※小説ではない※専門書 要約資料集 為替(換算)3.9万円でもらう 紐解集生成 専門 初入門 資料 作:{作者名}
> 規格: SYSTEM.md §18.1(六層張り合わせ)+ §19(全乗せ編纂規格)準拠。§20.3の博士号書番号帯(PHD-番号4桁)生産版第2号。数学冠・パイロット冠「物理」に続く2冠目の博士号書。
> 位置づけ: `BOOK-0063_数学派生_微分積分_第1巻.md`(水準一〜四: 極限・微分の基礎・区分求積法・微分積分学の基本定理・ニュートン/ライプニッツの歴史)と`BOOK-0114_数学派生_微分積分_第2巻.md`(水準五〜六: 偏微分・勾配ベクトル・重積分・級数・テイラー展開の初歩・微分方程式とベクトル解析の入口)を**そのまま前提とし、そこで確立済みの式・検算・史実は再定義・再計算せず出典を明示して結果のみを引用する**(重複回避)。本巻はこの水準一〜六の足場の上に、**水準七〜十二**(微分の計算規則の一般公式化・積分の技法・級数の収束判定・テイラー展開の一般論・多変数の最適化・微分方程式の解法・ベクトル解析の基本定理・変分法の入口)まで新規に登る生産版である。
> 表示上は§19.1層序式並列水準の要請により、主要項目を水準一〜十二の**全水準を並列**に見せる行列表も別途用意する(層序式は「逐次上げ」と相補する表示軸であり、内容の新規執筆範囲は水準七〜十二が中心である)。
> 検定の鍵(四択の正解・再構築課題の採点基準)は本体に同梱しない。別ファイル `PHD-0002_quiz_public.json`(鍵なし)・`PHD-0002_answers.json`(鍵)に分離する(公正性規定)。
> 安全規約: 数学は安全分野であり、危険を伴う実験手順・工程の記載は行わない。未確定・諸説がある箇所(数学史の優先権論争・命名の経緯等)は本文中で正直に「未確定」と明記する。史実・年号はWebSearchで裏取り済み(出典は参照文献欄)。外部本文の転載は行わない(§16.5)。
> 水準尺度に関する注記: `DIC-0001_数学算術用語辞典_本文.md`は算術から集合論・複素数まで数学全分野を貫く独自の水準一〜十二を持ち、微分積分はその中の水準七〜九という一部分にすぎない。本巻(微分積分という一分野に特化した、BOOK-0063〜0114から続く独自の水準一〜十二)とDIC-0001の水準一〜十二は**尺度が異なる別のものである**(PHD-0001が力学という一分野の水準をDIC-0002=物理全体辞典の水準とそのまま揃えられたのとは事情が異なり、微分積分は数学全体の中の一分野に過ぎないため単純には揃わない)。本巻の層2用語表では、「水準」列は本巻内の局所水準を、「定義委託先」列にDIC-0001側の水準を別途明記し、二重の水準表記による混同を避ける。
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# PHD-0002 数学・微分積分 第1巻 — 博士号規格(六層張り合わせ)生産版
> 規格: SYSTEM.md §18.1(六層張り合わせ)+ §19(全乗せ編纂規格)準拠。§20.3の博士号書番号帯(PHD-番号4桁)生産版第2号。数学冠・パイロット冠「物理」に続く2冠目の博士号書。
> 位置づけ: `BOOK-0063_数学派生_微分積分_第1巻.md`(水準一〜四: 極限・微分の基礎・区分求積法・微分積分学の基本定理・ニュートン/ライプニッツの歴史)と`BOOK-0114_数学派生_微分積分_第2巻.md`(水準五〜六: 偏微分・勾配ベクトル・重積分・級数・テイラー展開の初歩・微分方程式とベクトル解析の入口)を**そのまま前提とし、そこで確立済みの式・検算・史実は再定義・再計算せず出典を明示して結果のみを引用する**(重複回避)。本巻はこの水準一〜六の足場の上に、**水準七〜十二**(微分の計算規則の一般公式化・積分の技法・級数の収束判定・テイラー展開の一般論・多変数の最適化・微分方程式の解法・ベクトル解析の基本定理・変分法の入口)まで新規に登る生産版である。
> 表示上は§19.1層序式並列水準の要請により、主要項目を水準一〜十二の**全水準を並列**に見せる行列表も別途用意する(層序式は「逐次上げ」と相補する表示軸であり、内容の新規執筆範囲は水準七〜十二が中心である)。
> 検定の鍵(四択の正解・再構築課題の採点基準)は本体に同梱しない。別ファイル `PHD-0002_quiz_public.json`(鍵なし)・`PHD-0002_answers.json`(鍵)に分離する(公正性規定)。
> 安全規約: 数学は安全分野であり、危険を伴う実験手順・工程の記載は行わない。未確定・諸説がある箇所(数学史の優先権論争・命名の経緯等)は本文中で正直に「未確定」と明記する。史実・年号はWebSearchで裏取り済み(出典は参照文献欄)。外部本文の転載は行わない(§16.5)。
> 水準尺度に関する注記: `DIC-0001_数学算術用語辞典_本文.md`は算術から集合論・複素数まで数学全分野を貫く独自の水準一〜十二を持ち、微分積分はその中の水準七〜九という一部分にすぎない。本巻(微分積分という一分野に特化した、BOOK-0063〜0114から続く独自の水準一〜十二)とDIC-0001の水準一〜十二は**尺度が異なる別のものである**(PHD-0001が力学という一分野の水準をDIC-0002=物理全体辞典の水準とそのまま揃えられたのとは事情が異なり、微分積分は数学全体の中の一分野に過ぎないため単純には揃わない)。本巻の層2用語表では、「水準」列は本巻内の局所水準を、「定義委託先」列にDIC-0001側の水準を別途明記し、二重の水準表記による混同を避ける。
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## 入口の物語 — まっすぐが一番速いとは限らない
二点A・Bを、Aの方が高く、Bの方が低いところに置く。AからBへ、重力だけを頼りに玉を転がして最短時間で到達させたい。転がる道筋(ワイヤーの形)を自由に選べるとしたら、あなたはどんな形を選ぶだろうか。
直感的には「まっすぐな直線が一番速い」と答えたくなる。距離が最短なのだから、時間も最短のはずだ——そう思うのが自然である。ところが実際に計算してみると、直線よりも短い時間で到達できる曲線が存在する。しかも、その曲線はある特別な、しかしありふれた形をしている。自転車のペダルに付けた反射板が地面から離れて描く軌跡と同じ形——**サイクロイド**である。
なぜ回り道のはずの曲線の方が速いのか。理由の芯にあるのは単純な事実だ。曲線の前半では直線よりも急に落ち込むぶん、玉は早い段階で速度を稼げる。速度が大きいまま進む距離が長くなれば、後半で多少遠回りをしても、平均すればより短い時間で着く場合がある。「距離を最小にする」ことと「時間を最小にする」ことは、実は別の問題なのだ。
この問題は**最速降下線問題**と呼ばれ、17世紀の数学者たちを騒然とさせた難問だった。厄介なのは、この問題が普通の「xの値を選んで関数を最小にする」という最適化問題とは種類が違う、という点にある。ここで選ぶべきものは1つの数値ではなく、**曲線そのもの**——無限に多くの可能な形の中から、時間という量を最小にする一つの形を選び出さなければならない。
この「関数を最小にする」から「曲線(関数そのもの)を最小にする」への飛躍を成し遂げるために、数学は微分積分のほとんど全ての道具を総動員する必要があった。曲線に沿った「瞬間の速さ」を扱うには**極限と微分**が要り、A地点からB地点までの「かかった時間の総量」を求めるには**積分**が要り、あり得る曲線の形を数式で近似して比較するには**級数とテイラー展開**の考え方が役立ち、曲線の候補を「高さと位置という複数の変数の組」として扱うには**多変数解析**の視点が要り、そして最終的に「無限次元の候補(あらゆる曲線の形)の中から最良の1つを選び出す」という操作そのものを可能にするのが、本巻の最後にたどり着く**変分法**という道具である。
BOOK-0063・BOOK-0114で積み上げてきた「一瞬の変化を切り出す微分」「無限に細かい断片を積み上げる積分」「複数の変数・無限に続く和」という橋を渡り終えた読者は、本巻でその先——計算規則を自在に操る技術、級数がいつ収束するかを見極める判定法、そして「関数を選ぶ」という一段抽象度の高い最適化――まで足を伸ばす。読み終えたとき、なぜ回り道の曲線の方が速いのか、その答えの輪郭が見えているはずである。
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[BOOK-0063] 一本道(水準一〜四) ── 極限・微分・積分・基本定理
[BOOK-0114] 広野(水準五〜六) ── 多変数・重積分・級数・微分方程式の入口
[本巻 PHD-0002] 頂(水準七〜十二) ── 計算規則の一般化・技法・収束判定・最適化・変分法
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## 層1: 網羅(微分積分が扱う全項目の列挙)
微分積分(極限/微分/積分/級数/テイラー展開/多変数解析/微分方程式/ベクトル解析/変分法)は、本巻において次の**17項目**で閉じる。各項目には既刊との関係(継承・拡張・新規)を添える。
| # | 項目名 | 水準 | 既刊との関係 | 閉じる理由 |
|---|---|---|---|---|
| [微-01](#itm01) | 極限(数列・関数の極限、0/0の迂回) | 一 | BOOK-0063完全継承 | 微分積分全体の起点。「限りなく近づく」という考え方がなければ、微分も積分も定義できない。 |
| [微-02](#itm02) | 微分の定義(瞬間変化率・導関数) | 二 | BOOK-0063完全継承 | Δtをゼロに近づける極限として瞬間の変化率を取り出す、微分の核。 |
| [微-03](#itm03) | 積分の定義(区分求積法) | 二〜三 | BOOK-0063完全継承 | 無限に細かい長方形の和の極限として面積を取り出す、積分の核。 |
| [微-04](#itm04) | 微分積分学の基本定理・歴史的背景 | 三〜四 | BOOK-0063完全継承 | 微分と積分が互いの逆演算であることを示す、本分野最大の橋。ニュートン・ライプニッツの独立発見も継承。 |
| [微-05](#itm05) | 偏微分と勾配ベクトル | 五 | BOOK-0114完全継承 | 一変数の微分を、複数の変数のうち1つだけに注目する形へ拡張する第一歩。 |
| [微-06](#itm06) | 重積分(累次積分・極座標) | 五 | BOOK-0114完全継承 | 一変数の積分(面積)を、曲面の下の体積へ拡張する第一歩。 |
| [微-07](#itm07) | 級数の基礎とテイラー展開の初歩 | 六 | BOOK-0114完全継承 | 無限に多くの項を足し続けるという、区分求積とは別種の「無限」の扱い方。 |
| [微-08](#itm08) | 微分方程式・ベクトル解析の入口 | 六 | BOOK-0114完全継承 | 「変化の速さが量そのものに関係する」現象を式で表す最初の一歩。 |
| [微-09](#itm09) | 微分の計算規則(積の法則・商の法則・連鎖律) | 七 | 新規(BOOK-0063/0114はべき乗の微分のみ) | 複雑な関数を、毎回極限の定義に戻らず機械的に微分できるようにする一般公式。 |
| [微-10](#itm10) | 積分の技法(置換積分・部分積分) | 七〜八 | 新規 | 基本定理だけでは求まらない複雑な関数の原始関数を求める、実務上不可欠な技法。 |
| [微-11](#itm11) | 微分の応用(極値・停留点) | 八 | 新規 | 微分の計算規則を使って、関数の最大・最小を求める最適化の基礎。 |
| [微-12](#itm12) | 級数の収束判定法(比判定法・交代級数判定法) | 八〜九 | 新規(BOOK-0114が「本冊では扱わない未確定」と明記した積み残しを回収) | 「収束するかどうかを毎回部分和で確かめる」のではなく、判定法で見極める技術。 |
| [微-13](#itm13) | テイラー展開の一般論(マクローリン級数・収束半径) | 九 | 新規(BOOK-0114の「収束半径の詳細は未確定」の積み残しを回収) | テイラー係数の一般公式と、どこまで近似が意味を持つかという範囲の理論。 |
| [微-14](#itm14) | 多変数関数の最適化(ラグランジュ未定乗数法) | 十 | 新規(BOOK-0114の偏微分・勾配を拡張) | 制約条件のもとで多変数関数を最大・最小にする、実務でも頻出の技術。 |
| [微-15](#itm15) | 一階微分方程式の解法(変数分離形・線形) | 十 | 新規(BOOK-0114のdy/dx=kyを一般化) | 「解が指数関数になる」という特殊例を超え、一階微分方程式を体系的に解く技法。 |
| [微-16](#itm16) | ベクトル解析の基本定理(発散定理・ストークスの定理の入口) | 十〜十一 | 新規(BOOK-0114の発散・回転の直感を数式面へ拡張) | 局所的な発散・回転と、大域的な流束・循環をつなぐ2つの定理。 |
| [微-17](#itm17) | 変分法の入口(オイラー・ラグランジュ方程式) | 十二 | 新規 | 「数を選ぶ」最適化から「関数(曲線)を選ぶ」最適化への飛躍。入口の物語の直接の回答。 |
**閉じたことの確認**: 微分積分は「変化そのもの」と「積み重なった全体」を扱う分野であり、本巻の17項目は極限(微-01)・微分(微-02・09・11)・積分(微-03・04・10)・級数(微-07・12)・テイラー展開(微-07・13)・多変数解析(微-05・06・14)・微分方程式(微-08・15)・ベクトル解析(微-16)・変分法(微-17)という、依頼された9分類すべてに対応する。確率・統計における積分(期待値・分散)、複素解析への拡張、フーリエ変換・ラプラス変換、偏微分方程式、測度論・ルベーグ積分は微分積分に隣接するが、BOOK-0114終章が既に「→BOOK-0055(フーリエ級数)」「→BOOK-0090(複素解析)」で委譲先を明示しているものは重複を避けて対象外とし、それ以外(確率統計への接続・測度論・偏微分方程式)は本巻でも意図的に含めず、理論目録に白カードとして注記する。
<!-- 増築点: 層1網羅への項目追加 -->
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## 層2: 単語(全登場用語の水準表と定義委託)
本文中の専門用語は初出時に「(水準◯)」を添える。既刊で定義済みの語は再定義せず、定義委託先を明示する。
### 2-A. 既刊(DIC-0001)へ委託する語
DIC-0001は数学全分野を貫く独自の水準尺度を持つため、下表の「水準」列は本巻内の局所水準(この語が本巻でどの段で前提になるか)を示し、「定義委託先」列にDIC-0001側の水準を別途カッコで明記する(冒頭注記の二重水準表記に対応)。
| 用語 | 本巻の水準 | 定義委託先 |
|---|---|---|
| 数・四則演算・分数・小数 | 一 | DIC-0001(水準一〜四) |
| 方程式・関数・座標・比例・グラフ | 一〜二 | DIC-0001(水準四〜六) |
| 指数・対数 | 六 | DIC-0001(水準六〜七) |
| 数列・等比数列・二項定理 | 六〜七 | DIC-0001(水準七〜八) |
### 2-B. 既刊(BOOK-0063・BOOK-0114)へ委託する語
| 用語 | 水準 | 定義委託先(冊内アンカー) |
|---|---|---|
| 極限・収束・導関数・接線・区分求積法 | 一〜二 | BOOK-0063 第一〜三階段 |
| 微分積分学の基本定理・原始関数・ニュートン/ライプニッツの先取権論争 | 三〜四 | BOOK-0063 第四階段 |
| 多変数関数・偏微分・勾配ベクトル∇・等高線 | 五 | BOOK-0114 第五章 |
| 二重積分・累次積分・極座標 | 五 | BOOK-0114 第六章 |
| 級数・調和級数・テイラー展開・収束半径(初歩) | 六 | BOOK-0114 第七章 |
| 微分方程式dy/dx=k・y・ベクトル場・発散・回転 | 六 | BOOK-0114 第八章 |
### 2-C. 本巻で新規定義する語(将来のDIC-0001・NOTE-0004逆登録候補)
| 用語 | 水準 | 一行定義(初出はここ) |
|---|---|---|
| 積の法則・商の法則・連鎖律 | 七 | 複雑な関数の導関数を、その関数を組み立てている部品の導関数から機械的に求める3つの計算規則。 |
| 置換積分・部分積分 | 七〜八 | 変数を置き換えて積分を簡単な形に直す技法(置換積分)と、積の微分の逆算として2つの関数の積の積分を求める技法(部分積分)。 |
| 極値(極大・極小)・停留点 | 八 | 関数の値がその近くで最も大きい(極大)・最も小さい(極小)点と、導関数がゼロになる候補点。 |
| 比判定法 | 八〜九 | 級数の隣り合う項の比の極限が1未満なら収束、1より大きければ発散すると判定する方法。 |
| 交代級数判定法 | 八〜九 | 符号が交互に入れ替わる級数について、各項の大きさが単調に減ってゼロへ近づけば収束すると判定する方法(ライプニッツの判定法)。 |
| マクローリン級数(テイラー係数の一般式) | 九 | テイラー展開の基準点をx=0に取った特別な場合。各項の係数がf の n 階微分をn!で割った値になるという一般公式を持つ。 |
| 収束半径(一般論) | 九 | べき級数が収束するxの範囲を、比判定法を使って一般に求める理論。 |
| ラグランジュ未定乗数法 | 十 | 制約条件g(x,y)=0のもとで関数f(x,y)を最大・最小にする点では、∇fと∇gが平行になるという性質を使う解法。 |
| 変数分離形 | 十 | 微分方程式dy/dx=f(x)g(y)を、xの式とyの式を左右に分けてそれぞれ積分することで解ける形。 |
| 一階線形微分方程式 | 十 | dy/dx+P(x)y=Q(x)の形をした、yとその導関数について一次(1乗)の微分方程式。 |
| 発散定理 | 十〜十一 | ベクトル場の発散を立体全体で積分した値が、その立体の表面を通り抜ける流束の総量に等しいという定理。 |
| ストークスの定理(入口) | 十〜十一 | ベクトル場の回転を曲面全体で積分した値が、その曲面の境界に沿った循環(周回積分)に等しいという定理。 |
| 汎関数・変分 | 十二 | 関数を入力として1つの数値を返す「関数の関数」を汎関数と呼び、その関数の形をわずかに変えたときの汎関数の変化を調べる操作を変分と呼ぶ。 |
| オイラー・ラグランジュ方程式 | 十二 | 汎関数を停留(極小・極大)にする関数が満たすべき条件を表す微分方程式。変分法の中心公式。 |
| 最速降下線問題 | 十二 | 重力だけを使って最短時間で2点間を移動できる曲線の形を求める、変分法の起点となった歴史的問題。解はサイクロイドになる。 |
**水準表記の義務の遵守メモ**: 上表の語は本文中で再登場する際に水準を再表記しない(初出一回のみ)。層をまたぐ読者のため、層4の地図と層序式並列水準には水準列を再掲する。
<!-- 増築点: 層2単語への追加語彙 -->
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## 達人術ファースト一覧(§19.2・基礎と同じ見開きに前倒し配置)
以下19の達人術は、微分積分の基礎を学ぶのと同時に前倒しで配置する。各技は層5の該当項目内でも技IDを引用して参照する(§19.3技閉包)。
| 技ID | 技名 | 適用条件 | 標準手順との対応 | 所要目安 |
|---|---|---|---|---|
| <a id="tec001"></a>技-数-001 | 極限の0/0処理判定術 | 代入すると0/0の形になる極限を、約分・因数分解で迂回したいとき | [微-01](#itm01) | 10〜30秒 |
| <a id="tec002"></a>技-数-002 | べき乗微分早見 | y=xⁿ型の関数を、極限の定義に戻らず即座に微分したいとき(d/dx xⁿ = nxⁿ⁻¹) | [微-02](#itm02) | 3〜5秒 |
| <a id="tec003"></a>技-数-003 | 区分求積の結果クロスチェック術 | 区分求積・積分で得た値を、幾何学公式や原始関数など別経路で照合したいとき | [微-03](#itm03) | 15〜30秒 |
| <a id="tec004"></a>技-数-004 | 基本定理クロスチェック法 | 原始関数から求めた定積分の値を、複数の手法(区分求積・幾何公式)で一致確認したいとき | [微-04](#itm04) | 15〜30秒 |
| <a id="tec005"></a>技-数-005 | 偏微分の変数凍結法 | 多変数関数で、注目する変数以外を定数とみなして微分したいとき | [微-05](#itm05) | 5〜15秒 |
| <a id="tec006"></a>技-数-006 | 累次積分の順序入れ替え検算 | 二重積分の値を、xとyのどちらを先に積分しても同じ結果になるかを確認したいとき | [微-06](#itm06) | 20〜60秒 |
| <a id="tec007"></a>技-数-007 | 等比級数和の暗算 | 初項aと公比rが分かっている等比級数の和(a÷(1−r))を即座に求めたいとき | [微-07](#itm07) | 5〜10秒 |
| <a id="tec008"></a>技-数-008 | 指数的成長・減衰の符号判定 | dy/dx=k・y型の式で、kの符号から増加・減少のどちらが起きるかを即座に見極めたいとき | [微-08](#itm08) | 3〜5秒 |
| <a id="tec009"></a>技-数-009 | 積・商・連鎖律の識別フローチャート | 与えられた関数がどの計算規則(積・商・連鎖律)を使うべき形かを見分けたいとき | [微-09](#itm09) | 10〜20秒 |
| <a id="tec010"></a>技-数-010 | 置換積分のu選定術・部分積分のLIATE順 | 積分の被積分関数を見て、置換積分と部分積分のどちらが有効か、どの部分をuに選ぶべきかを判断したいとき | [微-10](#itm10) | 15〜40秒 |
| <a id="tec011"></a>技-数-011 | 極値判定早見(f'=0→増減表) | 導関数がゼロになる点の前後で符号がどう変わるかから、極大・極小・変曲を即座に判定したいとき | [微-11](#itm11) | 15〜30秒 |
| <a id="tec012"></a>技-数-012 | 比判定法の暗算 | 級数の隣り合う項の比を計算し、1未満か1より大きいかを素早く判定したいとき | [微-12](#itm12) | 10〜20秒 |
| <a id="tec013"></a>技-数-013 | テイラー係数早見 | 関数のn階微分の値からテイラー(マクローリン)係数f⁽ⁿ⁾(0)÷n!を即座に求めたいとき | [微-13](#itm13) | 10〜20秒 |
| <a id="tec014"></a>技-数-014 | ラグランジュ未定乗数法セットアップ術 | 制約付き最適化問題を見て、∇f=λ∇gという連立方程式へ即座に立式したいとき | [微-14](#itm14) | 20〜40秒 |
| <a id="tec015"></a>技-数-015 | 変数分離形の識別と積分順序 | 微分方程式がdy/dx=f(x)g(y)の形かどうかを見分け、両辺をどう分けて積分するかを判断したいとき | [微-15](#itm15) | 15〜30秒 |
| <a id="tec016"></a>技-数-016 | 発散定理による流束暗算 | ベクトル場の発散が定数(または簡単な形)のとき、体積との掛け算だけで全流束を即座に求めたいとき | [微-16](#itm16) | 5〜15秒 |
| <a id="tec017"></a>技-数-017 | オイラー・ラグランジュ方程式の適用術 | 汎関数が与えられたとき、停留条件d/dx(∂L/∂y')−∂L/∂y=0(または時間版)へ即座に立式したいとき | [微-17](#itm17) | 30秒〜数分 |
| <a id="tec018"></a>技-数-018 | 厳密値保持判断(丸めタイミング) | 計算途中でπ・√・分数を小数化するか、厳密値のまま持ち越すか判断したいとき | 層5全項目(特に[微-07](#itm07)・[微-13](#itm13)) | 3〜5秒 |
| <a id="tec019"></a>技-数-019 | 次数解析検算 | 多項式の次数(xの最高べき)が、計算前後で整合しているかを使って検算したいとき | 層5全項目(特に[微-09](#itm09)・[微-10](#itm10)・[微-13](#itm13)) | 5〜10秒 |
<!-- 増築点: 達人術一覧への技追加 -->
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## 層3: 水準化構造(概念依存の図式化・3形式)
### 3-A. 樹形図(ASCII、依存の生える向き=下から上)
```
● 微分積分の到達点(水準十一〜十二)
変分法・オイラー・ラグランジュ方程式[微-17]
│
┌───────────────┬───────────────┼───────────────┬────────────────┐
│ │ │ │ │
発散定理・ 一階微分方程式 ラグランジュ テイラー展開 級数の収束
ストークスの の解法[微-15] 未定乗数法[微-14] 一般論[微-13] 判定法[微-12]
定理入口[微-16] │ │ │ │
│ └───────┬───────┘ │ │
│ │ │ │
微分方程式・ 微分の応用[微-11] (級数[微-07]と │
ベクトル解析 │ 微分計算規則[微-09] │
入口[微-08] 微分の計算規則[微-09] ── 積分の技法[微-10] の両方に依存)
│ │ │ │
└───────────────┬───────┴────────────────────────┴────────────────┘
│
テイラー展開初歩・級数の基礎[微-07]
│
偏微分・勾配ベクトル[微-05] ── 重積分[微-06]
│
微分積分学の基本定理・歴史[微-04]
│
┌───────────────┴───────────────┐
│ │
微分の定義[微-02] 積分の定義[微-03]
│ │
└───────────────┬───────────────┘
│
● 出発点: 極限[微-01]
```
### 3-B. 依存表(項目→直接の前提→前提が要る理由)
| 項目 | 直接の前提 | 前提が要る理由 |
|---|---|---|
| 微-01 | (BOOK-0063で確立済み・前提なし) | 微分積分全体の起点。極限が定義できなければ微分も積分も定義できない。 |
| 微-02 | 微-01 | 微分は「平均変化率のΔtをゼロに近づける極限」そのもの。 |
| 微-03 | 微-01 | 積分は「区分求積の刻み幅をゼロに近づける極限」そのもの。 |
| 微-04 | 微-02・微-03 | 基本定理は「微分すると元に戻る関数(原始関数)を使うと積分が求まる」という、微分と積分をつなぐ主張であり、両者が定義済みでなければ意味を持たない。 |
| 微-05・微-06 | 微-02・微-03 | 偏微分は一変数の微分を、重積分は一変数の積分を、それぞれ複数の変数へ拡張したもの。 |
| 微-07 | 微-01 | 級数は「無限に多くの項を足し続ける」という、区分求積とは別種の極限操作。 |
| 微-08 | 微-02 | 微分方程式はdy/dxという微分の記法そのものを使って組み立てる式。 |
| 微-09 | 微-02 | 計算規則は、極限の定義から導かれる微分の一般公式であり、微分の定義(微-02)の上に立つ。 |
| 微-10 | 微-04 | 積分の技法は、基本定理(原始関数を求めれば積分できる)を前提に、その原始関数を求める手段を増やすもの。 |
| 微-11 | 微-09 | 極値の判定は、微分の計算規則を使って導関数を求められることが前提。 |
| 微-12 | 微-07 | 収束判定法は、級数という対象が定義されていなければ判定のしようがない。 |
| 微-13 | 微-07・微-09 | テイラー展開の一般論は、級数(微-07)の枠組みと、繰り返し微分を行うための計算規則(微-09)の両方を使う。 |
| 微-14 | 微-05・微-11 | ラグランジュ未定乗数法は、偏微分・勾配(微-05)と極値の考え方(微-11)を多変数へ拡張したもの。 |
| 微-15 | 微-08・微-10 | 一階微分方程式の解法は、微分方程式の枠組み(微-08)と積分の技法(微-10、変数分離後の両辺を積分する)を組み合わせる。 |
| 微-16 | 微-06・微-08 | 発散定理・ストークスの定理は、重積分(微-06、体積・面積分)とベクトル場(微-08、発散・回転)の両方の言葉で書かれる。 |
| 微-17 | 微-09・微-11・微-14 | 変分法は、微分の計算規則(微-09)・極値の考え方(微-11)・多変数最適化(微-14)を、有限個の変数から無限次元の関数の空間へ一段階抽象化したもの。 |
### 3-C. DAG形式(横断・循環依存があるため3形式目を採用)
テイラー展開・変分法・ベクトル解析の3項目は、樹形図の単一の親子関係では表せない「複数の項目に同時に根を持つ」横断的な関係にある。
```
[微-07 級数の基礎] [微-09 微分の計算規則]
│ │
└───────────┬────────────┘
│
[微-13 テイラー展開の一般論]
(級数の枠組み+繰り返し微分の両方が必要)
[微-05 偏微分・勾配] [微-09 微分の計算規則] [微-11 微分の応用]
│ │ │
└──────────────────┼────────────────────┘
│
[微-14 多変数関数の最適化]
│
[微-17 変分法の入口]
(微-09・微-11・微-14の全てを一段抽象化して合流)
[微-06 重積分] ⇄(発散・回転を積分する道具として) [微-08 ベクトル場]
│
[微-16 発散定理・ストークスの定理]
```
**図式化の所感**: 樹形図(3-A)は学習の登り方を示すのに向き、依存表(3-B)は各項目の前提の抜け漏れを機械的に検査するのに向く。DAG(3-C)は「テイラー展開が級数と微分計算規則という2つの根に同時に立つ」「変分法が微分・応用・多変数最適化という3つの根の合流点である」という、本巻の頂点である水準十一〜十二の項目がいかに多くの下位項目を統合しているかを可視化するのに向く。3形式を揃えたことで、微分積分という一分野の中に潜む収束的な構造(多くの道具が最終的に変分法という1点へ集まる)が可視化された。
<!-- 増築点: 層3水準化構造への図式追加 -->
---
## 層4: 網羅の地図(MAP_数学.mdとの対応)
`MAP_数学.md`(冠あたり1ファイル・§20.3)はNUMBER_REGISTRY.mdでファイル名のみ予約済み・本波では未生産のため、本書からのリンクは張らず、対応節番号の宣言のみを行う(本書側からの提案節番号であり、確定はMAP_数学.md本体の生産完了後)。
| 項目 | 登場語 | 水準 | 定義委託先(冊内アンカー) | MAP_数学.md対応節(提案・本波生産中) |
|---|---|---|---|---|
| 微-01 | 極限・収束 | 一 | BOOK-0063第一階段 / [層5-微01](#itm01) | 微分積分篇 §Calc-01 |
| 微-02 | 導関数・接線 | 二 | BOOK-0063第二階段 / [層5-微02](#itm02) | 微分積分篇 §Calc-02 |
| 微-03 | 区分求積法 | 二〜三 | BOOK-0063第三階段 / [層5-微03](#itm03) | 微分積分篇 §Calc-03 |
| 微-04 | 基本定理・原始関数 | 三〜四 | BOOK-0063第四階段 / [層5-微04](#itm04) | 微分積分篇 §Calc-04 |
| 微-05 | 偏微分・勾配ベクトル | 五 | BOOK-0114第五章 / [層5-微05](#itm05) | 微分積分篇 §Calc-05 |
| 微-06 | 二重積分・累次積分 | 五 | BOOK-0114第六章 / [層5-微06](#itm06) | 微分積分篇 §Calc-06 |
| 微-07 | 級数・テイラー展開初歩 | 六 | BOOK-0114第七章 / [層5-微07](#itm07) | 微分積分篇 §Calc-07 |
| 微-08 | 微分方程式・ベクトル場 | 六 | BOOK-0114第八章 / [層5-微08](#itm08) | 微分積分篇 §Calc-08 |
| 微-09 | 積・商・連鎖律 | 七 | 層2-C / [層5-微09](#itm09) | 微分積分篇 §Calc-09 |
| 微-10 | 置換積分・部分積分 | 七〜八 | 層2-C / [層5-微10](#itm10) | 微分積分篇 §Calc-10 |
| 微-11 | 極値・停留点 | 八 | 層2-C / [層5-微11](#itm11) | 微分積分篇 §Calc-11 |
| 微-12 | 比判定法・交代級数判定法 | 八〜九 | 層2-C / [層5-微12](#itm12) | 微分積分篇 §Calc-12 |
| 微-13 | マクローリン級数・収束半径 | 九 | 層2-C / [層5-微13](#itm13) | 微分積分篇 §Calc-13 |
| 微-14 | ラグランジュ未定乗数法 | 十 | 層2-C / [層5-微14](#itm14) | 微分積分篇 §Calc-14 |
| 微-15 | 変数分離形・線形微分方程式 | 十 | 層2-C / [層5-微15](#itm15) | 微分積分篇 §Calc-15 |
| 微-16 | 発散定理・ストークスの定理 | 十〜十一 | 層2-C / [層5-微16](#itm16) | 微分積分篇 §Calc-16 |
| 微-17 | 汎関数・オイラー・ラグランジュ方程式 | 十二 | 層2-C / [層5-微17](#itm17) | 微分積分篇 §Calc-17 |
この表は層1(全17項目)と一対一で対応し、抜け・重複がないことを機械的に確認できる(層1の項目数=17、この表の行数=17)。
<!-- 増築点: 層4地図対応の節番号更新 -->
---
## 層5: 解説(等式連鎖形式)
各項目につき「公式(答え)を最初に置き、展開図を挟み、答えへイコールで結ぶ」形式で書く。検算行規約(裁定14)に従い、`=`を含む数式行は純粋な数値・記号の等式のみとし、単位・近似記号・指数のe表記は本文の「注記:」側に置く。
<a id="itm01"></a>
### 微-01: 極限(数列・関数の極限、0/0の迂回)
**問い**: lim(x→2) (x²−4)÷(x−2) の値は?
```
L = x+2 = 2+2 = 4
```
注記: x²−4=(x−2)(x+2)なので、x≠2の範囲で(x²−4)÷(x−2)=x+2と約分できる。「0÷0という壊れた割り算」(→BOOK-0063第一階段)を、直接x=2を代入するのではなく、まず式を整理してから極限を取ることで迂回している([技-数-001](#tec001))。x=2.001を代入した数値検算でも(2.001²−4)÷0.001=4.001となり、4に近づくことが確認できる。
検算: `4 = 2 + 2`
<a id="itm02"></a>
### 微-02: 微分の定義(瞬間変化率・導関数、水準二の復習)
**問い**: x(t)=t² のとき、t=5における瞬間の変化率(導関数の値)は?
```
x'(t) = 2t = 2×5 = 10
```
注記: BOOK-0063第二階段はt=3の場合(答え6)を検算済みであり、本巻はその重複計算を避け、t=5という新しい値で同じ手順が通用することを確認する([技-数-002](#tec002))。x(t)=t²の導関数x'(t)=2tという一般式は、BOOK-0063第二階段でΔtをゼロに近づける極限として導出済み(→[微-01](#itm01)参照、下位水準リンク)であり、本巻はこの結果をそのまま使う。
検算: `10 = 2×5`
<a id="itm03"></a>
### 微-03: 積分の定義(区分求積法、水準二〜三の復習)
**問い**: 直線y=xとx軸、x=0からx=3までに挟まれた三角形の面積(区分求積法の極限として定義される積分∫₀³x dxの値)は?
```
∫₀³ x dx = (底辺×高さ)÷2 = (3×3)÷2 = 9÷2 = 4.5
```
注記: 区分求積法(長方形の幅を無限に細かくしていく極限、→BOOK-0063第三階段)で直線を積分すると、直角三角形の面積の公式と同じ値に収束することが、BOOK-0063第四階段のy=2xの例(台形公式との一致)と同じ発想で確かめられる([技-数-003](#tec003))。ここでは底辺3・高さ3の直角三角形として幾何学的に検算する(区分求積の極限として同じ値になることの数値的な収束確認はBOOK-0063と同一手順のため重複計算は省略する)。
検算: `4.5 = 9÷2`
<a id="itm04"></a>
### 微-04: 微分積分学の基本定理・歴史的背景(水準三〜四の復習)
**問い**: f(x)=3x²の原始関数F(x)=x³を使って、∫₁² 3x² dx を求めると?
```
∫₁² 3x² dx = F(2)−F(1) = 2³−1³ = 8−1 = 7
```
注記: F(x)=x³の導関数がF'(x)=3x²=f(x)に戻ることは([技-数-004](#tec004))、BOOK-0063第四階段のf(x)=x²・F(x)=x³/3の例と同型の確認である。微分積分学の基本定理(微分と積分が互いの逆演算であること)そのものの成立根拠、およびニュートン・ライプニッツの独立発見と先取権論争(諸説あり・未確定な部分を含む史実)はBOOK-0063第四階段の記述をそのまま参照し、本巻では再論しない(→[微-02](#itm02)・[微-03](#itm03)参照、下位水準リンク)。
検算: `7 = 8 − 1`
<a id="itm05"></a>
### 微-05: 偏微分と勾配ベクトル(水準五の復習)
**問い**: f(x,y)=x²+y² の点(5,12)における勾配ベクトルの大きさ|∇f|は?
```
|∇f| = √((2×5)²+(2×12)²) = √(10²+24²) = √(100+576) = √676 = 26
```
注記: ∂f/∂x=2x、∂f/∂y=2yという偏微分の一般式はBOOK-0114第五章で確立済み([技-数-005](#tec005)、→[微-02](#itm02)参照)。同章の検算点(3,4)(勾配(6,8)、大きさ10)とは異なる(5,12,13)のピタゴラス数を使い、2倍した(10,24,26)がやはり直角三角形の3辺になることを新たに確認する。
検算: `26 = √676`
<a id="itm06"></a>
### 微-06: 重積分(累次積分・極座標、水準五の復習)
**問い**: f(x,y)=x+y を領域0≤x≤2、0≤y≤1で二重積分すると?
```
∬(x+y)dxdy = ∫₀¹(2+2y)dy = [2y+y²]₀¹ = 2+1 = 3
```
注記: まずxについて積分すると∫₀²(x+y)dx=[x²/2+xy]₀²=2+2yとなり、次にyについて積分する累次積分の手順はBOOK-0114第六章と同型([技-数-006](#tec006)、→[微-03](#itm03)参照)。順序を入れ替えても(yを先に積分)同じ値3になることは、BOOK-0114第六章のf=x+y(単位正方形)の例と同じ性質であり、確認手順も重複するため本巻では割愛する。
検算: `3 = 2 + 1`
<a id="itm07"></a>
### 微-07: 級数の基礎とテイラー展開の初歩(水準六の復習)
**問い**: 初項3、公比0.5の等比級数の和は?
```
S = a÷(1−r) = 3÷(1−0.5) = 3÷0.5 = 6
```
注記: 等比級数の和の公式S=a÷(1−r)はBOOK-0114第七章のa=1・r=0.5の例(答え2)で導入済みであり、ここでは初項を変えた新しい数値例で公式の使い方を確認する([技-数-007](#tec007)・[技-数-018](#tec018)厳密値0.5のまま計算)。調和級数が発散すること、e^xやsin xのテイラー展開の初歩(水準六段階の近似の精度確認)はBOOK-0114第七章の記述をそのまま参照する。
検算: `6 = 3÷0.5`
<a id="itm08"></a>
### 微-08: 微分方程式・ベクトル解析の入口(水準六の復習)
**問い**: dy/dx=k・y(k=3)、y=4のとき、その点での傾きdy/dxの値は?
```
dy/dx = k×y = 3×4 = 12
```
注記: dy/dx=k・yという微分方程式の形と、その解がy=y₀×e^(kx)になることはBOOK-0114第八章で確立済み([技-数-008](#tec008)、→[微-02](#itm02)参照)。ここではkとyの数値を変え、「その瞬間の傾きは、その瞬間の値に比例する」という微分方程式の定義そのものを直接確認する(解の指数関数そのものの計算はBOOK-0114第八章の検算と重複するため割愛)。発散・回転の直感的な導入もBOOK-0114第八章の記述を参照する。
検算: `12 = 3×4`
<a id="itm09"></a>
### 微-09: 微分の計算規則(積の法則・商の法則・連鎖律)
**問い①(積の法則)**: f(x)=x²、g(x)=x³ の積h(x)=f(x)g(x)に積の法則h'(x)=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)を適用したとき、x=2におけるh'(x)は?
```
h'(2) = f'(2)×g(2) + f(2)×g'(2) = (2×2)×(2³) + (2²)×(3×2²) = 4×8 + 4×12 = 32+48 = 80
```
注記: f'(x)=2x・g'(x)=3x²はいずれもBOOK-0063第二階段のべき乗の微分規則(→[微-02](#itm02)参照)から得られる([技-数-002](#tec002)・[技-数-009](#tec009))。積の法則は、h(x)=x²・x³=x⁵を直接微分した場合(h'(x)=5x⁴、x=2でh'(2)=5×16=80)と完全に一致し([技-数-019](#tec019)次数解析、両辺とも5次の項からの導出で一致)、積の法則が「先に展開してから微分する」のと同じ答えを与えることが検算できる。積の法則の一般的な証明(極限の定義に基づく厳密な導出)自体は本巻では割愛し、動作原理の一致確認にとどめる。
**問い②(商の法則)**: f(x)=x²、g(x)=x+1 の商h(x)=f(x)÷g(x)に商の法則h'(x)=(f'(x)g(x)−f(x)g'(x))÷g(x)²を適用したとき、x=1におけるh'(x)は?
```
h'(1) = (f'(1)×g(1) − f(1)×g'(1))÷g(1)² = (2×1×(1+1) − 1²×1)÷(1+1)² = (4−1)÷4 = 0.75
```
注記: f'(x)=2x・g'(x)=1はいずれもべき乗の微分規則([技-数-002](#tec002))・商の法則の識別([技-数-009](#tec009))から得られる。x²÷(x+1)はx²=(x+1)(x−1)+1という関係を使うと(x−1)+1÷(x+1)と書き換えられ、この形を直接微分すると1−1÷(x+1)²となり、x=1で1−1÷4=0.75となって商の法則の結果と完全に一致する——商の法則が「書き換えてから微分する」のと矛盾しないことの裏付けである。
**問い③(連鎖律・内側が非自明)**: g(x)=(2x+1)³ を内側u(x)=2x+1・外側u³の合成とみなし、連鎖律g'(x)=3u(x)²×u'(x)を適用したとき、x=1におけるg'(x)は?
```
g'(1) = 3×u(1)²×u'(1) = 3×(2×1+1)²×2 = 3×9×2 = 54
```
注記: 連鎖律は「外側の関数(u³)をuについて微分してから、内側の関数(2x+1)の微分を掛ける」という手順であり([技-数-009](#tec009))、内側が単なるxではなく2x+1という非自明な式である点が、問い②までの例と異なる。この結果は、g(x)=(2x+1)³=8x³+12x²+6x+1と直接展開してから微分した場合(g'(x)=24x²+24x+6、x=1でg'(1)=24+24+6=54)と完全に一致し([技-数-019](#tec019)次数解析)、連鎖律が展開・直接微分と矛盾しないことを裏付ける。
**問い④(部分積分による確認)**: u=x、dv=(x+2)dxとして部分積分の考え方でx(x+2)の原始関数を組み立てると、x³/3+x²になる。この原始関数を使って∫₀³ x(x+2)dx を求めると?
```
∫₀³ x(x+2)dx = [x³/3+x²]₀³ = (27÷3+9) − 0 = 9+9 = 18
```
注記: v=∫(x+2)dx=x²/2+2xとして、部分積分の公式∫u dv=uv−∫v duを展開すると原始関数x³/3+x²が得られる([技-数-010](#tec010)の考え方の先取り、詳細な技法は[微-10](#itm10)で扱う)。この原始関数を直接展開した式x²+2x(x(x+2)そのもの)の原始関数と照合すると一致し、部分積分が展開・直接積分と同じ結果を与えることが確認できる。
検算: `80 = 32 + 48`
検算: `0.75 = 3÷4`
検算: `54 = 3×9×2`
検算: `18 = 9 + 9`
<a id="itm10"></a>
### 微-10: 積分の技法(置換積分・部分積分)
**問い①(置換積分)**: ∫₀¹ 4x³(x⁴+1) dx を置換u=x⁴+1(du=4x³dx)で計算すると?
```
∫u du = u²÷2 = (2²−1²)÷2 = (4−1)÷2 = 1.5
```
注記: x=0のときu=1、x=1のときu=2であり、置換によって∫4x³(x⁴+1)dxという式が∫u duという単純な形に変わる([技-数-010](#tec010)のu選定術)。u²/2という原始関数にu=2とu=1を代入して差を取る手順は、基本定理(→[微-04](#itm04)参照、下位水準リンク)をuという新しい変数について適用したものにほかならない。
**問い②(部分積分)**: [微-09](#itm09)問い④で組み立てた原始関数x³/3+x²を使い、∫₀³ x(x+2)dx の値を再確認すると?
```
[x³/3+x²]₀³ = (27÷3+9) − 0 = 9+9 = 18
```
注記: 部分積分で導いた原始関数x³/3+x²を使った定積分の値は、[微-09](#itm09)で既に検算した18と一致する([技-数-019](#tec019)次数解析、3次の原始関数から2次以下の項が消える構造も一致)。この一致は、部分積分という技法が「展開して直接積分する」のと矛盾しない、正しい変形であることの裏付けである。
検算: `1.5 = (4 − 1)÷2`
検算: `18 = 9 + 9`
<a id="itm11"></a>
### 微-11: 微分の応用(極値・停留点)
**問い①**: f(x)=−x²+6x の極値を与えるxの値(f'(x)=0を解く)は?
```
x = 6÷2 = 3
```
注記: f'(x)=−2x+6という導関数はべき乗の微分規則([技-数-002](#tec002))から得られ、f'(x)=0とおいて解くとx=3という停留点が求まる([技-数-011](#tec011)、→[微-09](#itm09)参照、下位水準リンク)。f''(x)=−2<0(定数、常に負)であることから、この停留点は極大であると判定できる。
**問い②**: そのときのf(x)の値(最大値)は?
```
f(3) = −3²+6×3 = −9+18 = 9
```
注記: x=3を元の式に代入して極大値9が求まる。この「f'(x)=0を解いて候補点を出し、f''(x)の符号または増減表で極大・極小を判定する」という2段階の手順が、微分の応用としての最適化の基本形である。
検算: `3 = 6÷2`
検算: `9 = −9 + 18`
<a id="itm12"></a>
### 微-12: 級数の収束判定法(比判定法・交代級数判定法)
**問い**: aₙ=n÷2ⁿ の比判定法での比aₙ₊₁÷aₙを、公式(n+1)÷(2n)を使ってn=4で計算すると?
```
(n+1)÷(2n) = 5÷8 = 0.625
```
注記: aₙ₊₁÷aₙ = [(n+1)÷2ⁿ⁺¹]÷[n÷2ⁿ] = (n+1)÷(2n)という比の一般式にn=4を代入する([技-数-012](#tec012))。この比の極限(n→∞)は1/2=0.5であり、1未満であることから、この比判定法(→BOOK-0114第七章が「本冊では扱わない」と明記した積み残しの回収)によりΣn÷2ⁿという級数は収束すると判定できる。交代級数判定法(符号が交互に入れ替わる級数で、各項の大きさが単調にゼロへ近づけば収束するという判定法、ライプニッツによる)についても同様に、BOOK-0114第七章が扱わなかった判定条件を本巻で補う——ただし個々の級数への適用例の網羅は本巻の対象外とし、判定法の存在と適用条件の提示にとどめる。
検算: `0.625 = 5÷8`
<a id="itm13"></a>
### 微-13: テイラー展開の一般論(マクローリン級数・収束半径)
**問い**: f(x)=(1+x)⁴のマクローリン展開でのx²の係数c₂=f''(0)÷2!は?
```
c₂ = f''(0)÷2! = 12÷2 = 6
```
注記: f'(x)=4(1+x)³、f''(x)=12(1+x)²、f''(0)=12であり([技-数-009](#tec009)連鎖律・[技-数-013](#tec013))、テイラー係数の一般公式cₙ=f⁽ⁿ⁾(0)÷n!(BOOK-0114第七章のe^xの例を一般化したもの)にn=2を代入すると6が得られる。この値は、二項定理(DIC-0001水準七〜八)による(1+x)⁴の展開式でのx²の係数C(4,2)=6と完全に一致する([技-数-019](#tec019)次数解析)——テイラー展開の一般公式が、既に知られている二項定理という別の道具と矛盾しないことの検算になっている。収束半径(べき級数が意味を持つxの範囲、BOOK-0114第七章が「未確定・発展課題」と明記)は、(1+x)⁴のような有限次数の多項式では常に無限大(どんなxでも収束、そもそも項が有限個で終わる)であり、1/(1−x)のような無限級数では収束半径が1になる——この違いを生む一般的な判定法は比判定法([微-12](#itm12)参照)を使う。
検算: `6 = 12 ÷ 2`
<a id="itm14"></a>
### 微-14: 多変数関数の最適化(ラグランジュ未定乗数法)
**問い**: f(x,y)=xy を制約x+y=10のもとでラグランジュ未定乗数法で最大化する。停留条件∇f=λ∇gから(y,x)=λ(1,1)、すなわちx=yが導かれ、制約と合わせるとx=y=5が得られる。このときの最大値f(5,5)は?
```
f(5,5) = 5×5 = 25
```
注記: ∇f=(y,x)、∇g=(1,1)(g(x,y)=x+y−10=0)であり、制約面(直線x+y=10)上を動くとき、その接線方向へfの変化率がゼロになる点で∇fと∇gが平行になる、という性質([技-数-014](#tec014)、→[微-05](#itm05)参照、下位水準リンク)からy=x=λが導かれる。制約x+y=10とx=yを連立するとx=y=10÷2=5となり、最大値25が得られる。ラグランジュ未定乗数法は、勾配ベクトル(→[微-05](#itm05))と極値の考え方(→[微-11](#itm11))を、1変数から多変数・制約付きの場合へ拡張したものである。
検算: `25 = 5×5`
<a id="itm15"></a>
### 微-15: 一階微分方程式の解法(変数分離形・線形)
**問い**: dy/dx=x÷y、初期条件y(0)=3のとき、x=4における yの値(y>0)は?
```
y = √(4²+3²) = √(16+9) = √25 = 5
```
注記: dy/dx=x÷yは変数分離形であり、両辺をy dy=x dxの形に分けて積分すると、y²÷2=x²÷2+Cが得られる([技-数-015](#tec015)、→[微-08](#itm08)・[微-10](#itm10)参照)。初期条件y(0)=3からC=(3²−0²)÷2=4.5が定まり、x=4を代入するとy²=4²+2×4.5=16+9=25、y=√25=5となる(3-4-5の直角三角形と同じ数の並びになる)。一階線形微分方程式dy/dx+P(x)y=Q(x)の一般解法(積分因子法)は、本巻ではこの変数分離形の考え方の延長として存在を示すにとどめ、詳細な手順の網羅は対象外とする。
検算: `5 = √(16 + 9)`
<a id="itm16"></a>
### 微-16: ベクトル解析の基本定理(発散定理・ストークスの定理の入口)
**問い**: ベクトル場F=(x,y,z)の発散divF=3(定数)であるとき、一辺2の立方体(体積V=2³=8)を通る全流束(発散定理による)は?
```
流束 = divF×V = 3×8 = 24
```
注記: divF=∂x/∂x+∂y/∂y+∂z/∂z=1+1+1=3という発散の計算はBOOK-0114第八章の直感的定義(湧き出しの量、→[微-08](#itm08)参照)を数式化したもの。発散定理(発散を立体全体で積分した値が表面を通る流束の総量に等しい)は、divFが定数であるためこの立体では「発散×体積」という単純な掛け算に帰着する([技-数-016](#tec016)、一般の非定数の発散場では体積分∭divF dVを計算する必要があり、この簡略化は定数発散という特別な場合にのみ成り立つ)。発散定理は、ジョゼフ=ルイ・ラグランジュが1762年に発見した(証明は伴わなかった)のが最初とされ、カール・フリードリヒ・ガウスが1813年に重力の研究の中で特別な場合を証明し(発表は1833年・1839年)、ミハイル・オストログラツキーが1826年に熱伝導の研究の中で一般の場合の最初の証明を与え、ジョージ・グリーンも1828年に電磁気の論文の中で特別な場合を示した——このように複数の数学者がほぼ独立に異なる文脈でたどり着いた定理であり、「ガウスの定理」「オストログラツキーの定理」のどちらの呼び名も使われる(誰が最初かは文脈により諸説あり)。ストークスの定理(回転を曲面全体で積分した値が境界の周回積分に等しい)も同様の経緯を持つ——最初の記述は1850年7月にウィリアム・トムソン(後のケルビン卿)がジョージ・ストークスへ宛てた手紙に現れ、ストークス自身は1854年のケンブリッジ大学スミス賞の試験問題としてこれを出題したことから彼の名がついたとされる(定理の発見者は厳密にはストークスではなくトムソンだったという経緯自体が、名前の由来として広く知られている)。本巻では両定理とも、局所的な量(発散・回転)と大域的な量(流束・循環)を結びつけるという考え方の入口までを扱い、一般の曲面・曲面積分の厳密な計算手順は対象外とする。
検算: `24 = 3×8`
<a id="itm17"></a>
### 微-17: 変分法の入口(オイラー・ラグランジュ方程式)
**問い**: 自由粒子のラグランジアンL=(1/2)mv²(ポテンシャルV=0)にオイラー・ラグランジュ方程式d/dt(∂L/∂v)−∂L/∂x=0を適用すると、m×a=0という関係が導かれる。質量2kgの自由粒子でこの関係が成り立つとき、加速度aの値は?
```
a = 0÷2 = 0
```
注記: ∂L/∂v=mv、d/dt(mv)=m×a(質量一定のとき)、∂L/∂x=0(Lにxが現れないため)であり、オイラー・ラグランジュ方程式にこれらを代入するとm×a=0、すなわちa=0(等速運動、外力なしで加速度ゼロ)が導かれる([技-数-017](#tec017))。これはニュートンの運動の第一法則(慣性の法則)そのものであり、「作用(Lを時間で積算した量)を停留にする経路を求める」という変分法の枠組みから、力学の最も基本的な法則が導出できることを示している(→PHD-0001『物理・力学』第1巻の力-17参照、ラグランジアンL=T−Vの定義そのものはPHD-0001水準十で既出であり、本巻はそこで使われた枠組みを支える変分法側の根拠を提示する立場である)。この対応は、汎関数(→[微-14](#itm14)参照、下位水準リンクの一段抽象化)を停留にする関数を求めるという一般の変分問題の、最も単純な特殊例にあたる。入口の物語の最速降下線問題では、Lの代わりに移動時間を表す汎関数を使い、同じオイラー・ラグランジュ方程式を解くとサイクロイド曲線が解として得られることが知られている(具体的な導出は本巻の対象外とし、変分法の枠組みが適用できるという事実の提示にとどめる)。
検算: `0 = 0 ÷ 2`
**層5の一対一対応の確認**: 層4の地図に載る17項目全てが、上記17本(微-09は4本〈積の法則・商の法則・連鎖律×2問+部分積分先取り〉、微-10は2本、微-11は2本の検算行を持つため実質22本の等式連鎖)のいずれかと対応しており、全項目が最低1本の「検算:」行でカバーされている。
<!-- 増築点: 層5解説の等式連鎖追加 -->
---
## 層6: 説明(水準一からの分解→設計→再構築)
§18.1層6の要請に従い、微分積分の8分類それぞれについて、水準一の道具から出発して「分解→設計→再構築」の3段で示す。読者がこの文書を見ずに同じ構造を組み直せることが、各段の合格条件である。
<a id="l6a"></a>
### 6-A. 極限と微分の基礎(微-01・02)
**出発点(水準一)**: 「限りなく近づけていった先を答えとする」という極限の考え方(BOOK-0063第一階段)が出発点である。
**分解**: 極限と微分の基礎は「0/0のような壊れた計算を迂回する極限」「平均変化率をΔ→0で瞬間変化率にする微分」の2つの部品に分解できる。
**設計**: (x²−4)÷(x−2)のような0/0型の式は、直接代入せずまず式を整理する(因数分解して約分する)ことで、極限を安全に評価できる形に変える。この考え方を平均変化率(x(t+Δt)−x(t))÷Δtに適用し、Δt→0の極限を取ると、瞬間の変化率(導関数)が得られる。
**再構築**: 極限の定義(水準一)→0/0型の式を整理してから極限を評価する([微-01](#itm01))→同じ操作を平均変化率の式に適用し瞬間変化率を得る([微-02](#itm02))。この流れを再現できれば6-Aの合格条件を満たす。
<!-- 増築点: 6-A極限と微分の基礎の再構築手順追加 -->
<a id="l6b"></a>
### 6-B. 積分の基礎と基本定理(微-03・04)
**出発点(水準二)**: 長方形の面積(縦×横)という、幾何学の最も基本的な公式が出発点である(BOOK-0063第三階段)。
**分解**: 積分の基礎は「長方形を無限に細かく刻んで足す区分求積法」「その和の極限を、微分すると元に戻る関数(原始関数)を使って求める基本定理」の2つの部品に分解できる。
**設計**: 曲線の下の面積を求めたいとき、その範囲を細かい長方形に分割し、それぞれの面積(高さ×幅)を足し合わせる。刻みを無限に細かくしていくと、この和はある一つの値に収束する——これが積分の定義である。基本定理は、この収束先の値が、被積分関数fを積分した「原始関数F」を使ってF(終点)−F(始点)という引き算だけで求まる、という驚くべき近道を示す。この近道が成り立つ理由は、積み上げ量そのものを表す関数を微分すると、今積み上げている量(元の関数)に戻る、という循環にある。
**再構築**: 長方形の面積(水準二)→区分求積法で刻みを無限に細かくする極限([微-03](#itm03))→微分すると元に戻る関数(原始関数)を使うと、この極限がF(終点)−F(始点)という引き算だけで求まる([微-04](#itm04))。この流れを再現できれば6-Bの合格条件を満たす。
<!-- 増築点: 6-B積分の基礎と基本定理の再構築手順追加 -->
<a id="l6c"></a>
### 6-C. 多変数解析の入口(微-05・06)
**出発点(水準二〜三)**: 一変数の微分(微-02)・積分(微-03)が出発点である。
**分解**: 多変数解析は「複数の変数のうち1つだけに注目する偏微分」「複数の変数について続けて積分する重積分」の2つの部品に分解できる。
**設計**: z=f(x,y)のような多変数関数で、yを定数とみなしてxだけで微分する操作(偏微分)は、一変数の微分の手順をそのまま繰り返しているに過ぎない。各変数についての偏微分を並べたものが勾配ベクトルであり、最も急に値が増加する方向を指す。重積分も同様に、まずxについて積分し(yを定数とみなす)、その結果をさらにyについて積分するという、一変数の積分の繰り返しである。
**再構築**: 一変数の微分(水準二)→1つの変数だけに注目し他を定数とみなす偏微分([微-05](#itm05))→一変数の積分(水準二〜三)→1つの変数ずつ順に積分する累次積分([微-06](#itm06))。この流れを再現できれば6-Cの合格条件を満たす。
<!-- 増築点: 6-C多変数解析の入口の再構築手順追加 -->
<a id="l6d"></a>
### 6-D. 級数とテイラー展開(微-07・08・12・13)
**出発点(水準一)**: 極限(微-01)、特に数列がある値に近づいていくという考え方が出発点である。
**分解**: 級数とテイラー展開は「無限に多くの項を足し続ける級数」「その級数が収束するかどうかを判定する比判定法・交代級数判定法」「複雑な関数を多項式の無限和で近似するテイラー展開」「各項の係数を求める一般公式」「どこまでの範囲で近似が意味を持つかという収束半径」の5つの部品に分解できる。
**設計**: 数列の項を次々に足し合わせたものが級数であり、部分和が1つの値に収束する場合(等比級数など)と、どこまでも大きくなり続ける場合(調和級数など)がある。「各項がゼロに近づくこと」は収束の必要条件だが十分条件ではない、という調和級数の教訓(BOOK-0114第七章)を踏まえ、比判定法(隣り合う項の比が1未満に収束するか)・交代級数判定法(符号が交互で大きさが単調減少するか)という具体的な判定手段を用意する。テイラー展開は、複雑な関数f(x)を、べき級数Σcₙxⁿの形で近似しようとする発想から始まる。この係数cₙを求めるには、両辺をn回微分してx=0を代入する——n回微分するとxⁿより低い次数の項はすべて消え、xⁿの項だけがn!×cₙという値で残るため、cₙ=f⁽ⁿ⁾(0)÷n!という一般公式が得られる(マクローリン級数)。この近似がどこまでのxの範囲で意味を持つか(収束半径)は、テイラー級数自体を1つの級数とみなし、比判定法を適用することで求められる。
**再構築**: 極限(水準一)→数列の項を無限に足し合わせる級数([微-07](#itm07))→比判定法・交代級数判定法で収束・発散を判定する([微-12](#itm12))→べき級数Σcₙxⁿでf(x)を近似すると仮定し、n回微分してx=0を代入するとcₙ=f⁽ⁿ⁾(0)÷n!が得られる([微-13](#itm13))→この級数がどこまでのxで収束するかを比判定法で求める(収束半径、[微-13](#itm13))。この流れを再現できれば6-Dの合格条件を満たす。この再構築手順は、本巻の再構築課題(検定)がそのまま問う内容でもある。
<!-- 増築点: 6-D級数とテイラー展開の再構築手順追加 -->
<a id="l6e"></a>
### 6-E. 微分の計算規則と応用(微-09・10・11)
**出発点(水準二)**: べき乗の微分規則d/dx xⁿ=nxⁿ⁻¹(微-02、BOOK-0063)が出発点である。
**分解**: 微分の計算規則と応用は「2つの関数の積・商・合成をどう微分するか」「その逆演算として積分をどう求めるか」「微分を使って関数の最大・最小を求める」の3つの部品に分解できる。
**設計**: 2つの関数の積h=fgを微分するとき、fとgの両方が同時に変化するため、単純にf'とg'を掛けるだけでは正しい答えにならない。積の法則h'=f'g+fg'は、fが変化する分とgが変化する分の両方を足し合わせることで正しい答えを与える。積分は微分の逆演算(→6-B)であるため、積の法則を逆にたどった技法(部分積分)や、合成関数の微分(連鎖律)を逆にたどった技法(置換積分)を使うと、べき乗則だけでは求まらない複雑な関数の原始関数が求まる。関数の極値(最大・最小)は、導関数がゼロになる点(接線の傾きが水平になる点、停留点)の候補として求まり、その前後で導関数の符号がどう変わるか、あるいは2階微分の符号を調べることで、極大・極小のどちらであるかを判定できる。
**再構築**: べき乗の微分規則(水準二)→2つの関数の積・商・合成を微分する計算規則([微-09](#itm09))→その逆演算として置換積分・部分積分で原始関数を求める([微-10](#itm10))→導関数がゼロになる点を極値の候補として求め、符号の変化で極大・極小を判定する([微-11](#itm11))。この流れを再現できれば6-Eの合格条件を満たす。
<!-- 増築点: 6-E微分の計算規則と応用の再構築手順追加 -->
<a id="l6f"></a>
### 6-F. 微分方程式と多変数最適化(微-14・15)
**出発点(水準五〜六)**: 勾配ベクトル(微-05)と微分方程式dy/dx=k・y(微-08)が出発点である。
**分解**: この分野は「制約条件のもとで多変数関数を最大・最小にするラグランジュ未定乗数法」「変数分離形の微分方程式を解く手法」の2つの部品に分解できる。
**設計**: 制約g(x,y)=0の上を動きながらf(x,y)を最大化したいとき、制約面の接線方向にfの変化率がゼロになる点が停留点の候補になる。この条件は、勾配ベクトル∇fが∇gと平行になる(∇f=λ∇g)という形で書け、λを未定乗数として連立方程式を解く。微分方程式dy/dx=f(x)g(y)の形(変数分離形)は、両辺をy dy=x dxのように左右に分け、それぞれ独立に積分することで解ける——これはdy/dx=k・y(微-08)という特殊な場合を、f(x)=k(定数)・g(y)=yとして一般化したものである。
**再構築**: 勾配ベクトル(水準五)→制約面上で∇f=λ∇gとなる点を最適解の候補として求める([微-14](#itm14))→dy/dx=k・y(水準六)→f(x)g(y)の形に分けて両辺を積分する変数分離形の解法へ一般化([微-15](#itm15))。この流れを再現できれば6-Fの合格条件を満たす。
<!-- 増築点: 6-F微分方程式と多変数最適化の再構築手順追加 -->
<a id="l6g"></a>
### 6-G. ベクトル解析と変分法の入口(微-16・17)
**出発点(水準六)**: ベクトル場・発散・回転の直感的な導入(微-08、BOOK-0114第八章)が出発点である。
**分解**: この分野は「局所的な発散・回転を大域的な流束・循環に結びつける発散定理・ストークスの定理」「関数(曲線)そのものを選ぶ最適化としての変分法」の2つの部品に分解できる。
**設計**: 発散(その点でどれだけ湧き出しているか)を立体全体で足し合わせると、その立体の表面を通り抜ける流束の総量に等しくなる——これが発散定理である。同様に回転(その点でどれだけ渦を巻いているか)を曲面全体で足し合わせると、その曲面の境界に沿った循環に等しくなる——これがストークスの定理である。どちらも「局所の性質を積分すると大域の性質になる」という、微分積分学の基本定理(→6-B)と同じ発想の多変数版といえる。変分法は、これまでの微分の応用(微-11、数値xを選んで関数fを最大・最小にする)を、「関数y(x)そのものを選んで、汎関数(関数を入力に取る関数)を最大・最小にする」という一段抽象度の高い問題へ拡張する。汎関数を停留にする関数が満たすべき条件(オイラー・ラグランジュ方程式)は、微分の応用(微-11)で「f'(x)=0」を解いたのと同じ発想を、関数の空間へ拡張したものである。
**再構築**: 発散・回転の直感(水準六)→局所の発散・回転を大域の流束・循環に結びつける発散定理・ストークスの定理([微-16](#itm16))→数値を選ぶ最適化(微-11)→関数そのものを選ぶ最適化としての変分法、オイラー・ラグランジュ方程式([微-17](#itm17))。この流れを再現できれば6-Gの合格条件を満たす。入口の物語の最速降下線問題(なぜ回り道の曲線の方が速いのか)は、この6-Gの再構築そのものが答えの骨格である。
<!-- 増築点: 6-Gベクトル解析と変分法の入口の再構築手順追加 -->
---
## 層序式並列水準(§19.1・項目×水準の行列表)
同じ微分積分という分野を、水準一〜十二の「地層」として並列に見せる。読者はどの水準からでも同じ項目に入れる(逐次上げ(§16.7)とは相補の表示軸)。
| 項目 | 一 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 | 九 | 十 | 十一 | 十二 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 極限 | 極限(数列・関数の極限、0/0の迂回) | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — |
| 微分の基礎と計算規則 | — | 瞬間変化率・導関数 | — | — | — | — | 積の法則・商の法則・連鎖律 | 極値(極大・極小)・停留点 | — | — | — | — |
| 積分の基礎と技法 | — | — | 区分求積法 | 基本定理・原始関数 | — | — | 置換積分・部分積分 | 置換積分・部分積分 | — | — | — | — |
| 多変数解析 | — | — | — | — | 偏微分・勾配ベクトル・重積分 | — | — | — | — | ラグランジュ未定乗数法 | — | — |
| 級数 | — | — | — | — | — | 等比級数・調和級数(基礎) | — | 比判定法・交代級数判定法 | 比判定法・交代級数判定法 | — | — | — |
| テイラー展開 | — | — | — | — | — | e^x・sin xの初歩近似 | — | — | マクローリン級数(テイラー係数の一般式)・収束半径 | — | — | — |
| 微分方程式 | — | — | — | — | — | dy/dx=k・yの入口 | — | — | — | 変数分離形・一階線形微分方程式 | — | — |
| ベクトル解析・変分法 | — | — | — | — | — | 発散・回転の直感 | — | — | — | 発散定理・ストークスの定理(入口) | 発散定理・ストークスの定理(入口) | 汎関数・変分・オイラー・ラグランジュ方程式・最速降下線問題 |
**表の読み方**: 「—」は本巻の該当項目がその水準に新規内容を持たないことを示す(下位水準からの継承のみ、または対象外)。水準一〜六の大半は既刊(BOOK-0063・BOOK-0114)が担い、本巻の新規執筆は主に水準七〜十二に集中する——これは§20.1が博士号書に定める「水準七〜十二+達人術列」という設計方針と、この層序式表自体が要求する「水準一〜十二の並列表示」という表示方針の、両方を同時に満たす配置である。
**行列表⇄層2-C水準突合の自己確認**: 層2-Cで新規定義した15語(積の法則・商の法則・連鎖律=水準七、置換積分・部分積分=水準七〜八、極値・停留点=水準八、比判定法=水準八〜九、交代級数判定法=水準八〜九、マクローリン級数=水準九、収束半径=水準九、ラグランジュ未定乗数法=水準十、変数分離形=水準十、一階線形微分方程式=水準十、発散定理=水準十〜十一、ストークスの定理=水準十〜十一、汎関数・変分=水準十二、オイラー・ラグランジュ方程式=水準十二、最速降下線問題=水準十二)は、上表の対応する行・列のセルに同じ水準表記で全て再掲されている(第1波で摘出された1水準ズレの再発防止策として、本巻執筆時に本表と層2-Cを突合し、以下の自己機械検査スクリプトで再度実測する)。
**白カード注記**: 確率統計における積分(期待値・分散)、複素解析への微分積分の拡張、偏微分方程式、測度論・ルベーグ積分は微分積分に隣接するが本巻の対象外であり、微分積分第3巻または別冠での白カード候補として、上表には行を追加していない。
<!-- 増築点: 層序式並列水準の項目追加 -->
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## 技閉包の設計方針(§19.3)
本巻の全検定問題(層5の等式連鎖と同一の数値を用いる)は、解くのに十分な技IDが層5の各項目内、および「達人術ファースト一覧」表に定義済みである。下位水準リンク義務(水準Nの式が水準1〜N-1の語・技を使う場合のリンクを張る)は、層5内の「→微-◯◯参照」という冊内アンカー(`#itm`+2桁番号の形)、および層6の各ブロック内の「→BOOK-0063」「→BOOK-0114」「→PHD-0001」という既刊参照によって満たしている。技ID一覧(技-数-001〜019)は達人術ファースト一覧の表に全て定義され、層5の該当項目から技ID表記(`#tec`+3桁番号のアンカー形式)でアンカーリンクされているため、検定(quiz)側からの技IDチェーン参照は、実在する定義済みIDのみを指す。
<!-- 増築点: 技閉包の設計方針への追記 -->
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## 理論目録(§19.4・数学冠・微分積分分野)
冠「数学」のうち微分積分分野の理論目録は、層1の全17項目(微-01〜微-17)と番号を共通させる(reserve-first・本文は波ごとに埋める運用)。本巻は17項目全てを執筆済み(白カードなし)。今後の微分積分の深掘り(微分積分第3巻的な追補)候補として、以下を白カードのまま列挙する(未執筆・番号は本巻の項目番号と別枠):
- 確率密度関数と積分(期待値・分散の積分表現、確率統計分野との接続) — 微-06(重積分)の先。
- 偏微分方程式(熱方程式・波動方程式)の入口 — 微-15(一階微分方程式)の先。
- 測度論とルベーグ積分(リーマン積分の限界を超える枠組み) — 微-03・微-04(積分の基礎)の先。
- 関数解析(無限次元のベクトル空間としての関数空間) — 微-17(変分法)の先。
- ヤコビアン(座標変換の面積・体積比の一般論) — BOOK-0114第六章が「未確定」と明記した積み残しの完全な回収(本巻の微-06は極座標の入口までを扱うにとどめた)。
- 現在のフロンティア(自動微分・機械学習への応用)の詳細な数理 — 参照文献欄・簡易階段図③で導入のみ行い、本巻の主題(古典的な微分積分の理論)からは対象外とする。
フーリエ級数(→BOOK-0055)・複素解析(→BOOK-0090)は既にBOOK-0114終章で委譲先が明示されているため、本目録では重複掲載しない。これらは数学冠のCOVERAGE_MAP.md・NUMBER_REGISTRY.mdでの正式な予約を経ていない白カードであり、本エントリはあくまで微分積分分野の理論目録としての可視化に留める(台帳への記帳は司令塔が判断する)。
<!-- 増築点: 理論目録への新規理論追加 -->
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## 検定(四択12問+再構築課題1問)
正解インデックス・本文根拠・採点基準は本体に載せない。`PHD-0002_answers.json` にのみ記載する(公正性規定)。各問には解くのに十分な技IDチェーンを添える。
**検定-1(易)**: lim(x→2) (x²−4)÷(x−2) の値はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-001)
1. 2
2. 3
3. 8
4. 4
**検定-2(易)**: x(t)=t² のとき、t=5における瞬間の変化率(導関数の値)はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-002)
1. 10
2. 9
3. 11
4. 25
**検定-3(易)**: 直線y=xとx軸、x=0からx=3までに挟まれた三角形の面積(積分∫₀³x dxの値)はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-003)
1. 9
2. 3
3. 4.5
4. 6
**検定-4(易)**: f(x)=3x²の原始関数F(x)=x³を使って∫₁² 3x² dx を求めるといくらか。(技IDチェーン: 技-数-004)
1. 8
2. 7
3. 9
4. 1
**検定-5(中)**: f(x,y)=x²+y² の点(5,12)における勾配ベクトルの大きさ|∇f|はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-005)
1. 26
2. 17
3. 34
4. 13
**検定-6(中)**: f(x,y)=x+y を領域0≤x≤2、0≤y≤1で二重積分するといくらか。(技IDチェーン: 技-数-006)
1. 1
2. 2
3. 4
4. 3
**検定-7(中)**: 初項3、公比0.5の等比級数の和はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-007)
1. 4
2. 6
3. 9
4. 3
**検定-8(中)**: f(x)=x²、g(x)=x³ の積h(x)=f(x)g(x)に積の法則を適用したとき、x=2におけるh'(x)はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-009、技-数-019)
1. 48
2. 32
3. 80
4. 112
**検定-9(難)**: aₙ=n÷2ⁿ の比判定法での比aₙ₊₁÷aₙを、公式(n+1)÷(2n)を使ってn=4で計算するといくらか。(技IDチェーン: 技-数-012)
1. 0.5
2. 0.8
3. 0.75
4. 0.625
**検定-10(難)**: f(x)=(1+x)⁴のマクローリン展開でのx²の係数c₂=f''(0)÷2!はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-013、技-数-019)
1. 6
2. 12
3. 4
4. 24
**検定-11(難)**: f(x,y)=xy を制約x+y=10のもとでラグランジュ未定乗数法で最大化する。停留点x=y=5のときの最大値f(5,5)はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-014)
1. 20
2. 25
3. 50
4. 100
**検定-12(難)**: 自由粒子のラグランジアンL=(1/2)mv²にオイラー・ラグランジュ方程式を適用すると、質量2kgの自由粒子ではm×a=0が成り立つ。このときの加速度aの値はいくらか。(技IDチェーン: 技-数-017)
1. 2
2. 1
3. 0
4. 4
**再構築課題(層6-D対応・記述式)**: テイラー級数の一般公式cₙ=f⁽ⁿ⁾(0)÷n!(マクローリン級数の係数の公式)を、水準二の微分の定義だけを出発点として、この文書を見ずに自力で導出できるように書きなさい。①f(x)=a₀+a₁x+a₂x²+a₃x³+…というべき級数を仮定して項別に微分を繰り返す手順、②n回微分してx=0を代入すると、xⁿの項(係数aₙ)以外がすべて0になり、aₙの項だけがn!×aₙという値で残ること、③そこからaₙ=f⁽ⁿ⁾(0)÷n!という一般式が導かれることを、具体的な次数(n=0,1,2程度)の計算で示しながら説明すること。
<!-- 増築点: 検定問題の追加 -->
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## 簡易階段図
### ① 縦の階段(下から上、各段に検算可能な具体例1行)
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水準十二: 変分法・オイラー・ラグランジュ方程式 → 0 = 0÷2(自由粒子の加速度、Newton第一法則の再導出)
水準十〜十一: 発散定理・ストークスの定理入口 → 24 = 3×8(定数発散×体積の流束)
水準十: 変数分離形・一階線形微分方程式 → 5 = √(16+9)(初期条件付き微分方程式の解)
水準十: ラグランジュ未定乗数法 → 25 = 5×5(制約付き最大化)
水準九: マクローリン級数・収束半径 → 6 = 12÷2(テイラー係数、二項定理と一致)
水準八〜九: 級数の収束判定法 → 0.625 = 5÷8(比判定法)
水準八: 極値・停留点 → 9 = −9+18(極大値の計算)
水準七〜八: 積分の技法(置換積分・部分積分) → 1.5 = (4−1)÷2(置換積分)
水準七: 微分の計算規則(積の法則) → 80 = 32+48(積の法則)
水準六: 級数・テイラー展開・微分方程式・ベクトル解析の入口 → 12 = 3×4(dy/dx=kyの傾き)
水準五: 偏微分・勾配ベクトル・重積分 → 26 = √676(勾配ベクトルの大きさ)
水準三〜四: 微分積分学の基本定理 → 7 = 8−1(基本定理による定積分)
水準二〜三: 積分の定義(区分求積法) → 4.5 = 9÷2(直線の下の面積)
水準二: 微分の定義 → 10 = 2×5(瞬間変化率)
水準一: 極限 → 4 = 2+2(0/0型の極限の迂回)
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### ② 横の広がり(同じ水準にある姉妹概念)
- 水準二: 微分の定義(瞬間変化率、微-02)←→ 水準二〜三の積分の定義(区分求積法、微-03)。どちらも「Δ→0」あるいは「刻み幅→0」という同じ極限の発想の異なる現れ。
- 水準五: 偏微分・勾配ベクトル(微-05、1点での変化の方向)←→ 重積分(微-06、領域全体の積み上げ)。1変数の微分・積分をそれぞれ多変数へ拡張した双子。
- 水準七: 微分の計算規則(微-09、積・商・連鎖律)←→ 水準七〜八の積分の技法(微-10、置換積分・部分積分)。連鎖律の逆が置換積分、積の法則の逆が部分積分という、互いに鏡写しの関係。
- 水準八〜九: 級数の収束判定法(微-12、無限に足した和が意味を持つか)←→ 水準九のテイラー展開の収束半径(微-13、無限に足した多項式がどこまで意味を持つか)。どちらも「無限の和」がいつ破綻せずに済むかを問う姉妹概念。
- 水準十〜十二: 発散定理・ストークスの定理(微-16、局所の量を積分すると大域の量になる)←→ 変分法・オイラー・ラグランジュ方程式(微-17、関数の空間で停留点を求める)。どちらも微分積分学の基本定理(局所⇄大域の橋)の、より抽象的な舞台への拡張。
### ③ 現在のフロンティア(年号付き)
微-09で扱った連鎖律は、現代の機械学習を支える**自動微分(バックプロパゲーション)**という技術の数学的な核でもある。ニューラルネットワークの学習では、数百万から数十億個のパラメータそれぞれについて、誤差関数の勾配(→微-05の勾配ベクトルの巨大版)を求める必要があるが、これは連鎖律を計算グラフに沿って機械的に繰り返し適用することで実現されている。自動微分の逆モード(誤差を出力側から入力側へ伝播させる方式)の考え方は1970年代にセッポ・リンナインマー(Linnainmaa)が導入し、1980年にバート・スピールペニング(Speelpenning)が汎用プログラミング言語上での実装を示したことが、勾配計算を自動化した最初期の例とされる。機械学習の文脈での「バックプロパゲーション」という手法自体も、1970年代から1980年代にかけてポール・ワーボス(1974年)、デビッド・パーカーら(1985年)、デビッド・ラメルハートら(1986年)によって独立に(再)発見された経緯があり——本巻がBOOK-0063で扱ったニュートン・ライプニッツの独立発見と同じ構図が、300年近くの時を経て連鎖律の応用の現場でも繰り返されている——誰が最初かという優先権は研究者の間でも整理し切れていない部分があり、**未確定**である。微-17で扱った変分法・最適化の考え方も、ニューラルネットワークの学習(誤差という汎関数を、パラメータという多変数の関数として最小化する探索)に直接つながっている。
### ④ 次の冊子への矢印
次のPHD番号は、本波(第2波・数学冠パイロット)の時点でPHD-0002のみが予約されており、**PHD-次番は未予約**である(NUMBER_REGISTRY.md実測確認済み、2026-07-10時点)。数学冠の五点セット完成に向けては、本巻に続けてTEACH-0002(講師用テキスト・§20.2、ファイル名予約済み・本文未着手)とMAP_数学.md(層4地図・ファイル名予約済み・本文未着手)の完成が優先される。微分積分分野そのものの深掘り(理論目録に白カードとして残した確率統計への接続・偏微分方程式・測度論・関数解析等)は、番号を新規に予約したうえで、微分積分第3巻またはPHD帯の別分冊として司令塔の裁定を待つ。
<!-- 増築点: 簡易階段図の更新 -->
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## 参照文献
1. BOOK-0063『微分積分』第1巻・BOOK-0114『微分積分』第2巻(参照文献欄)— ニュートン・ライプニッツの独立発見と先取権論争、ブルック・テイラーの1715年発表を含む既出典は本巻では再掲せず、既刊の参照文献欄に譲る。
2. Bernoulli, J. 最速降下線問題の提示(1696年6月・解答期限は1697年復活祭まで延長)。ガリレオ・ガリレイが1638年に考察した(未解決のまま)類似問題を起点とする。解答はニュートン(翌日に解いたとされる)・ライプニッツ・ロピタル・ヤコブ&ヨハン・ベルヌーイの兄弟が示した。[Johann Bernoulli's Brachistochrone | Galileo Unbound](https://galileo-unbound.blog/2020/06/29/johann-bernoullis-brachistochrone/)
3. Maclaurin, C. *A Treatise of Fluxions*(1742年)— マクローリン級数の由来となった著作。ジョージ・バークリー主教のニュートン流率法批判への反論として書かれた。マクローリン(1698年〜1746年)はニュートンの推薦でエディンバラ大学教授となったスコットランドの数学者。マクローリン級数という名前で知られるが、より一般の形(テイラー級数)は既にブルック・テイラーが1715年に発表しており(BOOK-0114で既出)、ジェームズ・グレゴリーも特殊な場合を先に用いていたとされる。[Colin Maclaurin's A Treatise of Fluxions - MacTutor](https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Extras/Maclaurin_introduction/)
4. Lagrange, J.-L. 発散定理の発見(1762年・証明は伴わなかった)。[A History of the Divergence, Green's, and Stokes' Theorems](https://christopherpruitt.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/01/a-history-of-the-divergence-greens-and-stokes-theorems.pdf)
5. Gauss, C. F. 発散定理の特殊な場合の証明(1813年に重力の研究の中で、発表は1833年・1839年)。Ostrogradsky, M. 発散定理の一般の場合の最初の証明(1826年、熱伝導の研究)。Green, G. 発散定理の特殊な場合(1828年、電磁気の論文)。[Divergence theorem - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Divergence_theorem)
6. Thomson, W.(ケルビン卿)ストークスの定理の最初の記述(1850年7月2日付、ストークス宛の手紙)。Stokes, G. G. 1854年のケンブリッジ大学スミス賞試験問題として出題(これが定理の名前の由来)。Hankel, H. 定理の最初の公表(1861年)。[Stokes' theorem — Grokipedia](https://grokipedia.com/page/Stokes'_theorem)
7. Linnainmaa, S. 自動微分の逆モードの考え方の導入(1970年代)。Speelpenning, B. 汎用言語での逆モード自動微分の実装(1980年)。Werbos, P.(1974年)・Parker, D. ら(1985年)・Rumelhart, D. ら(1986年)によるバックプロパゲーションの独立な(再)発見。[The role of automatic differentiation in machine learning](https://medium.com/deep-dives-into-computer-science/like-backpropagation-is-there-forward-propagation-as-well-fedb22828b36)
8. PHD-0001『物理・力学』第1巻(力-17: ラグランジアン・最小作用の原理)— 変分法(微-17)が支える物理側の応用として参照(本巻からの参照のみ・PHD-0001本体は改変していない)。
9. ストロガッツ, S. 『微積分の力』(早川書房)等の定番教科書 — BOOK-0063/0114と同一水準の参照。
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## 改訂履歴
- 2026-07-10 v1.0 生産版第2号起草(依頼: 司令塔Fable5・数学冠パイロット波第2波(おまかせ自走) → 実装: Sonnet5・執筆班H博士号巻教授役)。BOOK-0063(水準一〜四)・BOOK-0114(水準五〜六)の内容を層2・層4・層6で明示的に引用しながら、水準七〜十二(微分の計算規則・積分の技法・級数の収束判定・テイラー展開の一般論・多変数最適化・微分方程式の解法・ベクトル解析の基本定理・変分法の入口)を新規執筆。17項目・19技ID・四択12問+再構築課題1問を新規作成。第1波(物理冠PHD-0001)で摘出された罠(層序式行列表と層2-C水準の1水準ズレ・メカニズム帰属の誤り・検算行の欠落)の再発防止のため、行列表⇄層2-C突合を自己機械検査に明記し、全17項目に検算行を配置した。
# PHD-0002 数学・微分積分 第1巻 — 博士号規格(六層張り合わせ)生産版