカ数列(理-KAN-114)とは同一の漸化式 a_(n+2)=a_(n+1)+a_n を持ちながら初期値だけが異なる「親戚」であり、両者の対応する項を見比べると増え方の形がよく似ていることが確認できる。
**検算行**: 漸化式より a_7 = a_6+a_5 = 8+5=13、a_8 = a_7+a_6 = 13+8=21 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-114 リュカ数列(フィボナッチの親戚, Lucas numbers)
**定義式**: a_0=2, a_1=1, a_(n+2) = a_(n+1) + a_n (n≥0)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
18 | *
11 | *
7 | *
4 | *
3 | *
1 | *
2 |*
+------------------------- n
0 1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 2 | 1 | 3 | 4 | 7 | 11 | 18 |
**組合せ例**: リュカ数列はフィボナッチ数列(理-KAN-113)と全く同じ漸化式 a_(n+2)=a_(n+1)+a_n を持ちながら、初期値だけが (a_0,a_1)=(2,1) と異なる「同じ漸化式・違う初期値」の実演である。これは理-KAN-033(二項間漸化式)と理-KAN-034(等比数列の部分和)が同じ数値列を異なる式で表した関係とは逆に、同じ式が初期値の違いによって別の数値列を生み出す例になっている。
**検算行**: 漸化式より a_5 = a_4+a_3 = 7+4=11、a_6 = a_5+a_4 = 11+7=18 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-115 階差数列(一階)
**定義式**: 元の数列 a_n = n²(n=1,2,3,...)に対し、階差数列 b_n = a_(n+1) − a_n
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列 a_n: 1 4 9 16 25 36
\_/ \_/ \_/ \_/ \_/ ← 隣接する2項の差をとる
一階階差 b_n: 3 5 7 9 11
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| (a_n, a_(n+1)) | (1,4) | (4,9) | (9,16) | (16,25) | (25,36) |
| b_n=a_(n+1)−a_n | 3 | 5 | 7 | 9 | 11 |
**組合せ例**: 階差数列は集約関数(理-KAN-025、累積和)のちょうど逆操作にあたる。元の数列 a_n=n²(平方数列、理-KAN-118)の階差をとると奇数の等差数列 b_n=2n+1 が現れ、逆に b_n を先頭から累積和すると a_n(からa_1=1を引いた分)に戻る、という往復関係が成立する。
**検算行**: n=4 のとき a_5−a_4 = 25−16=9 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。また閉形式 2n+1 に n=4 を代入すると 2×4+1=9 となり、これとも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-116 階差数列(二階)
**定義式**: 理-KAN-115の一階階差 b_n=2n+1(元の数列 a_n=n²)に対し、二階階差 c_n = b_(n+1) − b_n
**概形図(ASCII)**:
```
一階階差 b_n: 3 5 7 9 11
\_/ \_/ \_/ \_/
二階階差 c_n: 2 2 2 2 ← 常に一定
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| (b_n, b_(n+1)) | (3,5) | (5,7) | (7,9) | (9,11) |
| c_n=b_(n+1)−b_n | 2 | 2 | 2 | 2 |
**組合せ例**: 二階階差が定数になることは、元の数列 a_n=n²(理-KAN-118)が「二次多項式(理-KAN-005)型」であることの数列版の証拠になっている。一般に、二次式 an²+bn+c 型の数列の二階階差は常に 2a に一致するとされ、ここでは a=1なので2a=2という値がそのまま観測される。
**検算行**: b_3−b_2 = 7−5=2、b_4−b_3=9−7=2 となり、いずれも推移表の値2と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-117 調和数列(harmonic sequence)
**定義式**: a_n = 1/n (n=1,2,3,...)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
1.0 *
0.5 | *
0.33| *
0.25| *
0.2 | *
0.17| *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1.0 | 0.5 | 0.333 | 0.25 | 0.2 | 0.167 |
**組合せ例**: 調和数列は「逆数をとると等差数列になる」数列として定義される。実際 1/a_n = n はまさに公差1・初項1の等差数列(理-KAN-111参照)である。反比例関数(理-KAN-011)の定義域を自然数に制限したものとしても捉えられ、nを大きくするほど0に近づく(理-KAN-130の収束判定の題材にもなる)。
**検算行**: 定義式 1/n に n=6 を代入すると 1/6=0.1666…≈0.167 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-118 平方数列(square numbers)
**定義式**: a_n = n² (n=1,2,3,...)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
36 | *
25 | *
16 | *
9 | *
4 | *
1 | *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 4 | 9 | 16 | 25 | 36 |
**組合せ例**: 平方数列は二次多項式(理-KAN-005)f(x)=x² の定義域を自然数に制限した数列版である。理-KAN-115・理-KAN-116で見たとおり、一階階差は奇数の等差数列、二階階差は定数2になる。四角数列(理-KAN-121)は同じ数値列を「1つ前の項に奇数を1つずつ足す」という漸化式の側から生成する、閉形式と漸化式の対の関係にある。
**検算行**: 定義式 n² に n=6 を代入すると 6²=36 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-119 立方数列(cube numbers)
**定義式**: a_n = n³ (n=1,2,3,...)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
216 | *
125 | *
64 | *
27 | *
8 | *
1 | *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 8 | 27 | 64 | 125 | 216 |
**組合せ例**: 立方数列は三次多項式(理-KAN-006)f(x)=x³ の定義域を自然数に制限した数列版である。平方数列(理-KAN-118)の階差が二階で定数になったのに対し、立方数列の階差は三階でようやく定数になる(次数が1つ上がるごとに、定数に達するまでの階差の回数も1つ増えるという規則性が確認できる)。
**検算行**: 定義式 n³ に n=6 を代入すると 6³=216 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-120 三角数列(理-KAN-041と対応、漸化式版)
**定義式**: a_1=1, a_(n+1) = a_n + (n+1) (n≥1)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
21 | *
15 | *
10 | *
6 | *
3 | *
1 | *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 3 | 6 | 10 | 15 | 21 |
**組合せ例**: これは理-KAN-041(三角数生成関数 T(n)=n(n+1)/2)と全く同じ数値列(1,3,6,10,15,21,...)を、閉形式ではなく「1つ前の項に(n+1)を足す」という漸化式の側から定義し直したものである。理-KAN-033・理-KAN-034の関係(漸化式と閉形式が同値)と同じ構図がここでも成立しており、実際 a_6=21 は T(6)=6×7/2=21 と一致する。組合せ関数 C(n,2)(理-KAN-017)とも同一の数値列になることは既に述べたとおりである。
**検算行**: 漸化式より a_6 = a_5 + 6 = 15+6=21 となり、推移表の値、および閉形式 T(6)=6×7/2=21 のいずれとも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-121 四角数列(figurate square numbers, 漸化式版)
**定義式**: a_1=1, a_(n+1) = a_n + (2n+1) (n≥1)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
36 | *
25 | *
16 | *
9 | *
4 | *
1 | *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 4 | 9 | 16 | 25 | 36 |
**組合せ例**: 四角数列は平方数列(理-KAN-118、閉形式 a_n=n²)と全く同じ数値列を、「1つ前の項に奇数(2n+1)を順に足す」という漸化式の側から生成し直したものである。これは理-KAN-120(三角数列)が理-KAN-041と持つ関係とまったく並行した構図であり、階差数列(理-KAN-115)で確認した「平方数列の一階階差が奇数列2n+1になる」という事実を、逆向き(階差を積み上げて元の数列を作る)に利用した実演になっている。
**検算行**: 漸化式より a_6 = a_5 + (2×5+1) = 25+11=36 となり、推移表の値、および閉形式 6²=36 のいずれとも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-122 交代数列(符号が交互に変わる)
**定義式**: a_n = (−1)^(n−1) × n (n=1,2,3,...)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
5 | *
3 | *
1 *
0 +------------------- n
-2 | *
-4 | *
-6 | *
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | -2 | 3 | -4 | 5 | -6 |
**組合せ例**: 交代数列は符号関数(理-KAN-015)やパリティ写像(理-KAN-026)と組み合わせて構成される。実際 (−1)^(n−1) の部分は n の偶奇(パリティ)だけで決まり、絶対値 |a_n| をとると等差数列(理-KAN-111、a_1=1,d=1)そのものに戻る(n=6のとき|−6|=6で一致)。
**検算行**: 定義式に n=6 を代入すると (−1)^5×6=−1×6=−6 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-123 カタラン数列(Catalan numbers)
**定義式**: C_0=1、C_(n+1) = Σ(i=0 to n) C_i・C_(n−i)
**概形図(ASCII)**:
```
C_n
132 | *
42 | *
14 | *
5 | *
2 | *
1 |* *
+------------------------- n
0 1 2 3 4 5 6
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C_n | 1 | 1 | 2 | 5 | 14 | 42 | 132 |
**組合せ例**: カタラン数列は畳み込み関数(理-KAN-024)の考え方を数列自身に適用した「自己畳み込み」の漸化式(Σ C_i・C_(n−i))によって定義される点が特徴的である。組合せ関数 C(n,2)(理-KAN-017)とは記号が似ているが全く別の数列であり、混同に注意が必要である。
**検算行**: 漸化式より C_4 = Σ(i=0 to 3) C_i・C_(3−i) = C_0C_3+C_1C_2+C_2C_1+C_3C_0 = 1×5+1×2+2×1+5×1 = 5+2+2+5=14 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-124 素数列(prime number sequence)
**定義式**: a_n = 小さい方から数えてn番目の素数(素数とは1と自分自身以外に正の約数を持たない2以上の整数)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
19 | *
17 | *
13 | *
11 | *
7 | *
5 | *
3 | *
2 *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6 7 8
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 2 | 3 | 5 | 7 | 11 | 13 | 17 | 19 |
**組合せ例**: 素数列は素数判定関数(理-KAN-086、目録参照)を自然数に順に適用し、真になったものだけを拾い上げた「フィルタ済み数列」として構成される。双子素数列(理-KAN-125)やメルセンヌ数列(理-KAN-126)は、この素数列を素材にしてさらに条件を課した派生パターンである。
**検算行**: a_5=11 について、11は2,3,5,7のいずれでも割り切れず(11=2×5+1, 11=3×3+2, 11=5×2+1, 11=7×1+4)、1と11以外に約数を持たないため素数であり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-125 双子素数列(twin prime sequence)
**定義式**: a_n = n番目の双子素数の組の小さい方(pとp+2がともに素数となる組)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
29 | *
17 | *
11 | *
5 | *
3 | *
+------------------------- n
1 2 3 4 5
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| a_n(組の小さい方) | 3 | 5 | 11 | 17 | 29 |
| a_n+2(組の大きい方) | 5 | 7 | 13 | 19 | 31 |
**組合せ例**: 双子素数列は素数列(理-KAN-124)から「pとp+2が両方とも素数」という追加条件でフィルタした部分列である。なお双子素数の組が無限に存在するかどうかは、現時点では未解決とされる問題であり、本パターンは有限の範囲で確認できる項のみを扱う。
**検算行**: n=3 のとき a_3=11 であり、11は素数、13(=11+2)も素数(1と13以外に約数を持たない)であるから双子素数の組をなし、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-126 メルセンヌ数列(Mersenne numbers)
**定義式**: M_n = 2^n − 1 (n=2,3,4,...)
**概形図(ASCII)**:
```
M_n
127 | *
63 | *
31 | *
15 | *
7 | *
3 | *
+------------------------- n
2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| n | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| M_n | 3 | 7 | 15 | 31 | 63 | 127 |
| 素数か | ○ | ○ | ×(=3×5) | ○ | ×(=7×9) | ○ |
**組合せ例**: メルセンヌ数列は理-KAN-034(等比数列の部分和 S_n=2^n−1)と全く同じ式から生成される数値列であるが、着目点が異なる。理-KAN-034は「和」としての性質を扱うのに対し、本パターンは「M_nが素数になるかどうか」という素数列(理-KAN-124)との関係に着目する。nが素数であることはM_nが素数であるための必要条件だが十分条件ではなく、n=4(合成数)ではM_4=15が素数でないだけでなく、nが素数であるn=11でもM_11=2047=23×89は素数にならないことが知られているとされる。
**検算行**: 定義式 2^n−1 に n=6 を代入すると 2^6−1=64−1=63=7×9 となり素数ではなく、推移表の値・判定と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-127 完全数の探索列(perfect numbers)
**定義式**: a_k = 2^(p_k−1) × (2^(p_k)−1)、ここでp_kは「2^(p_k)−1が素数(メルセンヌ素数)」となるk番目の素数(p_1=2, p_2=3, p_3=5, p_4=7)
**概形図(ASCII)**:
```
a_k
8128 | *
496 | *
28 | *
6 |*
+------------------------- k
1 2 3 4
```
**推移表**:
| k | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| p_k | 2 | 3 | 5 | 7 |
| a_k | 6 | 28 | 496 | 8128 |
**組合せ例**: 完全数はメルセンヌ数列(理-KAN-126)のうち素数になったもの(メルセンヌ素数)を材料にして、2^(p−1)×(2^p−1)という形で組み立てられる数列である。完全数とは、自分自身を除く正の約数の総和が自分自身に等しい数を指す。すなわち完全数列は「メルセンヌ数列」「素数判定(理-KAN-086)」「約数の総和関数(理-KAN-088、目録参照)」という複数パターンの合成の産物になっている。なお偶数の完全数はすべてこの形で書けることが知られているとされる一方、奇数の完全数が存在するかどうかは未解決とされる。
**検算行**: a_1=6 について、6の自分自身を除く正の約数は1,2,3であり、その総和は1+2+3=6となって自分自身と一致するため完全数であり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。同様に a_2=28 についても、約数1,2,4,7,14の総和は1+2+4+7+14=28となり一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-128 漸化式(三項間)
**定義式**: a_1=1, a_2=1, a_(n+2) = a_(n+1) + 2a_n (n≥1)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
43 | *
21 | *
11 | *
5 | *
3 | *
1 |* *
+------------------------- n
1 2 3 4 5 6 7
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 1 | 3 | 5 | 11 | 21 | 43 |
**組合せ例**: 本パターンはフィボナッチ数列(理-KAN-113、係数がすべて1の三項間漸化式)の係数を変えた一般化であり、a_(n+2)=a_(n+1)+2a_n という式は特性方程式 x²=x+2、すなわち (x−2)(x+1)=0 を経由すると閉形式 a_n=(2^n−(−1)^n)/3 に変換できる(理-KAN-129の母関数的な変換と同じ発想)。指数関数(理-KAN-007)の項2^nと交代数列(理-KAN-122)の項(−1)^nの組合せで表現される点が興味深い。
**検算行**: 漸化式より a_5 = a_4+2a_3 = 5+2×3=11、a_6=a_5+2a_4=11+2×5=21、a_7=a_6+2a_5=21+2×11=43 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。閉形式でも n=7 のとき (2^7−(−1)^7)/3=(128+1)/3=129/3=43 となり同じく一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-129 母関数の閉形式変換列
**定義式**: 母関数 G(x) = 1/((1−x)(1−2x)) の係数として定義される数列 a_n(G(x)=Σ a_n x^n)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
63 | *
31 | *
15 | *
7 | *
3 | *
1 |*
+------------------------- n
0 1 2 3 4 5
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 1 | 3 | 7 | 15 | 31 | 63 |
**組合せ例**: 部分分数分解により G(x) = −1/(1−x) + 2/(1−2x) と変形でき、これは −Σx^n + 2Σ(2x)^n = Σ(2^(n+1)−1)x^n を意味する。したがって a_n=2^(n+1)−1 という閉形式が得られ、これは理-KAN-033(二項間漸化式)・理-KAN-034(等比数列の部分和)と完全に同じ数値列(1,3,7,15,31,63,...)である。母関数という1つの式の中に、無限に続く数列全体の情報を圧縮できることを示す例になっている。
**検算行**: 閉形式 2^(n+1)−1 に n=5 を代入すると 2^6−1=64−1=63 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-130 数列の収束判定関数
**定義式**: 数列 a_n = (n+1)/n = 1 + 1/n に対し、判定関数 J(n) = |a_n − 1|(1を極限の候補として、その差の絶対値を測る)
**概形図(ASCII)**:
```
a_n
2.0 *
1.5 | *
1.33| *
1.25| *
1.2 | *
1.0 +- - - - - - - - - - - - ← 極限1に漸近
1 2 3 4 5 ... 100
```
**推移表**:
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 10 | 100 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| a_n | 2.0 | 1.5 | 1.333 | 1.25 | 1.2 | 1.1 | 1.01 |
| J(n)=\|a_n−1\| | 1.0 | 0.5 | 0.333 | 0.25 | 0.2 | 0.1 | 0.01 |
**組合せ例**: 収束判定関数は調和数列(理-KAN-117、a_n=1/n)の値そのものをJ(n)として利用しており、J(n)がnを大きくするにつれて0に近づく(調和数列自体が0に収束する)ことを根拠に、元の数列a_n=1+1/nが1に収束すると判定する。反復適用関数(理-KAN-022)を無限に繰り返した先にある「極限」という概念の入口にあたるパターンである。
**検算行**: n=100 のとき a_100=1+1/100=1.01 であり、J(100)=|1.01−1|=0.01 となる。n=10 の J(10)=0.1 と比べて確かに小さくなっており、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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## 第十四章 正式登録パターン(14)——集約・統計的写像系統(理-KAN-131〜145)
### 理-KAN-131 最大値集約関数(max aggregation)
**定義式**: 数列(または任意個の入力の組) {a_i} (i=1,…,n) に対し f(a_1,…,a_n) = max(a_1,…,a_n)。具体例として f(3,7,2,9,5) を考える。
**概形図(ASCII)**:
```
入力: 3 7 2 9 5
│ │ │ │ │
└───┴───┴─▲─┴───┘ ← 全入力を比較し、最大の値だけを残す
│
出力 f = 9
```
**推移表**:
| 入力の組 | (3,7,2,9,5) | (1,1,1) | (-4,-10,-1) |
|---|---|---|---|
| f=最大値集約 | 9 | 1 | -1 |
**組合せ例**: 最大値集約は選択合成関数(理-KAN-035、max(x,3)−min(x,−1)のようなクリッピング)で使われる二変数maxを、任意個の多引数へ一般化したものである。理-KAN-036の多引数集約(平均)と同じ「複数の入力を1個の出力に畳み込む」多対一写像だが、和や商を使わず大小比較だけで決まる点が異なる。さらに数列の先頭からではなく一定幅の窓を滑らせながらこの集約を繰り返し適用すると、理-KAN-141(移動最大値関数)になる。
**検算行**: 入力(3,7,2,9,5)の中で最大の値を比較すると9であるから f(3,7,2,9,5)=9 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-132 最小値集約関数(min aggregation)
**定義式**: f(a_1,…,a_n) = min(a_1,…,a_n)。具体例として f(3,7,2,9,5) を考える。
**概形図(ASCII)**:
```
入力: 3 7 2 9 5
│ │ │ │ │
└─▲─┴───┴───┴───┘ ← 全入力を比較し、最小の値だけを残す
│
出力 f = 2
```
**推移表**:
| 入力の組 | (3,7,2,9,5) | (1,1,1) | (-4,-10,-1) |
|---|---|---|---|
| f=最小値集約 | 2 | 1 | -10 |
**組合せ例**: 最大値集約(理-KAN-131)と対をなすパターンであり、両者を組み合わせると幅(レンジ)= max−min が得られる。これは理-KAN-143(正規化写像関数)がスケーリングの基準に用いる量そのものである。また選択合成関数(理-KAN-035)のmin(x,−1)部分は本パターンの二変数版に相当する。
**検算行**: 入力(-4,-10,-1)の中で最小の値を比較すると-10であるから f(-4,-10,-1)=-10 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-133 中央値集約関数(median)
**定義式**: 数列 {a_i} を昇順に並べ替えた列を b_1≤b_2≤…≤b_n とするとき、nが奇数ならば f=b_((n+1)/2)、nが偶数ならば f=(b_(n/2)+b_(n/2+1))/2。奇数個・偶数個で場合分けが必要な点が最大値・最小値集約(理-KAN-131・132)と異なる。
**概形図(ASCII)**:
```
入力(奇数個): 3 7 2 9 5
ソート: 2 3 [5] 7 9 ← 中央の1個をそのまま出力
入力(偶数個): 1 7 2 10
ソート: 1 [2 7] 10 ← 中央2個の平均を出力
```
**推移表**:
| 入力の組 | (3,7,2,9,5) | (1,1,1) | (1,7,2,10) |
|---|---|---|---|
| ソート後 | (2,3,5,7,9) | (1,1,1) | (1,2,7,10) |
| f=中央値 | 5 | 1 | 4.5 |
**組合せ例**: 中央値は最大値(理-KAN-131)・最小値(理-KAN-132)と同じ「ソートに基づく集約」の系統に属するが、両端ではなく中央の順位を参照する点が異なる。また理-KAN-145(ランク変換写像関数)が各要素に割り当てる順位のうち、ちょうど中央の順位に対応する値を取り出す操作とみなすこともできる。
**検算行**: 偶数個の入力(1,7,2,10)をソートすると(1,2,7,10)となり、中央2個は2と7であるから f=(2+7)/2=4.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-134 分散集約関数(variance)
**定義式**: 本パターンでは母分散(population variance)、すなわち f(a_1,…,a_n) = (1/n)Σ(i=1 to n)(a_i − μ)²(μは平均、÷nで定義)を採用する。以降の理-KAN-135(標準偏差)・理-KAN-142(移動分散)・理-KAN-144(標準化)もこの母分散の定義に統一する(不偏分散÷(n−1)は用いない)。
**概形図(ASCII)**:
```
入力: 2 4 6 平均μ=4
偏差: -2 0 +2 ← 各値と平均との差
二乗: 4 0 4 Σ=8 → 分散=8/3
```
**推移表**:
| 入力の組 | (2,4,6) | (1,1,1) | (2,4,4,4,5,5,7,9) |
|---|---|---|---|
| 平均μ | 4 | 1 | 5 |
| Σ(a_i−μ)² | 8 | 0 | 32 |
| f=分散(母分散、÷n) | 2.667 | 0 | 4.0 |
**組合せ例**: 分散は多引数集約(理-KAN-036)の平均を土台に、各値の平均からのズレを二乗して再び集約するという「集約の入れ子」構造を持つ。理-KAN-025の累積和はΣa_iそのものを求めるのに対し、分散はΣ(a_i−μ)²という変形された数列に集約(和)を適用してからnで割ったものと解釈できる。
**検算行**: 入力(2,4,4,4,5,5,7,9)の平均は40/8=5、偏差の二乗和は(2−5)²+3×(4−5)²+2×(5−5)²+(7−5)²+(9−5)²=9+3×1+2×0+4+16=32であるから f=32/8=4.0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-135 標準偏差集約関数(standard deviation)
**定義式**: 理-KAN-134で定義した母分散の平方根として f(a_1,…,a_n) = √((1/n)Σ(a_i−μ)²) と定義する(母標準偏差)。
**概形図(ASCII)**:
```
分散(理-KAN-134) --> [√をとる] --> 標準偏差
例: 分散=4 --> √4 --> 標準偏差=2.0
```
**推移表**:
| 入力の組 | (2,4,6) | (1,1,1) | (2,4,4,4,5,5,7,9) |
|---|---|---|---|
| 分散(理-KAN-134より) | 2.667 | 0 | 4.0 |
| f=標準偏差=√分散 | 1.633 | 0 | 2.0 |
**組合せ例**: 標準偏差は分散(理-KAN-134)に平方根関数(理-KAN-012)を合成しただけの構造であり、f=√(理-KAN-134の出力)と書ける。分散が「二乗した単位」であるのに対し、標準偏差は元の数列と同じ単位に戻すための後処理として平方根が使われている。
**検算行**: 入力(2,4,6)の分散(理-KAN-134の値)は8/3≈2.667であるから、標準偏差は√(8/3)=1.632…≈1.633 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-136 加重平均集約関数(weighted average)
**定義式**: 値の組 {a_i} と重みの組 {w_i} (i=1,…,n) に対し f(a,w) = Σ(a_i・w_i) / Σw_i。重みがすべて等しい場合は理-KAN-036の単純平均(avg₃)に一致する。
**概形図(ASCII)**:
```
値: 80 90 70
重み: 2 3 5
│×2 │×3 │×5
160 + 270 + 350 = 780 Σw=2+3+5=10
f=780/10=78.0
```
**推移表**:
| 入力(値,重み) | ((80,90,70),(2,3,5)) | ((4,9),(1,1)) | ((10,20),(1,3)) |
|---|---|---|---|
| Σ(a_i・w_i) | 780 | 13 | 70 |
| Σw_i | 10 | 2 | 4 |
| f=加重平均 | 78.0 | 6.5 | 17.5 |
**組合せ例**: 重みをすべて1にすると加重平均は理-KAN-036の多引数集約(avg₃)に完全に一致する。実際((4,9),(1,1))の場合、Σ(a_i・w_i)=4+9=13、Σw_i=2、f=13/2=6.5となり、これは通常の平均(4+9)/2=6.5と同じ値である。加重平均は理-KAN-036の「重みが常に1/nである」特殊形を一般化したパターンとみなせる。
**検算行**: ((10,20),(1,3))の場合、Σ(a_i・w_i)=10×1+20×3=10+60=70、Σw_i=1+3=4であるから f=70/4=17.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-137 幾何平均集約関数(geometric mean)
**定義式**: f(a_1,…,a_n) = (Π(i=1 to n) a_i)^(1/n)(全ての a_i>0 を仮定)。
**概形図(ASCII)**:
```
入力: 4 9
│× │
└──36──┘ ← 積をとる
│
√36 = 6.0 ← n=2乗根をとる
```
**推移表**:
| 入力の組 | (4,9) | (2,4,8) | (1,1,1) |
|---|---|---|---|
| 積 Π a_i | 36 | 64 | 1 |
| f=幾何平均=(Πa_i)^(1/n) | 6.0 | 4.0 | 1.0 |
**組合せ例**: 幾何平均は累積積関数(理-KAN-140)が求める積Πa_iに、さらにn乗根(平方根関数理-KAN-012や立方根関数理-KAN-031の一般化)を後から合成したものである。加重平均(理-KAN-136)が「和と商」で作られるのに対し、幾何平均は「積とべき根」で作られる対をなす構造を持つ。
**検算行**: 入力(2,4,8)の積は2×4×8=64であり、64の立方根は4(4³=64であるため)であるから f(2,4,8)=4.0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-138 調和平均集約関数(harmonic mean)
**定義式**: f(a_1,…,a_n) = n / Σ(i=1 to n)(1/a_i)(全ての a_i≠0 を仮定)。
**概形図(ASCII)**:
```
入力: 2 4
│1/ │1/
0.5 + 0.25 = 0.75 ← 逆数の和
│
2/0.75 = 2.6666… ← n個で割って再び逆数
```
**推移表**:
| 入力の組 | (2,4) | (1,2,4) | (5,5,5) |
|---|---|---|---|
| Σ(1/a_i) | 0.75 | 1.75 | 0.6 |
| f=調和平均=n/Σ(1/a_i) | 2.667 | 1.714 | 5.0 |
**組合せ例**: 調和平均は反比例関数(理-KAN-011、f(x)=定数/x)を各入力に適用してから多引数集約(理-KAN-036相当の平均)をとり、最後にもう一度反比例(逆数)を施すという「反比例∘平均∘反比例」の三段合成として構成できる。全ての入力が等しい場合(例(5,5,5))は他の平均と同様に元の値に一致する。
**検算行**: 入力(2,4)の逆数の和は1/2+1/4=0.75であるから f(2,4)=2/0.75=2.6666…≈2.667 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-139 モード(最頻値)集約関数(mode)
**定義式**: f(a_1,…,a_n) = 出現回数が最大となる値。複数の値が同数で最頻値となる場合、本パターンでは規約として数値が最小のものを代表値として採用する。
**概形図(ASCII)**:
```
入力: 3 7 7 2 9 7
度数: 3→1回, 7→3回, 2→1回, 9→1回
7 が最多(3回) → 出力7
```
**推移表**:
| 入力の組 | (3,7,7,2,9,7) | (1,1,2,2,3) | (5,5,5,5) |
|---|---|---|---|
| 最大度数の値(同数なら最小値を採用) | 7(3回) | 1(2回、2と同数のため規約で1を採用) | 5(4回) |
| f=モード | 7 | 1 | 5 |
**組合せ例**: モードは剰余関数(理-KAN-014)やパリティ写像(理-KAN-026)と同様に「値を有限個のカテゴリに分類してから数え上げる」という離散的な集約であり、平均(理-KAN-036)・中央値(理-KAN-133)が数値の大小や順序を使うのに対し、モードは出現回数という別の尺度で集約する点が対照的である。
**検算行**: 入力(1,1,2,2,3)では1と2がともに2回ずつ出現し同数であるため、規約に従い数値の小さい1を代表値として採用し f=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-140 累積積関数(累乗の集約版、cumulative product)
**定義式**: 数列 {a_i} に対し f(n) = Π(i=1 to n) a_i(先頭からn項の積)。累積和(理-KAN-025)の乗算版に相当する。
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列: 2 3 1 4
累積積: 2 6 6 24 ← 1つ前の累積積に次の項を掛けていく
```
**推移表**(元数列 a=[2,3,1,4]に対する累積積):
| n(項数) | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| 対象項 | 2 | 3 | 1 | 4 |
| f(n)=累積積 | 2 | 6 | 6 | 24 |
**組合せ例**: 累積積は累積和(理-KAN-025)の「加算を乗算に置き換えた」双対パターンである。両者の関係は対数関数(理-KAN-008)を介して結ばれており、log(Πa_i) = Σlog(a_i) が成り立つため、各項の対数をとってから累積和(理-KAN-025)を適用し、最後に指数関数(理-KAN-007)で戻すと累積積と同じ結果が得られる。
**検算行**: n=4までの積を計算すると2×3×1×4=24となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-141 移動最大値関数(窓幅可変、moving max)
**定義式**: 数列 {a_i} と窓幅wに対し f(i) = max(a_i, a_{i+1}, …, a_{i+w−1})。畳み込み(理-KAN-024、窓幅3の移動平均)の最大値版であり、窓幅wを可変パラメータとして持つ。
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列: 1 5 2 8 3 3 9
\___/\___/\___/ ← 幅3(w=3)の窓を1つずつスライド
移動最大値: 5 8 8 8 9
```
**推移表**(元数列 a=[1,5,2,8,3,3,9]、窓幅w=3に対する移動最大値):
| i | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 窓の中身 | (1,5,2) | (5,2,8) | (2,8,3) | (8,3,3) | (3,3,9) |
| f(i)=窓内max | 5 | 8 | 8 | 8 | 9 |
**組合せ例**: 移動最大値は畳み込み(理-KAN-024)と同じ「窓をスライドさせる」構造を持つが、窓内で平均をとる代わりに最大値集約(理-KAN-131)を適用する点が異なる。窓幅wを数列の全長まで広げると、移動最大値は理-KAN-131の全域版(1つの最大値だけを返す集約)に一致する。
**検算行**: i=3の窓(8,3,3)の最大値を比較すると8であり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-142 移動分散関数(moving variance)
**定義式**: 数列 {a_i} と窓幅wに対し、窓内平均をμ_iとして f(i) = (1/w)Σ(k=0 to w−1)(a_{i+k}−μ_i)²(理-KAN-134と同じ母分散の定義を窓ごとに適用する)。
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列: 2 4 6 8 10 8 6
\___/\___/\___/\___/\___/ ← 幅3(w=3)の窓をスライド
窓内平均: 4 6 8 8.667 8
窓内分散: 2.667 2.667 2.667 0.889 2.667
```
**推移表**(元数列 a=[2,4,6,8,10,8,6]、窓幅w=3に対する移動分散):
| i | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 窓の中身 | (2,4,6) | (4,6,8) | (6,8,10) | (8,10,8) | (10,8,6) |
| 窓内平均μ_i | 4 | 6 | 8 | 8.667 | 8 |
| f(i)=窓内分散(母分散) | 2.667 | 2.667 | 2.667 | 0.889 | 2.667 |
**組合せ例**: 移動分散は移動最大値(理-KAN-141)と同じ「窓のスライド」構造に、最大値集約の代わりに分散集約(理-KAN-134)を適用したものである。窓(8,10,8)のように窓内の値が平均から離れにくい場合には分散が小さくなり(0.889)、他の等差的な窓(分散2.667で共通)と比べて変動が小さいことが数値上でも確認できる。
**検算行**: i=3の窓(8,10,8)の平均は(8+10+8)/3=26/3≈8.667、偏差の二乗和は(8−26/3)²+(10−26/3)²+(8−26/3)²=4/9+16/9+4/9=24/9=8/3であるから f(3)=(8/3)/3=8/9≈0.889 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-143 正規化写像関数(0〜1へのスケーリング、min-max normalization)
**定義式**: 数列 {a_i} に対し、最小値をmin(理-KAN-132)、最大値をmax(理-KAN-131)として f(a_i) = (a_i − min) / (max − min)。
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列: 2 4 10 6
最小2・最大10(範囲=max-min=8)
│ │ │ │
正規化後: 0.0 0.25 1.0 0.5 ← 全て[0,1]の範囲に収まる
```
**推移表**(元数列 a=[2,4,10,6]、min=2、max=10に対する正規化):
| 入力 a_i | 2 | 4 | 10 | 6 |
|---|---|---|---|---|
| f(a_i)=(a_i−min)/(max−min) | 0.0 | 0.25 | 1.0 | 0.5 |
**組合せ例**: 正規化写像は最小値集約(理-KAN-132)と最大値集約(理-KAN-131)の出力を分母・分子の基準として使うアフィン変換(理-KAN-004類似の一次式)の一種である。全ての入力に対して最小値を0、最大値を1に写す点で、理-KAN-144(標準化写像関数)が平均と標準偏差を基準にするのとは異なる基準のスケーリングになっている。
**検算行**: a_i=6の場合、(6−2)/(10−2)=4/8=0.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-144 標準化写像関数(平均0分散1へ、z-score standardization)
**定義式**: 数列 {a_i} の平均をμ、理-KAN-134と同じ母分散から得た標準偏差(理-KAN-135)をσとして f(a_i) = (a_i − μ) / σ。
**概形図(ASCII)**:
```
元の数列: 2 4 4 4 5 5 7 9 平均μ=5、標準偏差σ=2(理-KAN-134/135より)
│ │ │ │ │ │ │ │
z値: -1.5 -0.5×3 0×2 1.0 2.0 ← μ=5を0、σ=2を1目盛りとして再配置
```
**推移表**(元数列 a=[2,4,4,4,5,5,7,9]、μ=5、σ=2に対する標準化):
| a_i | 2 | 4 | 4 | 4 | 5 | 5 | 7 | 9 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f(a_i)=(a_i−5)/2 | -1.5 | -0.5 | -0.5 | -0.5 | 0 | 0 | 1.0 | 2.0 |
**組合せ例**: 標準化は正規化(理-KAN-143)と同じ「線形変換で尺度を揃える」目的を持つが、基準に最小値・最大値ではなく分散集約(理-KAN-134)・標準偏差集約(理-KAN-135)の出力を使う点が異なる。実際にこの例のz値の平均を計算すると0、母分散を計算すると1になり、標準化が「平均0・分散1」という定義通りの性質を持つことが数値でも確認できる。
**検算行**: z値の列(-1.5,-0.5,-0.5,-0.5,0,0,1.0,2.0)の平均は合計0を8で割って0、二乗和は2.25+0.25×3+0+0+1.0+4.0=8.0を8で割って分散1.0となり、定義通り平均0・分散1が実測できる(実測: 一致)。
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### 理-KAN-145 ランク変換写像関数(rank transform)
**定義式**: 数列 {a_i} を昇順に並べたときの順位を割り当てる写像。同順位(タイ)が存在する場合は、本パターンでは規約としてタイになった順位の平均(平均順位方式)を採用する。
**概形図(ASCII)**:
```
入力: 30 10 20 40
ソート: 10(1位) 20(2位) 30(3位) 40(4位)
順位変換: 30→3位, 10→1位, 20→2位, 40→4位
```
**推移表**:
| 入力 a_i | 30 | 10 | 20 | 40 |
|---|---|---|---|---|
| 順位(昇順、最小=1、タイなし) | 3 | 1 | 2 | 4 |
**推移表(タイあり、平均順位方式)**(入力 a=(5,5,2,8)):
| 入力 a_i | 5 | 5 | 2 | 8 |
|---|---|---|---|---|
| 順位(同順位は平均) | 2.5 | 2.5 | 1 | 4 |
**組合せ例**: ランク変換は中央値集約(理-KAN-133)が内部で行う「昇順ソート」を、1つの代表値の抽出ではなく全要素の順位という形で出力する写像である。正規化写像(理-KAN-143)が値そのものの大きさを基準にスケーリングするのに対し、ランク変換は値の大小関係(順序)だけを基準にする点で対照的な集約・写像パターンになっている。
**検算行**: 入力(5,5,2,8)をソートすると(2,5,5,8)であり、2位・3位に2つの5が並ぶため平均順位方式では(2+3)/2=2.5をどちらの5にも割り当て、2は1位、8は4位となる。この結果は推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
## 第十五章 正式登録パターン(15)——選択・分岐・論理系統(理-KAN-146〜160)
### 理-KAN-146 四値分岐関数
**定義式**:
```
┌ "負大" (x < -5 のとき)
f(x) = ┤ "負小" (-5 ≤ x < 0 のとき)
┤ "正小" (0 ≤ x < 5 のとき)
└ "正大" (x ≥ 5 のとき)
```
**概形図(ASCII)**:
```
出力(記号)
正大 | ***
正小 | ***
負小 |***
負大 *
+------------------ x
-10 -5 0 5 10
```
**推移表**:
| x | -10 | -5 | -1 | 0 | 3 | 5 | 10 |
|---|-----|----|----|---|---|---|----|
| f(x) | 負大 | 負小 | 負小 | 正小 | 正小 | 正大 | 正大 |
**組合せ例**: 四値分岐関数は三値分岐関数(理-KAN-028)の「正」の枝をさらに閾値5で二分割した拡張である。理-KAN-028では x=7 は単に "正" と判定されるが、本パターンでは 0≤7 は真だが 7<5 は偽なので "正大" と判定され、028の1枝が146では2枝に分割されていることが確認できる。同様に "負" 側も理論上は閾値-5でさらに分割可能であり、場合分け関数(理-KAN-020)が持つ「分岐数は自由に増やせる」という性質(020の組合せ例で予告済み)の具体的な第一段階がこれに当たる。
**検算行**: 定義式に x=-5 を代入すると -5<-5 は偽、-5≤-5<0 は真であるから f(-5)="負小" となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-147 多値分岐関数(N分岐一般形)
**定義式**:
```
f(x) = c_k (a_(k-1) ≤ x < a_k となる k に対して、k=1,...,N)
例(N=5, 成績判定): 境界 60,70,80,90 を用いる
┌ "A" (x ≥ 90)
┤ "B" (80 ≤ x < 90)
f(x) = ┤ "C" (70 ≤ x < 80)
┤ "D" (60 ≤ x < 70)
└ "F" (x < 60)
```
**概形図(ASCII)**:
```
出力
A | ***
B | ***
C | ***
D | ***
F |***
+---------------------------- x
0 60 70 80 90 100
```
**推移表**:
| x | 95 | 85 | 75 | 65 | 55 |
|---|----|----|----|----|----|
| f(x) | A | B | C | D | F |
**組合せ例**: 多値分岐関数は場合分け関数(理-KAN-020、実質3分岐)・三値分岐関数(理-KAN-028、N=3)・四値分岐関数(理-KAN-146、N=4)をすべて特殊例として含む一般形であり、区間の境界値 a_0<a_1<...<a_N と各区間の出力 c_1,...,c_N を任意個用意すれば良い。本パターンではN=5(境界60,70,80,90の4本、出力5種)を採用しており、境界の数を増減させるだけで146や028に縮退させることができる。
**検算行**: 定義式に x=75 を代入すると 70≤75<80 の区間に該当するため f(75)="C" となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-148 閾値関数(ステップ関数)
**定義式**: f(x) = H(x−3) = { 1 (x≥3のとき), 0 (x<3のとき) }
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
1 | *********
0 |**********
+------------------- x
-1 0 2 3 4 6
```
(x=3を境に0から1へ一段だけ切り替わる階段)
**推移表**:
| x | -1 | 0 | 2 | 3 | 4 | 6 |
|---|----|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 |
**組合せ例**: 閾値関数は多値分岐関数(理-KAN-147)においてN=2(境界が1本のみ)とした最も単純な場合であり、場合分け関数(理-KAN-020)の分岐条件を1つだけに削ぎ落とした極限形とみなせる。また出力を{0,1}の2値に限定する点は三値分岐関数(理-KAN-028)の出力を2値に潰した縮退形とも解釈できる。次の理-KAN-149(ヒステリシス関数)は、この単一閾値を「上げ閾値」と「下げ閾値」の2本に増やし、履歴依存性を追加した拡張として位置づけられる。
**検算行**: 定義式に x=3 を代入すると 3≥3 が真であるから f(3)=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-149 ヒステリシス関数(履歴依存の分岐)
**定義式**:
```
上げ閾値 θ_up=5、下げ閾値 θ_down=2、直前状態 s とする。
┌ 1 (x ≥ θ_up のとき、以後 s=1)
f(x,s) =┤ 0 (x ≤ θ_down のとき、以後 s=0)
└ s (θ_down < x < θ_up のとき、状態を保持)
```
**概形図(ASCII)**:
```
出力
1 | ┌───┐
| │ └──┐
0 ┴───┐ │ └───
└─────┘
0 2 3 5(up) 6 3 1 3
(下降→上昇→下降とたどる経路によって、同じx=3でも出力が変わる)
```
**推移表**(初期状態 s=0、入力列 x=0,3,6,3,1,3 を順に適用):
| ステップ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| x | 0 | 3 | 6 | 3 | 1 | 3 |
| 直前状態 s | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 |
| f(x,s) | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |
| 更新後状態 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |
**組合せ例**: ヒステリシス関数は閾値関数(理-KAN-148)を2本の閾値に増やし、さらに「直前の出力」という記憶(状態)を導入した拡張である。同じ入力 x=3 が推移表のステップ2・4・6にそれぞれ登場するが、出力はステップ2で0、ステップ4で1、ステップ6で0と、直前の履歴によって異なる値になる点が、入力だけで出力が一意に決まる場合分け関数(理-KAN-020)や三値分岐関数(理-KAN-028)との決定的な違いである。
**検算行**: ステップ3では x=6≥5(θ_up)であるから f=1、状態は1に更新される。続くステップ4は x=3 で θ_downとθ_upの間なので直前状態1を保持し f=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-150 クリッピング関数(上下限つき、理-KAN-035の一般形)
**定義式**: clip(x, L, U) = max(L, min(x, U)) (下限L=-2、上限U=5とする)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
5 | *****
0 | *****
-2 *****
+------------------------ x
-5 -2 0 5 9
```
(L〜Uの範囲では傾き1の直線、範囲外は水平に飽和)
**推移表**:
| x | -5 | -2 | 0 | 5 | 9 |
|---|----|----|---|---|---|
| f(x) | -2 | -2 | 0 | 5 | 5 |
**組合せ例**: 本パターンは選択合成関数(理-KAN-035、f(x)=max(x,3)−min(x,−1))と同じ max・min という2つの選択部品を用いるが、組み立て方が異なる。035は「範囲内で一定値、範囲外で増加する“幅”」を計算する構造であるのに対し、clip(x,L,U)=max(L,min(x,U)) は「範囲内では入力をそのまま通し、範囲外だけ上下限に飽和させる」標準的なクリッピングである。実際 L=-1,U=3 を代入すると clip(-1,-1,3)=-1、clip(1,-1,3)=1、clip(3,-1,3)=3 となり、範囲内では恒等関数(理-KAN-001)と同じ値を返す点が、範囲内で常に4という定数を返す035とは明確に異なる(実測: 一致)。両者は「max/minによる選択」という共通の原子部品を、異なる目的のために組み合わせた姉妹パターンである。
**検算行**: 定義式に x=9、L=-2、U=5 を代入すると min(9,5)=5、max(-2,5)=5 であるから f(9)=5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-151 デッドゾーン関数(不感帯)
**定義式**: f(x) = 0 (|x|≤d のとき)、x − d・sign(x) (|x|>d のとき) (不感帯幅 d=2)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
3 | *
0 | *********
-3 *
+------------------------ x
-5 -2 0 2 5
```
(|x|≤2の範囲だけ出力0の「不感帯」、範囲外はReLU状に傾き1で増減)
**推移表**:
| x | -5 | -2 | 0 | 2 | 5 |
|---|----|----|---|---|---|
| f(x) | -3 | 0 | 0 | 0 | 3 |
**組合せ例**: デッドゾーン関数はReLU関数(理-KAN-016、f(x)=max(x,0))を2つ組み合わせて deadzone(x,d) = max(x−d,0) − max(−x−d,0) と書き直すことができる。x=5,d=2 のとき max(3,0)−max(-7,0)=3−0=3、x=-5,d=2 のとき max(-7,0)−max(3,0)=0−3=-3 となり、いずれも推移表と一致する(実測: 一致)。これは場合分け関数(理-KAN-020)の3分岐(負域・不感帯・正域)を、選択合成(理-KAN-035系統)のmax部品2個の差として再構成した例である。
**検算行**: 定義式に x=5、d=2 を代入すると |5|>2 であるから f(5)=5−2×sign(5)=5−2=3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-152 ソフトマックス的正規化選択関数
**定義式**: softmax(x)_i = exp(x_i) / Σ_j exp(x_j) (入力ベクトル (1,2,3) の場合)
**概形図(ASCII)**:
```
出力比率
0.67 | ****
0.24 | ****
0.09 |****
+------------------ i
x1=1 x2=2 x3=3
```
(入力の大小関係を保ったまま、出力を合計1の比率に「選び分ける」)
**推移表**(x=(1,2,3)に対する softmax、小数第4位まで):
| i | 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|---|
| x_i | 1 | 2 | 3 |
| exp(x_i) | 2.7183 | 7.3891 | 20.0855 |
| softmax(x)_i | 0.0900 | 0.2447 | 0.6652 |
**組合せ例**: ソフトマックスは多値分岐関数(理-KAN-147)やテーブル参照(理-KAN-158、後述)のように「複数の候補から1つを選ぶ」構造の“やわらかい版”である。147が条件に応じて厳密に1つの出力だけを返すのに対し、本パターンは全ての候補に0〜1の重み(確率のようなもの)を配分し、最大の入力(x3=3)に最大の重み(0.6652)を与えつつ他の候補にもわずかな重みを残す。閾値関数(理-KAN-148)のように0か1かで単純に切り替える「ハード選択」と対比して、本パターンは「ソフト選択」と呼ばれる構造の一例であるとされる。
**検算行**: exp(1)=2.718281828…、exp(2)=7.389056099…、exp(3)=20.085536923…であり、合計は30.192874851…となる。各項をこの合計で割ると 2.718281828/30.192874851=0.090031(小数第4位に丸め0.0900)、7.389056099/30.192874851=0.244728(丸め0.2447)、20.085536923/30.192874851=0.665241(丸め0.6652)となる。丸め前の値の合計は理論上厳密に1であるが、小数第4位に丸めた値0.0900+0.2447+0.6652を合計すると0.9999となり、これは丸め誤差によるわずかなずれである(実測: 一致、ただし丸め誤差0.0001の範囲を除く)。
---
### 理-KAN-153 重み付き分岐選択関数
**定義式**:
```
規則1: 条件 x≥10、重み3、出力"高"
規則2: 条件 x≥0、 重み2、出力"中"
規則3: 条件 常に真、重み1、出力"低"
f(x) = 条件を満たす規則のうち、重みが最大の規則の出力
```
**概形図(ASCII)**:
```
x --> [規則1?] --w3--\
[規則2?] --w2--+--> 満たした規則のうち最大重みを採用 --> 出力
[規則3?] --w1--/
```
**推移表**:
| x | -3 | -1 | 0 | 5 | 10 | 15 |
|---|----|----|---|---|----|----|
| f(x) | 低 | 低 | 中 | 中 | 高 | 高 |
**組合せ例**: 重み付き分岐選択は多値分岐関数(理-KAN-147)の一般化であり、147では境界値の順序がそのまま優先順位を決めていたのに対し、本パターンでは各規則に明示的な重みを与え、複数の規則が同時に成立しうる状況でも「重みが最大のものを選ぶ」という規則で一意に決着させる。実際、規則の重みを検査順(規則1>規則2>規則3)と一致するように単調に割り当てると、本パターンは147の判定結果と完全に一致する(x=5のとき規則2と規則3が同時に真だが重みの大きい規則2の"中"が採用され、147のif-elifの優先順位と同じ挙動になる)。
**検算行**: x=5 のとき規則1(x≥10)は偽、規則2(x≥0)と規則3(常に真)は真であり、重みは規則2が2、規則3が1なので最大の規則2が採用され f(5)="中" となる。これは推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-154 条件式評価関数(真偽写像)
**定義式**: C(x) = (x mod 2 = 0) (xが偶数であるという命題の真偽)
**概形図(ASCII)**:
```
出力
真 |* * *
偽 | * * *
+------------------ x
0 1 2 3 4 5
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| C(x) | 真 | 偽 | 真 | 偽 | 真 | 偽 |
**組合せ例**: 条件式評価関数は、場合分け関数(理-KAN-020)や三値分岐関数(理-KAN-028)の条件部分「x<0」「x=0」等を独立した1つの関数として取り出したものであり、あらゆる分岐パターンの内部で使われる最小部品である。パリティ写像(理-KAN-026、f(x)=x mod 2)と比較すると、C(x)=真 はちょうど理-KAN-026の出力が0(偶数)であることと対応し、C(x)=偽 は出力1(奇数)に対応する(x=3のとき026は1、C(3)=偽で対応が一致する)。
**検算行**: 定義式に x=4 を代入すると 4 mod 2=0 であるから C(4)=真 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-155 三項演算子関数(条件?真:偽)
**定義式**: f(x) = C(x) ? "偶数" : "奇数" (C(x)は理-KAN-154の条件式)
**概形図(ASCII)**:
```
x --> [C(x)は真か?] --真--> "偶数"
--偽--> "奇数"
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| C(x) | 真 | 偽 | 真 | 偽 | 真 | 偽 |
| f(x) | 偶数 | 奇数 | 偶数 | 奇数 | 偶数 | 奇数 |
**組合せ例**: 三項演算子は条件式評価関数(理-KAN-154)が返す真偽値を直接受け取り、2つの候補のどちらかを選ぶ最小単位の分岐であり、多値分岐関数(理-KAN-147)においてN=2とした特殊形にあたる。絶対値関数(理-KAN-010)も「(x≥0) ? x : −x」という三項演算子として書き直せることが知られている(x=-4なら偽の枝である4を返し、|−4|=4と一致する)。三項演算子は場合分け関数(理-KAN-020)の最も単純な2分岐版であり、154の真偽値をそのまま出力の選択スイッチとして使う点が特徴である。
**検算行**: x=2 のとき C(2)=真(理-KAN-154の検算より)であるから f(2)="偶数" となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-156 短絡評価分岐関数
**定義式**: g(x) = (x≠0) かつ (1/x > 0.1) (前半の条件が偽なら後半の1/xは評価せず全体を偽として確定する)
**概形図(ASCII)**:
```
x --> [x≠0 か?] --偽--> 評価打ち切り、全体を偽で確定(1/xは計算しない)
|
真
v
[1/x > 0.1 か?] --> 真/偽がそのままgの値
```
**推移表**:
| x | 0 | 5 | 10 | 20 |
|---|---|---|---|----|
| 1/xを評価するか | 評価しない(短絡) | 評価する | 評価する | 評価する |
| 1/x の値 | (未評価) | 0.2 | 0.1 | 0.05 |
| g(x) | 偽 | 真 | 偽 | 偽 |
**組合せ例**: 短絡評価は条件式評価関数(理-KAN-154)を論理積(AND)で連結する際に、前段の条件が偽であればゼロ除算のような危険な計算(理-KAN-011の反比例関数はx=0で未定義)を避けて後段を評価しない、という実務上重要な規約である。x=10のときは 1/10=0.1 であり 0.1>0.1 は偽なので g(10)=偽 となる点に注意が必要である(等号を含まない厳密な不等号のため、境界値で真にならない)。この「危険な入力を未然に回避する」発想は、後の理-KAN-160(例外処理分岐関数)でより一般的な形で扱われる。
**検算行**: x=0 のとき最初の条件 x≠0 が偽であるため後半の1/xは評価されず、g(0)=偽 と確定する(実測: 一致)。x=5 のときは 1/5=0.2>0.1 が真であるため g(5)=真 となり、これも推移表と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-157 多重ネスト分岐関数
**定義式**:
```
┌ x≥0 のとき ┌ y≥0 なら "I"
│ └ y<0 なら "IV"
f(x,y)= ┤
└ x<0 のとき ┌ y≥0 なら "II"
└ y<0 なら "III"
```
**概形図(ASCII)**:
```
y
^
II | I
--------+--------> x
III | IV
```
(平面を象限に分ける、外側の分岐(xの符号)の中にさらに分岐(yの符号)がネストする構造)
**推移表**:
| (x,y) | (3,2) | (-3,2) | (-3,-2) | (3,-2) | (0,0) |
|---|---|---|---|---|---|
| f(x,y) | I | II | III | IV | I |
**組合せ例**: 多重ネスト分岐は、場合分け関数(理-KAN-020)や三項演算子(理-KAN-155)のような単純な1段分岐を、その分岐先の内部にさらに別の分岐を埋め込んだ構造であり、合成関数(理-KAN-019、f=h∘g)が「関数を入れ子にして繋ぐ」のと同じ発想を制御構造(分岐)に適用したものである。外側の分岐がxの符号を判定する三値分岐関数(理-KAN-028)相当の判定を行い、内側の分岐がyについて同様の判定を行う、という「分岐の合成」になっている。
**検算行**: (x,y)=(-3,-2) のとき外側の条件 x≥0 は偽なので内側の"x<0"分岐に入り、続けて y≥0 は偽なので"III"が返る。これは推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-158 テーブル参照写像関数
**定義式**: f(n) = table[n]、table = [2, 3, 5, 7, 11] (n=0,1,2,3,4、値は明示的な配列として事前に用意する)
**概形図(ASCII)**:
```
n: 0 1 2 3 4
| | | | |
table: 2 3 5 7 11 ← 計算式ではなく表の直接参照
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| f(n) | 2 | 3 | 5 | 7 | 11 |
**組合せ例**: テーブル参照は多値分岐関数(理-KAN-147)を極限まで細分化し、各分岐条件を「x=k」という等号だけにした特殊形とみなせる。147が区間(範囲)ごとに出力を割り当てるのに対し、本パターンは1つの入力値ごとに個別の出力を割り当てるため、分岐の本数(N)は定義域の要素数と等しくなる。ここで用いた table=[2,3,5,7,11] は先頭5個の素数であり、素数判定のような計算コストの高い規則をあらかじめ計算し尽くして表に格納しておく、という実務上の高速化手法の最小例になっている。
**検算行**: 定義式に n=3 を代入すると table[3]=7 であり、これは実際に4番目の素数(2,3,5,7の4番目)であることと一致し、推移表の値とも一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-159 パターンマッチ分岐関数
**定義式**:
```
match x with
0 -> "零"
n if n>0 -> "正"
_ -> "負" ← どの規則にも当てはまらない残り全部を受け止める「ワイルドカード」
```
**概形図(ASCII)**:
```
x --> [x=0 に一致?] --Yes--> "零"
|No
v
[x>0 のガード付き規則に一致?] --Yes--> "正"
|No
v
[ワイルドカード _ に一致] --> "負"
```
**推移表**:
| x | 0 | 5 | -3 |
|---|---|---|---|
| f(x) | 零 | 正 | 負 |
**組合せ例**: パターンマッチは、テーブル参照(理-KAN-158)の「値ごとの完全一致」に加え、「n if n>0」のような条件付きの一致(ガード)や、どれにも一致しない場合を拾う「ワイルドカード」を許した拡張である。出力の形自体は三値分岐関数(理-KAN-028、負/零/正)と完全に同じ数値系列を生成するが、028がif/elseで書かれるのに対し本パターンはmatch構文で書かれており、両者は表記が違うだけで意味的には同一の分岐構造であることが確認できる。
**検算行**: x=-3 は0でもなく正でもないため、どの明示規則にも一致せずワイルドカード _ が適用され f(-3)="負" となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-160 例外処理分岐関数(定義域外入力の扱い)
**定義式**: f(x) = 10/x (x≠0のとき)、"エラー(ゼロ除算)" (x=0のとき、定義域外として例外扱い)
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
10 *
5 | *
2 | *
+------------------ x
-2 | *
-5 | *
-5 -2 1 2 5 x=0では出力が定義域外の"エラー"に切り替わる
```
**推移表**:
| x | -5 | -2 | 1 | 2 | 5 | 0 |
|---|----|----|---|---|---|---|
| f(x) | -2 | -5 | 10 | 5 | 2 | エラー(ゼロ除算) |
**組合せ例**: 例外処理分岐関数は、短絡評価分岐関数(理-KAN-156)が「危険な計算を避けて評価を打ち切る」ことに留まっていたのに対し、その打ち切りの結果を「エラー」という明示的な値として返す、より一般的な仕組みである。反比例関数(理-KAN-011、f(x)=6/x)がそもそも定義域からx=0を除外していたのに対し、本パターンはx=0を定義域に含めた上で、条件式評価関数(理-KAN-154)の要領で「x=0か否か」を判定し、場合分け関数(理-KAN-020)と同じ2分岐構造によって通常の計算結果とエラー値を切り替える。理-KAN-146〜160を通じて見てきた閾値・履歴・重み・論理・照合による分岐はすべて「入力がどの状況に当てはまるか」を判定する仕組みであったが、本パターンは最後に「どの状況にも正しく当てはまらない入力」をどう扱うかという、分岐系統全体の締めくくりの論点を担っている。
**検算行**: 定義式に x=0 を代入すると、通常の 10/0 は数学的に未定義であるため計算せず、例外として"エラー(ゼロ除算)"を返す。これは推移表の値と一致する(実測: 一致)。x=-2 のときは 10/(-2)=-5 となり、これも推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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## 第十六章 正式登録パターン(16)——電卓・計算機接続の入口系統(理-KAN-161〜180)
### 理-KAN-161 加算関数(二変数)
**定義式**: f(a,b) = a + b 例: f(23,58) = 23+58 = 81
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+
[ + ]---> f(a,b)
b ---+
例: 23,58 --> [ + ] --> 81
```
**推移表**:
| (a,b) | (2,3) | (7,5) | (-3,8) | (10,-4) | (0,0) | (23,58) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(a,b) | 5 | 12 | 5 | 6 | 0 | 81 |
**組合せ例**: 一方の引数を定数cに固定すると、加算関数はアフィン関数(理-KAN-004)の特殊形 g(a)=a+c に退化する。b=5に固定した g(a)=a+5 は a=7 のとき g(7)=12 となり、推移表の f(7,5)=12 と一致する。また、同じ「次の値を足す」操作をリストの要素数だけ繰り返すと累算器関数(理-KAN-176)の更新規則そのものになる。
**検算行**: 定義式 a+b に a=23, b=58 を代入すると 23+58=81 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-162 減算関数(二変数)
**定義式**: f(a,b) = a − b 例: f(58,23) = 58−23 = 35
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+
[ − ]---> f(a,b)
b ---+
例: 58,23 --> [ − ] --> 35
```
**推移表**:
| (a,b) | (7,5) | (5,7) | (0,5) | (-3,-8) | (10,10) | (58,23) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(a,b) | 2 | -2 | -5 | 5 | 0 | 35 |
**組合せ例**: 減算は「符号反転してから加算する」操作として分解できる。a−b = a + (−b) = 加算関数(理-KAN-161)に符号反転関数(理-KAN-167)を通したb を渡したものである。a=7,b=5 のとき 理-KAN-167(5)=−5、理-KAN-161(7,−5)=2 となり、推移表の f(7,5)=2 と一致する。
**検算行**: 定義式 a−b に a=58, b=23 を代入すると 58−23=35 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-163 乗算関数(二変数)
**定義式**: f(a,b) = a × b 例: f(6,7) = 6×7 = 42
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+
[ × ]---> f(a,b)
b ---+
例: 6,7 --> [ × ] --> 42
```
**推移表**:
| (a,b) | (7,5) | (-3,4) | (0,9) | (-2,-6) | (1.5,4) | (6,7) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(a,b) | 35 | -12 | 0 | 12 | 6.0 | 42 |
**組合せ例**: 乗算は二進表現では部分積の和に分解できる(乗算器分解関数、理-KAN-175)。5×3 を2進(101×011)で分解すると部分積は 5, 10, 0 となり、これを加算関数(理-KAN-161)で 161(5,10)=15、続けて 161(15,0)=15 とまとめると f(5,3)=15 に一致する。また正の整数乗算は「同じ数を繰り返し足す」反復適用(理-KAN-022)の特殊形とも見なせる(4×3=4+4+4)。
**検算行**: 定義式 a×b に a=6, b=7 を代入すると 6×7=42 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-164 除算関数(二変数、ゼロ割の扱いつき)
**定義式**:
```
┌ a / b (b ≠ 0)
f(a,b) = ┤
└ エラー(未定義) (b = 0)
```
例: f(100,8) = 100/8 = 12.5、f(5,0) = エラー(未定義)
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+
[ ÷ ]---> b≠0 ? a/b
b ---+---------> b=0 ? エラー
```
**推移表**:
| (a,b) | (12,4) | (7,2) | (-9,3) | (5,0) | (0,5) | (100,8) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(a,b) | 3 | 3.5 | -3 | エラー | 0 | 12.5 |
**組合せ例**: 除算は「逆数をかける」操作として分解できる。a/b = a × (1/b) = 乗算関数(理-KAN-163)に逆数演算関数(理-KAN-168)を通したbを渡したものである。a=12,b=4 のとき 理-KAN-168(4)=0.25、理-KAN-163(12,0.25)=3 となり、推移表の f(12,4)=3 と一致する。b=0の場合の分岐処理は場合分け関数(理-KAN-020)の構造そのものであり、終章で扱う「条件分岐」操作の具体例になっている。
**検算行**: 定義式 a/b に a=100, b=8 を代入すると 100/8=12.5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-165 冪乗関数(二変数、x^y)
**定義式**: f(x,y) = x^y 例: f(10,3) = 10^3 = 1000
**概形図(ASCII)**:
```
x ---+
[ ^ ]---> f(x,y)
y ---+
例: 10,3 --> [ ^ ] --> 1000
```
**推移表**:
| (x,y) | (2,10) | (3,0) | (5,-1) | (-2,3) | (4,0.5) | (10,3) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x,y) | 1024 | 1 | 0.2 | -8 | 2 | 1000 |
**組合せ例**: yが正の整数のとき、冪乗は「xを繰り返し掛ける」反復適用(理-KAN-022)として乗算関数(理-KAN-163)から組み立てられる。v=1から出発し v←163(v,2) を10回繰り返すと v=1024 となり、f(2,10)=1024 と一致する。指数関数(理-KAN-007、底2の f(x)=2^x)は本パターンのxを2に固定した特殊形にあたる。
**検算行**: 定義式 x^y に x=10, y=3 を代入すると 10^3=1000 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-166 剰余演算関数(二変数一般形)
**定義式**: f(a,b) = a − b×⌊a/b⌋ (b≠0、床関数⌊⌋は理-KAN-013参照。この定義により剰余の符号は除数bの符号に一致する)
例: f(23,5) = 23 − 5×⌊4.6⌋ = 23 − 20 = 3
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+
[ mod ]---> f(a,b)
b ---+
例: 23,5 --> [mod] --> 3
```
**推移表**:
| (a,b) | (17,5) | (-17,5) | (17,-5) | (0,7) | (9,3) | (23,5) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(a,b) | 2 | 3 | -3 | 0 | 0 | 3 |
**組合せ例**: 剰余関数(理-KAN-014、x mod 3)は本パターンの除数bを3に固定した特殊形である。実際 23 mod 3 を同じ式で計算すると 23−3×⌊23/3⌋=23−21=2 となり、理-KAN-014の定義と整合する。また桁上げ処理関数(理-KAN-171)の「digit=sum mod 10」の部分は本パターンのb=10とした特殊形にあたる。
**検算行**: 定義式に a=23, b=5 を代入すると 23−5×4=3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-167 符号反転関数
**定義式**: f(x) = −x 例: f(-100) = 100
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
100 *
12.5|
0 +---*----------- x
-12.5|
-5 |
-100 -12.5 0 12.5
```
(原点を中心に符号だけが反転する直線、傾き−1の線形関数)
**推移表**:
| x | 5 | -3 | 0 | 12.5 | -100 |
|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | -5 | 3 | 0 | -12.5 | 100 |
**組合せ例**: 符号反転関数は符号関数(理-KAN-015)や絶対値関数(理-KAN-010)と密接に関係し、x = sign(x)×|x| という分解の一部を担う。さらに 0−x は減算関数(理-KAN-162)を使って 162(0,x) と書け、これは常に f(x) に一致する。x=12 のとき 162(0,12)=−12=f(12) となる。
**検算行**: 定義式 −x に x=-100 を代入すると −(−100)=100 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-168 逆数演算関数
**定義式**:
```
┌ 1/x (x ≠ 0)
f(x) = ┤
└ エラー(未定義) (x = 0)
```
例: f(8) = 1/8 = 0.125
**概形図(ASCII)**:
```
f(x)
10 *
2 | *
0.25| *
0 +-----------*--- x
0.1 0.5 4 8
```
**推移表**:
| x | 4 | 0.5 | -2 | 0.1 | 0 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| f(x) | 0.25 | 2 | -0.5 | 10 | エラー | 0.125 |
**組合せ例**: 逆数演算は反比例関数(理-KAN-011、f(x)=6/x)の分子を1にした特殊形である。また 1/x は除算関数(理-KAN-164)を使って 164(1,x) と書け、x=4 のとき 164(1,4)=0.25=f(4) となり一致する。x=0で未定義になる点も理-KAN-164のゼロ割分岐と同じ構造を持つ。
**検算行**: 定義式 1/x に x=8 を代入すると 1/8=0.125 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-169 百分率変換関数
**定義式**: f(a,b) = (a/b) × 100 (b≠0、aを全体bに対する百分率へ変換する)
例: f(9,4) = (9/4)×100 = 225
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+
[÷b]--> 比率 --[×100]--> f(a,b) [%]
b ---+
例: 9,4 --> 2.25 --> 225
```
**推移表**:
| (a,b) | (3,4) | (1,8) | (50,200) | (0,10) | (9,4) |
|---|---|---|---|---|---|
| f(a,b) [%] | 75 | 12.5 | 25 | 0 | 225 |
**組合せ例**: 百分率変換は除算関数(理-KAN-164)と乗算関数(理-KAN-163)の合成そのものであり、f(a,b) = 163(164(a,b), 100) と書ける。a=9,b=4 のとき 164(9,4)=2.25、163(2.25,100)=225 となり f(9,4)=225 と一致する。100%を超える値(225%)が出るのは a>b の場合であり、単位変換関数(理-KAN-170)と同様に「基準に対する倍率」を表す構造である。
**検算行**: 定義式 (a/b)×100 に a=9, b=4 を代入すると (9/4)×100=225 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-170 単位変換関数(一般形)
**定義式**: f(x,k,c) = k×x + c (kは倍率、cはオフセット。k,cを固定すれば単位変換式になる)
例(摂氏→華氏、k=9/5, c=32): f(100, 9/5, 32) = 100×1.8+32 = 212
**概形図(ASCII)**:
```
x ---+
[×k]--> [+c]---> f(x,k,c)
```
**推移表**:
| (x,k,c) | (2.5,100,0) [m→cm] | (100,9/5,32) [℃→℉] | (0,9/5,32) | (-40,9/5,32) | (5,1000,0) [km→m] |
|---|---|---|---|---|---|
| f(x,k,c) | 250 | 212 | 32 | -40 | 5000 |
**組合せ例**: 単位変換の一般形はアフィン関数(理-KAN-004、f(x)=k'x+c')そのものであり、kが傾き、cが切片に対応する。c=0の場合は線形関数(理-KAN-003)の特殊形となり、乗算関数(理-KAN-163)を使って 163(x,k) と一致する。実際 x=5,k=1000,c=0 のとき 163(5,1000)=5000=f(5,1000,0) となる。なお摂氏−40度と華氏−40度が一致する(f(-40,9/5,32)=-40)ことは変換式の不動点としてよく知られている。
**検算行**: 定義式 k×x+c に x=5, k=1000, c=0 を代入すると 1000×5+0=5000 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-171 桁上げ処理関数(繰り上がり)
**定義式**: 桁ごとの入力を a,b∈{0,…,9}、下位桁からの繰り上がりを cin∈{0,1} として、
sum = a+b+cin、digit = sum mod 10、carry = ⌊sum/10⌋
例: (a,b,cin)=(7,8,1) のとき sum=16, digit=6, carry=1
**概形図(ASCII)**:
```
a b cin
7 + 8 + 1
------------
16 → 十の位へ carry=1 を送る
------------
digit = 6
```
**推移表**:
| (a,b,cin) | (7,8,1) | (3,4,0) | (9,9,1) | (5,5,0) | (0,0,0) |
|---|---|---|---|---|---|
| sum=a+b+cin | 16 | 7 | 19 | 10 | 0 |
| digit(sum mod 10) | 6 | 7 | 9 | 0 | 0 |
| carry(⌊sum/10⌋) | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
**組合せ例**: sumは加算関数(理-KAN-161)を2回連ねて 161(161(a,b),cin) として得られ、digitは剰余演算関数(理-KAN-166、b=10の場合)、carryは床関数(理-KAN-013)の⌊sum/10⌋として得られる。この十進1桁の繰り上がり処理を基数2(a,b,cin∈{0,1})に限定すると、そのまま全加算器論理写像関数(理-KAN-174)の構造に一致する。
**検算行**: (a,b,cin)=(9,9,1) のとき sum=9+9+1=19、digit=19 mod 10=9、carry=⌊19/10⌋=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-172 桁借り処理関数(繰り下がり)
**定義式**: 被減数の桁をa、減数の桁をb、下位桁への貸し出しをbin∈{0,1} として、a′=a−bin とし、
```
┌ (a′+10−b, 1) (a′ < b のとき、digit=a′+10−b, borrow_out=1)
(digit,borrow_out) = ┤
└ (a′−b, 0) (a′ ≥ b のとき)
```
例: (a,b,bin)=(3,7,0) のとき a′=3、3<7 なので digit=3+10−7=6、borrow_out=1
**概形図(ASCII)**:
```
3 − 7 (借りなし)
→ 13 − 7 = 6 (十の位から10借りる)
→ borrow_out = 1
```
**推移表**:
| (a,b,bin) | (3,7,0) | (5,2,1) | (0,1,0) | (8,3,0) | (4,4,1) |
|---|---|---|---|---|---|
| a′=a−bin | 3 | 4 | 0 | 8 | 3 |
| digit | 6 | 2 | 9 | 5 | 9 |
| borrow_out | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 |
**組合せ例**: 桁借り処理は減算関数(理-KAN-162)の結果が負になる場合の後始末であり、桁上げ処理関数(理-KAN-171)の対になる逆操作にあたる。162(a′,b) が負のとき10を足してdigitとし、borrow_out=1を立てる。(a,b,bin)=(3,7,0)では 162(3,7)=−4(負)なので −4+10=6=digit、borrow_out=1 となり、推移表と一致する。
**検算行**: (a,b,bin)=(4,4,1) のとき a′=4−1=3、3<4 なので digit=3+10−4=9、borrow_out=1 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-173 加算器論理写像関数(半加算器)
**定義式**: 入力 a,b∈{0,1} に対し、和 s = a XOR b、桁上げ c = a AND b。真理値表は (a,b)→(c,s) として (0,0)→(0,0), (0,1)→(0,1), (1,0)→(0,1), (1,1)→(1,0) となる。
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+---[AND]--- c
|
b ---+---[XOR]--- s
```
**推移表**:
| a | b | c(=a AND b) | s(=a XOR b) |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 | 1 |
| 1 | 0 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 0 |
**組合せ例**: 半加算器のs,cはそれぞれ排他的論理和写像関数(理-KAN-095、XOR)と論理積写像関数(理-KAN-093、AND)そのものであり、s=095(a,b)、c=093(a,b) と書ける。a=b=1のとき 095(1,1)=0=s、093(1,1)=1=c となり、真理値表の (1,1)→(1,0) と一致する。半加算器は桁上げ処理関数(理-KAN-171)を基数2・繰り上がり入力なし(cin=0固定)に限定した特殊形とも言える。
**検算行**: a=1,b=1 のとき c=a AND b=1, s=a XOR b=0 となり、真理値表の (1,1)→(1,0) と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-174 加算器論理写像関数(全加算器)
**定義式**: 入力 a,b,cin∈{0,1} に対し、和 s = a XOR b XOR cin、桁上げ cout = (a AND b) OR (b AND cin) OR (a AND cin)。
例: a=1,b=1,cin=1 のとき合計は1+1+1=3(2進数で11)なので s=1, cout=1。
**概形図(ASCII)**:
```
a ---+--[HA1: a,b]--(c1,s1)--+--[HA2: s1,cin]--(c2,s)
b ---+ |
cin ------------------------- +
c1,c2 ---[OR]---> cout
```
**推移表(3入力の全8通り、s・coutの順)**:
| a | b | cin | sum=a+b+cin | s | cout |
|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
| 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 1 |
| 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 3 | 1 | 1 |
**組合せ例**: 全加算器は半加算器(理-KAN-173)を2段つなぎ、論理和写像関数(理-KAN-094、OR)で桁上げをまとめると構成できることが知られている。まずHA1=173(a,b)=(c1,s1)、次にHA2=173(s1,cin)=(c2,s)、最後にcout=094(c1,c2)とする。a=b=cin=1で検算すると、HA1=173(1,1)=(c1=1,s1=0)、HA2=173(0,1)=(c2=0,s=1)、cout=094(1,0)=1 となり、単一式から求めた (s,cout)=(1,1) と一致する。この構造は桁上げ処理関数(理-KAN-171)の十進1桁版を基数2に限定したものそのものである。
**検算行**: a=1,b=1,cin=1 のとき合計3=2進数で11なので s=a XOR b XOR cin=1、cout=(a AND b) OR (b AND cin) OR (a AND cin)=1 OR 1 OR 1=1 となり、推移表の (1,1,1)行 s=1,cout=1 と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-175 乗算器分解関数(部分積の合成)
**定義式**: 2進数 a と b(各bitをb_i、i=0,1,2,…)に対し、部分積 p_i = a << i (b_iが1のときのみ、0のときはp_i=0) とし、積 = Σ p_i。
例: a=5(2進101), b=3(2進011) のとき p_0=5, p_1=10, p_2=0、積=5+10+0=15
**概形図(ASCII)**:
```
101 (5)
× 011 (3)
-------
101 ← b_0=1: 5<<0
101_ ← b_1=1: 5<<1=10
000__ ← b_2=0: 0
-------
01111 ← 合計15
```
**推移表**:
| (a,b)二進 | 5(101)×3(011) | 6(110)×5(101) |
|---|---|---|
| 部分積 | 5, 10, 0 | 6, 0, 24 |
| 合計 | 15 | 30 |
| 検算(10進) | 5×3=15 | 6×5=30 |
**組合せ例**: 部分積の合計は加算関数(理-KAN-161)の連続適用として得られる。161(5,10)=15、続けて161(15,0)=15 となり、乗算関数(理-KAN-163)の定義値163(5,3)=15と一致する。複数桁の部分積を実際に足し合わせる際には各桁で桁上げ処理関数(理-KAN-171)、あるいは全加算器論理写像関数(理-KAN-174)による桁上げの伝播が必要になる。
**検算行**: a=6(110), b=5(101) の部分積は6,0,24であり、合計6+0+24=30となる。これは乗算関数163(6,5)=30と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-176 累算器関数(アキュムレータ更新)
**定義式**: acc_0 = 0、acc_i = acc_{i-1} + x_i(加算関数、理-KAN-161をそのまま使う: acc_i = 161(acc_{i-1}, x_i))
例: 入力列 x=[3,5,-2,7] のとき acc_1=3, acc_2=8, acc_3=6, acc_4=13
**概形図(ASCII)**:
```
acc: 0 --[+3]--> 3 --[+5]--> 8 --[+(-2)]--> 6 --[+7]--> 13
(レジスタが1ステップごとに更新されていく)
```
**推移表**:
| i | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| x_i | – | 3 | 5 | -2 | 7 |
| acc_i | 0 | 3 | 8 | 6 | 13 |
**組合せ例**: 累算器の更新列は集約関数(理-KAN-025、累積和)と本質的に同じ操作であり、同じ入力列に対する累積和と一致する。また「加算関数を1ステップずつ適用する」という点で反復適用(理-KAN-022)の一種でもある。累算器はレジスタ更新関数(理-KAN-178)のうち、命令が常に「加算」に固定された特殊形として位置づけられる。
**検算行**: x=[3,5,-2,7] に対して acc_4 = 0+3+5−2+7=13 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-177 命令デコード写像関数(オペコード→処理選択)
**定義式**: 自作の簡易オペコード表(opcode=0:加算、1:減算、2:乗算、3:除算)を用いて、
f(opcode,a,b) = opcode=0なら161(a,b)、1なら162(a,b)、2なら163(a,b)、3なら164(a,b)(b=0のときエラー)。
例: f(2,6,7) = 163(6,7) = 42
**概形図(ASCII)**:
```
opcode ---+
| 0 --> [加算161]
a,b ------+-- 1 --> [減算162] --> f(opcode,a,b)
| 2 --> [乗算163]
+-- 3 --> [除算164]
```
**推移表**:
| (opcode,a,b) | (0,6,7) | (1,10,4) | (2,6,7) | (3,20,4) | (3,5,0) |
|---|---|---|---|---|---|
| 選択される処理 | 加算161 | 減算162 | 乗算163 | 除算164 | 除算164 |
| f | 13 | 6 | 42 | 5 | エラー |
**組合せ例**: 命令デコードは場合分け関数(理-KAN-020)をN分岐に拡張したものであり、テーブル参照写像関数(理-KAN-158)や多値分岐関数(理-KAN-147)と同じ「値に応じて処理を選ぶ」構造を持つ。opcode=2のとき乗算関数163(6,7)=42が選ばれ、f(2,6,7)=42と一致する。opcode=3かつb=0の場合は除算関数(理-KAN-164)のゼロ割分岐がそのまま伝播し、エラーを返す。
**検算行**: (opcode,a,b)=(3,20,4) のとき除算164(20,4)=5が選ばれ f(3,20,4)=5 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-178 レジスタ更新関数(状態遷移の一種)
**定義式**: レジスタ(状態)Rと命令instr_tから R_{t+1} = g(R_t, instr_t)、ここでgは命令デコード写像関数(理-KAN-177)を用いて演算を選ぶ。
例: R_0=10、命令列 (add,5),(mul,3),(sub,20),(div,5) を順に適用する。
**概形図(ASCII)**:
```
R_0=10 --[add 5]--> R_1=15 --[mul 3]--> R_2=45 --[sub 20]--> R_3=25 --[div 5]--> R_4=5
```
**推移表**:
| t→t+1 | 命令 | R_t | R_{t+1} |
|---|---|---|---|
| 0→1 | (add,5) | 10 | 15 |
| 1→2 | (mul,3) | 15 | 45 |
| 2→3 | (sub,20) | 45 | 25 |
| 3→4 | (div,5) | 25 | 5 |
**組合せ例**: レジスタ更新は命令デコード写像関数(理-KAN-177)を毎ステップ呼び出す状態遷移であり、状態機械遷移関数(理-KAN-194)の具体化にあたる。命令が常に「加算」に固定される場合は累算器関数(理-KAN-176)に一致する、より一般的な構造である。t=1→2では177(mul,15,3)=163(15,3)=45が選ばれ、R_2=45となる。
**検算行**: R_2=45に命令(sub,20)を適用すると 162(45,20)=25=R_3、続けて命令(div,5)を適用すると 164(25,5)=5=R_4 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-179 スタック操作関数(push/popの写像)
**定義式**: スタックSを配列とし、push(S,x) = S に x を末尾追加した新しい配列、pop(S) = (Sの末尾要素, 末尾を除いた新しい配列) の組を返す(Sが空の場合はエラー)。
例: S=[] から push 3, push 7, push 2 のあと pop を2回行う。
**概形図(ASCII)**:
```
push3 push7 push2 pop pop
[]--> [3] --> [3,7] --> [3,7,2] --> [3,7](戻り値2) --> [3](戻り値7)
```
**推移表**:
| 操作 | push 3 | push 7 | push 2 | pop | pop |
|---|---|---|---|---|---|
| スタック(左が底) | [3] | [3,7] | [3,7,2] | [3,7] | [3] |
| popの戻り値 | – | – | – | 2 | 7 |
**組合せ例**: スタックはレジスタ更新関数(理-KAN-178)を「複数の値を保持できるように拡張したレジスタ」とみなせる。push/popはそれぞれ配列という状態に対する写像であり、次パターンの簡易命令列実行関数(理-KAN-180)では、加算関数(理-KAN-161)や乗算関数(理-KAN-163)の入出力を仲介するための一時記憶として使われる。
**検算行**: [3,7,2] に対してpopを行うと末尾要素2が戻り値、残りは[3,7]となり、続けてpopを行うと戻り値7、残りは[3]となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-180 簡易命令列実行関数(複数関数の逐次適用)
**定義式**: 命令列 [push 3, push 4, add, push 2, mul] を、スタック操作関数(理-KAN-179)・加算関数(理-KAN-161)・乗算関数(理-KAN-163)を使って順番に適用する。addとmulはスタックから上位2要素をpopし、演算結果をpushする。
**概形図(ASCII)**:
```
命令: push3 push4 add push2 mul
stack: [3] [3,4] [7] [7,2] [14]
(pop4,3;161(3,4)=7) (pop2,7;163(7,2)=14)
```
**推移表**:
| 命令 | push 3 | push 4 | add | push 2 | mul |
|---|---|---|---|---|---|
| スタック | [3] | [3,4] | [7] | [7,2] | [14] |
**組合せ例**: これは終章で予告された「合成・反復・分岐」の三操作を統合した具体例である。命令列を先頭から順に処理する部分は反復(理-KAN-022の考え方)、各命令が加算関数161や乗算関数163を呼び出す部分は合成(理-KAN-019)、命令の種類に応じて処理を切り替える部分は命令デコード写像関数(理-KAN-177)の分岐構造に相当する。最終的な結果14は (3+4)×2=14 という通常の計算式と完全に一致しており、これは全パターン合成の総合実演関数(理-KAN-200)の縮小版に位置づけられる。
**検算行**: 命令列を実際に適用すると、push3,push4でスタックは[3,4]、addで161(3,4)=7が計算されスタックは[7]、push2でスタックは[7,2]、mulで163(7,2)=14が計算され最終スタックは[14]となる。これは(3+4)×2=14と一致する(実測: 一致)。
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## 第十七章 正式登録パターン(17)——拡張・応用・境界系統(理-KAN-181〜200)
### 理-KAN-181 多変数線形結合関数
**定義式**: f(x₁, x₂, x₃) = 2x₁ + 3x₂ − x₃ (3つの入力それぞれに固定の重みを掛けて足し合わせる)
**概形図(ASCII)**:
```
x1 --[×2]---\
x2 --[×3]----+--> Σ(総和) --> f(x1,x2,x3)
x3 --[×-1]--/
```
(単変数の傾きが「重み」として3本に分かれ、最後に合流して1つの出力になる構造)
**推移表**:
| (x₁,x₂,x₃) | (1,2,3) | (2,0,1) | (0,4,2) | (-1,1,1) | (3,3,3) |
|---|---|---|---|---|---|
| f | 5 | 3 | 10 | 0 | 12 |
**組合せ例**: x₂=x₃=0とすると f(x₁,0,0)=2x₁ となり、理-KAN-003(線形関数)の傾き2の場合と完全に一致する(多変数線形結合は単変数線形関数の自然な拡張である)。重みをすべて1/3に揃えれば f(x₁,x₂,x₃)=(x₁+x₂+x₃)/3 となり、理-KAN-036(多引数集約関数、平均)と一致する特殊ケースになる。さらに一般に重みを自由に選べる本パターンは、目録の理-KAN-106(加重合成関数)の最も直接的な具体例でもある。
**検算行**: 定義式に (x₁,x₂,x₃)=(2,0,1) を代入すると 2×2+3×0−1×1=4+0−1=3 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-182 多変数二次形式関数
**定義式**: f(x, y) = x² + 2xy + 3y² (2変数の二次の項だけからなる式、行列で書けば対称な係数の組合せ)
**概形図(ASCII)**:
```
y
| * 出力は常に0以上(x,yが同時に0のときのみ0)、
| * * 原点を最小点とする「お椀」型の曲面を作る
+----------- x
|* *
| *
```
**推移表**:
| (x,y) | (1,1) | (2,0) | (0,3) | (1,-1) | (2,1) |
|---|---|---|---|---|---|
| f | 6 | 4 | 27 | 2 | 11 |
**組合せ例**: y=0のとき f(x,0)=x² となり、理-KAN-005(二次多項式)の中心をまだシフトしていない x² の項に一致する。理-KAN-181(多変数線形結合関数)が1次の項だけの多変数拡張であるのに対し、本パターンは2次の項だけの多変数拡張であり、両者を足し合わせれば一般の多変数二次式(1次+2次+定数)が作れることが分かる。また理-KAN-134(分散集約関数)の内部計算でも「偏差の二乗の和」という二次形式的な構造が使われることが知られている。
**検算行**: 定義式に (x,y)=(1,-1) を代入すると 1²+2×1×(−1)+3×(−1)²=1−2+3=2 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-183 ベクトル値関数(出力が複数値の組)
**定義式**: g(x) = (⌊x/2⌋, x mod 3) (1つの入力xから2つの数値を組にして返す)
**概形図(ASCII)**:
```
┌─[床関数 ⌊x/2⌋]──> 第1成分
x ──────┤
└─[剰余関数 x mod3]─> 第2成分
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ⌊x/2⌋ | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| x mod 3 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 |
| g(x) | (0,0) | (0,1) | (1,2) | (1,0) | (2,1) | (2,2) | (3,0) | (3,1) | (4,2) |
**組合せ例**: 本パターンは理-KAN-013(床関数)と理-KAN-014(剰余関数)の出力をそのまま1つの順序対にまとめたものである。単体の関数が数値を1つだけ返すのに対し、ベクトル値関数は複数の数値を1つの出力として束ねる構造を持つ。理-KAN-036(多引数集約関数)が複数の入力を1つの出力にまとめる「多対一」であるのに対し、本パターンは1つの入力から複数の出力を作る、いわば逆方向の拡張である。この「状態を組で持つ」考え方は、理-KAN-176(累算器関数)のように値とフラグなど複数の情報を同時に保持する構造の基礎になる。
**検算行**: x=7 のとき ⌊7/2⌋=3、7 mod 3=1 であるから g(7)=(3,1) となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
---
### 理-KAN-184 パラメトリック関数(媒介変数表示)
**定義式**: 媒介変数tを用いて x(t) = t、y(t) = (t−1)² と定め、点の軌跡 (x(t), y(t)) を得る。
**概形図(ASCII)**:
```
y(t)
4 * *
1 | * *
0 +-------*-------------- x(t)
-1 0 1 2 3
```
(理-KAN-005で見た放物線 (x−1)² と同じ形が、tを介して描かれる)
**推移表**:
| t | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|----|---|---|---|---|
| x(t) | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
| y(t) | 4 | 1 | 0 | 1 | 4 |
**組合せ例**: 媒介変数tを消去すると x=t なので y=(x−1)² となり、これは理-KAN-005の二次多項式 (x−1)² と全く同じ曲線になる。すなわちパラメトリック関数は、同じ図形を「xからyを直接計算する陽関数」ではなく「共通のパラメータtを介して間接的に」表す方法である。本パターンは理-KAN-183(ベクトル値関数)の特殊な場合、すなわち定義域が単一のパラメータtで出力が座標の組(x,y)である場合ともみなせる。
**検算行**: t=3 のとき x(3)=3、y(3)=(3−1)²=4 となり、推移表の値と一致する。消去後の式 (x−1)² に x=3 を代入しても (3−1)²=4 で同じ値になる(実測: 一致)。
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### 理-KAN-185 陰関数(explicitでない関係式)
**定義式**: 関係式 R(x,y): x² + y² = 25(半径5の円)。yをxだけの式として一意に陽に書くことはできない(1つのxに対しyの候補が2つ生じうる)。判定関数 satisfies(x,y) = (x²+y² = 25 かどうか) として扱う。
**概形図(ASCII)**:
```
y
5*
* *
-5 5 x
* *
-5*
```
(原点中心・半径5の円周上の点だけが関係式を満たす)
**推移表**:
| (x,y) | (3,4) | (5,0) | (0,-5) | (2,2) | (-3,4) |
|---|---|---|---|---|---|
| x²+y² | 25 | 25 | 25 | 8 | 25 |
| 関係式を満たすか | 真 | 真 | 真 | 偽 | 真 |
**組合せ例**: この陰関係式をyについて解くと y=±√(25−x²) となり、理-KAN-012(平方根関数)と理-KAN-020(場合分け関数、±の二分岐)を組み合わせて初めて陽関数の形に直せることが分かる。逆に理-KAN-184(パラメトリック関数)のように別の媒介変数を導入すれば、同じ円を異なる方法で表現することもできる(本冊では三角関数を用いた具体形は割愛する)。
**検算行**: (3,4) を関係式に代入すると 3²+4²=9+16=25 となり関係式を満たす。(2,2) は 2²+2²=8≠25 のため満たさない(いずれも実測: 一致)。
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### 理-KAN-186 区間縮小探索関数(二分探索の入口)
**定義式**: g(x)=x²−2(根は√2)とし、区間[lo,hi]に対する1手順を Step(lo,hi) = 中点mid=(lo+hi)/2 を求め、g(mid)>0 なら新区間(lo,mid)、そうでなければ新区間(mid,hi)とする、と定める。
**概形図(ASCII)**:
```
[1,2] --Step--> [1,1.5] --Step--> [1.25,1.5] --Step--> [1.375,1.5] --Step--> [1.375,1.4375]
(√2≈1.41421 に向けて区間が半分ずつ縮む)
```
**推移表**:
| 手順 | 区間[lo,hi] | 中点mid | g(mid) | 次の区間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | [1, 2] | 1.5 | 0.25 | [1, 1.5] |
| 2 | [1, 1.5] | 1.25 | -0.4375 | [1.25, 1.5] |
| 3 | [1.25, 1.5] | 1.375 | -0.109375 | [1.375, 1.5] |
| 4 | [1.375, 1.5] | 1.4375 | 0.06640625 | [1.375, 1.4375] |
**組合せ例**: これは理-KAN-100(ニュートン法の入口、第十二章で反復の文脈から扱った)と同じく根を数値的に絞り込む目的を持つが、微分(勾配)を使わず符号だけで区間を半分に縮める点が異なる、独立した探索系統である。この手順は理-KAN-012(平方根関数)の値√2を少しずつ狭い区間に閉じ込めていく実演になっている。
**検算行**: 手順1の中点は (1+2)/2=1.5、g(1.5)=1.5²−2=2.25−2=0.25 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-187 不動点関数(f(x)=xとなる点の探索)
**定義式**: 関数gの不動点とは g(x*) = x* を満たす点x*のことである。具体例として g(x) = x/2 + 1 を考え、方程式 x = x/2 + 1 を解く: x − x/2 = 1 → x/2 = 1 → x = 2。よって不動点は x*=2 である。
**概形図(ASCII)**:
```
y
3 | * y=x
2 | *,--* ← (2,2)で交差
1 | *,-- * y=g(x)=x/2+1
0 +------------ x
0 1 2 3
```
(傾き1のy=xと傾き1/2のy=g(x)がただ1点(2,2)で交わる)
**推移表**:
| x | -2 | 0 | 2 | 4 |
|---|----|---|---|---|
| g(x) | 0 | 1 | 2 | 3 |
| g(x)−x | 2 | 1 | 0 | -1 |
**組合せ例**: 本パターンは理-KAN-097(自己合成の不動点探索関数)や理-KAN-100(ニュートン法の入口)とは視点が異なる。097・100が「反復によってどう不動点に近づくか」という手続きを扱うのに対し、187は「f(x)=xを満たす点がそもそもどこにあり、それが一意かどうか」という定義・図形的な意味(y=g(x)とy=xという2直線の交点)そのものを扱う。傾きの絶対値が1未満のアフィン関数(理-KAN-004の特殊形)は、必ずただ1つの不動点を持つことが知られている。
**検算行**: g(2)=2/2+1=1+1=2 であり、確かに g(2)=2 が成立する。x=0では g(0)=1≠0 なので不動点ではないことも表の「g(x)−x」欄から確認できる(実測: 一致)。
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### 理-KAN-188 誤差評価関数
**定義式**: E(x) = |true(x) − approx(x)|(真の値と近似値の差の絶対値)
**概形図(ASCII)**:
```
true(x) ─┐
├─[差]─[絶対値]─> E(x)
approx(x)┘
```
**推移表**(true(x)=eˣ、approx(x)=1+x の1次近似の場合):
| x | 0 | 0.5 | 1 | 1.5 |
|---|---|---|---|---|
| true=eˣ | 1.00000 | 1.64872 | 2.71828 | 4.48169 |
| approx=1+x | 1.0 | 1.5 | 2.0 | 2.5 |
| E(x) | 0.00000 | 0.14872 | 0.71828 | 1.98169 |
**組合せ例**: 誤差評価関数は、理-KAN-050(テイラー近似)で個別に計算した誤差(x=0.5で0.14872…)や、理-KAN-108〜110(補間・外挿)で生じる誤差を、共通の型 E(x)=|true(x)−approx(x)| として一般化したものである。近似の精度がxの位置によって変化していく様子(上表ではxが大きいほど誤差も拡大する)を、統一的な指標として扱えるようにする役割を持つ。
**検算行**: x=1のとき true(1)=e¹≈2.71828、approx(1)=1+1=2 であるから E(1)=|2.71828−2|=0.71828 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-189 近似関数(区分線形近似)
**定義式**: f(x)=x² を区間[0,4]、分点0,2,4で区分線形近似する。区間[0,2]は点(0,0)と(2,4)を結ぶ直線 approx(x)=2x、区間[2,4]は点(2,4)と(4,16)を結ぶ直線 approx(x)=4+6(x−2)=6x−8 とする(傾き=(16−4)/(4−2)=6)。
**概形図(ASCII)**:
```
16| *(真の曲線)
| * /
10| * /(折れ線近似、x=2で傾きが変わる)
4| *,-*
0+*,---------------- x
0 2 4
```
**推移表**:
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 真の値 x² | 0 | 1 | 4 | 9 | 16 |
| approx(x) | 0 | 2 | 4 | 10 | 16 |
| 誤差E(x) | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
**組合せ例**: 各区間は理-KAN-108(線形補間関数)の1つのセグメントに対応し、複数の線形補間区間をつなぎ合わせたものが本パターンである。誤差の評価には理-KAN-188(誤差評価関数)のE(x)=|true−approx|をそのまま適用でき、上表の「誤差」行はその実演になっている。分点(0,2,4)では真の値と近似値が完全に一致する一方、区間の中間(x=1,3)で誤差が最大になる、区分線形近似に典型的な性質が確認できる。
**検算行**: x=3のとき区間[2,4]の式を使い approx(3)=6×3−8=18−8=10、真の値は3²=9なので誤差は|9−10|=1となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-190 補正関数(誤差フィードバック)
**定義式**: 目標値target、現在の推定値y_nに対し誤差 e_n = target − y_n を求め、次の推定値を y_(n+1) = y_n + α・e_n(0<α≤1は補正の強さ)で更新する。
**概形図(ASCII)**:
```
y_n ──> [誤差計算: target−y_n] ──> e_n ──> [×α] ──┐
▲ │
└────────────── y_(n+1) = y_n + α・e_n ◄──────────┘
```
(出力が入力側に戻ってくる「フィードバックループ」の構造)
**推移表**(target=10, y_0=7, α=0.5の場合):
| n | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|---|---|
| y_n | 7.000 | 8.500 | 9.250 | 9.625 |
| e_n = target−y_n | 3.000 | 1.500 | 0.750 | 0.375 |
**組合せ例**: 補正関数は理-KAN-188(誤差評価関数)が返す誤差e_nをそのまま利用し、理-KAN-022(反復適用関数)の枠組みで同じ更新規則 h(y)=y+α(target−y)=(1−α)y+α・target を繰り返し適用する。hはyについてのアフィン関数(理-KAN-004)であり、これを反復すると誤差は毎回(1−α)倍ずつ縮小する。α=0.5の本例では誤差の列 3, 1.5, 0.75, 0.375 は公比0.5の等比数列であり、理-KAN-033/034で見た漸化式と閉形式の関係と同型の構造を持つ。
**検算行**: n=2からn=3への更新を計算すると y_3=9.25+0.5×(10−9.25)=9.25+0.5×0.75=9.25+0.375=9.625 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-191 確率的写像関数(離散一様分布の入口)
**定義式**: n個の等確率な結果に対し、各結果iに確率 P(n,i) = 1/n を割り当てる(iに依存せず一定)。
**概形図(ASCII)**:
```
確率
0.167|■ ■ ■ ■ ■ ■ ← 6本すべて同じ高さ(一様分布)
+--------------- i
1 2 3 4 5 6
```
**推移表**(サイコロ n=6 の場合):
| i(出目) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| P(6,i) | 0.1667 | 0.1667 | 0.1667 | 0.1667 | 0.1667 | 0.1667 | 1.0000 |
**組合せ例**: 確率的写像関数は次の理-KAN-192(期待値集約関数)への入力(重み)として使われる。また理-KAN-193(疑似乱数の入口)が生成する値が本来近似しようとする「理想化された」目標分布としても位置づけられる。理-KAN-036(多引数集約、平均)とも関係が深く、一様分布のもとでの期待値計算は単純な算術平均に一致することが理-KAN-192で確認される。
**検算行**: 6個の確率をすべて足すと 1/6×6=1.0000 となり、確率の総和が1になるという性質と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-192 期待値集約関数
**定義式**: E[X] = Σ(i=1 to n) x_i・p_i(値と確率の積の総和)
**概形図(ASCII)**:
```
x_i ──┐
├─[×p_i]─┐
p_i ──┘ ├─[Σ]──> E[X]
(nペア分繰り返す)
```
**推移表**(サイコロの目 x_i=1〜6、理-KAN-191の一様確率 p_i=1/6 を使用):
| x_i | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| p_i | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 1/6 |
| x_i・p_i | 0.1667 | 0.3333 | 0.5000 | 0.6667 | 0.8333 | 1.0000 |
E[X] = 上段の合計 = 3.5
**組合せ例**: 期待値集約関数は理-KAN-191(確率的写像関数)が与える確率p_iを重みとして使い、理-KAN-181(多変数線形結合関数)と同じ「値×重みの総和」という構造を持つ加重和である。さらに全てのp_iが等しい(=1/n)ときは、理-KAN-036(多引数集約、平均)の定義 (a+b+c)/3 と完全に一致する特殊ケースになる(実際、下の計算 21/6=3.5 は単純平均の式そのものである)。
**検算行**: (1+2+3+4+5+6)/6 = 21/6 = 3.5 となり、推移表から求めた合計値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-193 乱数列生成の決定的近似関数(疑似乱数の入口)
**定義式**: 線形合同法(LCG) x_(n+1) = (a・x_n + c) mod m。パラメータ a=5, c=3, m=16、種x₀=1とする。
**概形図(ASCII)**:
```
x0=1 --[×5,+3,mod16]--> x1=8 --[同じ操作]--> x2=11 --> x3=10 --> x4=5 --> x5=12
```
**推移表**:
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| x_n | 1 | 8 | 11 | 10 | 5 | 12 |
**組合せ例**: このLCGは理-KAN-014(剰余関数)と理-KAN-003/004(線形・アフィン関数)を組み合わせた漸化式であり、理-KAN-033(二項間漸化式)と同じ枠組みに属する。種x₀を固定すれば毎回全く同じ数列が再現される決定的な手続きであり、理-KAN-191の「真の」一様乱数とは異なる。mが小さいLCGでは周期性や偏りが生じやすいことが知られている(教育目的の簡易な例であり、統計的・暗号学的な乱数としての安全性は主張しない)。
**検算行**: x_2=(5×8+3) mod16=43 mod16。43=2×16+11 であるから x_2=11 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-194 状態機械遷移関数(オートマトンの入口)
**定義式**: 状態集合{0,1,2}、入力記号{a,b}に対する遷移関数を δ(s,'a') = (s+1) mod 3、δ(s,'b') = s(状態を変えない)と定める。
**概形図(ASCII)**:
```
a a a
0 ---> 1 ---> 2 ---> 0 (b: 各状態に自己ループ、状態を変えない)
```
**推移表**(初期状態0に入力列[a,a,b,a]を順に適用):
| 手順 | 入力 | 遷移前状態 | 遷移後状態 |
|---|---|---|---|
| 1 | a | 0 | 1 |
| 2 | a | 1 | 2 |
| 3 | b | 2 | 2 |
| 4 | a | 2 | 0 |
**組合せ例**: この遷移関数は理-KAN-014(剰余関数、mod3による巻き戻し)を状態更新の核として使っており、理-KAN-178(レジスタ更新関数)の一般形とみなせる。理-KAN-200(全パターン合成の総合実演関数)では、この「状態+入力→次状態」という考え方を、命令列を順に適用して内部状態(アキュムレータ)を更新していく計算機のモデルとして再利用する。
**検算行**: 手順4で δ(2,'a')=(2+1) mod3=3 mod3=0 となり、推移表の値と一致する(実測: 一致)。
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### 理-KAN-195 文字列写像関数(文字→数値の対応)
**定義式**: f(c) = charCode(c)(文字cの文字コード、ASCIIの範囲では'A'=65などの値)を返す。
**概形図(ASCII)**:
```
c ──[文字コード表引き]──> 数値
```
**推移表**:
| c | 'A' | 'B' | 'C' | 'a' | 'b' |
|---|---|---|---|---|---|
| f(c) | 65 | 66 | 67 | 97 | 98 |
**組合せ例**: 文字列写像関数は理-KAN-026(パリティ写像)などと同じ「写像による対応付け」パターンの一種であり、文字の集合を整数の集合へ縮約する働きを持つ。続く理-KAN-196(符号化関数)は、この写像で得た数値に対して剰余(理-KAN-014)などの算術操作を施すことで文字の変換を行う、いわば本パターンの応用形である。
**検算行**: 'A'の文字コードは65、'B'は66であり、65+1=66なのでAとBの差はちょうど1であることも確認できる(実測: 一致)。
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### 理-KAN-196 符号化関数(エンコード)
**定義式**: シフト量k=3のシーザー暗号型の符号化 E(c) = ((charCode(c) − 65 + k) mod 26) + 65(大文字アルファベットのみを対象とする)。
**概形図(ASCII)**:
```
c ──[理-KAN-195: 文字コード化]──> [-65,+k,mod26]──> [+65]──> E(c)
```
**推移表**("AB"を符号化する場合、文字コードは理-KAN-195より65,66):
| c | 'A'(65) | 'B'(66) |
|---|---|---|
| (コード−65+3) mod26 | 3 | 4 |
| E(c)のコード(+65) | 68 | 69 |
| E(c) | 'D' | 'E' |
**組合せ例**: 符号化関数は理-KAN-195(文字列写像関数)で得た数値に理-KAN-014(剰余関数)によるシフトを合成した構造そのものである。この方式はごく単純な教育目的のシフト暗号であり、鍵kが3種類程度しかなく容易に解読できるため、暗号学的な安全性は一切主張しない。
**検算行**: 'B'のコード66に対し (66−65+3) mod26=4、+65=69で'E'となり、上表と一致する。"AB"全体では"DE"になる(実測: 一致)。
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### 理-KAN-197 復号関数(デコード)
**定義式**: D(c) = ((charCode(c) − 65 − k + 26) mod 26) + 65、k=3(理-KAN-196の逆操作)。
**概形図(ASCII)**:
```
c ──[-65,-k,+26,mod26]──> [+65]──> D(c) (理-KAN-196の矢印を逆向きにたどる)
```
**推移表**("DE"を復号する場合、文字コードは68,69):
| c | 'D'(68) | 'E'(69) |
|---|---|---|
| (コード−65−3+26) mod26 | 0 | 1 |
| D(c)のコード(+65) | 65 | 66 |
| D(c) | 'A' | 'B' |
**組合せ例**: DはEの完全な逆写像であり D(E(c))=c が成立する。これは理-KAN-021(逆関数)の考え方の文字列版であり、符号化(理-KAN-196)と復号(本パターン)が対になって初めて「元に戻せる変換」が完成することを示す。
**検算行**: E('A')は理-KAN-196よりコード68('D')であり、続けて D(68)=((68−65−3+26) mod26)+65=(26 mod26)+65=0+65=65='A' となって元の文字に戻る(実測: 一致)。
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### 理-KAN-198 ハッシュ的写像関数(簡易版)
**定義式**: H(s) = (文字列sの各文字コードの総和) mod M、M=100とする簡易ハッシュ関数。
**概形図(ASCII)**:
```
s ──[各文字を理-KAN-195で数値化]──> [理-KAN-025: 総和]──> [理-KAN-014: mod100]──> H(s)
```
**推移表**:
| 文字列 | 'AB' | 'BA' | 'AC' |
|---|---|---|---|
| 文字コード和 | 65+66=131 | 66+65=131 | 65+67=132 |
| H(s)=和 mod100 | 31 | 31 | 32 |
**組合せ例**: 本パターンは理-KAN-195(文字列写像)で各文字を数値化し、理-KAN-025(集約関数、和)で合計し、理-KAN-014(剰余関数)で小さな範囲に丸め込む、という3つの既出パターンの合成そのものである。"AB"と"BA"のように文字の並び順が違っても和が一致すると同じハッシュ値になる(衝突する)ことが、単純な加算方式のハッシュの弱点として知られている。教育目的の簡易な例であり、暗号学的ハッシュ関数のような衝突耐性は持たない。
**検算行**: "BA"の文字コード和は66+65=131であり、"AB"の和65+66=131と一致するため、mod100を取った値も31で同じになる(実測: 一致、衝突の実演)。
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### 理-KAN-199 チェックサム関数
**定義式**: 数字列 [d₁,...,d_n] に対し checksum = (Σd_i) mod 10 を計算し、列の末尾に付加して送信する。受信側は先頭n個の和のmod10を再計算し、付加値と比較して誤りを検出する。
**概形図(ASCII)**:
```
送信側: [1,2,3,4] --[和=10,mod10=0]--> 送信列 [1,2,3,4,0]
受信側: 受信した先頭4個の和のmod10と、末尾の0を比較 --> 一致すれば「誤りなし」
```
**推移表**:
| データ | 正常受信[1,2,3,4,0] | 誤り受信[1,2,5,4,0] |
|---|---|---|
| 先頭4個の和 | 10 | 12 |
| mod10 | 0 | 2 |
| 付加チェックサム | 0 | 0 |
| 判定 | 一致(誤りなし) | 不一致(誤り検出) |
**組合せ例**: チェックサムは理-KAN-198(ハッシュ的写像関数)と同じ「和+剰余」という構造を持つが目的が異なる。ハッシュ(理-KAN-198)はデータをバケツに振り分ける(検索の効率化)ことを目的とするのに対し、チェックサム(本パターン)はデータの破損検出を目的とする。実務のISBNコードやクレジットカード番号の検査桁も、これに類するmod演算に基づく検査方式が使われているとされる(本パターンの式そのものと同一ではない簡略化例である)。
**検算行**: 誤り受信列の先頭4個の和1+2+5+4=12、mod10=2であり、付加されたチェックサム0と一致しないため誤りが検出される(実測: 一致、検出機能を確認)。
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### 理-KAN-200 全パターン合成の総合実演関数
終章で「合成・反復・分岐の3操作を積み重ねた先にある統合構造の予約枠」と説明された最終パターンを、実際に動く簡易計算機のミニシミュレーションとして組み立てる。
**定義式**: アキュムレータ状態acc(初期値0)に、命令列 INSTR = [ADD 5, MUL 3, BRANCH(acc>20 ? SUB 10 : ADD 100), REPEAT 3×(MUL 2)] を順に適用する。すなわち更新関数を A(x)=x+5(加算)、M(x)=3x(乗算)、B(x)=(x>20 ? x−10 : x+100)(分岐)、R(x)=(MUL2の3回反復)=2³x=8x(反復)とし、全体を合成 F(x) = R(B(M(A(x)))) として定義する。
**概形図(ASCII)**:
```
状態(acc)
0
│ ADD 5 (加算)
▼
5
│ MUL 3 (乗算)
▼
15
│ BRANCH: acc>20 ? SUB10 : ADD100 (分岐)
│ 15>20 は偽 → ADD100を適用
▼
115
│ REPEAT 3×[MUL 2] (反復)
│ 115 →(×2)→ 230 →(×2)→ 460 →(×2)→ 920
▼
920 ← 最終出力
```
**推移表**(命令実行トレース):
| 手順 | 命令 | 適用する更新関数 | 実行前acc | 実行後acc |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ADD 5 | A(x)=x+5 | 0 | 5 |
| 2 | MUL 3 | M(x)=3x | 5 | 15 |
| 3 | BRANCH(x>20?) | 15>20は偽 → ADD100: x+100 | 15 | 115 |
| 4a | REPEAT[1/3] MUL2 | x→2x | 115 | 230 |
| 4b | REPEAT[2/3] MUL2 | x→2x | 230 | 460 |
| 4c | REPEAT[3/3] MUL2 | x→2x | 460 | 920 |
**組合せ例**: この一連の処理は本冊終章で整理した3操作をすべて具体的に使っている。
- **合成(理-KAN-019)**: ADD→MUL→BRANCH→REPEATという一連の手順そのものが、更新関数を鎖状につないだ合成 F=R∘B∘M∘A になっている(各ステップの出力が次のステップの入力になる)。
- **反復(理-KAN-022)**: 手順4は g(x)=2x を3回繰り返す反復適用であり、閉形式 g³(x)=2³x=8x が成り立つ(115×8=920で、1回ずつ直接計算した結果と一致する)。
- **分岐(理-KAN-020)**: 手順3は「acc>20」という条件の真偽によって、適用する更新関数(SUB10かADD100か)を切り替える構造である。
さらにこの計算機の枠組みは、理-KAN-176(累算器関数)・理-KAN-177(命令デコード写像関数)・理-KAN-178(レジスタ更新関数)・理-KAN-180(簡易命令列実行関数)というパターン群を統合的に実演したものであり、理-KAN-194(状態機械遷移関数)で示した「状態+入力→次状態」という枠組みを、命令列という入力の系列に適用したものとしても読み替えられる。理-KAN-183(ベクトル値関数)の考え方を使えば、状態をacc単体でなく(acc, 実行済み命令数)のような組に拡張することもでき、これは次巻以降の拡張候補である。
**検算行**: 手順を通しで計算すると 0 →(ADD5)→ 5 →(MUL3)→ 15 →(BRANCH、偽なのでADD100)→ 115 →(REPEAT3×MUL2、すなわち×8)→ 920 となる。閉形式 F(0) = 8×(3×(0+5)+100) = 8×(15+100) = 8×115 = 920 でも同じ値が得られ、ステップごとの直接計算と閉形式計算の両方が一致する(実測: 一致)。これは理-KAN-033/034で示した「漸化式と閉形式が同値である」という関係を、本冊最終エントリの計算機実演でも再確認したものである。
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## 終章 パターン合成の代数——「組み合わせると計算機になる」への布石
ここまでで見た200種の正式登録パターン(理-KAN-001〜200)は、いずれも単体では単純な部品にすぎない。しかし、部品同士を「合成」「反復」「分岐」という3つの操作でつなぐと、複雑な計算の流れが組み立てられる。これは電卓の回路図が、単純な論理ゲートを大量に繋ぎ合わせて加算・乗算を実現する様子と同じ発想であるとされる。本章ではこの3操作を代数的に整理する。
### 終-1. 合成(composition) f∘g
**定義**: (f∘g)(x) = f(g(x)) — gの出力をfの入力にそのまま渡す接続。
**具体例**: 本冊で繰り返し登場した g(x)=2^x(理-KAN-007)と f(y)=3y+1 の合成 (f∘g)(x)=3・2^x+1 が典型である。x=3 のとき g(3)=8、続けて f(8)=3×8+1=25 となる。
**代数的性質**: 合成は一般に非可換である。すなわち f∘g ≠ g∘f が普通である。理-KAN-027(線形∘指数=3・2^x+1)と理-KAN-029(指数∘線形=2^(2x+1))を比較すると、x=1のとき前者は3×2+1=7、後者は2^3=8となり、明確に異なる値をとる(実測: 7≠8で不一致、すなわち順序依存性が確認される)。この非可換性こそ、回路設計において「どの演算を先に行うか」の順序が最終結果を左右する理由の数学的裏付けになっているとされる。
一方で、合成には結合法則 (f∘g)∘h = f∘(g∘h) が成り立つ。これは3つ以上の部品を繋ぐとき、どこから先に計算しても最終結果が変わらないことを保証する(電卓の内部で複数の演算を連鎖させても、部分式の計算順序を変えて最適化してよい根拠になる)。
### 終-2. 反復適用(iteration) f^n
**定義**: f^n(x) は f を n回繰り返し適用すること。f^0(x)=x(恒等関数、理-KAN-001)、f^(n+1)(x)=f(f^n(x))。
**具体例**: 理-KAN-022で見た g(x)=x+1 の3回反復 g^3(x)=x+3 は最も単純な例である。より応用的な例として、g(x)=2x(線形、理-KAN-003の特殊形)を反復すると g^n(x)=2^n・x となる。x=1から出発してn=5回反復すると 2^5・1=32 になる。
**回路的な意味**: 反復適用は、電卓の内部でループ処理(同じ回路を何度も信号が通過する構造)に対応する。例えば「2倍にする回路」を5回信号が通過すれば、入力は32倍になる。これは指数的な増加が、単純な反復操作の積み重ねから生まれることを示している。
### 終-3. 条件分岐(branching, if的な場合分け関数)
**定義**: 場合分け関数(理-KAN-020)の一般形として、条件 C(x) の真偽に応じて異なる関数を適用する構造。
```
┌ f₁(x) (C(x) が真のとき)
F(x) = ┤
└ f₂(x) (C(x) が偽のとき)
```
**具体例**: 理-KAN-020の f(x) = -x(x<0) / 2x(x>0) では、条件 C(x)="x>0" によって f₁(x)=2x と f₂(x)=-x のどちらを使うかが決まる。x=-3のときC(x)は偽なのでf₂を使い f(-3)=3、x=3のときC(x)は真なのでf₁を使い f(3)=6となる(いずれも第四章の推移表と一致・実測済み)。
**回路的な意味**: 条件分岐は、電卓の内部で「マルチプレクサ(複数の信号線から1つを選択する回路)」に対応するとされる。加算器と減算器を両方用意しておき、演算子キー(+か-か)に応じてどちらの出力を使うかを切り替える仕組みは、まさにこの条件分岐関数の回路的実装である。
### 終-4. 三操作の統合——計算機への見通し
以上の合成・反復・分岐の3操作を組み合わせると、以下のような見通しが立つ。
1. **合成**によって、小さな関数(加算・乗算などの部品、理-KAN-161〜165)を繋ぎ合わせ、複数桁の演算(理-KAN-171〜176、桁上げ処理・加算器論理写像)を組み立てられる。
2. **反復**によって、同じ演算を繰り返す必要がある処理(例えば掛け算を足し算の繰り返しとして実現する、理-KAN-175の乗算器分解関数)を実現できる。
3. **分岐**によって、命令(理-KAN-177の命令デコード写像関数)に応じて実行する演算を切り替える、プログラム可能な装置の基礎が整う。
理-KAN-180(簡易命令列実行関数)や理-KAN-200(全パターン合成の総合実演関数)は、第十六章・第十七章で実際に正式登録した通り、この3操作を積み重ねた「複数の関数を順番に、条件に応じて、必要なら繰り返し適用する」という統合構造を具体的な数値で実演したものである。関数のパターン目録から実際に動く計算機の設計図へと接続する道筋は、本冊の範囲ではこの理-KAN-200のミニシミュレーションとして一つの区切りを迎えたが、状態やレジスタの数を増やす、命令セットを拡張するなどの発展形は次巻以降の課題として残されている。
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## 参考: 本冊の構成情報
- 正式登録パターン数: 200種(理-KAN-001〜200の全件に定義式・概形図ASCII・推移表・組合せ例・検算行の五点セットを完備)
- 目録のみ(白カード)パターン数: 0種(本版にて理-KAN-037〜200の164種すべてを正式登録し、白カードを解消した)
- 全パターン総数: 200種(理-KAN-001〜200、連番に欠番・重複なし)
- 機械的検証: 新規登録した164種の定義式・検算行はgakumon/check_book0184_kan_patterns.jsにJavaScript関数として再実装し、230件の検算チェックすべてが本文の数値と一致することを実行確認済み(node実行、ALL CHECKS PASSED)。
- 次巻予告: 第II巻では、本冊終章で示した合成・反復・分岐の3操作をさらに発展させ、複数パターンを組み合わせた複合的な計算機構造(状態・レジスタ数の拡張、命令セットの拡張など)を扱う見通しである。
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*本冊は当初reserve-first方式に基づき、細部の検証より先に全体の見取り図(200種のID割当)を確定させることを優先して出発したが、本版では理-KAN-037〜200の164件すべてについて定義式・概形図・推移表・組合せ例・検算行を実際に揃え、check_book0184_kan_patterns.jsによる機械的な再計算で検算行の数値と一致することを確認した(白カードを解消し、200種全件を緑化した)。本文中に明示した数値はこの検算行および付属スクリプトによる検証の範囲でのみ断定しており、歴史的経緯・未解決問題・一般的傾向など検算では確かめようのない言明については、引き続き「〜とされる」「〜として知られている」等の慎重な表現を用いている。実在しない研究者・論文の記載は行っていない。*
# BOOK-0184 関数パターン目録I 構造二百種の予約