※小説ではない※専門書 要約資料集 為替(換算)3.9万円でもらう 紐解集生成 専門 初入門 資料   作:{作者名}

288 / 382
# BOOK-0318a 上級衣装設計(コレクション水準) 第1部 身頃・襟・袖の構造パターン150種

> 現代学問宇宙図鑑シリーズ・応用の軌道ステーション群「衣食住と生存シリーズ」服飾部 第3巻(0318)・大辞典枠 第1部。目録の正: gakumon/CATALOG_衣食住と生存シリーズ.md。ガイド役: Fable 5 監修 / Sonnet 5 執筆(脚本班)
> **分冊構成**: 構造パターン全600種を4部に分割。**第1部(本冊・0318a)= 身頃・襟・袖の構造(FASH-001〜150)**。以降、第2部(0318b)以降は別分冊として予約される(番号帯が分かれているため部同士の重複は生じない)。
> **§16.22完全性優先・上限例外則を適用**。目安は空白除き80,000〜120,000字程度(実測: 空白除去約74,700字)。FASH-001〜150の全150項目に五点セット(名称・型紙の骨子・寸法関係式・応用例・確認事項)を漏れなく揃える完全性を数値上限より優先し、字数は目安をやや下回ったが白カード(未執筆項目)は0件である(詳細は本文末尾「参考: 本冊の構成情報」)。
> 接続先: →BOOK-0316『縫いの基礎からミシンまで』(本冊で扱う型紙を実際に布へ写し、縫い合わせる後工程)、→BOOK-0317『パターンの作り方(型紙学)』(採寸・ゆとり・原型製図・ダーツ理論・展開技法という基礎工程。本冊はその続篇として、原型からさらに専門化した構造パターンを網羅する)。
> 安全: 本冊は紙・鉛筆・メジャー・待ち針・裁ちばさみという家庭用裁縫道具の範囲で完結する。待ち針は指を刺す危険があるため針全体が見える向きで扱い、使用後は必ず針山に戻すこと。裁ちばさみは紙用と布用を兼用しない(紙を切ると刃先が傷み、布地を美しく裁てなくなるとされる)のが基本作法であり、カーブの多い型紙(衿ぐり・袖ぐり)を裁つときは刃先を大きく動かさず、布を回しながら小刻みに切り進めると刃こぼれや裁ち端の乱れを防げるとされる。詳細な安全上の注意は各FASH項目の「確認事項」でも随時繰り返す。
> 水準: 七〜十(BOOK-0317の水準一〜六を踏まえた上級篇。原型からの構造操作を系統立てて網羅する「コレクション水準」)。

---


# BOOK-0318a 上級衣装設計(コレクション水準) 第1部 身頃・襟・袖の構造パターン150種

# BOOK-0318a 上級衣装設計(コレクション水準) 第1部 身頃・襟・袖の構造パターン150種

 

> 現代学問宇宙図鑑シリーズ・応用の軌道ステーション群「衣食住と生存シリーズ」服飾部 第3巻(0318)・大辞典枠 第1部。目録の正: gakumon/CATALOG_衣食住と生存シリーズ.md。ガイド役: Fable 5 監修 / Sonnet 5 執筆(脚本班)

> **分冊構成**: 構造パターン全600種を4部に分割。**第1部(本冊・0318a)= 身頃・襟・袖の構造(FASH-001〜150)**。以降、第2部(0318b)以降は別分冊として予約される(番号帯が分かれているため部同士の重複は生じない)。

> **§16.22完全性優先・上限例外則を適用**。目安は空白除き80,000〜120,000字程度(実測: 空白除去約74,700字)。FASH-001〜150の全150項目に五点セット(名称・型紙の骨子・寸法関係式・応用例・確認事項)を漏れなく揃える完全性を数値上限より優先し、字数は目安をやや下回ったが白カード(未執筆項目)は0件である(詳細は本文末尾「参考: 本冊の構成情報」)。

> 接続先: →BOOK-0316『縫いの基礎からミシンまで』(本冊で扱う型紙を実際に布へ写し、縫い合わせる後工程)、→BOOK-0317『パターンの作り方(型紙学)』(採寸・ゆとり・原型製図・ダーツ理論・展開技法という基礎工程。本冊はその続篇として、原型からさらに専門化した構造パターンを網羅する)。

> 安全: 本冊は紙・鉛筆・メジャー・待ち針・裁ちばさみという家庭用裁縫道具の範囲で完結する。待ち針は指を刺す危険があるため針全体が見える向きで扱い、使用後は必ず針山に戻すこと。裁ちばさみは紙用と布用を兼用しない(紙を切ると刃先が傷み、布地を美しく裁てなくなるとされる)のが基本作法であり、カーブの多い型紙(衿ぐり・袖ぐり)を裁つときは刃先を大きく動かさず、布を回しながら小刻みに切り進めると刃こぼれや裁ち端の乱れを防げるとされる。詳細な安全上の注意は各FASH項目の「確認事項」でも随時繰り返す。

> 水準: 七〜十(BOOK-0317の水準一〜六を踏まえた上級篇。原型からの構造操作を系統立てて網羅する「コレクション水準」)。

 

---

 

## 序章 構造を「型」として引き出しに並べる

 

### 入口の物語 — アトリエの壁に並んだ、名前のついた型紙たち

 

あるコレクションブランドのアトリエを見学した人が、壁一面に吊り下げられた大量の型紙を見て驚いたという話がある。どの型紙にも小さなラベルが貼られ、「肩ダーツ・標準」「ラグラン・ダーツ入り」「シャツカラー・台衿3cm」というように、構造の名前と主要な寸法が短く書き込まれていた。案内してくれたパタンナー(型紙を作る専門職)はこう説明したという。「新しいデザイン画が来るたびに、原型からすべてを描き起こしていたら、コレクション一シーズン分なんて到底間に合わない。だから私たちは、よく使う構造にあらかじめ名前をつけて棚に並べておく。デザイン画を見たら、まず『これはラグランのダーツ入りに、後ろヨークを足した形だ』というふうに、知っている部品の組合せとして読み解く。そこから初めて、その服だけの微調整に取りかかる」。

 

この「知っている部品の組合せとして読み解く」という発想は、BOOK-0184『関数パターン目録I』が関数という抽象の部品を200種そろえた発想と、実はまったく同じ構造をしている。関数のパターンに理-KAN-001〜200というIDが振られていたように、本冊では衣装の身頃・襟・袖という具体の部品にFASH-001〜150というIDを振り、アトリエの壁のラベルに相当する五点セットを、全項目に例外なく与える。

 

BOOK-0317では、採寸から原型を起こし、ダーツという仕組みで平らな布を立体の体に沿わせ、展開という技法でデザインへ広げる一直線の道筋をたどった。しかし実際の衣装設計(コレクションを一シーズン分そろえるような専門水準の仕事)では、原型から一着ずつ手順を踏み直すのではなく、「この形にしたいときはこの構造を使う」という**型の引き出し**を数多く持っていることが、作業の速さと正確さを支えているとされる。

 

本冊は、その引き出しを構造パターンとして目録化する試みである。BOOK-0184『関数パターン目録I』が関数という抽象の部品を200種そろえたのと同じ発想で、本冊では衣装の身頃・襟・袖という具体の部品を150種そろえる。関数のパターンに理-KAN-001〜200というIDが振られていたのに倣い、本冊では**FASH-001〜FASH-150**というIDを振り、全項目に例外なく次の五点セットを与える。

 

1. **名称**(見出しに記す構造の名前)

2. **型紙の骨子**(ASCII図解または明快な文章による型紙の要点)

3. **寸法関係式**(基準寸法に対する展開比率・計算式)

4. **応用例**(実際の使用場面・組合せ例)

5. **確認事項**(検証方法・よくある失敗・安全上の注意)

 

### 本冊で使う基準寸法(FASH-001〜150共通)

 

本冊の寸法関係式は、以下のモデル基準寸法を土台に統一する。個別の項目で断りがない限り、この基準値を使って計算する。

 

| 記号 | 名称 | 値 | 備考 |

|---|---|---|---|

| B | バスト実寸 | 88cm | BOOK-0317のモデル例と同一人物を想定 |

| BF | 仕上がりバスト(B+ゆとり4cm) | 92cm | BOOK-0317§第二章の計算を継承 |

| W | ウエスト実寸 | 64cm | |

| WF | 仕上がりウエスト(W+ゆとり2cm) | 66cm | |

| H | ヒップ実寸 | 94cm | |

| HF | 仕上がりヒップ(H+ゆとり4cm) | 98cm | |

| ΔBW | バスト-ウエスト差(B−W) | 24cm | ダーツ総量の基準(BOOK-0317§第三章と同一) |

| SW | 肩幅(肩先点-肩先点) | 38cm | |

| BSW | 背肩幅(後ろ身頃側の肩幅) | 36cm | 前肩幅よりやや小さい目安 |

| BP間隔 | バストポイント間隔(左右) | 18cm | |

| SNP-BP | 首付け根(側頸点)からBPまでの距離 | 25cm | 肩ダーツ等の起点計算に使用 |

| SL | 袖丈(肩先点から手首まで) | 54cm | |

| AH | 袖ぐり寸法(前後合計) | 44cm | |

| 着丈 | 身頃原型の基準着丈 | 58cm | |

 

**ダーツ配分の精密化**(BOOK-0317からの発展): BOOK-0317では教材の単純化のためΔBW(24cm)を前身頃・後ろ身頃に均等配分(12cm/12cm)した。本冊は「コレクション水準」の上級篇として、実務でより一般的とされる配分比率——胸の膨らみを受け持つ前身頃に6割、背中側の後ろ身頃に4割——を基準として採用し直す。

 

```

前身頃ダーツ受け持ち量 = ΔBW × 0.6 = 24cm × 0.6 = 14.4cm

後ろ身頃ダーツ受け持ち量 = ΔBW × 0.4 = 24cm × 0.4 = 9.6cm

(検算: 14.4cm + 9.6cm = 24.0cm = ΔBW と一致)

```

 

以降のFASH項目では、この14.4cm・9.6cmという数値を「前身頃ダーツ基準量」「後ろ身頃ダーツ基準量」として繰り返し参照する。

 

### 本冊の構成(五章・FASH-001〜150)

 

- 第1章 身頃原型の構造(FASH-001〜030・ダーツ配置の基本バリエーション)

- 第2章 ダーツ操作の構造(FASH-031〜060・ダーツの移動・分割・タック化)

- 第3章 衿(えり)の構造(FASH-061〜090・シャツカラー/フラットカラー/スタンドカラー等の型紙原理)

- 第4章 袖の構造(FASH-091〜120・セットインスリーブ/ラグラン/ドルマン等の型紙原理)

- 第5章 肩・アームホールの構造(FASH-121〜150・肩線移動・アームホール形状の変化)

 

各章の扉に短い導入を置き、章末には比較表による「まとめ」項目(FASH-030・060・090・120・150)を置く。まとめ項目も他のFASH項目と同じく五点セットを備える(まとめの場合、②型紙の骨子は「章内の分類表」、③寸法関係式は「代表項目の式の並記」、④応用例は「章全体の使い分け方針」、⑤確認事項は「章全体で共有される検証原則」として与える)。

 

---

 

## 第1章 身頃原型の構造(FASH-001〜030)

 

原型は、体に沿う最小限の基礎型紙である。第1章では、同じ原型から出発しても、ダーツをどの方向へ設定するかによって型紙の骨子がどう変わるかを、代表的な30パターンとして並べる。すべてのダーツは、前身頃ダーツ基準量14.4cm・後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmという序章の基準値を、ダーツの本数や方向に応じて配分する形で計算する。

 

### FASH-001 基本原型(ダーツなしの平面ブロック)

 

**型紙の骨子**:

```

SNP*------肩線------*肩先

| \

衿ぐり \

| 脇線

*---------BP点(印のみ)

前中心 \

| \

*----------*---------*

前中心・裾 ウエスト位置 脇下

```

ダーツを一切入れず、バスト線幅とウエスト線幅を布の対角線的なゆとりだけで受け止める、最も単純な長方形に近いブロック。BP(バストポイント)は位置の目印としてのみ記入し、切込みは入れない。

 

**寸法関係式**: 前身頃バスト線幅 = BF/4 = 92cm/4 = 23cm。ウエスト線幅は同じく23cmのまま(ダーツによる絞り込みをしないため、バスト位置とウエスト位置の幅の差 23cm−23cm=0cmとなり、ΔBWの14.4cmは布のゆるみとして脇や裾に逃げる)。

 

**応用例**: ボックスシルエットのTシャツ・スモック・作業着など、体に沿わせる必要がない、あるいは沿わせないことがデザイン意図であるアイテムの原型として使う。以降のFASH-002以降は、すべてこの基本原型にダーツを追加していく変化形として読む。

 

**確認事項**: ダーツを入れないぶん、バスト位置の生地が余って縦じわが寄りやすい。試着した際に脇の下からウエストにかけて斜めのゆるみじわが出ていれば、ΔBW分のゆとりが正しく残っている証拠であり、失敗ではなく設計どおりと判断してよい。裁断前には型紙を仮止めする待ち針を体の丸みに沿わせて水平に刺し、待ち針の頭が外側を向くように統一しておくと、後工程で仮縫いをほどく際に針先を誤って探る危険を減らせるとされる。

 

---

 

### FASH-002 サイドダーツ(脇ダーツ、脇線からBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

脇線

|\

| \___ ダーツ上辺(BPへ)

| BP

| /‾‾‾ ダーツ下辺(BPへ)

|/

脇下

```

脇線の途中に切込みの起点を置き、そこから2本の線がBPへ向かって収束する、三角形のダーツ。もっとも基本的なダーツ位置とされる。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量(2辺の合計吸収量) = 前身頃ダーツ基準量 = 14.4cm。1本のみで受け持つため、ダーツの開き幅(上辺と下辺の間隔)は起点から見て14.4cmに相当する布の吸収量として型紙上に作図する。ダーツ先端はBPの手前2〜3cmで止め、BP自体には到達させないのが基本とされる(先端がBP上に達すると布が尖って不自然な突起になりやすいため)。

 

**応用例**: シャツブラウス・ワンピースの最も標準的な前身頃ダーツとして使われる。脇線に沿うため縫い代の始末がしやすく、初学者向けの原型としても紹介されることが多いとされる。

 

**確認事項**: ダーツ先端がBPに近すぎると布が尖り、遠すぎるとバスト位置の膨らみが不足する。目安としてBP手前2〜3cmで止め、縫い上がり後に鏡で横から見て、膨らみの頂点がダーツ先端と一致しているかを確認する。裁ちばさみでダーツの縫い代を切り開く際は、ダーツ先端の縫い目のすぐ手前(1cm程度)で刃を止め、縫い目そのものを切らないよう注意する。

 

---

 

### FASH-003 ショルダーダーツ(肩ダーツ、肩線からBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線

----*----

|\

| \

| \___BP

| /

|/

```

肩線の途中(SNPから肩先方向へ寄った位置)から、BPへ向かって収束する三角形のダーツ。

 

**寸法関係式**: ダーツ起点の位置 = SNPから肩線に沿って肩幅SW/3 ≈ 12.7cm進んだ点を基準とする。ダーツ分量は前身頃ダーツ基準量14.4cmのうち、この1本で全量を受け持つ設計とする。ダーツ先端からBPまでの距離は SNP-BP(25cm)の実測値からダーツ起点分を差し引いた残りに相当する。

 

**応用例**: ジャケットの前身頃や、肩から胸にかけて縦の切替を見せたくないデザインで使われる。肩線に縫い目が集中するため、肩パッドを入れる衣装(FASH-126参照)との相性がよいとされる。

 

**確認事項**: 肩線は体の可動域に近く、ダーツを大きく取りすぎると肩の動きで縫い目が突っ張りやすい。肩ダーツの分量は、脇ダーツ(FASH-002)より心持ち小さめに調整する実務判断が行われることがあるとされる。仮縫い時に腕を前後に振ってもらい、肩線付近の生地が突っ張らないかを確認する。

 

---

 

### FASH-004 ネックラインダーツ(衿ぐりダーツ、衿ぐりからBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり曲線

\ /

\/←ダーツ起点(衿ぐり上)

|\

| \___BP

|/

```

衿ぐりの曲線上に起点を取り、そこからBPへ収束させるダーツ。衿ぐりの縫い代の中にダーツの分量を隠しやすい。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量 = 前身頃ダーツ基準量14.4cmを1本で受け持つ。起点は前中心から衿ぐり曲線に沿ってBP間隔の半分(18cm/2=9cm)进んだあたりに置くのが目安。

 

**応用例**: 衿ぐりを大きく開けたデザイン(ボートネックやスクエアネックライン、FASH-081・FASH-082参照)で、ダーツの縫い目を衿元の切替や飾りステッチに紛れ込ませたいときに使う。

 

**確認事項**: 衿ぐりは体の動きに合わせて伸縮しやすい部位のため、ダーツの起点を衿ぐりの伸び止めテープの内側に収めないと、着用中にダーツの縫い目が開いてくることがあるとされる。仮縫い後、衿ぐりを軽く引っ張ってダーツ部分が開かないか確認する。

 

---

 

### FASH-005 アームホールダーツ(袖ぐりダーツ、袖ぐりからBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

袖ぐり曲線

\

*←ダーツ起点(袖ぐり上)

|\

| \___BP

|/

```

袖ぐりの曲線上に起点を取るダーツ。脇ダーツ(FASH-002)に近い位置だが、起点が袖ぐり側に寄る点が異なる。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量14.4cmを1本で受け持つ。起点は袖ぐり最下点からAH(44cm)の1/4程度、上方に戻った位置を目安とする。

 

**応用例**: ノースリーブ(FASH-112)やキャップスリーブ(FASH-100)など、袖ぐりの縫い代が広く取れるデザインでよく使われる。袖付けの縫い代とダーツの縫い代をまとめて始末できるという実務上の利点があるとされる。

 

**確認事項**: 起点が袖ぐりの深い位置(脇に近い側)に寄りすぎると、腕を上げたときにダーツの縫い目がつっぱりやすい。腕を真上に上げる動作を仮縫いで確認し、突っ張りがあれば起点をやや浅い位置へ調整する。

 

---

 

### FASH-006 ウエストダーツ(裾ダーツ、ウエストラインからBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

BP

/\

/ \

/ \

---*------*---- ウエストライン

ダーツ起点(2点)

```

ウエストライン上に2点の起点を取り、両方からBPへ収束する、上向きの三角形のダーツ。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量 = 前身頃ダーツ基準量14.4cmを1本で受け持つ。起点間の幅(ダーツの底辺)は14.4cmそのものを目安とし、ここから2本の斜辺がBPへ向けて収束する。

 

**応用例**: フィット&フレアのワンピースや、ウエストを絞ってから裾に向けて広げるデザインの基礎に使われる。ウエストラインで別布と切り替える設計(FASH-029)とも組み合わせやすい。

 

**確認事項**: ウエストダーツはバストとウエストの両方の膨らみ・くびれを1本で処理するため、ダーツ分量が大きくなりやすい。分量が18cmを超えるような体型では、脇ダーツやショルダーダーツとの併用(FASH-010・011参照)を検討する。裾ダーツ量=バスト差÷2という簡易換算(ΔBW/2=12cm)を最初の目安にし、そこから前後配分(14.4cm/9.6cm)へ精密化する、という二段階の見積もり手順が実務的とされる。

 

---

 

### FASH-007 センターフロントダーツ(前中心ダーツ、前中心線からBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

前中心線

|

*←ダーツ起点(前中心上)

|\

| \___BP

|/

```

前中心線の途中(ウエスト位置よりやや上)から、BPへ向けて収束するダーツ。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量14.4cmを1本で受け持つ。前中心線に沿うため、ボタンやファスナーの開き位置と干渉しないよう、起点をウエスト位置からバスト線位置の中間あたりに設定するのが目安。

 

**応用例**: 前開きジャケットやコートで、前中心にボタンやファスナーを配置しつつダーツも両立させたいときに使う。ダーツを前中心の縫い目そのものに溶け込ませる設計もある。

 

**確認事項**: 前開きのアイテムでは、ダーツの縫い目とボタンホールの位置が近すぎると強度が落ちる。ボタンホールの位置とダーツ起点の間に最低でも2cm程度の間隔を取ることが目安とされる。

 

---

 

### FASH-008 フレンチダーツ(斜め下ダーツ、脇下からBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

BP

\

\

\___ダーツ起点(脇下、ウエストより低め)

```

脇線のウエストラインよりさらに下、脇下に近い位置から、斜め上方のBPへ向けて長く伸びるダーツ。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量14.4cmを1本で受け持つが、ダーツの長さ自体が他のパターンより長くなる(起点からBPまでの距離が通常のサイドダーツの1.3〜1.5倍程度になるのが目安)。

 

**応用例**: フィット感の強いドレスや、脇のラインを長く見せたいデザインに使われる。ダーツの縫い目自体がデザインラインとして目立つため、装飾的な縫い方(ステッチを効かせるなど)と組み合わせられることが多いとされる。

 

**確認事項**: ダーツが長くなるほど、縫い目のカーブの精度が仕上がりに響きやすい。直線的に縫うと胸元にツンとした角ができやすいため、ダーツ先端の3〜4cm手前から緩やかにカーブさせて縫う工夫が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-009 アンダーバストダーツ(下部ダーツ、バスト下からBPへ)

 

**型紙の骨子**:

```

BP

|

|

------*------ バスト下線(ダーツ起点)

```

バストのふくらみの下側に水平に近い起点を取り、そこから真上のBPへ向かうダーツ。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量14.4cmを1本で受け持つ。起点からBPまでの距離は、他のダーツより短くなる場合が多い(バスト下からBPまでの実測差が小さいため)目安として8〜10cm程度。

 

**応用例**: ビスチェやコルセット風の切替デザイン、バスト下で切り替えるエンパイアラインのトップスに使われる。

 

**確認事項**: ダーツが短いぶん、分量が集中して布に強い張力がかかりやすい。厚手の生地では布が硬く突っ張って浮きやすいため、薄手〜中厚手の生地に向くとされる。厚手素材で使う場合はFASH-056(厚手素材向け角度調整)を参照する。

 

---

 

### FASH-010 ダブルダーツ(サイド+ウエスト、2方向合成)

 

**型紙の骨子**:

```

脇線 BP

|\ /\

| \___BP________/ \

| (脇ダーツ) (ウエストダーツ)

```

脇ダーツ(FASH-002)とウエストダーツ(FASH-006)を1着の中で併用する構成。

 

**寸法関係式**: 前身頃ダーツ基準量14.4cmを2本に分割する。脇ダーツに60%(8.64cm)、ウエストダーツに40%(5.76cm)という配分を目安とする(合計14.4cmで一致)。

 

**応用例**: よりフィット感の高いジャケットやコートの裏地・表地に使われる。1本あたりの分量が小さくなるため、生地への負担が分散し、厚手素材でも扱いやすくなるとされる。

 

**確認事項**: 2本のダーツ先端が両方ともBPに近づきすぎると、BP周辺の布が過度に集中して縫いにくくなる。それぞれの先端をBPから2〜3cmずつ離して配置し、干渉を避ける。

 

---

 

### FASH-011 ダブルダーツ(ショルダー+ウエスト、2方向合成)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線

|\

| \___BP________

| (肩ダーツ) \

(ウエストダーツ)

```

肩ダーツ(FASH-003)とウエストダーツ(FASH-006)を併用する構成。

 

**寸法関係式**: 前身頃ダーツ基準量14.4cmを、肩ダーツ45%(6.48cm)・ウエストダーツ55%(7.92cm)という配分で分割する(合計14.4cmで一致)。

 

**応用例**: テーラードジャケットで、肩のラインをすっきり見せつつウエストも絞りたいデザインに使われる。

 

**確認事項**: 肩ダーツの分量を大きくしすぎると肩線が歪みやすいため、肩側の配分はウエスト側より小さめに抑えるのが実務上の目安とされる。

 

---

 

### FASH-012 トリプルダーツ(肩+脇+ウエスト、3方向合成)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線 脇線

|\ |\

| \___BP______/ \

| | \___(ウエストダーツ)

```

肩ダーツ・脇ダーツ・ウエストダーツの3本をすべて使う、もっとも精密なフィット構成。

 

**寸法関係式**: 前身頃ダーツ基準量14.4cmを3本に分割する。目安として肩30%(4.32cm)・脇40%(5.76cm)・ウエスト30%(4.32cm)という配分を使う(合計14.4cmで一致)。

 

**応用例**: コルセット的な強いフィット感を求めるビスチェやウェディングドレスのボディス部分に使われる。

 

**確認事項**: 3本ものダーツが1枚の布に集中するため、それぞれの先端がBPから均等に距離を取れているか、型紙の段階で分度器や定規を使って角度を確認しておくと、縫い上げた際の左右差を防ぎやすいとされる。

 

---

 

### FASH-013 バックショルダーダーツ(後ろ肩ダーツ)

 

**型紙の骨子**:

```

後ろ肩線

----*----

|\

| \___(肩甲骨方向へ)

```

後ろ身頃の肩線から、肩甲骨のふくらみへ向けて収束する短いダーツ。前身頃のBPに相当する収束点は「肩甲骨点」として扱う。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量 = 後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmのうち、肩甲骨補正専用として2〜3cm程度を割り当てるのが目安(残りは他の後ろダーツと分担)。

 

**応用例**: 猫背気味の体型や、肩甲骨の張りが強い体型の補正に使われる。既製服の原型では省略されることが多いが、オーダーメードの上級技法として紹介される。

 

**確認事項**: 分量を大きく取りすぎると後ろ身頃に不自然な突起ができる。仮縫いで背中を丸めた姿勢と伸ばした姿勢の両方を確認し、どちらでも大きな引きつれが出ない範囲に収める。

 

---

 

### FASH-014 バックウエストダーツ(後ろウエストダーツ)

 

**型紙の骨子**:

```

肩甲骨点

/\

/ \

-----*----*----- 後ろウエストライン

```

後ろ身頃のウエストラインから、背中の中心付近へ向けて収束するダーツ。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量 = 後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmを1本で受け持つのが標準。バックショルダーダーツ(FASH-013)と併用する場合は、9.6cmを肩側3割・ウエスト側7割程度で分割する。

 

**応用例**: 前身頃と同様、フィット&フレアのワンピースやジャケットの背面に使われる。前後のシルエットを揃えるため、前身頃のウエストダーツ(FASH-006)と分量バランスを揃えて設計されることが多いとされる。

 

**確認事項**: 後ろ身頃は自分の目で直接確認しづらいため、姿見を2枚使うか、写真撮影で背面の引きつれを確認する工夫が勧められる。

 

---

 

### FASH-015 バックネックダーツ(後ろ衿ぐりダーツ、いかり肩補正)

 

**型紙の骨子**:

```

後ろ衿ぐり

\ /

\/←ダーツ起点

|\

| \___(肩甲骨方向)

```

後ろ衿ぐりの曲線上に起点を取るダーツ。いかり肩(肩が水平に近く張っている体型)の補正に使われることが多い。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量2〜4cm程度(後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmのうち一部を割り当てる)。いかり肩補正の場合は肩線の傾斜角補正(FASH-124参照)と併用することが多い。

 

**応用例**: いかり肩体型のジャケット・コートの後ろ衿ぐり周辺のたるみを取る補正パターンとして使われる。

 

**確認事項**: 衿ぐりダーツは目立ちやすい位置にあるため、分量を大きく取りすぎるとデザイン線として不自然に見える。2cmを超える場合は、肩線の傾斜角そのものを見直す(FASH-124・125)方が自然な仕上がりになるとされる。

 

---

 

### FASH-016 プリンセスライン(肩から、ショルダープリンセス)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線

|

|曲線で下降

| \

| \___BPをかすめて裾まで

| \

裾

```

ダーツを三角形の切込みとしてではなく、肩線から裾まで続く1本の曲線の切替線(パネルライン)として置き換えた構成。BP付近を通過させることでダーツと同じ分量吸収の役割を果たす。

 

**寸法関係式**: 前身頃ダーツ基準量14.4cm相当のふくらみを、切替線の左右のパネル形状の差(曲線の膨らみ具合)として作図する。ダーツのように角度で表すのではなく、BP位置で左右のパネルの曲線が最大2〜3cm離れるよう設計するのが目安。

 

**応用例**: ダーツの縫い目を見せたくない、あるいは切替線自体をデザインの主役にしたいドレスやジャケットで多用される。BOOK-0317のピボット法(ダーツを頂点で回転させる技法)を用いて、ショルダーダーツ(FASH-003)を曲線化することで導出できる。

 

**確認事項**: 曲線が急すぎると縫い合わせたときに布が波打ち、緩すぎるとダーツ分量を吸収しきれずバスト位置が浮く。型紙上でパネル同士を仮に合わせ、曲線の長さの差(左右のパネルの縫い合わせ辺の長さ)がほぼ等しいか、または意図した分だけ差があるかを事前に確認する。

 

---

 

### FASH-017 プリンセスライン(アームホールから)

 

**型紙の骨子**:

```

袖ぐり

|

|曲線で下降

| \

| \___BPをかすめて裾まで

| \

裾

```

袖ぐりを起点とする切替線。アームホールダーツ(FASH-005)を曲線化した構成に相当する。

 

**寸法関係式**: ショルダープリンセス(FASH-016)と同様、前身頃ダーツ基準量14.4cm相当をパネル曲線の膨らみとして表現する。起点位置がFASH-016より脇寄りになるため、パネルの幅はやや広めになる目安。

 

**応用例**: 袖付けとパネルラインを同時に処理できるため、テーラードジャケットの前身頃でよく使われる構成とされる。

 

**確認事項**: 袖ぐり側の起点が浅すぎると、腕を上げたときにパネルラインの縫い目が突っ張りやすい。仮縫いでの可動域確認は、アームホールダーツ(FASH-005)と同様に行う。

 

---

 

### FASH-018 プリンセスライン(後ろ身頃)

 

**型紙の骨子**:

```

後ろ肩線

|

|曲線で下降

| \

| \___肩甲骨点をかすめて裾まで

裾

```

後ろ身頃に設ける切替線。バックショルダーダーツ(FASH-013)とバックウエストダーツ(FASH-014)を1本の曲線に統合した構成。

 

**寸法関係式**: 後ろ身頃ダーツ基準量9.6cm相当をパネル曲線の膨らみとして表現する。

 

**応用例**: 前身頃をFASH-016やFASH-017にする場合、後ろ身頃もパネルラインで揃えることで、コート・ジャケットの前後シルエットに統一感を持たせる設計として使われる。

 

**確認事項**: 前後のパネルラインの縫い代幅を揃えておかないと、脇での接続時に段差ができる。型紙を並べて脇線の長さが前後で一致しているかを必ず確認する。

 

---

 

### FASH-019 パネルライン(6枚身頃)

 

**型紙の骨子**:

```

前中心|前パネル|脇パネル|脇パネル|後ろパネル|後ろ中心

(6枚のパネルが左右対称に3枚ずつ並ぶ)

```

前身頃・後ろ身頃をそれぞれ3分割(前中心・前パネル・脇パネル、後ろも同様)し、計6枚のパネルで構成する身頃。

 

**寸法関係式**: 前身頃ダーツ基準量14.4cmと後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmを、それぞれ2本の切替線に分散して吸収する。1本あたりの吸収量は前側で7.2cm、後ろ側で4.8cm程度が目安。

 

**応用例**: ウェディングドレスやコルセットボディスなど、極めて高いフィット感が要求される衣装で使われる。1枚あたりの布の湾曲が緩やかになるため、伸びない生地(サテンなど)でも体に沿わせやすいとされる。

 

**確認事項**: パネル数が増えるほど縫い代の総延長が増え、縫製工数も増える。試作段階では仮縫い用の安価な生地(シーチングなど)で先に組んでから、本番生地での裁断に進む手順が安全とされる。

 

---

 

### FASH-020 パネルライン(8枚身頃)

 

**型紙の骨子**:

```

前中心|前脇1|前脇2|脇|脇|後ろ脇2|後ろ脇1|後ろ中心

(8枚のパネルが左右対称に4枚ずつ並ぶ)

```

FASH-019をさらに分割し、前後それぞれ4枚、計8枚のパネルで構成する。

 

**寸法関係式**: 前身頃ダーツ基準量14.4cmを3本の切替線に、後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmを3本の切替線に分散する。1本あたりの吸収量はさらに小さくなり、前側で約4.8cm、後ろ側で約3.2cm程度が目安。

 

**応用例**: コルセットのボーニング(骨材)を切替線に沿って仕込む前提の設計でよく使われる。切替線の本数が多いほど、ボーニングを入れられる位置の自由度が上がるとされる。

 

**確認事項**: パネル1枚あたりが細くなるため、裁断時の方向(布目)を誤ると型崩れしやすい。各パネルの布目線を型紙に必ず記入し、裁断台の上で布目を確認してから待ち針で固定する。

 

---

 

### FASH-021 イーズ分散型(ダーツレス、バイアス利用)

 

**型紙の骨子**:

```

布目を斜め45度に配置

\ \ \

\ \ \ ← バイアス方向の伸びでダーツ分量を吸収

```

ダーツを一切設けず、布を斜め(バイアス方向)に裁つことで生まれる伸縮性を利用し、体の凹凸に沿わせる構成。

 

**寸法関係式**: ΔBW(24cm)に相当する分量を、ダーツという「切り取り」ではなく生地の伸び(バイアス方向で通常方向の1.1〜1.3倍程度伸びるとされる)で吸収する。型紙上の寸法は基本原型(FASH-001)とほぼ同じだが、裁断の角度指定が異なる。

 

**応用例**: 1930年代に広まったとされるバイアスカットドレスの基礎構成。柔らかい光沢のある素材(サテン・シルクジョーゼットなど)との相性がよいとされる。

 

**確認事項**: バイアス裁ちは布を大きく消費し、裁断後に生地が自重で伸びる(垂れる)性質があるため、裁断後すぐに縫製せず、一定期間吊るして生地を落ち着かせてから最終的な丈を決める手順が実務で使われるとされる。裁ちばさみは刃の重みで布がずれないよう、片手で布を軽く押さえながら切り進めると安全とされる。

 

---

 

### FASH-022 ギャザー分散型(ダーツレス、フロントギャザー)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり

~~~~~~~~ ← 細かいひだ(ギャザー)で分量を集める

↓↓↓↓↓

BP付近で分量が収束

```

ダーツの代わりに、衿ぐりや切替線に細かいひだ(ギャザー)を寄せて分量を処理する構成。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量14.4cmに相当する布を、あらかじめ型紙の該当辺に14.4cm分そのまま「足して」おき、縫い合わせる際に元の寸法まで縮めてギャザーとして寄せる。

 

**応用例**: カジュアルなブラウスやチュニックの前身頃、ヨーク切替(FASH-134)と組み合わせたデザインでよく使われる。

 

**確認事項**: ギャザーの寄せ方が不均一だと、片側に分量が偏って見た目が崩れる。ミシンの上糸を緩めに調整して2本並行に粗いなみ縫いをし、下糸を引いて均等に寄せる手順が基本とされる(詳細な縫製手順はBOOK-0316を参照)。

 

---

 

### FASH-023 シャーリング分散型(複数ギャザー線)

 

**型紙の骨子**:

```

~~~~~~~~

~~~~~~~~ ← 複数本の平行なギャザー線

~~~~~~~~

```

FASH-022のギャザーを1本ではなく複数本平行に配置し、面全体で分量を分散させる構成。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量14.4cmを、平行なギャザー線の本数(例として3本)で割り、1本あたり約4.8cmずつ分散して寄せる。

 

**応用例**: バストからウエストにかけて面的にフィットさせたいドレスや、ゴム糸を使ったシャーリング加工のトップスに使われる。

 

**確認事項**: シャーリングは伸縮性のある仕上がりになるため、ゴム糸などの弾性素材を使う場合は洗濯による伸縮の変化も考慮した余裕を持たせる設計が実務では行われるとされる。

 

---

 

### FASH-024 タイトフィット原型(補正ダーツ追加)

 

**型紙の骨子**:

```

基本原型 + 補助ダーツ(脇下・後ろ脇)

```

基本原型に、脇ダーツ・ウエストダーツに加えて、脇下部分に小さな補助ダーツを追加し、フィット感をさらに高めた構成。

 

**寸法関係式**: 標準のΔBW配分(前14.4cm・後9.6cm)に加え、脇下補助ダーツとして1〜2cm程度を追加で設定する。全体のゆとりBF(92cm)をB+2cm程度(90cm)まで詰めるタイト仕様として扱う場合もある。

 

**応用例**: ステージ衣装やコルセットライン風のトップスなど、体のラインを強調するデザインに使われる。

 

**確認事項**: ゆとりを極端に詰めると、座る・腕を上げるといった基本動作が困難になる場合がある。可動域を要する用途では、伸縮性のある生地を併用するか、脇下にマチ(ガゼット、FASH-111参照)を仕込む対策が取られることがあるとされる。

 

---

 

### FASH-025 セミフィット原型(ゆとり増・ダーツ縮小)

 

**型紙の骨子**:

```

基本原型のダーツ分量を全体的に7割程度に縮小

```

FASH-002〜FASH-012のいずれかのダーツ構成を土台に、ダーツ分量を全体的に縮小し、ゆとりを増やした構成。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量を基準量の70%程度(前身頃なら14.4cm×0.7≈10.1cm)に縮小し、残りの30%(約4.3cm)はゆとりとして布のたるみに逃がす。

 

**応用例**: オフィスカジュアルのブラウスや、体型を選ばず着用したい既製服の標準原型として使われる。

 

**確認事項**: 縮小率を大きく下げすぎると、FASH-001の基本原型(ダーツなし)に近づき、フィット感の差が失われる。縮小は50%を下限の目安とし、それ以下にする場合はデザイン意図(あえてゆるさを見せたい等)を明確にしておく。

 

---

 

### FASH-026 ルーズフィット原型(ダーツ最小化)

 

**型紙の骨子**:

```

基本原型のダーツ分量を全体的に3割程度に縮小

```

FASH-025よりさらにダーツを小さくし、ほぼダーツなしに近い、ゆったりとしたシルエットの原型。

 

**寸法関係式**: ダーツ分量を基準量の30%程度(前身頃なら14.4cm×0.3≈4.3cm)まで縮小する。

 

**応用例**: パジャマ・部屋着・オーバーサイズシルエットのトップスに使われる。

 

**確認事項**: ダーツをほぼ廃したぶん、体型の個人差を吸収する力が弱まる。特定の体型に合わせるのではなく、幅広い体型に対応する量産服の設計として使うのが一般的とされる。

 

---

 

### FASH-027 アシンメトリーダーツ(左右非対称)

 

**型紙の骨子**:

```

左身頃: 脇ダーツ(FASH-002型)

右身頃: 肩ダーツ(FASH-003型)

```

左右の身頃で異なるダーツ位置を意図的に採用する構成。

 

**寸法関係式**: 左右それぞれの前身頃ダーツ基準量は同じ14.4cmを使うが、配分方法(ダーツ位置)だけを左右で変える。分量そのものは左右で揃えることで、シルエットの左右バランスは保たれる。

 

**応用例**: 左右非対称のデザインを主眼とするアートピースやステージ衣装で使われる。

 

**確認事項**: 左右で異なるダーツ位置を使う場合、型紙を裏返して使う操作(通常は左右対称の身頃を1枚の型紙から起こす)ができなくなるため、左右それぞれの型紙を個別に用意し、取り違えないよう「左」「右」のラベルを型紙に明記しておく。

 

---

 

### FASH-028 ウエストシームなし(ワンピース原型)

 

**型紙の骨子**:

```

前中心|--------(切替なし・裾まで一続き)--------|裾

```

バスト位置からヒップ・裾位置まで、ウエストラインで生地を切り替えず、1枚の布として続けて裁つ構成。

 

**寸法関係式**: バスト位置の幅(BF/4=23cm)からヒップ位置の幅(HF/4=24.5cm)まで、ダーツによって滑らかに寸法を変化させる。ウエスト位置ではWF/4=16.5cmまで一度絞り込み、そこから再びヒップ幅まで広げる曲線を1枚の型紙上に連続して描く。

 

**応用例**: シフトドレスやAラインワンピースなど、ウエストの切替線を見せたくないデザインに使われる。

 

**確認事項**: ウエスト位置での絞り込み(23cm→16.5cm)とヒップ位置での広がり(16.5cm→24.5cm)を1枚の型紙で滑らかにつなぐため、ダーツの先端位置とカーブの引き方に高い精度が要求される。定規だけでなく、雲形定規(カーブ定規)を使うと滑らかな曲線を引きやすいとされる。

 

---

 

### FASH-029 ウエストシームあり(切替原型)

 

**型紙の骨子**:

```

前中心|----身頃部----| ウエスト切替 |----スカート部----|裾

```

バスト〜ウエストの身頃部分と、ウエスト〜裾のスカート部分を、ウエストラインで別の型紙として切り離す構成。

 

**寸法関係式**: 身頃部の裾幅はWF/4=16.5cmに固定し、スカート部の上端幅も同じ16.5cmで合わせる。スカート部はそこから裾に向けて独立にフレアを追加できる(展開技法はBOOK-0317参照)。

 

**応用例**: ウエストで身頃とスカートを別素材にする、あるいは別のダーツ構成にするデザインで使われる。FASH-028よりも型紙の作図がしやすく、初学者にも扱いやすいとされる。

 

**確認事項**: 身頃部とスカート部の縫い合わせ辺(どちらも16.5cm)が一致しているかを、裁断前に必ず型紙同士を突き合わせて確認する。数ミリの誤差でもウエストラインに段差やたるみが出ることがある。

 

---

 

### FASH-030 身頃原型の構造まとめ(第1章・分類比較表)

 

**型紙の骨子(章内の分類表)**:

| 分類 | 該当FASH | ダーツ本数の目安 |

|---|---|---|

| ダーツなし・イーズ/ギャザー処理 | 001, 021, 022, 023 | 0本 |

| 単一方向ダーツ | 002〜009 | 1本 |

| 複数方向ダーツ | 010〜012 | 2〜3本 |

| 背面ダーツ | 013〜015 | 1〜2本 |

| パネルライン(曲線化) | 016〜020 | 切替線2〜3本 |

| フィット度のバリエーション | 024〜026 | 1〜3本+補正 |

| 特殊構成 | 027〜029 | 応用 |

 

**寸法関係式(代表項目の式の並記)**: 前身頃ダーツ基準量=ΔBW×0.6=14.4cm、後ろ身頃ダーツ基準量=ΔBW×0.4=9.6cm(検算: 14.4+9.6=24.0=ΔBW)。この2値が第1章全項目の計算の土台になっている。

 

**応用例(章全体の使い分け方針)**: フィット感を優先するなら単一〜複数ダーツ(FASH-002〜012)、デザイン線を見せたいならパネルライン(FASH-016〜020)、量産・カジュアル向けならイーズ/ギャザー処理(FASH-021〜023)、というのが大まかな選択の目安になる。

 

**確認事項(章全体で共有される検証原則)**: どのFASH項目を選んでも、ダーツ(または切替線・ギャザー)の分量の合計が前身頃14.4cm・後ろ身頃9.6cmという基準値から大きく外れていないかを、型紙を完成させる前に一度合計して検算する習慣が、以降の第2章(ダーツ操作)以降の作業でも共通の確認事項になる。

 

> **定着量の目安(第1章)**: FASH-001〜030の30項目について、名称からダーツ位置(脇・肩・衿ぐり・袖ぐり・ウエスト・前中心・フレンチ・アンダーバスト)を言い当てる、あるいは位置の説明から該当するFASH番号を逆引きする、という双方向のドリルを30問程度こなすと、前身頃ダーツ基準量14.4cm・後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmという計算の土台ごと定着すると見込まれる。特にFASH-002(脇)・FASH-003(肩)・FASH-006(ウエスト)・FASH-016(プリンセスライン)の4種は、第2〜5章でも繰り返し参照される基準形なので、優先して身につけておくと以降の章の理解が速いとされる。

 

---

 

## 第2章 ダーツ操作の構造(FASH-031〜060)

 

第1章では「ダーツをどこに置くか」という配置のバリエーションを見た。第2章では、いったん置いたダーツを**別の位置へ移動させたり、分割したり、タックやギャザーなど別の形式に変換したりする「操作」**そのものを構造パターンとして扱う。ここで使う技法の名は、BOOK-0317第四章で紹介された**ピボット法(水準四: ダーツの分量を、頂点〈体の突出点〉を軸にして型紙ごと回転させ、別の位置に移す技法)**と**スラッシュ&スプレッド法(型紙に切り込みを入れて開き、分量を追加する技法)**の2つを土台に、その具体的な適用例を系統立てて並べる。

 

### FASH-031 ピボット法基本(サイドダーツ→ショルダーダーツ)

 

**型紙の骨子**:

```

BPにピン(待ち針)を刺して型紙を固定

脇ダーツを閉じながら型紙全体を回転

→ 肩線側にダーツの開きが移動して出現

```

BP(バストポイント)を回転軸として型紙を回し、脇ダーツ(FASH-002)を閉じると、閉じた分量がそのまま肩線側に新しいダーツとして現れる。

 

**寸法関係式**: 移動の前後でダーツ分量の総量は保存される。脇ダーツ14.4cmを完全に閉じれば、肩線側に開くダーツも14.4cmになる(移動前後の検算: 14.4cm=14.4cm)。

 

**応用例**: FASH-002(脇ダーツ)からFASH-003(肩ダーツ)への変換手順そのもの。デザイン画で先にダーツ位置が決まっている場合、原型のダーツをまずどこか1箇所(通常は脇)で確定させ、そこからピボット法で目的の位置へ移す、という順序で作業するのが実務的とされる。

 

**確認事項**: 回転軸のピンがBPからずれていると、移動後のダーツがBPを正しく指さなくなる。回転前にBP位置を型紙に正確に印し、ピンをその印にまっすぐ刺すことが前提になる。待ち針は作業中に紙や布から浮きやすいため、回転操作の間は利き手と反対の手でピンの頭を軽く押さえておくと安全とされる。

 

---

 

### FASH-032 ピボット法(サイド→ウエスト)

 

**型紙の骨子**:

```

BP軸で回転 → 脇ダーツの分量がウエストライン側へ出現

```

FASH-031と同じ操作を、移動先をウエストラインに設定して行う。

 

**寸法関係式**: 脇ダーツ14.4cmがそのままウエストダーツ14.4cmへ変換される(FASH-006と同一の分量になる)。

 

**応用例**: FASH-002からFASH-006への変換。裾広がりのデザインで、ウエストダーツを起点にさらに展開技法(スラッシュ&スプレッド法)を重ねる下準備として使われることが多い。

 

**確認事項**: ウエストライン上での起点位置(ダーツの底辺の中心)が、意図した位置(通常は脇から3〜5cm内側)からずれていないかを確認する。ずれると、脇線の縫い合わせ位置でシルエットの左右差が出ることがある。

 

---

 

### FASH-033 ピボット法(サイド→ネックライン)

 

**型紙の骨子**:

```

BP軸で回転 → 脇ダーツの分量が衿ぐり側へ出現

```

移動先を衿ぐりに設定したピボット法。

 

**寸法関係式**: 脇ダーツ14.4cmがネックラインダーツ14.4cm(FASH-004相当)へ変換される。

 

**応用例**: FASH-002からFASH-004への変換。衿元の切替デザインへダーツを逃がしたいときの標準手順。

 

**確認事項**: 衿ぐりは曲線が急なため、回転後のダーツ起点が衿ぐり曲線からはみ出していないか、型紙の縁と照らし合わせて確認する。はみ出す場合は起点の位置をわずかに前中心側または肩側へずらして再調整する。

 

---

 

### FASH-034 ピボット法(サイド→アームホール)

 

**型紙の骨子**:

```

BP軸で回転 → 脇ダーツの分量が袖ぐり側へ出現

```

移動先を袖ぐりに設定したピボット法。

 

**寸法関係式**: 脇ダーツ14.4cmがアームホールダーツ14.4cm(FASH-005相当)へ変換される。

 

**応用例**: FASH-002からFASH-005への変換。ノースリーブやキャップスリーブのデザインへ移行する際の標準手順。

 

**確認事項**: 移動後、袖ぐりの曲線の連続性(なめらかにつながっているか)を必ず確認する。ダーツの起点部分で曲線が不自然に折れていると、縫い合わせたときに袖ぐりに段差ができる。

 

---

 

### FASH-035 ピボット法(サイド→センターフロント)

 

**型紙の骨子**:

```

BP軸で回転 → 脇ダーツの分量が前中心線側へ出現

```

移動先を前中心線に設定したピボット法。

 

**寸法関係式**: 脇ダーツ14.4cmがセンターフロントダーツ14.4cm(FASH-007相当)へ変換される。

 

**応用例**: FASH-002からFASH-007への変換。前開きデザインへの移行手順として使われる。

 

**確認事項**: 前中心線は身頃の左右対称の基準線でもあるため、移動後に前中心線がまっすぐ(直線)を保っているかを確認する。ダーツの操作で前中心線が曲がってしまった場合は、作図のやり直しが必要になる。

 

---

 

### FASH-036 ピボット法(ショルダー→フレンチ)

 

**型紙の骨子**:

```

BP軸で回転 → 肩ダーツの分量が脇下(フレンチ位置)へ出現

```

FASH-003の肩ダーツを起点に、移動先をフレンチダーツ(FASH-008)の位置に設定したピボット法。

 

**寸法関係式**: 肩ダーツ14.4cmがフレンチダーツ14.4cmへ変換される。移動距離が大きいぶん、型紙上での回転角度も他の組合せより大きくなる。

 

**応用例**: 肩のラインをすっきりさせたデザイン画から、脇のラインを強調するデザインへ方向転換する際に使われる。

 

**確認事項**: 回転角度が大きい操作では、途中で型紙が二重に重なる範囲が生じやすい。作業用の別紙(捨て紙)を下に敷き、回転後の輪郭をなぞって新しい型紙として写し取る手順を踏むと、元の型紙を傷めずに済む。

 

---

 

### FASH-037 ピボット法(ウエスト→ショルダー)

 

**型紙の骨子**:

```

BP軸で回転 → ウエストダーツの分量が肩線側へ出現

```

FASH-006のウエストダーツを起点に、移動先を肩線に設定したピボット法。

 

**寸法関係式**: ウエストダーツ14.4cmがショルダーダーツ14.4cmへ変換される。

 

**応用例**: ウエスト位置に切替線があるデザインから、切替線のないシルエットへ変更する際の逆操作として使われる。

 

**確認事項**: ウエストダーツは起点が2点(FASH-006参照)であるのに対し、肩ダーツは起点が1点であるため、移動の際にどちらの起点を基準にピボットするかを事前に決めておく必要がある。基準を決めないまま作業すると、移動後のダーツ形状が左右で不揃いになりやすい。

 

---

 

### FASH-038 スラッシュ&スプレッド法基本(ダーツ分割2本)

 

**型紙の骨子**:

```

元のダーツ(1本、14.4cm)

↓ 切り込みを2本入れて開く

ダーツA(7.2cm) + ダーツB(7.2cm)

```

型紙に切り込み(スラッシュ)を入れ、BPを支点に開く(スプレッド)ことで、1本のダーツを2本以上に分割する技法。

 

**寸法関係式**: 元のダーツ分量14.4cmを、分割後の本数で均等割りする。2分割の場合は14.4cm÷2=7.2cmずつ(検算: 7.2×2=14.4)。

 

**応用例**: FASH-010のダブルダーツを、切込み分割の手順から導出する場合に使う。1本あたりの分量が小さくなるため、縫い上がりの角が目立ちにくくなるという利点があるとされる。

 

**確認事項**: 切り込みはBPの手前で止め、BP自体を切り離してしまわないよう注意する。裁ちばさみで型紙に切り込みを入れる際は、刃先をBP印の1〜2mm手前で止め、最後の数ミリは切らずに「つなぎ」として残し、その後に折り目として開く方法が失敗しにくいとされる。

 

---

 

### FASH-039 ダーツ3分割法

 

**型紙の骨子**:

```

元のダーツ(1本、14.4cm)

↓ 切り込みを3本入れて開く

ダーツA+B+C(各4.8cm)

```

FASH-038をさらに拡張し、3本に分割する。

 

**寸法関係式**: 14.4cm÷3=4.8cmずつ(検算: 4.8×3=14.4)。

 

**応用例**: FASH-012のトリプルダーツを導出する際の手順の一つとして使われる。

 

**確認事項**: 分割数が増えるほど、切り込み同士の間隔(型紙上の扇の開き角度)が狭くなり、作業スペースが窮屈になる。型紙は分割前の元図を必ず複写して残し、分割後にやり直しが必要になった場合に元図から再スタートできるようにしておく。

 

---

 

### FASH-040 ダーツ4分割法(放射状)

 

**型紙の骨子**:

```

↓↓↓↓ 4本の切り込みが放射状にBPへ集まる

ダーツA+B+C+D(各3.6cm)

```

FASH-039をさらに拡張し、4本に分割する。

 

**寸法関係式**: 14.4cm÷4=3.6cmずつ(検算: 3.6×4=14.4)。

 

**応用例**: ギャザーに近い、細かいひだの集まりとして見せたいデザインに使われる。分割数を増やすほど、FASH-022のギャザー処理に近い見た目に近づいていく。

 

**確認事項**: 4分割程度になると、個々のダーツは縫うというよりタック(FASH-041・042参照)として処理されることが多くなる。分割後の用途(縫い閉じるダーツにするか、タックにするか)を先に決めてから分割数を選ぶ判断順序が実務的とされる。

 

---

 

### FASH-041 ダーツ→タック変換(1本)

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ(先端を縫い閉じる、三角形)

↓ 変換

タック(布を折りたたむだけで、先端まで縫い閉じない)

```

ダーツの先端まで縫い切らず、途中で止めて布を折りたたんだ状態で仕上げる形式に変換する。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmはそのまま保つが、縫い代として消える量ではなく、折りたたまれて表面に残る「ひだ」の分量として扱われる点が通常のダーツと異なる。

 

**応用例**: デザイン上、ダーツの縫い目を見せたくないが、布の折り返しの陰影は見せたい場合に使われる。タックの折り返し方向(体の中心向きか外向きか)もデザイン要素になる。

 

**確認事項**: タックは先端まで縫い留めないため、ダーツより型崩れしやすい。折り返し部分の起点をアイロンでしっかり折り目づけしてから縫い合わせると安定するとされる(アイロンの高温部分に指が触れないよう、当て布を使う習慣も安全上重要とされる)。

 

---

 

### FASH-042 ダーツ→タック変換(複数本均等配置)

 

**型紙の骨子**:

```

||||| 複数本の細いタックを等間隔に配置

```

FASH-040のように分割したダーツを、すべてタック形式に変換し、等間隔で並べる。

 

**寸法関係式**: 分割済みの各ダーツ分量(例として4分割なら各3.6cm)を、そのままタックの折りたたみ量として使う。

 

**応用例**: ヨーク切替(FASH-134)の下に細かいタックを並べる、クラシックなブラウスのデザインで使われる。

 

**確認事項**: タックの本数と間隔が不均等だと目立つため、型紙の段階で等間隔の印を定規で正確に打っておく。縫製時も、印から印まで同じミシン目数で縫うなど、機械的な確認手順が有効とされる。

 

---

 

### FASH-043 ダーツ→ギャザー変換

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ(三角形)

↓ 変換

ギャザー(細かいひだの集合、FASH-022と同型)

```

ダーツの分量を、縫い閉じずに細かいひだへ変換する。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmを、そのままギャザーとして寄せる余分の布として扱う(FASH-022と同じ計算方法)。

 

**応用例**: カジュアルなブラウスやこどもの衣装など、フィット感よりも動きやすさとデザインの柔らかさを優先する場面で使われる。

 

**確認事項**: FASH-022と同様、ギャザーの均一な寄せ方が仕上がりを左右する。ダーツから変換する場合は、元のダーツの縫い代分がそのままギャザー分に上乗せされるため、型紙上で縫い代込みの寸法かどうかを取り違えないよう注意する。

 

---

 

### FASH-044 ダーツ→シャーリング変換

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ(三角形、1本)

↓ 変換+分散

シャーリング(複数本の平行なギャザー線、FASH-023と同型)

```

ダーツの分量を、1本のギャザーではなく複数本のシャーリング線に分散させる。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmを平行線の本数で割る(FASH-023と同じ計算方法。例として3本なら各4.8cm)。

 

**応用例**: ゴム糸を使ったシャーリング入りのウエスト部分や、体にフィットしつつ伸縮性を持たせたいデザインに使われる。

 

**確認事項**: シャーリングは伸縮素材(ゴム糸)を使うため、伸ばした状態と縮んだ状態で寸法が大きく変わる。型紙の寸法は「縮んだ状態(仕上がり寸法)」で管理し、縫製前の「伸ばして縫う量」は別途ゴム糸の伸縮率から逆算する必要があるとされる。

 

---

 

### FASH-045 ダーツ→フレア(ゴデー)変換

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ(裾側、三角形)

↓ 変換

ゴデー(裾に向けて三角形の布〈マチ〉を追加挿入)

```

ダーツを縫い閉じる代わりに、その位置に別布の三角形(ゴデー)を挿入し、裾に向けて広がりを持たせる。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmをそのまま挿入するゴデーの底辺の幅として使う。ゴデーの高さ(挿入する深さ)はデザインに応じて自由に決めてよいが、ダーツ先端の位置(BPまたはウエストダーツの起点)を超えない範囲に収めるのが基本とされる。

 

**応用例**: スカートの裾やドレスの脇に三角形の布を差し込み、裾広がりのシルエットを作るデザインで使われる。ウエストダーツ(FASH-006)やパネルライン(FASH-016〜018)の延長線上によく配置される。

 

**確認事項**: ゴデーの布目(縦横の方向)を身頃の布目と揃えないと、洗濯や着用を繰り返すうちに生地の伸縮差でゴデー部分だけが波打つことがあるとされる。挿入前に布目線を確認する。

 

---

 

### FASH-046 ダーツ→切替線(ヨーク)変換

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ(肩または衿ぐり寄り)

↓ 変換

ヨーク切替線(水平に近い切替線として分量を吸収)

```

ダーツの分量を、三角形の切り取りではなく、ヨーク(肩や胸上部の切替布)との縫い合わせ線の曲がり具合として吸収する。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmを、ヨーク側パネルと身頃側パネルの縫い合わせ辺の長さの差として表現する。身頃側の辺をヨーク側の辺より14.4cm分長く作図し、縫い合わせる際にその差をイーズ(ゆるみを均等に配分しながら縫い合わせる技法)で吸収する。

 

**応用例**: シャツのヨーク切替(FASH-134・135参照)でよく使われる、実務的なダーツ処理法とされる。

 

**確認事項**: イーズで吸収できる差には限度があり、一般的な木綿ブロード生地では辺の長さの差が全体の1割程度までが目安とされる。それを超える差になる場合は、ヨーク側にもタックやギャザーを併用する必要がある。

 

---

 

### FASH-047 複合変換(ダーツの一部を切替線+残りをダーツに分解)

 

**型紙の骨子**:

```

元のダーツ(14.4cm)

↓ 分解

切替線側(10.0cm相当) + 残存ダーツ(4.4cm)

```

1本のダーツを完全に別形式へ変換するのではなく、分量の一部だけを切替線(FASH-046)へ、残りを通常のダーツとして残す、複合的な変換。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmを任意の比率で分解する。例として切替線側に70%(約10.1cm)、残存ダーツに30%(約4.3cm)という配分。

 

**応用例**: 切替線だけでは分量を吸収しきれない厚手素材や、切替線のカーブを緩やかに保ちたい場合に、残りをダーツで補う設計として使われる。

 

**確認事項**: 分解した2つの分量の合計が元のダーツ分量と一致しているかを必ず検算する(この例では10.1+4.3=14.4)。合計が合わないまま作図を進めると、身頃全体の寸法がずれる原因になる。

 

---

 

### FASH-048 ダーツの合成(2本→1本の統合)

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツA(7.2cm) + ダーツB(7.2cm)

↓ 統合

ダーツ(14.4cm、1本)

```

FASH-038の逆操作。2本の別々のダーツを、ピボット法で1点に集めて1本に統合する。

 

**寸法関係式**: 分割時と同じ理屈の逆。7.2cm+7.2cm=14.4cmとして統合される(検算: 元のFASH-002などの単一ダーツ量と一致)。

 

**応用例**: 試作段階で2本のダーツを使っていたが、シルエットを整理してすっきりさせたい場合の統合手順として使われる。

 

**確認事項**: 統合後のダーツが1本になると分量が大きくなり、先端の角が目立ちやすくなる(FASH-008のフレンチダーツで触れた注意と同様)。統合する前に、分量が大きくなっても許容できるデザインかどうかを確認しておく。

 

---

 

### FASH-049 ダーツの位置移動による見え方の違い(視覚効果比較)

 

**型紙の骨子(比較表)**:

| ダーツ位置 | 視覚的な効果の目安 |

|---|---|

| 脇(FASH-002) | 最も控えめ、縫い代に隠れやすい |

| 肩(FASH-003) | 肩のラインが強調される |

| 衿ぐり(FASH-004) | 衿元の装飾と一体化しやすい |

| ウエスト(FASH-006) | くびれが強調される |

| フレンチ(FASH-008) | 脇のラインが長く見える |

 

**寸法関係式**: いずれの位置でも分量は共通の14.4cm(前身頃基準)を使うため、視覚効果の違いは分量の差ではなく、ダーツの「向き」と「長さ」の違いから生じる。

 

**応用例**: デザイン画の段階で「どのダーツ位置が意図に近いか」を検討する際の一覧として使う、実務的なチェックリストの役割を果たす。

 

**確認事項**: 実際に布で試作(FASH-019の確認事項で触れた仮縫い用生地の使用)し、光の当たり方で陰影の出方を確認すると、平面の型紙だけでは分からない見え方の違いが判断しやすい。

 

---

 

### FASH-050 ダーツの長さ調整(BPからの距離とゆるみの関係)

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ先端 --- 距離d --- BP

d が小さいほど密着、大きいほどゆるみが残る

```

ダーツ先端からBPまでの距離dを変化させることで、フィット感を調整する構成。

 

**寸法関係式**: 目安として、d=2〜3cmで標準的なフィット感、d=4〜5cmでややゆるめ、d=1cm未満でかなりタイトな仕上がりになるとされる。d=0(先端がBPに一致)は避けるのが基本(FASH-002確認事項参照)。

 

**応用例**: 同じダーツ位置・同じ分量14.4cmでも、dの値を変えるだけでフィット感を微調整できるため、サイズ展開(グレーディング)の際の細かい調整に使われる。

 

**確認事項**: dの値は生地の伸縮性にも左右される。伸びにくい生地ではdをやや大きめ(4cm程度)に取らないと、着用時に生地が突っ張ることがあるとされる。

 

---

 

### FASH-051 ダーツ先端のカーブ化(コンターダーツ)

 

**型紙の骨子**:

```

通常のダーツ(直線2辺)

↓ 変換

コンターダーツ(2辺を緩やかな曲線にする)

```

ダーツの2辺を直線ではなく、体の丸みに沿った緩やかな曲線として作図する。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmという総量は直線ダーツと同じだが、曲線にすることで先端付近の布の当たりがより体の丸みに近づくとされる。曲線の膨らみ幅は目安として辺の中間点で直線から0.3〜0.5cm程度外側へ膨らませる。

 

**応用例**: 高いフィット感が要求されるコルセットボディスや、伸びない生地(サテンなど)を使うウェディングドレスで使われる。

 

**確認事項**: 曲線の膨らみを過度に大きくすると、逆に布が余ってたるみが出る。0.3〜0.5cmという目安を超えて調整する場合は、必ず仮縫いで確認してから本番用の型紙に反映する。

 

---

 

### FASH-052 ダーツ先端の丸み抜き(ダーツポイントの縫い代処理)

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ先端(縫い目の終点)

↓

縫い代を切り開き、先端の布を落ち着かせる

```

縫い上げたダーツの先端部分の縫い代に、細かい切り込みを入れて布のつれを防ぐ処理。

 

**寸法関係式**: 切り込みの深さは、縫い目から1mm程度手前で止める(縫い目そのものを切ってしまうと分量の吸収がほどけてしまうため)。

 

**応用例**: 厚手の生地や、分量の大きいダーツ(FASH-012のトリプルダーツなど)で、先端がゴワつかないよう仕上げるために使われる基本技法。

 

**確認事項**: **安全上の注意**として、この作業は裁ちばさみの刃先だけを使う細かい操作になるため、刃先を布に対して垂直に立てず、寝かせ気味に当てて縫い目のすぐ手前で止める感覚を、端切れで練習してから本番の布に取り掛かることが強く勧められる。誤って縫い目を切ってしまった場合は、その部分だけ手縫いで補強し直す。

 

---

 

### FASH-053 ウエストダーツの分割配分(前後バランス)

 

**型紙の骨子**:

```

前ウエストダーツ(14.4cm) : 後ろウエストダーツ(9.6cm)

比率 = 60 : 40

```

FASH-006とFASH-014を1着の中で両方使う際の、前後の分量バランスを整理する。

 

**寸法関係式**: 前身頃ダーツ基準量14.4cmと後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmの比率はおよそ60:40。ウエスト全周で見ると合計24cm(=ΔBW)であり、これはBOOK-0317のΔBW=B−W=24cmという定義とも整合する(検算: 14.4+9.6=24.0)。

 

**応用例**: フィット&フレアのワンピース全体のダーツ設計を、前後まとめて計画する際の基準として使う。

 

**確認事項**: 前後の比率が60:40から大きく外れると、脇線で前後の身頃をつないだときにウエスト位置の高さが左右非対称に見えることがある。脇線での前後のウエスト位置(ウエストラインの高さ)が一致しているかを型紙上で確認する。

 

---

 

### FASH-054 バストダーツとウエストダーツの連結(フレンチダーツ化)

 

**型紙の骨子**:

```

脇ダーツ(バスト用) + ウエストダーツ

↓ 統合

1本の長いフレンチダーツ(FASH-008相当)

```

FASH-002とFASH-006を別々に使う代わりに、両者をつなげて1本の長いダーツに統合する操作。

 

**寸法関係式**: バスト用ダーツとウエスト用ダーツの分量を合算する。仮にバスト用8cm・ウエスト用6.4cmとすると、合計14.4cmの1本のフレンチダーツになる(検算: 8+6.4=14.4)。

 

**応用例**: FASH-008の項目で触れたフレンチダーツの、具体的な導出手順の一つ。

 

**確認事項**: 統合後のダーツが長くなるため、FASH-008の確認事項(先端手前のカーブ縫い)と同様の注意が必要になる。

 

---

 

### FASH-055 ダーツのねじれ補正(バイアス方向のずれ対応)

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツの2辺と布目線の角度を確認

角度が左右で違うと、縫い合わせ後にねじれが出る

```

ダーツの2辺が、布目線(縦糸・横糸の方向)に対して左右対称の角度になっているかを確認し、ずれがあれば補正する操作。

 

**寸法関係式**: 目安として、ダーツの中心線(2辺の二等分線)が布の縦地(縦糸方向)と平行になるよう作図する。中心線と縦地のなす角度のずれは3度以内に収めるのが実務的な目安とされる。

 

**応用例**: 柄合わせが必要なチェック柄・ストライプ柄の生地でダーツを縫う際に特に重要になる操作。

 

**確認事項**: ずれを放置すると、縫い上げたダーツの周辺で生地がねじれ、柄が斜めに流れて見えることがある。裁断前に型紙を布に置いた状態で、ダーツ中心線と布の織り目が平行かどうかを目視と定規で確認する。

 

---

 

### FASH-056 ダーツ操作による厚手素材向け角度調整

 

**型紙の骨子**:

```

薄手用ダーツ角度 < 厚手用ダーツ角度

(厚手ほど、ダーツの開き角度をやや広めに取る)

```

生地の厚みに応じて、同じ分量のダーツでも開き角度を調整する操作。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmという総量は変えず、ダーツの長さ(起点からBPまでの距離)を薄手生地より1〜2cm短くすることで、実質的な開き角度をやや広げる。厚手ウールなどでは、ダーツの折り重なり部分がかさばりやすいため、この調整が使われるとされる。

 

**応用例**: コートやジャケットなど、裏地付きの厚手アイテムでのダーツ設計に使われる。

 

**確認事項**: 厚手素材ではダーツの縫い代を割って(観音開きにして)アイロンで押さえる仕上げが一般的だが、アイロンの熱で生地の風合いが変わる場合があるため、必ず端切れで試してから本体に当てる。アイロンの底面は高温になるため、素手で直接触れないよう柄の部分を持つ。

 

---

 

### FASH-057 ダーツの部分省略(ゆとりで吸収する簡略化)

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ分量14.4cmのうち、一部(例: 4cm)だけダーツ化

残り(10.4cm)はゆとりとして布のたるみに逃がす

```

FASH-025・026(セミフィット・ルーズフィット)の考え方を、既存のダーツ付き型紙から一部だけ省略する操作として捉え直したもの。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmのうち、省略する割合を決める(例として省略70%・残存30%なら、ダーツとして残る量は14.4×0.3=4.32cm)。

 

**応用例**: 量産服のサイズ展開で、特定のサイズ(大きめのサイズなど)だけダーツを一部省略して縫製工程を簡略化する実務判断で使われることがあるとされる。

 

**確認事項**: 省略しすぎるとフィット感が失われ、FASH-001の基本原型に近づいてしまう。省略の判断はデザイン意図と生産効率のバランスで決める必要があり、単純に工程を減らす目的だけで省略すると仕上がりの品質が落ちる場合がある。

 

---

 

### FASH-058 ダーツ→プリーツ変換(規則的な折り返し)

 

**型紙の骨子**:

```

ダーツ(1本、三角形)

↓ 変換

プリーツ(規則的な折り返しのひだ、先端まで開放)

```

ダーツをタック(FASH-041)よりもさらに規則的な、折り返しの繰り返し(プリーツ)として処理する変換。

 

**寸法関係式**: 分量14.4cmを、プリーツ1山あたりの折り込み量として使う。プリーツを複数山連続させる場合は、それぞれのプリーツで同じ分量14.4cmを繰り返し確保するのではなく、意匠として全体の折り込み量を再設計する(本項目では基準ダーツ1本分の変換に限定して扱う)。

 

**応用例**: スカートやジャケットの裾に、規則的な折りたたみ模様を作るデザインに使われる。

 

**確認事項**: プリーツはアイロンで折り目をつけて固定するため、素材によっては折り目が消えにくく、修正が効きにくい。本番生地で折る前に、必ず端切れで折り目のつき方を確認する。

 

---

 

### FASH-059 ダーツの左右非対称操作(デザインライン活用)

 

**型紙の骨子**:

```

左: ダーツ位置A(例: 脇)

右: ダーツ位置B(例: ウエスト)

```

FASH-027(アシンメトリーダーツ)を、操作の観点から捉え直したもの。左右で異なる操作(ピボット先)を適用する。

 

**寸法関係式**: 左右それぞれで分量14.4cmは共有するが、ピボット法の移動先(FASH-031〜037のいずれか)を左右で別々に選択する。

 

**応用例**: 左右非対称のデザインラインを持つステージ衣装やアートピースの型紙設計で、操作の記録として使われる(どの操作をどちらの身頃に適用したかを明記しておく必要がある)。

 

**確認事項**: FASH-027と同様、型紙の取り違えを防ぐラベル付けが必須になる。加えて、操作の手順(どのピボット法を使ったか)も型紙に注記しておくと、後日の修正作業で再現しやすい。

 

---

 

### FASH-060 ダーツ操作の構造まとめ(第2章・分類比較表)

 

**型紙の骨子(章内の分類表)**:

| 分類 | 該当FASH | 操作の種類 |

|---|---|---|

| ピボット法(移動) | 031〜037 | BP軸回転による位置移動 |

| スラッシュ&スプレッド法(分割) | 038〜040 | 切り込みを開いて多本化 |

| 形式変換(タック・ギャザー・シャーリング) | 041〜044 | ダーツ以外の分量処理形式へ |

| フレア・切替線への変換 | 045〜047 | 三角マチ・切替線への転用 |

| 統合・微調整 | 048〜051 | 複数ダーツの統合、長さ・曲線の調整 |

| 縫い代処理・素材対応 | 052, 055, 056 | 安全・素材別の実務調整 |

| 分量配分・省略・特殊 | 053, 054, 057〜059 | 配分の精密化と応用 |

 

**寸法関係式(代表項目の式の並記)**: 移動・分割・統合のいずれの操作でも、ダーツ総量(前身頃14.4cm・後ろ身頃9.6cm)は保存される、というのが第2章全体を貫く不変の関係式である(FASH-031・038・048の検算行で繰り返し確認した)。

 

**応用例(章全体の使い分け方針)**: デザイン画に近い位置へダーツを移したいならピボット法(031〜037)、分量を目立たなくしたいなら分割・タック・ギャザー化(038〜044)、素材や体型に応じた微調整には長さ・角度の調整(050・051・055・056)を使う、という順序で技法を選ぶのが実務の目安になる。

 

**確認事項(章全体で共有される検証原則)**: どの操作を行った場合でも、操作前後でダーツ(または変換後の形式)の分量合計が変わっていないかを検算する習慣は、第1章末尾(FASH-030)と同じく第2章でも共通の確認事項である。特にFASH-052で触れた縫い代の切り込み操作は、待ち針・裁ちばさみという刃物や針を扱う場面であるため、練習用の端切れで手順を確認してから本番の布に取り掛かることを、章全体を通じての安全上の基本方針とする。

 

> **定着量の目安(第2章)**: ピボット法(FASH-031〜037)とスラッシュ&スプレッド法(FASH-038〜040)の違い、およびダーツから他形式(タック・ギャザー・シャーリング・フレア・切替線)への変換(FASH-041〜047)を、操作前後で分量の総量が保存されるという検算(例: 14.4cm=14.4cm、4.8cm×3=14.4cm)込みで20問程度解くと定着すると見込まれる。特にFASH-031(ピボット法の基本形)は他の移動系項目(FASH-032〜037)すべての土台になるため、最初に確実に理解しておくことが勧められる。

 

---

 

## 第3章 衿(えり)の構造(FASH-061〜090)

 

第3章では、身頃の衿ぐりに取り付ける「衿」という部品の型紙原理を扱う。本章の計算では、身頃の衿ぐり寸法(前後合計・仕上がり寸法)を**NL=40cm**(前衿ぐり22cm・後ろ衿ぐり18cm)という基準値で統一する。また、衿の高さに関わる寸法として**台衿丈(だいえりたけ、衿ぐりに接する立ち上がり部分の高さ)=3cm**、**羽根衿丈(はねえりたけ、台衿の上に重なって折り返る部分の高さ)=4cm**という基準値も用いる(シャツカラーの場合、衿全体の高さは台衿丈+羽根衿丈=7cmが目安になる)。

 

### FASH-061 フラットカラー基本(ピーターパンカラー)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり曲線に沿って

~~~~~~~~~~~~~~~~ ← 衿の付け根(衿ぐり曲線とほぼ同じ形)

丸みを帯びた縁 ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

```

台衿を持たず、身頃の衿ぐりにほぼ沿った形のまま平らに寝かせて縫い付ける、丸みのある衿。

 

**寸法関係式**: 衿の付け根の長さ = NL=40cmに、縫い代分を除いてほぼ一致させる。付け根から衿の外縁までの幅(衿丈)は、目安として5〜7cm程度に設定する。付け根の曲線を衿ぐり曲線より心持ち浅く(直線に近く)作図すると、衿が平らに寝やすくなるとされる。

 

**応用例**: 童謡的・清楚な印象を与えるブラウスやワンピースの衿として広く使われる。BOOK-0184的に言えば、本章内でもっとも「基本形」に位置づけられる衿とされる。

 

**確認事項**: 付け根の曲線を衿ぐり曲線と完全に同じ形にすると、衿が立ち上がってしまい平らに寝ない。付け根の曲線をやや浅くする(衿ぐりよりカーブを緩める)という調整幅の目安は、外縁までの丈5〜7cmに対して0.5〜1cm程度とされる。

 

---

 

### FASH-062 セーラーカラー

 

**型紙の骨子**:

```

前: V字に開いた衿ぐり

後ろ: 四角形に近い大きな衿が背中を覆う

```

前は打ち合わせがV字に開き、後ろは四角形に近い大きな布が背中を覆う、水兵服由来とされる衿。

 

**寸法関係式**: 後ろ衿の縦の長さ(背中を覆う深さ)は、目安として着丈の1/4程度(58cm÷4≈14.5cm)。前のV字の開き角度は、前衿ぐり22cmを基準に、開き幅が肩幅38cmの1/3程度(約12.7cm)になるよう設計する。

 

**応用例**: セーラー服・マリンルックの衣装、こども服の定番デザインとして使われる。

 

**確認事項**: 後ろの大きな衿は生地の重みでたるみやすいため、裏地や接着芯(生地の裏に貼って形を保たせる副資材)を併用して形を保つ工夫が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-063 バーサカラー(肩を覆う大型フラット)

 

**型紙の骨子**:

```

肩全体を覆う、非常に幅の広いフラットカラー

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

```

FASH-061のフラットカラーをさらに幅広くし、肩全体からときに二の腕近くまで覆う大型の衿。

 

**寸法関係式**: 衿丈(付け根から外縁までの幅)を10〜15cm程度まで拡大する。FASH-061の5〜7cmに対し、約2倍の幅を目安とする。

 

**応用例**: ヴィクトリア朝風の装飾的な衣装、格式のあるブラウスのデザインに使われる。

 

**確認事項**: 衿丈が広くなるほど、外縁の曲線の長さが付け根の長さ(NL=40cm)より大きく上回るため、外縁が波打たないよう、型紙上で外縁の曲線を滑らかに引く必要がある。試作段階での確認が特に重要とされる。

 

---

 

### FASH-064 ラウンドフラットカラー(丸首用)

 

**型紙の骨子**:

```

丸く開いた衿ぐりに沿う、丸みの強いフラットカラー

```

FASH-061を、丸く開いた衿ぐり(ラウンドネック)専用に調整した構成。

 

**寸法関係式**: 付け根の長さはNL=40cmと同じだが、丸首用に前衿ぐりの深さをやや浅め(前衿ぐり22cmのうち、深さ方向を通常より1〜2cm浅くする)に調整する。

 

**応用例**: カーディガンの下に着るブラウスなど、首元をすっきり見せたいアイテムに使われる。

 

**確認事項**: 丸首は衿ぐりの曲率が高い(曲がりがきつい)ため、付け根の縫い代に細かく切り込みを入れないと、縫い合わせたときに突っ張ることがある(FASH-089の確認事項も参照)。

 

---

 

### FASH-065 スクエアフラットカラー(角衿)

 

**型紙の骨子**:

```

付け根: 衿ぐり曲線に沿う

外縁: 直線的な四角形(角がある)

```

外縁を丸くせず、直線的な四角形として作図するフラットカラー。

 

**寸法関係式**: 衿丈は5〜7cm程度(FASH-061と同水準)だが、外縁のカーブ部分を直線2辺の組合せに置き換える。角の角度は目安として120度前後(鈍角)にすると、縫い合わせやすく着用時も角が跳ねにくいとされる。

 

**応用例**: モダン・幾何学的な印象を与えたいデザインに使われる。

 

**確認事項**: 角が鋭角(90度未満)になるほど、縫い代を返したときに角の布が厚くなり、きれいな角を出しにくい。角の縫い代を斜めにカットしてから表に返すという処理が有効だが、その際の裁ちばさみの扱いは細かい作業になるため、FASH-052の確認事項と同様、練習を挟むことが勧められる。

 

---

 

### FASH-066 シャツカラー基本(台衿+羽根衿)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり

|

台衿(高さ3cm、衿ぐりに沿って立つ)

|

羽根衿(高さ4cm、台衿の上で折り返る)

```

台衿と羽根衿という2枚(または一体裁断)の部品からなる、シャツで標準的に使われる衿。

 

**寸法関係式**: 台衿丈=3cm、羽根衿丈=4cm、合計衿高=7cm。台衿の付け根の長さはNL=40cmに近似させ、台衿の上端(羽根衿との接続線)は、台衿が首に沿って立つよう、付け根よりわずかに短く(目安として1〜1.5cm短く)作図する。

 

**応用例**: ワイシャツ・ブラウスの標準的な衿として、もっとも汎用性が高いとされる。

 

**確認事項**: 台衿の上端を付け根と同じ長さにすると、台衿が首から離れて浮いてしまう。1〜1.5cmという「つめ」の分量が、衿が首に沿うかどうかを左右する重要な調整点になる。

 

---

 

### FASH-067 台衿のみのバンドカラー(スタンドカラー)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり

|

台衿のみ(高さ3〜4cm、羽根衿なし)

```

FASH-066から羽根衿を省き、台衿部分だけで完結させた衿。

 

**寸法関係式**: 台衿丈のみで3〜4cm。付け根の長さはNL=40cmに近似、上端は付け根よりわずかに短く(目安1cm程度)作図する。

 

**応用例**: チャイナドレスに近い印象のブラウスや、シンプルなワークシャツに使われる。

 

**確認事項**: 羽根衿がない分、首元の縫い代の始末(バイアステープでくるむ、あるいは裏に細い布を当てるなど)が仕上がりの見え方に直結する。始末の方法は型紙の設計段階で決めておく必要がある。

 

---

 

### FASH-068 マンダリンカラー(チャイナカラー)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり

|

台衿(高さ3〜4cm)、前中心で左右がわずかに離れて開く

```

FASH-067に近いが、前中心で衿の左右が完全には合わさらず、小さな隙間(開き)を残す構成。

 

**寸法関係式**: 台衿丈3〜4cm。前中心での開き幅は目安として1〜2cm(ボタンやホックで留める場合、その金具の大きさに応じて調整する)。

 

**応用例**: チャイナドレス・詰め襟風の衣装デザインに使われる。

 

**確認事項**: 開き幅が狭すぎるとボタン付けの作業スペースが足りなくなる。使用するボタンやホックの直径を先に決めてから開き幅を設計する順序が実務的とされる。

 

---

 

### FASH-069 ウィングカラー(立衿+折り返し先端)

 

**型紙の骨子**:

```

台衿(高く、5〜6cm)

先端だけ三角形に折り返る(翼のような形)

```

台衿を高めに設定し、前中心付近の先端だけを三角形に折り返す、フォーマルウェアに使われる衿。

 

**寸法関係式**: 台衿丈5〜6cm(FASH-067より高め)。折り返る三角形の一辺は目安として3〜4cm。

 

**応用例**: 燕尾服・タキシード風の衣装や、蝶ネクタイを合わせるフォーマルなシャツに使われる。

 

**確認事項**: 台衿が高いため、首の動きによっては衿の先端が肌に当たりやすい。着用者の首の長さに応じて台衿丈を1cm程度前後させる微調整が行われることがあるとされる。

 

---

 

### FASH-070 ノッチドカラー(テーラードカラー、ラペル付き)

 

**型紙の骨子**:

```

身頃側の折り返り(ラペル)と、衿側の折り返りが

V字の切込み(ノッチ)で接続される

\ /

\ /←ノッチ(切込み)

```

ジャケットの前身頃の一部(ラペル、下衿)と衿本体(上衿)が別々に裁たれ、V字の切込みで接続される、テーラードジャケットの標準的な衿。

 

**寸法関係式**: 衿の付け根の長さは後ろ衿ぐり18cmを基準に、身頃側のラペル部分は前衿ぐり22cmから連続して作図する。ノッチの角度は目安として60〜75度(鋭角)が一般的とされる。

 

**応用例**: テーラードジャケット・スーツの衿として、フォーマルからビジネスまで幅広く使われる、もっとも代表的なラペル形式とされる。

 

**確認事項**: ノッチの角度や衿の折り返り幅は、身頃側とセットで設計する必要があり、衿だけを単独で型紙化すると身頃との接続がずれる。テーラードジャケットの型紙は、身頃・衿を同時に仮組みして確認する手順が実務では一般的とされる。

 

---

 

### FASH-071 ショールカラー(一枚続きの折り返り衿)

 

**型紙の骨子**:

```

身頃前端から衿にかけて、切れ目のない

一続きの曲線で折り返る(ノッチなし)

```

FASH-070のようなV字の切込み(ノッチ)を持たず、身頃と衿が滑らかに一続きにつながる衿。

 

**寸法関係式**: 衿の付け根の長さは後ろ衿ぐり18cmを基準に、身頃前端から連続する曲線として作図する。折り返り幅(衿の外側に見える部分の幅)は目安として6〜8cm。

 

**応用例**: タキシード・カーディガン・ガウン風のアウターに使われる、柔らかい印象の衿。

 

**確認事項**: 一続きの曲線が滑らかでないと、折り返ったときに衿の輪郭が波打つ。型紙の段階で衿を実際に折り返してみて(紙を谷折りにして)、輪郭が左右対称かつ滑らかかを確認する。

 

---

 

### FASH-072 ピークドラペル(剣先衿)

 

**型紙の骨子**:

```

ノッチドカラー(FASH-070)のラペル先端を

上向きに尖らせる(剣のような形)

/\

/ \←先端が上方向に伸びる

```

FASH-070を土台に、ラペルの先端を上方向へ尖らせた構成。

 

**寸法関係式**: FASH-070の基準を踏襲しつつ、先端の伸び幅を目安として2〜3cm追加する。角度は45度前後の鋭角が目安とされる。

 

**応用例**: フォーマルなダブルブレストジャケット・タキシードで、格式の高さを表現するために使われる。

 

**確認事項**: 先端が鋭角であるほど、縫い代を返す作業(FASH-065の確認事項と同様の角処理)が難しくなる。先端付近の縫い代は特に細かく整える必要があり、練習を挟むことが勧められる。

 

---

 

### FASH-073 コンバーチブルカラー(開閉両用シャツカラー)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-066のシャツカラーを、第一ボタンを外しても

折り返った形が保たれるよう衿腰を調整

```

シャツカラーでありながら、第一ボタンを開けたときにも自然な折り返りを保てるよう設計された衿。

 

**寸法関係式**: FASH-066の台衿丈3cmに対し、衿腰(台衿が首から立ち上がる角度)をやや寝かせ気味に調整する。折り返り線の位置を、台衿の上端から0.5cm程度余裕を持たせるのが目安。

 

**応用例**: カジュアルシャツやブラウスで、ボタンを開けてラフに着る着こなしを想定したデザインに使われる。

 

**確認事項**: 衿腰を寝かせすぎると、ボタンを閉じたときにきちんとした印象が出にくくなる。開けた状態・閉じた状態の両方で試着確認を行う必要がある。

 

---

 

### FASH-074 ロールカラー(台衿なしの折り返り衿)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり

|

台衿を持たず、羽根衿部分が直接衿ぐりから

なだらかに立ち上がって折り返る

```

台衿と羽根衿を分けず、1枚の布が衿ぐりから連続してなだらかに立ち上がり、途中で自然に折り返る構成。

 

**寸法関係式**: 衿の全体丈は目安として6〜8cm(FASH-066の合計7cmに近い水準)。台衿にあたる部分がないため、立ち上がりの角度は生地の厚みと裁ち方(バイアス方向を使うことが多い)で調整する。

 

**応用例**: ポロシャツの衿や、カジュアルなニットカーディガンの衿に使われる。

 

**確認事項**: 台衿がない分、衿の立ち上がりを保つ力が生地自体の張りに依存する。柔らかすぎる生地では衿が寝てしまうため、接着芯や別布での裏打ちを併用することがあるとされる。

 

---

 

### FASH-075 ケープカラー(肩を覆う大型ケープ状)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-063のバーサカラーをさらに拡大し

肩から二の腕、背中の上部まで覆う

```

FASH-063よりもさらに広い範囲を覆う、小さなケープのような衿。

 

**寸法関係式**: 衿丈を15〜20cm程度まで拡大する。付け根の長さNL=40cmに対し、外縁の長さは付け根の1.5〜2倍程度になるよう、外側に向けてフレアを加える(展開技法はBOOK-0317参照)。

 

**応用例**: ケープコートや、フォーマルなドレスの上に重ねる装飾的な衿として使われる。

 

**確認事項**: 面積が大きい分、生地の重みで型崩れしやすい。裏地や接着芯での補強に加え、肩の縫い目にステッチをかけて動きを抑える工夫が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-076 フリルカラー(ラッフルカラー)

 

**型紙の骨子**:

```

衿の外縁に、ギャザーやプリーツで寄せた

波打つ布(フリル)を追加する

~∿∿∿∿∿∿∿∿~

```

FASH-061などのフラットカラーの外縁、あるいは衿ぐりそのものに、波打つ布(フリル)を縫い付けた構成。

 

**寸法関係式**: フリル布の長さは、付け根となる衿の外縁の長さの1.5〜2倍程度を用意し、ギャザーで縮めて縫い付ける(FASH-022のギャザー処理と同じ考え方)。

 

**応用例**: ロマンティックな印象のブラウスや、ステージ衣装の装飾に使われる。

 

**確認事項**: フリルの縮め方(ギャザー分量)が不均一だと波の大きさがばらつく。FASH-022の確認事項と同様、上糸を緩めた粗いなみ縫いで下糸を均等に引く手順が基本とされる。

 

---

 

### FASH-077 ボウカラー(リボン状に結ぶ衿)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐりから左右に細長い帯状の布が伸び

前で交差させて結ぶ(リボン状)

```

衿というより、衿ぐりから伸びる細長い帯を前で結んでリボン状に見せる構成。

 

**寸法関係式**: 帯の幅は目安として6〜10cm、長さは結んで垂らす分を含めて40〜50cm程度(体格や結び方によって調整)。

 

**応用例**: リボンタイブラウスや、フェミニンな印象のワンピースの衿元装飾に使われる。

 

**確認事項**: 帯の生地に張りがないと、結んだ形がきれいに出ない。柔らかすぎる生地の場合は、帯の裏に薄手の接着芯を貼って適度な張りを持たせることが実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-078 タートルネック(筒状高衿)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐりから筒状に高く立ち上がり

上端で折り返って二重になる

```

衿ぐりから筒状に高く伸び、上端を内側に折り返して二重にする、ニット素材でよく使われる衿。

 

**寸法関係式**: 衿の高さは折り返り前で目安として16〜18cm(折り返ると実質8〜9cmの高さになる)。付け根の周囲長は伸縮性のある生地を前提に、衿ぐりNL=40cmよりやや小さめ(例として36cm程度)に設定し、伸ばして縫い合わせることでフィット感を出す。

 

**応用例**: ニットセーターやカットソーの衿として広く使われる。

 

**確認事項**: 伸縮性を前提にした寸法設計のため、伸びない織物生地で作ると首が締め付けられて着脱が困難になる。素材の伸縮率を必ず確認してから付け根寸法を決める。

 

---

 

### FASH-079 カウルネック(ドレープ襟ぐり)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐりを大きく、生地を斜め(バイアス)に裁つことで

自然なドレープ(たまり)を作る

```

衿という別部品を縫い付けるのではなく、身頃の衿ぐり自体を大きく開けてバイアス裁ちにし、生地の重みで自然にたまりを作る構成。

 

**寸法関係式**: 衿ぐりを通常のNL=40cmより大きく、目安として50〜55cm相当まで拡大する。拡大した分がドレープのたまりとして現れる(FASH-021のバイアス利用と同じ原理)。

 

**応用例**: 柔らかい素材(シルクジョーゼット、ニットなど)を使ったドレープの美しいトップスやドレスに使われる。

 

**確認事項**: バイアス裁ちのため、FASH-021の確認事項と同様、裁断後の生地の伸びと落ち着きを待ってから最終的な寸法を決める必要がある。

 

---

 

### FASH-080 Vネック衿ぐり(切替なし)

 

**型紙の骨子**:

```

前衿ぐりを前中心でV字に深く開く

\ /

\/

```

衿という別部品を付けず、身頃の衿ぐり自体をV字に開いて始末する構成。

 

**寸法関係式**: V字の深さは目安として着丈58cmの1/5〜1/4程度(12〜14.5cm)。開き角度は前衿ぐり22cmを基準に、左右で均等な角度になるよう作図する。

 

**応用例**: カジュアルなカットソーやニットの定番の衿ぐりとして使われる。

 

**確認事項**: V字の先端(前中心の最深部)は縫い代が集中しやすく、始末を誤ると穴が開いたようにほつれることがある。先端に小さな三角形の当て布(力布)を裏側に仕込む処理が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-081 ボートネック(スクエアに近い横広衿ぐり)

 

**型紙の骨子**:

```

肩先近くまで横に広く、浅い衿ぐり

~~~~~~~~~~~~~~~~

```

肩先近くまで横に広く開き、深さは浅い、舟底のような形の衿ぐり。

 

**寸法関係式**: 横方向の開き幅は肩幅38cmの9割程度(約34cm)まで広げ、深さは着丈58cmの1/15程度(4cm弱)と浅く設定する。

 

**応用例**: マリンルック・バレエ風のトップスの衿ぐりとして使われる、FASH-004(ネックラインダーツ)との相性がよい形とされる。

 

**確認事項**: 横に広いため、肩先の縫い代とネックライン始末の縫い代が近接しやすい。肩の縫い目とネックラインの始末の縫い代が重ならないよう、型紙の段階で間隔を確認する。

 

---

 

### FASH-082 スクープネック(深い丸首)

 

**型紙の骨子**:

```

丸みを保ちながら、通常より深く開いた衿ぐり

```

丸い形を保ちながら、通常のラウンドネックより深く開いた衿ぐり。

 

**寸法関係式**: 前衿ぐりの深さを、標準(前衿ぐり22cmに対応する通常の深さ)よりさらに3〜5cm深くする。

 

**応用例**: リラックスした印象のカットソーやレオタード風のトップスに使われる。

 

**確認事項**: 深く開けすぎると、動作時に肩ひもやインナーが見えやすくなる。着用シーンを想定し、深さの上限を決めてから作図する。

 

---

 

### FASH-083 ホルターネック(首掛け衿ぐり)

 

**型紙の骨子**:

```

前身頃の左右から伸びる帯が

首の後ろで結ばれ、背中と肩が大きく開く

```

前身頃から伸びる帯を首の後ろで結び、背中と肩を大きく露出させる構成。

 

**寸法関係式**: 首の後ろで結ぶ帯の長さは、首回り(目安36〜38cm)に結び代を加えて45〜50cm程度。前身頃の胸を覆う部分の幅は、BP間隔18cmを基準に、左右それぞれBPを覆う幅として作図する。

 

**応用例**: サマードレス・水着に近いトップスのデザインに使われる。

 

**確認事項**: 首だけで身頃全体を支える構造のため、帯部分に力が集中する。帯の縫い代を二重にする、または裏に接着芯を貼るなど、強度を高める工夫が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-084 オフショルダー衿ぐり

 

**型紙の骨子**:

```

肩を覆わず、二の腕の上あたりで

水平に近い衿ぐりが一周する

```

肩を覆わず、二の腕の上あたりを水平に一周する衿ぐり。

 

**寸法関係式**: 衿ぐりの周囲長は、バスト位置のBF=92cmに近い寸法(伸縮性のある生地を前提に90cm前後)を目安とする。肩から二の腕にかけての生地は、ゴム紐や別布のカバーで固定することが多い。

 

**応用例**: リゾートウェアやパーティードレスのデザインに使われる。

 

**確認事項**: 肩の支えがないため、動作によってはずり落ちやすい。内側にゴム紐や透明な肩ひもを補助的に仕込む対策が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-085 スイートハートネックライン

 

**型紙の骨子**:

```

バストの丸みに沿って、2つの弧が

中央でハート形のように交わる

⌣⌢⌣

```

バストの丸みそれぞれに沿う2つの弧が、前中心で谷を作りながら交わる、ハート形に近い衿ぐり。

 

**寸法関係式**: 左右の弧の頂点はBP間隔18cmに合わせ、それぞれBPの少し上を通るよう作図する。前中心の谷の深さは目安として2〜3cm。

 

**応用例**: ウェディングドレスやイブニングドレスのビスチェ部分の衿ぐりとして使われる。ダブルダーツ(FASH-010)やトリプルダーツ(FASH-012)と組み合わせてフィット感を高める設計が多いとされる。

 

**確認事項**: 弧の頂点位置がBPからずれると、左右非対称に見えやすい。型紙を前中心で左右対称に折って重ね、輪郭が一致するかを必ず確認する。

 

---

 

### FASH-086 ハイネック(スタンド継続型)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-067のバンドカラーをさらに高く

(5〜8cm)し、首にぴったり沿わせる

```

FASH-067のスタンドカラーをさらに高くした構成。

 

**寸法関係式**: 台衿丈を5〜8cmまで拡大する(FASH-067の3〜4cmの1.5〜2倍程度)。付け根周囲は首回り実測値に近づけ、上端はさらに1〜2cm絞る。

 

**応用例**: フォーマルなドレスや、防寒性を意識したアウターの衿として使われる。

 

**確認事項**: 高さが増すほど、首の可動域(振り向く、うなずく動作)への影響が大きくなる。着用者の首の動きやすさを仮縫いの段階で必ず確認する。

 

---

 

### FASH-087 二重衿(レイヤードカラー)

 

**型紙の骨子**:

```

台衿(高)の外側に、フラットカラー(低)を

重ねて縫い付ける

```

FASH-067のようなスタンドカラーと、FASH-061のようなフラットカラーを、同じ衿ぐりに重ねて縫い付ける構成。

 

**寸法関係式**: 内側の台衿丈3〜4cm、外側のフラットカラーの衿丈5〜7cmを、それぞれ独立に計算し、同じ付け根寸法(NL=40cm)を共有させる。

 

**応用例**: 装飾性を高めたブラウスや、レイヤードスタイルを1枚で表現したいデザインに使われる。

 

**確認事項**: 2枚の衿の付け根を同時に衿ぐりへ縫い付けるため、縫い代が重なって厚みが出やすい。厚みが気になる場合は、内側の衿の縫い代だけを控えめに(細く)裁つ調整が行われることがあるとされる。

 

---

 

### FASH-088 衿ぐりバイアス始末(見返しなし)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐりの縫い代を、バイアステープでくるんで始末

(別途の見返し布を使わない)

```

衿を付けない、あるいは見返し(裏側の当て布)も使わず、細い斜め裁ちの布(バイアステープ)だけで衿ぐりの縫い代をくるんで始末する構成。

 

**寸法関係式**: バイアステープの幅は目安として2〜2.5cm(縫い代を包んで縫い留めた後、表に見える幅は0.5〜0.7cm程度)。長さは衿ぐりNL=40cmに、縫い合わせの重なり分2〜3cmを加える。

 

**応用例**: 薄手のカットソーやこども服など、見返しを付けると厚みが気になる場合に使われる、軽い始末方法。

 

**確認事項**: バイアステープを引っ張りすぎると衿ぐりが縮んでしまい、逆に緩めすぎるとテープが浮く。衿ぐりの曲線に沿わせながら、テープに軽くテンションをかける程度が目安とされ、端切れでの練習が勧められる。

 

---

 

### FASH-089 見返し付き衿ぐり(フェイシング始末)

 

**型紙の骨子**:

```

衿ぐり

|

見返し(身頃と同じ形の裏当て布、幅4〜5cm)

```

衿ぐりの形に合わせて裏側に当てる布(見返し)を用意し、表布と見返しを中表に縫い合わせてから表に返す始末方法。

 

**寸法関係式**: 見返しの幅(衿ぐりの縁から内側への幅)は目安として4〜5cm。衿ぐりの外周NL=40cmと同じ曲線を、見返し布にも同じ形で作図する。

 

**応用例**: 衿を付けないデザイン(FASH-080〜082のような衿ぐりのみのデザイン)で、しっかりとした始末をしたい場合に標準的に使われる。

 

**確認事項**: 見返しを表に返す前に、曲線部分の縫い代へ均等な間隔で切り込みを入れておかないと、表に返したときに縫い代がつれて衿ぐりが波打つ。切り込みは縫い目の2〜3mm手前で止め、FASH-052と同様に縫い目そのものを切らないよう注意する。

 

---

 

### FASH-090 衿の構造まとめ(第3章・分類比較表)

 

**型紙の骨子(章内の分類表)**:

| 分類 | 該当FASH | 台衿の有無 |

|---|---|---|

| フラットカラー系 | 061〜065, 075, 076 | なし |

| シャツカラー・スタンド系 | 066〜069, 073, 074, 086, 087 | あり |

| テーラード系(ラペル) | 070〜072 | 身頃一体型 |

| 帯・結び系 | 077, 083 | なし(帯状) |

| 衿ぐりのみ(部品としての衿なし) | 078〜082, 084, 085, 088, 089 | なし |

 

**寸法関係式(代表項目の式の並記)**: 衿ぐり基準NL=40cm(前22cm・後18cm)、台衿丈3cm・羽根衿丈4cm(合計7cm、FASH-066)という2組の基準値が、第3章のほぼ全項目で参照される土台になっている。

 

**応用例(章全体の使い分け方針)**: フォーマル度を上げたいならテーラード系(070〜072)やウィングカラー(069)、カジュアルにしたいならフラットカラー系やロールカラー(074)、装飾性を強めたいならフリル・二重衿・ケープカラー(075〜077, 087)を選ぶ、という対応関係が目安になる。

 

**確認事項(章全体で共有される検証原則)**: 衿は身頃の衿ぐりと必ず接続する部品であるため、衿単独の型紙だけでなく、身頃の衿ぐり寸法(NL=40cm、あるいは各項目で調整した値)と付け根の長さが一致しているかを、裁断前に必ず突き合わせて確認する。曲線の多い部位のため、裁ちばさみで裁つ際は刃先を大きく動かさず布を回しながら小刻みに切り進める、という序章の安全上の注意が本章でも特に重要になる。

 

> **定着量の目安(第3章)**: 台衿・羽根衿の有無(FASH-066〜069・073・074・086・087)とフラットカラー系(FASH-061〜065・075・076)の違い、衿ぐりのみで完結し部品としての衿を持たない構成(FASH-078〜082・084・085・088・089)を見分けるドリルを25問程度解くと、NL=40cm(前22cm・後18cm)という基準値の使い方ごと定着すると見込まれる。フォーマル度の高い順に並べる(ウィングカラー069→テーラード070〜072→シャツカラー066→フラットカラー061→衿ぐりのみ080)といった順序づけドリルも理解の確認に有効とされる。

 

---

 

## 第4章 袖の構造(FASH-091〜120)

 

第4章では、身頃の袖ぐりに取り付ける「袖」の型紙原理を扱う。基準寸法として、序章のSL(袖丈)=54cm、AH(袖ぐり寸法、前後合計)=44cmに加え、本章では**袖山高さ(そでやまだかさ、袖の最も高い山の部分の高さ)= AH/4 + 2.5cm = 44/4 + 2.5 = 13.5cm**、**袖幅(二の腕位置の袖の横幅)= AH/2 + ゆとり2cm = 22 + 2 = 24cm**、**袖口幅(手首位置の袖の幅)= 手首回り16cm + ゆとり2cm = 18cm**という3つの基準値を追加で用いる。

 

### FASH-091 セットインスリーブ基本(1枚袖)

 

**型紙の骨子**:

```

袖山(高さ13.5cm)

/\

/ \

| 袖幅 | ← 24cm

| |

| |

|袖口幅18cm|

```

身頃の袖ぐりに、独立した1枚の袖を丸く縫い付ける、もっとも標準的な袖の構成。

 

**寸法関係式**: 袖山高さ13.5cm、袖幅24cm、袖口幅18cm、袖丈54cm(袖山から袖口までの縦の長さ)。袖山のカーブの長さは、身頃側の袖ぐりAH=44cmよりわずかに長く(目安として44cm×1.05〜1.08≈46.2〜47.5cm)作図し、その差をイーズとして縫い縮める。

 

**応用例**: シャツ・ジャケット・ワンピースなど、もっとも幅広い衣装で使われる標準的な袖。以降のFASH-092以降の多くは、この基本形からの派生として説明できる。

 

**確認事項**: 袖山のイーズ(袖ぐりより長く作った差分、目安2.2〜3.5cm)が多すぎると袖山にギャザーのようなたるみが出てしまい、少なすぎると布が突っ張って腕が上がりにくくなる。イーズの量は生地の伸縮性によっても調整され、伸びにくい生地ほどイーズを少なめにする傾向があるとされる。

 

---

 

### FASH-092 セットインスリーブ2枚袖(テーラード)

 

**型紙の骨子**:

```

大袖(表側から見える面積が広い)

+

小袖(内側・脇側の面積が狭い)

→2枚を縫い合わせて立体的な腕の曲がりを表現

```

FASH-091の1枚袖を、大袖と小袖の2枚に分割し、腕の自然な前曲がりを型紙の曲線で表現する構成。

 

**寸法関係式**: 袖幅24cmを大袖側15cm・小袖側9cm程度に分割する(検算: 15+9=24)。分割線(内袖線)は、腕の前曲がりに合わせてわずかに前方へカーブさせる。

 

**応用例**: テーラードジャケット・コートの袖として、フォーマルからビジネスまで標準的に使われる。

 

**確認事項**: 大袖と小袖の縫い合わせ辺の長さが一致していないと、縫い合わせたときに袖全体がねじれる。型紙の段階で両辺の長さを測り、一致(またはイーズ分の意図した差)を確認する。

 

---

 

### FASH-093 セットインスリーブの袖山イーズ量計算

 

**型紙の骨子**:

```

袖ぐり曲線(AH=44cm)

袖山曲線(44cm×1.05〜1.08)

差分 = イーズ量(2.2〜3.5cm)

```

FASH-091で触れたイーズ量そのものを、独立した計算項目として扱う。

 

**寸法関係式**: イーズ量 = 袖山曲線長 − AH。目安として、AH=44cmに対しイーズ量2.2〜3.5cm(袖山曲線長46.2〜47.5cm)。薄手生地ではイーズ量を多め(3cm前後)、厚手生地では少なめ(2.2cm前後)にする調整が実務で行われるとされる。

 

**応用例**: 生地の種類やデザイン(腕を大きく動かす衣装か、装飾性重視の衣装か)に応じて、FASH-091の基本袖のイーズ量を微調整する際の計算根拠として使う。

 

**確認事項**: イーズ量が3.5cmを超えると、縫い縮めきれずに袖山付近にたるみ(ギャザー状の凹凸)が残ることがある。試作段階で袖山を実際に縫い縮めてみて、たるみの有無を目視で確認する。

 

---

 

### FASH-094 パフスリーブ(袖山ギャザー)

 

**型紙の骨子**:

```

~~~~~~~~~ ← 袖山にギャザーを寄せてふくらませる

/ \

| 袖幅24cm |

```

FASH-091の袖山曲線を大きく拡大し、ギャザーで縮めてふくらみを作る構成。

 

**寸法関係式**: 袖山曲線長を通常のイーズ量(2.2〜3.5cm)よりはるかに多く、目安としてAH×1.5〜2.0(66〜88cm)まで拡大し、その差(22〜44cm)をギャザーとして寄せる。

 

**応用例**: こども服やロマンティックなブラウスの袖として広く使われる。

 

**確認事項**: ギャザー量が多いほど、縫い代に厚みが出て身頃との縫い合わせが難しくなる。薄手の生地を選ぶか、ギャザー分量を控えめ(AH×1.3程度)に調整するといった対応が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-095 パフスリーブ(袖口ギャザー)

 

**型紙の骨子**:

```

| 袖幅24cm |

| |

~~~~~~~~~~~~ ← 袖口にギャザーを寄せてふくらませる

```

FASH-094とは逆に、袖口側にギャザーを寄せてふくらみを作る構成。

 

**寸法関係式**: 袖口幅を通常の18cmより広く、目安として1.5〜2倍(27〜36cm)に拡大し、その差(9〜18cm)をギャザーで縮めて袖口幅18cmに合わせる。

 

**応用例**: 手首元にふくらみを持たせたいブラウスや、民族衣装風のデザインに使われる。

 

**確認事項**: 袖口はカフス(FASH-118・119参照)と接続することが多く、ギャザー分量とカフスの寸法が対応しているかを事前に確認する必要がある。

 

---

 

### FASH-096 レッグオブマトンスリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

~~~~~~~~~ ← 袖山〜二の腕まで大きくふくらむ

/ \

| |

\ /

| タイトな下腕 |

|袖口幅18cm(細い)|

```

袖山から二の腕にかけて大きくふくらみ、肘から下は袖口幅18cmまで急激に細くなる、羊の脚のような形の袖。

 

**寸法関係式**: 上腕部の最大幅は袖幅24cmの1.8〜2倍(43〜48cm)まで拡大し、肘位置から袖口幅18cmまで一気に絞り込む。ふくらみの分量はFASH-094のパフスリーブと同様、ギャザーまたはタックで処理する。

 

**応用例**: 1890年代に流行したとされる歴史衣装や、演劇・オペラの舞台衣装で使われる。

 

**確認事項**: 上腕部が大きくふくらむため、生地の使用量が通常の袖の2倍以上になることがある。裁断前に必要な布の面積を見積もり、生地が不足しないよう確認する。

 

---

 

### FASH-097 ビショップスリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

| 袖幅24cm(通常) |

| |

~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ← 袖口に向けて緩やかにふくらみ、ギャザーでカフスに収める

```

袖山はFASH-091の基本形に近いが、肘から袖口にかけて緩やかにふくらみ、袖口でギャザーを寄せてカフスに収める構成。

 

**寸法関係式**: 肘位置から袖口にかけての幅を、通常の直線的な絞り込みではなく、袖口直前で袖口幅18cmの1.5倍程度(27cm)まで広げ、そこからカフス(FASH-119参照)でギャザーとして縮める。

 

**応用例**: ロマンティックなブラウスや、中世〜ルネサンス風の歴史衣装の袖に使われる。

 

**確認事項**: FASH-096ほど極端なふくらみではないため、生地使用量の増加も緩やかだが、袖口のギャザー分量とカフスの長さの対応は必ず確認する。

 

---

 

### FASH-098 ベルスリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

| 袖幅24cm(通常) |

\ /

\ /

\ /

~~~~~~~~~~~~ ← 袖口に向けて鐘のように広がる(ギャザーなし)

```

肘から袖口にかけて、ギャザーを使わずそのまま広がっていく、鐘(ベル)のような形の袖。

 

**寸法関係式**: 袖口の開き幅を、袖口幅18cmではなく40〜50cm程度まで直接広げる。ギャザーを使わないため、広がりは型紙の輪郭線そのものの傾斜で作る。

 

**応用例**: ゆったりとした民族衣装風・ゴシック風のデザインの袖に使われる。

 

**確認事項**: 袖口が広く開くため、作業中や食事中などに袖口が物に引っかかりやすい。実用衣装として使う場合は、袖口の広がり幅に上限を設ける判断が必要になるとされる。

 

---

 

### FASH-099 ジュリエットスリーブ(袖山パフ+タイト下腕)

 

**型紙の骨子**:

```

~~~~~~~~~ ← 袖山だけ大きくふくらむ(パフ、FASH-094相当)

/ \

| 肘から下はタイト(体に沿う) |

| 袖口幅18cm |

```

FASH-094のパフスリーブと、体に沿うタイトな下腕部分を組み合わせた構成。

 

**寸法関係式**: 上腕(パフ部分)はFASH-094と同じ拡大率(AH×1.5〜2.0)、肘から袖口までは通常の直線的な絞り込みで袖口幅18cmに合わせる。

 

**応用例**: 歴史衣装や舞台衣装で、上品さと動きやすさを両立させたい袖に使われる。

 

**確認事項**: パフ部分とタイト部分の境目(肘位置)で寸法が急激に変わるため、縫い合わせ辺の長さの整合を型紙の段階で確認する。

 

---

 

### FASH-100 キャップスリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

~~~~~ ← 肩を軽く覆うだけの、非常に短い袖

```

袖山だけを短く残し、二の腕の途中で終わる、肩を軽く覆う程度の短い袖。

 

**寸法関係式**: 袖丈を通常のSL=54cmではなく、5〜8cm程度まで大幅に短縮する。袖山高さ13.5cmはほぼそのまま使うが、袖幅は絞って作図する。

 

**応用例**: 夏物のワンピースやブラウスで、肩のラインを見せつつ二の腕を軽く覆いたいデザインに使われる。アームホールダーツ(FASH-005)との相性がよいとされる。

 

**確認事項**: 袖丈が短いため、腕を大きく上げる動作では袖ぐりの縫い代が見えてしまうことがある。着用シーンに応じて袖丈の下限を決めておく。

 

---

 

### FASH-101 コールドショルダースリーブ(肩開き)

 

**型紙の骨子**:

```

肩の部分だけ布がなく開いている

|開口|

/ \

| 二の腕から袖口までは通常の袖 |

```

肩の頂点付近だけ布を切り離して開口を作り、二の腕から先は通常の袖として続く構成。

 

**寸法関係式**: 開口の幅は目安として肩幅38cmの1/4程度(9.5cm)。開口の位置は袖山の頂点を中心に前後均等に配置する。

 

**応用例**: 肩を見せるトレンドデザインのトップス・ブラウスに使われる。

 

**確認事項**: 開口部分の縫い代が布端としてほつれやすいため、バイアステープや縁取りステッチで縁を保護する処理が必要になる。

 

---

 

### FASH-102 ラグランスリーブ基本(1本切替線)

 

**型紙の骨子**:

```

身頃の肩〜衿ぐりから、脇下にかけて

斜めの切替線が1本走り、その外側が袖になる

\

\←切替線

\

```

身頃の肩部分を袖と一体化させ、衿ぐりから脇下にかけて斜めの切替線で袖を接続する構成。セットインスリーブ(FASH-091)のような袖ぐりの丸い縫い目を持たない。

 

**寸法関係式**: 切替線は衿ぐり脇(前衿ぐり22cmの終点付近)から、脇下(袖ぐり最下点相当)まで、直線または緩やかな曲線で結ぶ。袖山にあたる部分は身頃の肩幅38cmの一部を含み込む形になるため、独立したセットインスリーブより肩部分の生地量が多くなる。

 

**応用例**: スポーツウェアやカジュアルなセーターに広く使われる、動きやすさを重視した袖。

 

**確認事項**: 切替線の角度が急すぎると肩のラインが不自然に見え、緩やかすぎると腕の可動域が狭くなる。仮縫いで腕を大きく回す動作を確認し、角度を微調整する。

 

---

 

### FASH-103 ラグランスリーブ(ダーツ入り)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-102の切替線 + 肩付近に小さなダーツを追加

(肩の丸みに沿わせるため)

```

FASH-102の基本形に、肩の丸み(肩先の骨の突出)に沿わせるための小さなダーツを追加した構成。

 

**寸法関係式**: 追加するダーツの分量は目安として1.5〜2.5cm。位置は肩の頂点付近、切替線の中間あたりに設定する。

 

**応用例**: よりフィット感を高めたラグランスリーブのニットやジャケットに使われる。

 

**確認事項**: ダーツを追加すると肩の丸みは表現しやすくなる一方、動きやすさというラグランスリーブ本来の利点がやや損なわれる。用途に応じて追加するかどうかを判断する。

 

---

 

### FASH-104 サドルショルダースリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-102のラグランスリーブの切替線を

衿ぐりの両脇ではなく、衿ぐりの中央(後ろ首側)まで延長

→肩の上に「鞍」のような帯状の部分ができる

```

ラグランスリーブの切替線を、肩の上を通って衿ぐりの後ろ中心近くまで延ばし、肩の上に馬の鞍のような帯状のパーツを作る構成。

 

**寸法関係式**: 肩上の帯の幅は目安として4〜6cm。切替線の延長分、通常のラグランスリーブより袖側の生地面積がやや増える。

 

**応用例**: スポーツウェアやカジュアルなジャケットで、肩のラインにアクセントをつけたいデザインに使われる。

 

**確認事項**: 肩上の帯の幅が不均一だと左右差が目立つ。型紙の段階で左右対称になっているかを確認する。

 

---

 

### FASH-105 ドルマンスリーブ基本

 

**型紙の骨子**:

```

身頃と袖が最初から1枚の布として続いており

袖ぐりという縫い目そのものがない

身頃|________________袖

```

身頃と袖を分けず、最初から1枚の型紙として脇から袖口まで続けて裁つ構成。

 

**寸法関係式**: 脇下(身頃と袖の境目にあたる位置)の角度を緩やかにし、身頃の脇線幅(BF/4=23cm)から袖口幅18cmまで、なだらかな曲線でつなぐ。袖丈相当の長さは、肩から袖口までの直線距離として、通常のSL=54cmよりやや短め(45〜50cm)になることが多いとされる。

 

**応用例**: ゆったりとしたカットソーやチュニックの袖として、動きやすさと縫製の簡便さを両立させたいデザインに使われる。

 

**確認事項**: 脇下の角度が急すぎると腕を下ろしたときに脇に布がたまり、緩やかすぎると腕を上げにくくなる。動作確認を仮縫いで行い、角度を調整する。

 

---

 

### FASH-106 バットウィングスリーブ(拡張ドルマン)

 

**型紙の骨子**:

```

身頃|______________________袖(非常に大きく広がる)

```

FASH-105のドルマンスリーブを、脇下の角度をさらに緩やかにし、袖ぐり全体を大きく広げた構成。腕を横に広げるとコウモリの翼のように見えることからこの名がある。

 

**寸法関係式**: 脇下から袖口までの距離を、FASH-105よりさらに長く(60〜70cm程度)取り、袖口幅は逆に細く(14〜16cm程度)絞る。

 

**応用例**: ゆったりとしたニットや、装飾性の高いドレスの袖に使われる。

 

**確認事項**: 脇下の生地面積が非常に大きくなるため、腕を下ろした状態では脇に大きな布のたまりができる。デザイン意図として許容するか、脇にマチ(FASH-111)を追加して調整するかを判断する。

 

---

 

### FASH-107 キモノスリーブ(和装由来の直線袖)

 

**型紙の骨子**:

```

身頃|__________袖(直線的、角がある)

```

FASH-105のドルマンスリーブに近いが、脇下の曲線を使わず、直線的な角(かど)でつなぐ構成。和服の袖の型紙原理を洋装に応用したものとされる。

 

**寸法関係式**: 脇下の角度は曲線ではなく、身頃の脇線幅23cmから袖口幅18cmまでを2本の直線(角度約100〜110度)でつなぐ。

 

**応用例**: 和洋折衷デザインの衣装や、直線的なシルエットを意図したデザインに使われる。

 

**確認事項**: 角があることで、腕を上げる動作の際に角の頂点部分に負荷が集中しやすい。負荷を分散させるため、角の頂点に小さな四角い当て布(まち)を追加する処理が実務で行われることがあるとされる。

 

---

 

### FASH-108 マグヤールスリーブ(ゆるいキモノ変形)

 

**型紙の骨子**:

```

身頃|_______袖(緩やかな曲線、FASH-105とFASH-102の中間)

```

FASH-105のドルマンスリーブと、FASH-102のラグランスリーブの中間的な、緩やかな切替を持つ構成。

 

**寸法関係式**: 脇下の曲線の緩やかさを、FASH-105(非常に緩やか)とFASH-091のセットインスリーブ(急な曲線)の中間に設定する。目安として脇下の角度を140〜150度程度の緩い曲線にする。

 

**応用例**: カジュアルながら適度な動きやすさとフィット感を両立させたいトップスに使われる。

 

**確認事項**: 中間的な構成であるため、極端な失敗は起きにくいが、逆に「どちらの利点も中途半端になる」ことがある。デザイン意図(動きやすさ重視かフィット重視か)を明確にしてから角度を最終決定する。

 

---

 

### FASH-109 ドロップショルダースリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

肩線の終点(肩先点)を、実際の肩先より

外側(二の腕側)へずらして袖を接続する

肩先点 →→→ 新肩先点(外側)

```

セットインスリーブ(FASH-091)を土台に、身頃側の肩先点を実際の肩の位置より外側へずらし、袖山を低く・平らにする構成。

 

**寸法関係式**: 肩先点のずらし幅は目安として2〜5cm。ずらした分だけ袖山高さは通常の13.5cmより低く(9〜11cm程度)なる。

 

**応用例**: ゆったりとしたカジュアルなTシャツ・パーカーの袖として非常に広く使われる。

 

**確認事項**: ずらし幅が大きいほどカジュアルな印象になるが、腕の可動域(特に腕を真上に上げる動作)が狭くなる傾向がある。用途に応じてずらし幅の上限を決める。

 

---

 

### FASH-110 エクステンデッドショルダースリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-109よりさらに肩先点を外側へずらし

袖山をほぼ平らにする

```

FASH-109をさらに進め、肩先点のずらし幅を大きくして、袖山をほぼ平らに近づけた構成。

 

**寸法関係式**: ずらし幅を6〜10cm程度まで拡大する。袖山高さは6〜8cm程度まで低くなる。

 

**応用例**: オーバーサイズのアウターやコートの袖に使われる。

 

**確認事項**: FASH-109よりもさらに可動域が制限される。防寒着など、動きやすさより保温性やシルエットが優先されるアイテム向けと判断されることが多いとされる。

 

---

 

### FASH-111 ガゼット付き袖(マチ入り)

 

**型紙の骨子**:

```

脇下に、ひし形または三角形の小さな布(マチ)を挿入

◇←ガゼット

```

FASH-091のようなタイトな袖ぐりの脇下部分に、可動域を確保するための小さな布(マチ、ガゼット)を挿入する構成。

 

**寸法関係式**: マチの1辺の長さは目安として6〜8cm(ひし形の場合、対角線の長さで管理することもある)。マチを挿入することで、腕を真上に上げたときに必要な追加の布量(目安4〜6cm程度)を確保する。

 

**応用例**: 動きの多いダンス衣装や、タイトな袖ぐりでも可動域を確保したい機能的な衣装に使われる。

 

**確認事項**: マチの挿入位置と身頃・袖の縫い代が正しく合っていないと、脇下に段差やつれが生じる。マチの4辺それぞれが接続する相手の辺と長さが一致しているかを、裁断前に必ず確認する。

 

---

 

### FASH-112 ノースリーブ(袖なし・アームホール始末含む)

 

**型紙の骨子**:

```

袖山を持たず、身頃の袖ぐり自体を

バイアステープまたは見返しで始末する

```

袖という部品を持たず、身頃の袖ぐりをそのまま始末して仕上げる構成。

 

**寸法関係式**: 袖ぐりの始末に使うバイアステープの幅は目安として2〜2.5cm(FASH-088の衿ぐり用バイアステープと同水準)。見返しを使う場合は幅4〜5cm(FASH-089と同水準)。

 

**応用例**: 夏物のワンピース・タンクトップ、重ね着のインナーとして幅広く使われる。

 

**確認事項**: 袖ぐりは腕の付け根の丸みに沿う急な曲線のため、FASH-089の確認事項と同様、縫い代への切り込みを丁寧に入れないと表に返したときに突っ張る。特に脇下に近い部分は生地が重なりやすいので注意する。

 

---

 

### FASH-113 半袖の基本(丈短縮バリエーション)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-091の基本袖の丈を短縮

|袖幅24cm|

|袖口(短縮位置)|

```

FASH-091の基本セットインスリーブを土台に、袖丈のみを短縮した構成。

 

**寸法関係式**: 袖丈を通常のSL=54cmの1/3〜1/2程度(18〜27cm)に短縮する。袖山高さ13.5cmと袖幅24cmはFASH-091のまま維持し、袖口幅のみ短縮した位置に応じて再計算する(短縮位置での腕の太さに合わせて18〜22cm程度に調整)。

 

**応用例**: Tシャツ・ポロシャツなど、もっとも一般的な半袖アイテムに使われる。

 

**確認事項**: 短縮位置(二の腕のどのあたりで切るか)によって袖口の見た目の印象(細く見えるか、太く見えるか)が変わる。短縮位置は着用者の二の腕の一番太い位置を避けて、その少し上か下に設定すると、着用時のシルエットが安定するとされる。

 

---

 

### FASH-114 七分袖(丈調整バリエーション)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-113より袖丈を長く(手首手前まで)

```

FASH-113の半袖よりさらに丈を長くし、手首の手前まで届く構成。

 

**寸法関係式**: 袖丈を通常のSL=54cmの7〜8割程度(38〜43cm)に設定する。袖口幅は手首回りの実測値に近い16〜18cmに絞り込む。

 

**応用例**: ジャケットやブラウスで、手首の細さを見せつつ長袖ほどかっちりしすぎない印象を作りたいデザインに使われる。

 

**確認事項**: 七分袖はロールアップ(袖をまくり上げる)して使われることも多いため、まくり上げた際に厚みが出すぎないよう、薄手〜中厚手の生地を選ぶ判断が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-115 フレンチスリーブ(身頃と一体の短袖)

 

**型紙の骨子**:

```

身頃の肩部分がそのまま短い袖として延長される

(別部品の袖を持たない)

```

FASH-105のドルマンスリーブをごく短く(袖丈をほぼゼロに近い数cmに)した、身頃と完全に一体化した短袖。

 

**寸法関係式**: 肩からの延長は目安として3〜6cm。FASH-100のキャップスリーブと似た見た目になるが、キャップスリーブが独立した袖であるのに対し、フレンチスリーブは身頃と縫い目なしで一続きになる点が異なる。

 

**応用例**: サマードレス・ブラウスの、縫い目の少ないシンプルなデザインに使われる。

 

**確認事項**: 身頃と袖が一体のため、布目線(縦横の方向)が肩から袖口まで一様になる。斜め方向に伸びやすい布目の性質上、脇下付近がたるみやすい点はFASH-105の確認事項と共通する。

 

---

 

### FASH-116 チューリップスリーブ

 

**型紙の骨子**:

```

袖山付近で、前後2枚の花びら状の布が

互い違いに重なる

⌒⌒ ← 花びら状に重なる2枚

```

袖山付近を1枚の丸い袖ではなく、前後2枚の花びらのような形の布を互い違いに重ねて構成する袖。

 

**寸法関係式**: 2枚それぞれの付け根の長さを合わせるとAH=44cmに対応する寸法になるよう、前側・後ろ側それぞれ22cm相当を目安に分割する。重なり部分の幅は2〜4cm程度。

 

**応用例**: こども服やガーリーなデザインのブラウス・ワンピースの袖として使われる。

 

**確認事項**: 2枚の重なり順序(どちらを上にするか)を左右の袖で揃えないと、左右非対称に見えてしまう。縫製前に左右の袖を並べて重なり順序を確認する。

 

---

 

### FASH-117 ペタルスリーブ(花弁状二重)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-116のチューリップスリーブをさらに発展させ

2枚の花びらを完全に独立した2層として重ねる

```

FASH-116に近いが、2枚の布を互い違いに組むのではなく、完全に独立した2層(内側の層と外側の層)として重ねる構成。

 

**寸法関係式**: 内側の層はAH=44cmにほぼ一致する寸法、外側の層はやや小さめ(AH×0.8〜0.9、35〜40cm程度)に作図し、内側の層の上に外側の層を重ねて縫い付ける。

 

**応用例**: 装飾性の高いドレスや、レイヤード感を強調したいデザインの袖に使われる。

 

**確認事項**: 2層構造のため、縫い代の厚みが増す。薄手の生地を選ぶか、外側の層の縫い代を控えめにする調整が必要になる。

 

---

 

### FASH-118 袖口カフス基本(ストレートカフス)

 

**型紙の骨子**:

```

袖口(幅18cm)

|

カフス(帯状の布、幅5〜6cm)

```

袖口に、まっすぐな帯状の布(カフス)を縫い付けて、袖口の始末と装飾を兼ねる構成。

 

**寸法関係式**: カフスの幅(縦方向)は目安として5〜6cm。カフスの長さ(袖口に沿う方向)は袖口幅18cmに近い寸法とし、ボタンで留める余裕分として1.5〜2cmを追加する。

 

**応用例**: シャツ・ブラウスの標準的な袖口の始末として、もっとも広く使われる。

 

**確認事項**: カフスの長さが袖口幅と合っていないと、袖口にたるみやつれが出る。ボタン留めの重なり分を含めた最終寸法を、裁断前に必ず確認する。

 

---

 

### FASH-119 袖口カフス(ギャザーカフス)

 

**型紙の骨子**:

```

袖口(幅18cmより広い、ギャザー元の幅)

~~~~~~~~~~~~

|

カフス(帯状、幅18cmに固定)

```

FASH-095やFASH-097のようにギャザーで袖口をふくらませたデザインで、そのギャザーをカフスで受け止めて留める構成。

 

**寸法関係式**: 袖口側の幅(ギャザー元)を27〜36cm程度に対し、カフス側は固定寸法18cmで受け止める。差分(9〜18cm)がギャザーとしてカフスに縫い込まれる。

 

**応用例**: FASH-095(袖口ギャザーのパフスリーブ)、FASH-097(ビショップスリーブ)と組み合わせて使われる、対になる構成。

 

**確認事項**: ギャザー分量が多いほどカフス付近の縫い代が厚くなる。ミシンで縫う際に生地が均等に送られず、ギャザーが偏ることがあるため、待ち針で均等に分割してから縫う手順(4等分・8等分してそれぞれに待ち針を刺す)が実務で使われるとされる。待ち針を多用する作業になるため、針を刺したまま作業台に放置しない、使い終えたら必ず針山に戻す、という基本の安全習慣が特に重要になる。

 

---

 

### FASH-120 袖の構造まとめ(第4章・分類比較表)

 

**型紙の骨子(章内の分類表)**:

| 分類 | 該当FASH | 袖ぐりの縫い目 |

|---|---|---|

| セットインスリーブ系 | 091〜093, 100, 109〜111, 113, 114 | 丸く独立(袖ぐり縫い目あり) |

| ふくらみ・変形袖 | 094〜099, 116, 117 | 丸く独立+ギャザー/多層 |

| ラグラン・サドル系 | 102〜104 | 斜め切替線 |

| ドルマン・キモノ系 | 105〜108, 115 | 身頃と一体(縫い目なし、またはFASH-115は完全一体) |

| 特殊機能 | 101, 111, 112 | 開口・マチ・始末のみ |

| カフス | 118, 119 | 袖口側の始末 |

 

**寸法関係式(代表項目の式の並記)**: 袖山高さ=AH/4+2.5cm=13.5cm、袖幅=AH/2+2cm=24cm、袖口幅=手首回り16cm+2cm=18cmという3つの基準値が、第4章のほぼ全項目の出発点になっている。

 

**応用例(章全体の使い分け方針)**: フィット感と可動域のバランスを取りたいならセットインスリーブ系(091〜093)、動きやすさを最優先するならラグラン・ドルマン系(102〜108)、装飾性を重視するならふくらみ・変形袖(094〜099, 116, 117)を選ぶ、という対応関係が目安になる。

 

**確認事項(章全体で共有される検証原則)**: どの袖形式を選んでも、袖ぐり(または相当する切替線)の長さが身頃側の対応する辺の長さと整合しているか(一致、またはイーズ・ギャザーとして意図した差があるか)を、裁断前に必ず突き合わせる。腕は身体の中でも可動域が大きい部位のため、仮縫いの段階で実際に腕を上げ下げ・前後に動かして確認する手順は、第4章全体を通じて共有される検証原則である。

 

> **定着量の目安(第4章)**: セットインスリーブ系(FASH-091〜093・100・109〜111・113・114)・ふくらみ袖(FASH-094〜099・116・117)・ラグラン/ドルマン/キモノ系(FASH-102〜108・115)の3系統を見分け、AH=44cmから袖山高さ13.5cm・袖幅24cm・袖口幅18cmを導く計算を25問程度解くと定着すると見込まれる。特にFASH-091(セットインスリーブ基本)とFASH-105(ドルマンスリーブ基本)は対照的な構成のため、両者を並べて比較すると違いが理解しやすいとされる。

 

---

 

## 第5章 肩・アームホールの構造(FASH-121〜150)

 

第5章では、身頃と袖の橋渡し役である「肩線」と「アームホール(袖ぐり)」そのものの形状変化を扱う。第1〜4章がダーツ・衿・袖という個別の部品を扱ったのに対し、第5章はそれらの部品が接続される土台となる骨組みを扱うため、他の章で登場した基準値(SW=38cm、BSW=36cm、AH=44cm、袖山高さ13.5cmなど)を横断的に参照する。

 

### FASH-121 肩線の基本位置(自然な肩線)

 

**型紙の骨子**:

```

SNP(側頸点)*------肩線(直線的な傾斜)------*肩先点

```

肩先の骨の位置(肩峰点)にほぼ一致する、標準的な肩線の位置。

 

**寸法関係式**: 肩線の長さ(SNPから肩先点まで)= 前肩幅の場合SW/2=19cm、後ろ肩幅の場合BSW/2=18cm。肩線の傾斜角度は水平に対して目安として20〜22度が標準的とされる。

 

**応用例**: 特別な体型補正を必要としない、標準体型向けの原型として、以降のFASH-122〜150の基準点になる。

 

**確認事項**: 前肩線(19cm)と後ろ肩線(18cm)の差1cmは、後ろ肩をわずかに縫い込む(イーズする)ことで吸収するのが標準とされる。差が大きくなりすぎる設計変更を行う場合は、その差の吸収方法もあわせて検討する。

 

---

 

### FASH-122 肩線の後方シフト(後ろ身頃拡張)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線の位置を後ろ身頃側へ移動

前肩幅: SW/2−移動量 後ろ肩幅: BSW/2+移動量

```

肩線そのものの位置を、後ろ身頃側へずらす構成。前身頃の肩部分が減り、後ろ身頃の肩部分が増える。

 

**寸法関係式**: 移動量を目安として1〜2cmとすると、前肩幅=19−1.5=17.5cm、後ろ肩幅=18+1.5=19.5cm(検算: 17.5+19.5=37=前後の肩幅合計、元の19+18=37と一致し、総量は保存される)。

 

**応用例**: 後ろ身頃で装飾(ヨーク切替やプリーツ)を見せたいデザインで、肩線の縫い目をその装飾の陰に隠したい場合に使われる。

 

**確認事項**: 移動量が2cmを超えると、着用時に肩線の位置が体感的にずれて感じられることがある。仮縫いで実際に着用し、肩線が不自然に感じないかを確認する。

 

---

 

### FASH-123 肩線の前方シフト(前身頃拡張)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線の位置を前身頃側へ移動

前肩幅: SW/2+移動量 後ろ肩幅: BSW/2−移動量

```

FASH-122とは逆に、肩線を前身頃側へずらす構成。

 

**寸法関係式**: 移動量1〜2cmとすると、前肩幅=19+1.5=20.5cm、後ろ肩幅=18−1.5=16.5cm(検算: 20.5+16.5=37、総量保存)。

 

**応用例**: 前身頃で切替やダーツ位置(FASH-016のショルダープリンセスなど)を見せたい場合に、肩線をそのデザインに合わせて移動させる用途で使われる。

 

**確認事項**: FASH-122と同様、移動量の上限は2cm程度を目安とし、それを超える場合は着用感への影響を仮縫いで確認する。

 

---

 

### FASH-124 いかり肩補正(肩先上げ)

 

**型紙の骨子**:

```

肩先点を通常位置より上へ移動

肩線の傾斜角度が水平に近づく(角度が小さくなる)

```

肩が水平に近く張っている体型(いかり肩)に合わせて、肩先点を通常より高く設定する補正。

 

**寸法関係式**: 肩線の傾斜角度を標準の20〜22度から、15〜18度程度まで小さくする(水平に近づける)。肩線の長さ(19cm・18cm)自体は変えず、角度だけを調整する。

 

**応用例**: 体型補正が必要なオーダーメードの衣装や、いかり肩体型のモデルに合わせた舞台衣装で使われる。

 

**確認事項**: 角度を変えると、袖ぐり(AH)の形状にも影響が及ぶため、肩線の角度補正と袖ぐりの深さ調整(FASH-127〜132参照)はセットで検討する必要がある。

 

---

 

### FASH-125 なで肩補正(肩先下げ)

 

**型紙の骨子**:

```

肩先点を通常位置より下へ移動

肩線の傾斜角度が急になる(角度が大きくなる)

```

肩が丸く下がっている体型(なで肩)に合わせて、肩先点を通常より低く設定する補正。

 

**寸法関係式**: 肩線の傾斜角度を標準の20〜22度から、25〜28度程度まで大きくする。

 

**応用例**: なで肩体型向けのオーダーメード衣装、または肩が落ちる印象をあえて演出したいデザインに使われる。

 

**確認事項**: 角度を大きくしすぎると、肩線の縫い目が肩先から二の腕側へずれ落ちて見えることがある。FASH-124と同様、袖ぐりの調整とセットで検討する。

 

---

 

### FASH-126 肩パッド前提の設計(肩線角度調整)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線の傾斜角度を、肩パッドの厚み分だけ

水平に近づけて設計する

```

肩パッド(肩の下に入れる詰め物)を装着することを前提に、あらかじめ肩線の角度を調整しておく構成。

 

**寸法関係式**: 肩パッドの厚み(目安1〜2cm)に応じて、肩線の傾斜角度をFASH-124のいかり肩補正と同程度(15〜18度)まで水平に近づける。角度の調整量は、目安として肩パッド厚み1cmあたり角度2〜3度分とされる。

 

**応用例**: テーラードジャケットやパワーショルダーを意図したデザインの衣装に使われる。

 

**確認事項**: 肩パッドを外して着用すると肩が余って見えることがあるため、肩パッド前提の型紙は、肩パッドとセットで管理する(型紙に「肩パッド厚み◯cm前提」と明記しておく)ことが実務上重要とされる。

 

---

 

### FASH-127 深いアームホール(ゆるい可動域重視)

 

**型紙の骨子**:

```

袖ぐりの最下点を、通常位置よりさらに下(脇の下方向)へ

→袖ぐりの縦径が大きくなる

```

袖ぐりの深さ(最下点の位置)を通常より深く設定し、腕の可動域を広げる構成。

 

**寸法関係式**: 袖ぐりの縦径(SNPに近い上端から最下点までの深さ)を、標準的な目安である着丈58cmの1/3程度(19.3cm)から、2〜3cm深い21〜22cm程度まで拡大する。AH(袖ぐり寸法)自体も、深さの拡大に応じて44cmから47〜49cm程度まで増える。

 

**応用例**: スポーツウェアやダンス衣装など、腕を大きく動かす用途の衣装で使われる。

 

**確認事項**: 深くしすぎると、腕を下ろした状態で下着や肌が見えやすくなる。用途に応じた深さの上限を、着用シーンを想定して決める。

 

---

 

### FASH-128 浅いアームホール(フィット重視)

 

**型紙の骨子**:

```

袖ぐりの最下点を、通常位置よりやや上へ

→袖ぐりの縦径が小さくなる

```

FASH-127とは逆に、袖ぐりを浅く設定し、腕の付け根に沿った高いフィット感を作る構成。

 

**寸法関係式**: 袖ぐりの縦径を、標準19.3cmから1〜2cm浅い17〜18cm程度まで縮小する。AHも44cmから41〜42cm程度まで減る。

 

**応用例**: テーラードジャケットやドレスなど、シルエットのきれいさを重視する衣装に使われる。

 

**確認事項**: 浅くしすぎると、腕を上げる動作が制限され、脇の生地が突っ張りやすくなる。可動域が必要な用途では、FASH-111のガゼット(マチ)との併用を検討する。

 

---

 

### FASH-129 アームホールの前後バランス調整

 

**型紙の骨子**:

```

前アームホール : 後ろアームホール = 45 : 55程度

(通常よりやや後ろ寄りの配分)

```

AH=44cmという総量を、前身頃側と後ろ身頃側でどう配分するかを調整する構成。

 

**寸法関係式**: 標準を前後均等(50:50、各22cm)とした場合に対し、体を動かしやすくするため後ろ側をやや広く(前45%=19.8cm・後55%=24.2cm)配分する調整例(検算: 19.8+24.2=44)。

 

**応用例**: 腕を前に出す動作(物を持つ、タイピングするなど)が多い用途の衣装で、後ろ側に余裕を持たせる設計として使われる。

 

**確認事項**: 配分を変えると、袖側(FASH-092の大袖・小袖の分割など)との対応関係も変わるため、身頃と袖を同時に設計し直す必要がある。

 

---

 

### FASH-130 アームホールの縦径・横径比率

 

**型紙の骨子**:

```

縦径(深さ) : 横径(幅) の比率を管理

標準: 19.3cm : 11cm ≈ 1.75 : 1

```

アームホールの形状を、縦の深さと横の幅の比率として管理する構成。

 

**寸法関係式**: 標準的な縦径19.3cmに対し、横径(前後の身頃幅の差から算出される、袖ぐりの最も幅広い位置の横方向の長さ)は目安として11cm程度。比率はおよそ1.75:1。この比率が1.5:1に近づくと丸みの強い袖ぐり、2:1に近づくと縦長で細身の袖ぐりになる。

 

**応用例**: 袖ぐりの形状を数値で管理し、サイズ展開(グレーディング)の際に比率を保ったまま拡大・縮小する基準として使われる。

 

**確認事項**: 縦径・横径のどちらか一方だけを変更すると比率が崩れ、袖山(FASH-091〜093)とのイーズ計算にも影響する。片方を変更する場合は、もう片方も比率に応じて調整する。

 

---

 

### FASH-131 ハイアームホール(タイトフィット袖ぐり)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-128(浅いアームホール)をさらに進め

脇の位置ぎりぎりまで袖ぐりを絞る

```

FASH-128の浅いアームホールをさらに進め、脇の下(体の側面)にぴったり沿うレベルまで絞り込んだ構成。

 

**寸法関係式**: 袖ぐりの縦径を標準19.3cmから3〜4cm浅い15〜16cm程度まで絞る。AHは44cmから37〜38cm程度まで減る。

 

**応用例**: バレエ・体操衣装や、体のラインを強調するステージ衣装に使われる。

 

**確認事項**: ここまで絞ると、通常のセットインスリーブ(FASH-091)は取り付けにくくなり、伸縮性のある生地とラグラン・ドルマン系(FASH-102〜108)の組合せが選ばれることが多いとされる。

 

---

 

### FASH-132 ローアームホール(カジュアル袖ぐり)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-127(深いアームホール)をさらに進め

袖ぐりの最下点をウエスト位置近くまで下げる

```

FASH-127の深いアームホールをさらに進め、ドロップショルダー(FASH-109)と組み合わせて使うことの多い、非常にゆったりとした袖ぐり。

 

**寸法関係式**: 袖ぐりの縦径を標準19.3cmから5〜7cm深い24〜26cm程度まで拡大する。AHは44cmから52〜55cm程度まで増える。

 

**応用例**: オーバーサイズのパーカーやTシャツに使われる、非常にカジュアルな袖ぐり。

 

**確認事項**: FASH-127よりもさらに深いため、腕を下ろした状態での見え方(脇や下着の露出)に注意が必要。裏地や別布のインナー使いを前提に設計されることもあるとされる。

 

---

 

### FASH-133 アームホールプリンセスライン

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-017(プリンセスライン、袖ぐりから)を

アームホールの形状変化の観点から再定義

```

FASH-017で扱ったプリンセスラインを、アームホール(袖ぐり)そのものの形状という観点から再度整理した項目。

 

**寸法関係式**: パネルラインの起点位置がアームホールの縦径のどの高さにあるかによって、パネルの見え方が変わる。起点を縦径の上から1/3の位置(19.3cm×1/3≈6.4cm)に置くと肩寄りの印象、下から1/3の位置に置くと脇寄りの印象になる。

 

**応用例**: ジャケットのパネルラインとアームホールの深さを同時に設計する際の調整ポイントとして使われる。

 

**確認事項**: アームホールの深さ(FASH-127〜132)を変更すると、パネルラインの起点位置も連動して見直す必要がある。片方だけを変更すると、意図した見え方からずれることがある。

 

---

 

### FASH-134 ヨーク切替(前身頃)

 

**型紙の骨子**:

```

肩線の下、目安として肩線から5〜8cm下がった位置に

水平に近い切替線を入れ、上部をヨークとして分離

```

前身頃の肩に近い部分を、水平に近い切替線で分離し、独立したパーツ(ヨーク)として扱う構成。

 

**寸法関係式**: 切替線の位置は肩線から5〜8cm下がった位置を目安とする。FASH-046(ダーツ→ヨーク変換)で扱った分量吸収の原理をここでも使い、ダーツ分量の一部(前身頃ダーツ基準量14.4cmのうち任意の割合)をヨーク切替線のイーズとして吸収する。

 

**応用例**: シャツの前ヨーク、作業着のデザインラインとして広く使われる。

 

**確認事項**: ヨーク切替線の位置がバスト線に近すぎると、体の丸みでヨーク自体が浮きやすくなる。バスト線より上、肩に近い位置に収めるのが基本とされる。

 

---

 

### FASH-135 ヨーク切替(後ろ身頃)

 

**型紙の骨子**:

```

後ろ肩線の下、目安として5〜10cm下がった位置に

水平な切替線を入れ、上部を後ろヨークとして分離

```

後ろ身頃に設けるヨーク切替。シャツの背面によく見られる構成。

 

**寸法関係式**: 切替線の位置は後ろ肩線から5〜10cm下がった位置(FASH-134の前ヨークよりやや広めの範囲)を目安とする。後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmの一部をヨーク切替線のイーズやタック(FASH-042参照)として吸収する。

 

**応用例**: シャツの後ろヨーク、その下に配置するタック(FASH-042のプリーツ的な処理)と組み合わせて、背中の可動域を確保するデザインに使われる。

 

**確認事項**: 後ろヨークの下にタックを配置する場合、タックの分量と後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmの対応関係を確認し、分量が過不足なく吸収されているかを検算する。

 

---

 

### FASH-136 ヨーク切替(前後共通、ラウンドヨーク)

 

**型紙の骨子**:

```

前後の肩線をつなげる形で、衿ぐりを囲むように

丸く一続きのヨークを設計する

```

FASH-134とFASH-135を、肩の縫い目でつなげず、衿ぐりをぐるりと囲む1枚の丸いヨークとして統合する構成。

 

**寸法関係式**: ヨークの外周(身頃本体との接続線)は、前ヨーク下端(肩から5〜8cm)と後ろヨーク下端(肩から5〜10cm)をつなげた寸法。肩の縫い目がヨーク上に来るため、肩線の長さ(前19cm・後18cm)がそのままヨーク上の縫い目長さになる。

 

**応用例**: ヨーガウェアやゆったりしたブラウスの、肩の縫い目を目立たせたくないデザインに使われる。

 

**確認事項**: 肩の縫い目がヨーク内に収まるため、通常の肩線での前後差(1cm、FASH-121参照)の処理をヨーク側でどう扱うかを、型紙の段階で決めておく必要がある。

 

---

 

### FASH-137 肩ダーツと肩線移動の等価変換

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-003(肩ダーツ) ←→ FASH-122/123(肩線シフト)

同じ分量でも異なる表現方法

```

FASH-003で扱った肩ダーツと、FASH-122・123で扱った肩線そのもののシフトが、実は同じ分量調整を異なる方法で表現したものであることを整理する項目。

 

**寸法関係式**: 肩ダーツの分量(前身頃ダーツ基準量14.4cmのうち肩に配分した分)と、肩線シフトの移動量(FASH-122・123の1〜2cm)は、単位も性質も異なる(ダーツはBPへの収束量、シフトは肩線自体の位置)ため直接の数値変換式は持たないが、「体のどこかの余分な布を、縫い目の形で処理する」という構造上の役割は共通する。

 

**応用例**: デザイン画からどちらの技法を選ぶかを検討する際の、考え方の整理として使われる。

 

**確認事項**: 両者を混同してダーツと肩線シフトを同時に大きく設定すると、肩周辺の布が過剰に絞られて突っ張ることがある。どちらか一方を主に使い、もう片方は補助的な微調整にとどめるという役割分担が実務的とされる。

 

---

 

### FASH-138 スクエアショルダー(肩幅拡張)

 

**型紙の骨子**:

```

肩先点を左右それぞれ外側へ延長

SW(38cm) → SW+拡張分

```

肩幅SWそのものを左右に拡張し、いかつい・力強い印象のシルエットを作る構成。

 

**寸法関係式**: 肩幅を標準SW=38cmから、目安として4〜8cm拡張し、42〜46cmとする。拡張した分は、そのまま袖山(FASH-091)や肩パッド(FASH-126)の設計に引き継がれる。

 

**応用例**: 1980年代風のパワーショルダーデザインや、フォーマルなドレスコートのシルエットに使われる。

 

**確認事項**: 肩幅を拡張すると、袖ぐりAHや袖山高さも連動して変える必要がある(肩幅だけ拡張して袖はそのままだと、袖山が浅すぎて突っ張る)。肩・袖ぐり・袖山の3つをセットで再計算する。

 

---

 

### FASH-139 ナローショルダー(肩幅縮小)

 

**型紙の骨子**:

```

肩先点を左右それぞれ内側へ短縮

SW(38cm) → SW−縮小分

```

FASH-138とは逆に、肩幅を縮小し、華奢な印象のシルエットを作る構成。

 

**寸法関係式**: 肩幅を標準SW=38cmから、目安として2〜4cm縮小し、34〜36cmとする。

 

**応用例**: なで肩体型に合わせたデザインや、女性らしい柔らかいシルエットを意図した衣装に使われる。

 

**確認事項**: FASH-138と同様、肩幅の縮小に応じて袖ぐりや袖山も再計算する必要がある。縮小しすぎると、通常のセットインスリーブでは腕の可動域が確保しにくくなり、ドロップショルダー(FASH-109)などとは逆方向の調整が必要になる場合がある。

 

---

 

### FASH-140 スロープドショルダー(肩線傾斜増)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-125(なで肩補正)をさらに進め

肩線の傾斜角度を最大級まで大きくする

```

FASH-125のなで肩補正をさらに進め、意図的に肩を大きく落として見せるデザイン。

 

**寸法関係式**: 肩線の傾斜角度を標準20〜22度から、30度以上まで大きくする。

 

**応用例**: アバンギャルドなデザインや、体のラインをあえて崩して見せる前衛的な衣装に使われる。

 

**確認事項**: 傾斜が非常に大きいため、通常の袖付け方法では袖が体から離れて浮きやすい。ドルマン・バットウィング系(FASH-105・106)のような、身頃と袖が一体化した構成と組み合わせるのが実務的とされる。

 

---

 

### FASH-141 アームホール見返し始末(裏地なし)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-112(ノースリーブ)の始末方法を

見返し布(幅4〜5cm)の観点から再整理

```

FASH-112で触れた、袖ぐりに見返し布を使う始末方法を、見返し布そのものの型紙設計として整理する項目。

 

**寸法関係式**: 見返しの幅は目安として4〜5cm(FASH-089の衿ぐり見返しと同水準)。袖ぐりの曲線に沿って身頃と同じ形の布を作図する。

 

**応用例**: 裏地を付けないシンプルな仕立てのノースリーブトップスに使われる。

 

**確認事項**: FASH-089と同様、曲線部分への切り込みが仕上がりを左右する。特に脇に近い部分は身頃側とアームホール側の縫い代が重なりやすいため、重なり部分の縫い代を斜めにカットして厚みを減らす処理(FASH-065の角処理と似た考え方)が行われることがあるとされる。

 

---

 

### FASH-142 アームホールバイアス始末

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-088(衿ぐりバイアス始末)の考え方を

アームホールに適用

```

見返しを使わず、バイアステープだけで袖ぐりを始末する構成。

 

**寸法関係式**: バイアステープの幅は目安として2〜2.5cm(FASH-088と同水準)。長さは袖ぐり寸法AH(標準44cm、または各項目で調整した値)に、縫い合わせの重なり分2〜3cmを加える。

 

**応用例**: 薄手の生地を使ったノースリーブや、軽い仕立てを意図したアイテムに使われる。

 

**確認事項**: FASH-088と同様、テープを引っ張りすぎると袖ぐりが縮んでしまう。特に脇下のカーブがきつい部分は、テープにかけるテンションを他の部分よりわずかに緩めるという調整が実務で行われるとされる。

 

---

 

### FASH-143 拡張アームホール(ノースリーブ的深彫り)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-112の袖ぐりを、肩先近くまで

さらに大きく削り込む

```

FASH-112のノースリーブをさらに進め、肩の一部まで削り込むように袖ぐりを拡張する構成。

 

**寸法関係式**: 肩幅SW=38cmのうち、肩先側を2〜4cm削り込み、実質的な肩幅を34〜36cm相当まで縮小しつつ、袖ぐりの縦径・横径ともに拡大する。

 

**応用例**: アスレチックウェアやビーチウェアの、肩から脇にかけて大きく開いたデザインに使われる。

 

**確認事項**: 肩幅を削り込みすぎると、下着の肩ひもが見えやすくなるなど実用面の問題が出ることがある。着用シーンに応じて削り込み量の上限を決める。

 

---

 

### FASH-144 アームホールとサイドシームの交点調整

 

**型紙の骨子**:

```

袖ぐり最下点とサイドシーム(脇線)の交点位置を

前後にわずかにずらす

```

袖ぐりの最下点と脇線が交わる位置そのものを、前後にわずかにずらす微調整。

 

**寸法関係式**: ずらし幅は目安として0.5〜1.5cm。前方向にずらすと後ろ身頃の可動域がやや広がり、後ろ方向にずらすと前身頃の可動域がやや広がる(FASH-129のアームホール前後バランス調整と関連するが、こちらは脇線という「線」の位置そのものの調整である点が異なる)。

 

**応用例**: 既製の原型を特定の体型に微調整する、オーダーメードの最終段階の細かい補正として使われる。

 

**確認事項**: 調整幅が小さい(1.5cm以内)ため、他の大きな変更(FASH-127〜132など)と併用する場合は、この微調整を最後の仕上げとして行う順序が推奨される。

 

---

 

### FASH-145 肩線とネックポイントの関係(SNP基準)

 

**型紙の骨子**:

```

SNP(側頸点)を基準に、肩線・衿ぐり・アームホールの

3つの起点位置を一括管理する

```

肩線の起点であるSNP(側頸点)を、衿ぐり・肩線・アームホールという3つの構造の共通の基準点として位置づける、整理のための項目。

 

**寸法関係式**: SNPから肩線までの距離(前19cm・後18cm)、SNPから前衿ぐり深さ、SNPから袖ぐり上端までの距離が、すべてSNPという1点を原点とした座標として管理できる。SNP-BP=25cm(序章の基準値)もこの座標系の一部である。

 

**応用例**: 型紙全体を一貫した座標系で管理し、複数の補正(肩線シフト・衿ぐり変更・アームホール深さ変更)を同時に行う際の混乱を防ぐ、実務的な整理法として使われる。

 

**確認事項**: 複数の補正を同時に行う場合、どの補正から先に適用するかで最終的な形状がわずかに変わることがある。SNPを固定点として、他の要素をSNPからの距離として記録しておくと、補正の順序を変えても再現性を保ちやすいとされる。

 

---

 

### FASH-146 肩線長の左右差補正(体型補正)

 

**型紙の骨子**:

```

左肩線: 19cm 右肩線: 19cm+補正分

(体型の左右差に応じて個別調整)

```

体の左右で肩の高さや長さにわずかな差がある場合に、肩線の長さを左右で個別に補正する構成。

 

**寸法関係式**: 補正分は目安として0.5〜1.5cm程度。採寸(BOOK-0317参照)の段階で左右の肩線長を個別に測定し、その実測差をそのまま補正分として型紙に反映する。

 

**応用例**: オーダーメードで、既製服では対応しきれない体型の左右差がある場合に使われる、上級者向けの補正技法。

 

**確認事項**: FASH-027・059と同様、左右で異なる型紙を使うことになるため、型紙の取り違え防止のラベル付けが必須になる。補正の根拠(採寸値の左右差)も型紙に記録しておくと、次回の製作時にも再利用できる。

 

---

 

### FASH-147 アームホールカーブの型紙定規(袖ぐり定規)

 

**型紙の骨子**:

```

一定の曲率を持つカーブを繰り返し使えるよう

透明な定規(袖ぐり定規)として型紙化する

```

毎回手描きで袖ぐりの曲線を引く代わりに、よく使う曲率のカーブを透明な板(定規)として作っておき、繰り返し使う実務技法。

 

**寸法関係式**: 定規に写し取る曲線は、標準的なアームホール(縦径19.3cm・横径11cm、FASH-130参照)の曲線をそのまま縮尺1:1で写す。深いアームホール用(FASH-127)・浅いアームホール用(FASH-128)など、用途別に複数の定規を用意することもある。

 

**応用例**: 同じブランド・同じ体型基準で複数の型紙を作る際、曲線の再現性を高めるための実務的な道具として使われる。

 

**確認事項**: 定規を作る元になった型紙の精度がそのまま定規の精度になるため、定規化する前の型紙が正確であることを、複数回の採寸・仮縫いで確認しておく必要がある。

 

---

 

### FASH-148 肩・アームホール複合補正(いかり肩+深いアームホール)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-124(いかり肩補正) + FASH-127(深いアームホール)

を同時に適用

```

FASH-124のいかり肩補正とFASH-127の深いアームホールを組み合わせた複合補正。

 

**寸法関係式**: 肩線の傾斜角度を15〜18度(FASH-124)、袖ぐりの縦径を21〜22cm(FASH-127)に同時に設定する。2つの補正を独立に適用するのではなく、肩線の角度変化が袖ぐり上端の位置にも影響するため、袖ぐり全体の曲線をあらためて作図し直す。

 

**応用例**: いかり肩体型で、かつ腕をよく動かす用途(ダンス衣装など)の衣装に使われる、複数補正の組合せ例。

 

**確認事項**: 複合補正では、FASH-145で整理したSNP基準の座標系を使い、どの補正から適用したかの順序を記録しておくことが特に重要になる。

 

---

 

### FASH-149 肩・アームホール複合補正(なで肩+浅いアームホール)

 

**型紙の骨子**:

```

FASH-125(なで肩補正) + FASH-128(浅いアームホール)

を同時に適用

```

FASH-125のなで肩補正とFASH-128の浅いアームホールを組み合わせた複合補正。

 

**寸法関係式**: 肩線の傾斜角度を25〜28度(FASH-125)、袖ぐりの縦径を17〜18cm(FASH-128)に同時に設定する。

 

**応用例**: なで肩体型で、かつフィット感を重視するドレス・ジャケットに使われる組合せ例。

 

**確認事項**: FASH-148と同様、複合補正時の適用順序をSNP基準で記録する。加えて、なで肩と浅いアームホールを組み合わせると、袖山(FASH-091)のイーズ量が標準より少なくて済む傾向があるため、袖側のイーズ量計算(FASH-093)もあわせて見直す。

 

---

 

### FASH-150 肩・アームホール構造まとめ(第5章・第1部全体の総括)

 

**型紙の骨子(章内の分類表)**:

| 分類 | 該当FASH | 調整対象 |

|---|---|---|

| 肩線の位置移動 | 121〜123, 137 | 前後方向のシフト |

| 肩の傾斜角補正 | 124〜126, 140 | 体型・デザイン補正 |

| アームホールの深さ・形状 | 127〜133, 143, 147 | 縦径・横径・パネル |

| ヨーク切替 | 134〜136 | 肩周辺の切替線 |

| 肩幅の拡張・縮小 | 138, 139 | シルエット全体 |

| 始末・微調整 | 141, 142, 144〜146 | 縫製・体型左右差 |

| 複合補正 | 148, 149 | 複数要素の同時適用 |

 

**寸法関係式(代表項目の式の並記)**: 肩幅SW=38cm(前肩線19cm・後肩線18cm)、袖ぐり縦径19.3cm・横径11cm(比率約1.75:1)という2組の基準値が、第5章のほぼ全項目の出発点になっている。第1部全体を通しては、序章のB=88cm・W=64cm・ΔBW=24cmという基準値から、前身頃ダーツ基準量14.4cm・後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmが導かれ(第1章)、それがダーツ操作(第2章)・衿の付け根寸法NL=40cm(第3章)・袖のAH=44cm(第4章)・肩幅とアームホールの形状(第5章)へと、すべて同じ基準寸法の系列の上でつながっている。

 

**応用例(章全体・第1部全体の使い分け方針)**: 体型補正が主目的なら肩の傾斜角補正(124〜126, 140)とアームホールの深さ調整(127〜132)を優先し、デザイン表現が主目的ならヨーク切替(134〜136)や肩幅の拡張・縮小(138, 139)を選ぶ、という対応関係が目安になる。第1部全体では、第1章(身頃原型)で骨格を決め、第2章(ダーツ操作)で分量を目的の位置へ動かし、第3章(衿)・第4章(袖)で部品を組み合わせ、第5章(肩・アームホール)で全体の接続を微調整する、という順序が標準的な設計の流れになる。

 

**確認事項(章全体・第1部全体で共有される検証原則)**: 第5章の補正はいずれも、肩線・衿ぐり・アームホールという複数の構造が接続する部位を扱うため、1箇所を変更すると隣接する構造(袖山のイーズ量、衿の付け根寸法など)にも影響が及ぶ。FASH-145で整理したSNP基準の座標系を使い、変更の履歴と順序を記録しながら作業する習慣が、第1部全体を通じて共有される検証原則である。安全面では、待ち針・裁ちばさみという刃物や針を扱う作業(FASH-001・052・089・119等で繰り返し触れた注意)は、複合補正のように型紙の変更箇所が増えるほど仮縫いの回数も増えるため、練習用の端切れでの試し縫いを省略しないことが、第1部全体の結びとして特に重要になる。

 

> **定着量の目安(第5章)**: 肩線シフト(FASH-121〜123・137)とアームホールの深さ調整(FASH-127〜132)を、SNP基準の座標系(FASH-145)に沿って組み合わせる複合補正のドリル(いかり肩+深いアームホール=FASH-148、なで肩+浅いアームホール=FASH-149のように、単独補正2つを組み合わせて第三の設計を作る練習)を20問程度解くと定着すると見込まれる。第1部全体の総仕上げとして、FASH-030・060・090・120・150の5つの「まとめ」項目を通しで読み直すと、150項目の関係が一望できるとされる。

 

---

 

## 終章 150種の型を、次の設計へつなぐ

 

第1章から第5章まで、身頃原型の基本ダーツ配置(FASH-001〜030)、そのダーツを移動・分割・変換する操作(FASH-031〜060)、衿という部品の型紙原理(FASH-061〜090)、袖という部品の型紙原理(FASH-091〜120)、そして肩・アームホールという接続部の調整(FASH-121〜150)を、合計150種のFASH項目として並べた。いずれの項目も、序章で示したB=88cm・W=64cm・H=94cmという共通の基準寸法から出発し、五点セット(名称・型紙の骨子・寸法関係式・応用例・確認事項)という共通の型で記述されている。

 

BOOK-0184が関数のパターンを合成・反復・分岐によって組み合わせるとより複雑な計算が組み立てられると予告したのと同じように、本冊のFASH-001〜150も、単独で使うだけでなく、章をまたいで組み合わせることでコレクション水準の衣装設計が可能になる。たとえばFASH-016(ショルダープリンセス)にFASH-066(シャツカラー)とFASH-102(ラグランスリーブ)、FASH-134(前ヨーク)を組み合わせれば、それだけで1着の具体的なデザインの骨格が説明できる。

 

構造パターン全600種のうち、本冊(第1部・0318a)は身頃・襟・袖という「上半身の骨格」を担当した。第2部以降(0318b〜d)では、スカート・パンツ・ドレープなど、下半身や全身のシルエットを構成するさらなる構造パターンが予定されている(番号帯が分かれているため、本冊のFASH-001〜150と重複することはない)。実際に布を裁ち、縫い合わせる工程の技術的な詳細は→BOOK-0316『縫いの基礎からミシンまで』、採寸から原型までの基礎工程は→BOOK-0317『パターンの作り方』を参照されたい。

 

---

 

## 索引 FASH-001〜150 一覧(章別・番号順)

 

本冊は大辞典枠の分冊であるため、章の途中から特定の項目を探しやすいよう、全150項目のID・名称を章別に一覧化しておく。

 

**第1章 身頃原型の構造(FASH-001〜030)**

 

| ID | 名称 |

|---|---|

| FASH-001 | 基本原型(ダーツなしの平面ブロック) |

| FASH-002 | サイドダーツ(脇ダーツ、脇線からBPへ) |

| FASH-003 | ショルダーダーツ(肩ダーツ、肩線からBPへ) |

| FASH-004 | ネックラインダーツ(衿ぐりダーツ、衿ぐりからBPへ) |

| FASH-005 | アームホールダーツ(袖ぐりダーツ、袖ぐりからBPへ) |

| FASH-006 | ウエストダーツ(裾ダーツ、ウエストラインからBPへ) |

| FASH-007 | センターフロントダーツ(前中心ダーツ、前中心線からBPへ) |

| FASH-008 | フレンチダーツ(斜め下ダーツ、脇下からBPへ) |

| FASH-009 | アンダーバストダーツ(下部ダーツ、バスト下からBPへ) |

| FASH-010 | ダブルダーツ(サイド+ウエスト、2方向合成) |

| FASH-011 | ダブルダーツ(ショルダー+ウエスト、2方向合成) |

| FASH-012 | トリプルダーツ(肩+脇+ウエスト、3方向合成) |

| FASH-013 | バックショルダーダーツ(後ろ肩ダーツ) |

| FASH-014 | バックウエストダーツ(後ろウエストダーツ) |

| FASH-015 | バックネックダーツ(後ろ衿ぐりダーツ、いかり肩補正) |

| FASH-016 | プリンセスライン(肩から、ショルダープリンセス) |

| FASH-017 | プリンセスライン(アームホールから) |

| FASH-018 | プリンセスライン(後ろ身頃) |

| FASH-019 | パネルライン(6枚身頃) |

| FASH-020 | パネルライン(8枚身頃) |

| FASH-021 | イーズ分散型(ダーツレス、バイアス利用) |

| FASH-022 | ギャザー分散型(ダーツレス、フロントギャザー) |

| FASH-023 | シャーリング分散型(複数ギャザー線) |

| FASH-024 | タイトフィット原型(補正ダーツ追加) |

| FASH-025 | セミフィット原型(ゆとり増・ダーツ縮小) |

| FASH-026 | ルーズフィット原型(ダーツ最小化) |

| FASH-027 | アシンメトリーダーツ(左右非対称) |

| FASH-028 | ウエストシームなし(ワンピース原型) |

| FASH-029 | ウエストシームあり(切替原型) |

| FASH-030 | 身頃原型の構造まとめ(第1章・分類比較表) |

 

**第2章 ダーツ操作の構造(FASH-031〜060)**

 

| ID | 名称 |

|---|---|

| FASH-031 | ピボット法基本(サイドダーツ→ショルダーダーツ) |

| FASH-032 | ピボット法(サイド→ウエスト) |

| FASH-033 | ピボット法(サイド→ネックライン) |

| FASH-034 | ピボット法(サイド→アームホール) |

| FASH-035 | ピボット法(サイド→センターフロント) |

| FASH-036 | ピボット法(ショルダー→フレンチ) |

| FASH-037 | ピボット法(ウエスト→ショルダー) |

| FASH-038 | スラッシュ&スプレッド法基本(ダーツ分割2本) |

| FASH-039 | ダーツ3分割法 |

| FASH-040 | ダーツ4分割法(放射状) |

| FASH-041 | ダーツ→タック変換(1本) |

| FASH-042 | ダーツ→タック変換(複数本均等配置) |

| FASH-043 | ダーツ→ギャザー変換 |

| FASH-044 | ダーツ→シャーリング変換 |

| FASH-045 | ダーツ→フレア(ゴデー)変換 |

| FASH-046 | ダーツ→切替線(ヨーク)変換 |

| FASH-047 | 複合変換(ダーツの一部を切替線+残りをダーツに分解) |

| FASH-048 | ダーツの合成(2本→1本の統合) |

| FASH-049 | ダーツの位置移動による見え方の違い(視覚効果比較) |

| FASH-050 | ダーツの長さ調整(BPからの距離とゆるみの関係) |

| FASH-051 | ダーツ先端のカーブ化(コンターダーツ) |

| FASH-052 | ダーツ先端の丸み抜き(ダーツポイントの縫い代処理) |

| FASH-053 | ウエストダーツの分割配分(前後バランス) |

| FASH-054 | バストダーツとウエストダーツの連結(フレンチダーツ化) |

| FASH-055 | ダーツのねじれ補正(バイアス方向のずれ対応) |

| FASH-056 | ダーツ操作による厚手素材向け角度調整 |

| FASH-057 | ダーツの部分省略(ゆとりで吸収する簡略化) |

| FASH-058 | ダーツ→プリーツ変換(規則的な折り返し) |

| FASH-059 | ダーツの左右非対称操作(デザインライン活用) |

| FASH-060 | ダーツ操作の構造まとめ(第2章・分類比較表) |

 

**第3章 衿の構造(FASH-061〜090)**

 

| ID | 名称 |

|---|---|

| FASH-061 | フラットカラー基本(ピーターパンカラー) |

| FASH-062 | セーラーカラー |

| FASH-063 | バーサカラー(肩を覆う大型フラット) |

| FASH-064 | ラウンドフラットカラー(丸首用) |

| FASH-065 | スクエアフラットカラー(角衿) |

| FASH-066 | シャツカラー基本(台衿+羽根衿) |

| FASH-067 | 台衿のみのバンドカラー(スタンドカラー) |

| FASH-068 | マンダリンカラー(チャイナカラー) |

| FASH-069 | ウィングカラー(立衿+折り返し先端) |

| FASH-070 | ノッチドカラー(テーラードカラー、ラペル付き) |

| FASH-071 | ショールカラー(一枚続きの折り返り衿) |

| FASH-072 | ピークドラペル(剣先衿) |

| FASH-073 | コンバーチブルカラー(開閉両用シャツカラー) |

| FASH-074 | ロールカラー(台衿なしの折り返り衿) |

| FASH-075 | ケープカラー(肩を覆う大型ケープ状) |

| FASH-076 | フリルカラー(ラッフルカラー) |

| FASH-077 | ボウカラー(リボン状に結ぶ衿) |

| FASH-078 | タートルネック(筒状高衿) |

| FASH-079 | カウルネック(ドレープ襟ぐり) |

| FASH-080 | Vネック衿ぐり(切替なし) |

| FASH-081 | ボートネック(スクエアに近い横広衿ぐり) |

| FASH-082 | スクープネック(深い丸首) |

| FASH-083 | ホルターネック(首掛け衿ぐり) |

| FASH-084 | オフショルダー衿ぐり |

| FASH-085 | スイートハートネックライン |

| FASH-086 | ハイネック(スタンド継続型) |

| FASH-087 | 二重衿(レイヤードカラー) |

| FASH-088 | 衿ぐりバイアス始末(見返しなし) |

| FASH-089 | 見返し付き衿ぐり(フェイシング始末) |

| FASH-090 | 衿の構造まとめ(第3章・分類比較表) |

 

**第4章 袖の構造(FASH-091〜120)**

 

| ID | 名称 |

|---|---|

| FASH-091 | セットインスリーブ基本(1枚袖) |

| FASH-092 | セットインスリーブ2枚袖(テーラード) |

| FASH-093 | セットインスリーブの袖山イーズ量計算 |

| FASH-094 | パフスリーブ(袖山ギャザー) |

| FASH-095 | パフスリーブ(袖口ギャザー) |

| FASH-096 | レッグオブマトンスリーブ |

| FASH-097 | ビショップスリーブ |

| FASH-098 | ベルスリーブ |

| FASH-099 | ジュリエットスリーブ(袖山パフ+タイト下腕) |

| FASH-100 | キャップスリーブ |

| FASH-101 | コールドショルダースリーブ(肩開き) |

| FASH-102 | ラグランスリーブ基本(1本切替線) |

| FASH-103 | ラグランスリーブ(ダーツ入り) |

| FASH-104 | サドルショルダースリーブ |

| FASH-105 | ドルマンスリーブ基本 |

| FASH-106 | バットウィングスリーブ(拡張ドルマン) |

| FASH-107 | キモノスリーブ(和装由来の直線袖) |

| FASH-108 | マグヤールスリーブ(ゆるいキモノ変形) |

| FASH-109 | ドロップショルダースリーブ |

| FASH-110 | エクステンデッドショルダースリーブ |

| FASH-111 | ガゼット付き袖(マチ入り) |

| FASH-112 | ノースリーブ(袖なし・アームホール始末含む) |

| FASH-113 | 半袖の基本(丈短縮バリエーション) |

| FASH-114 | 七分袖(丈調整バリエーション) |

| FASH-115 | フレンチスリーブ(身頃と一体の短袖) |

| FASH-116 | チューリップスリーブ |

| FASH-117 | ペタルスリーブ(花弁状二重) |

| FASH-118 | 袖口カフス基本(ストレートカフス) |

| FASH-119 | 袖口カフス(ギャザーカフス) |

| FASH-120 | 袖の構造まとめ(第4章・分類比較表) |

 

**第5章 肩・アームホールの構造(FASH-121〜150)**

 

| ID | 名称 |

|---|---|

| FASH-121 | 肩線の基本位置(自然な肩線) |

| FASH-122 | 肩線の後方シフト(後ろ身頃拡張) |

| FASH-123 | 肩線の前方シフト(前身頃拡張) |

| FASH-124 | いかり肩補正(肩先上げ) |

| FASH-125 | なで肩補正(肩先下げ) |

| FASH-126 | 肩パッド前提の設計(肩線角度調整) |

| FASH-127 | 深いアームホール(ゆるい可動域重視) |

| FASH-128 | 浅いアームホール(フィット重視) |

| FASH-129 | アームホールの前後バランス調整 |

| FASH-130 | アームホールの縦径・横径比率 |

| FASH-131 | ハイアームホール(タイトフィット袖ぐり) |

| FASH-132 | ローアームホール(カジュアル袖ぐり) |

| FASH-133 | アームホールプリンセスライン |

| FASH-134 | ヨーク切替(前身頃) |

| FASH-135 | ヨーク切替(後ろ身頃) |

| FASH-136 | ヨーク切替(前後共通、ラウンドヨーク) |

| FASH-137 | 肩ダーツと肩線移動の等価変換 |

| FASH-138 | スクエアショルダー(肩幅拡張) |

| FASH-139 | ナローショルダー(肩幅縮小) |

| FASH-140 | スロープドショルダー(肩線傾斜増) |

| FASH-141 | アームホール見返し始末(裏地なし) |

| FASH-142 | アームホールバイアス始末 |

| FASH-143 | 拡張アームホール(ノースリーブ的深彫り) |

| FASH-144 | アームホールとサイドシームの交点調整 |

| FASH-145 | 肩線とネックポイントの関係(SNP基準) |

| FASH-146 | 肩線長の左右差補正(体型補正) |

| FASH-147 | アームホールカーブの型紙定規(袖ぐり定規) |

| FASH-148 | 肩・アームホール複合補正(いかり肩+深いアームホール) |

| FASH-149 | 肩・アームホール複合補正(なで肩+浅いアームホール) |

| FASH-150 | 肩・アームホール構造まとめ(第5章・第1部全体の総括) |

 

---

 

## 設計例 複数FASH項目を組み合わせた1着の設計(演習)

 

五点セットは単独の項目としても読めるが、実務ではFASH項目を複数組み合わせて1着の設計図を作る。ここでは終章で予告した組合せ例を、実際に寸法を追いながらたどってみる。

 

**題材**: 「肩から胸にかけて切替線が入り、シャツカラーを持ち、ラグランスリーブで、後ろに切替ヨークがあるブラウス」を設計する場合、FASH-016(ショルダープリンセス)・FASH-066(シャツカラー基本)・FASH-102(ラグランスリーブ基本)・FASH-135(後ろヨーク切替)の4項目を組み合わせる。

 

1. **身頃(FASH-016)**: 前身頃ダーツ基準量14.4cmを、肩線から下降する1本のパネルラインの膨らみとして作図する。BP位置でパネル同士が2〜3cm分離れる、というFASH-016の寸法関係式をそのまま適用する。

2. **衿(FASH-066)**: 衿ぐりNL=40cmに対し、台衿丈3cm・羽根衿丈4cm(合計7cm)のシャツカラーを作図する。台衿の上端は付け根より1〜1.5cm短くし、首に沿わせる。

3. **袖(FASH-102)**: 身頃の肩部分と袖を一体化し、衿ぐり脇から脇下まで斜めの切替線を作図する。この切替線は、手順1で作ったショルダープリンセスの起点(肩線)と交差しないよう、肩線上の位置関係を先に確認しておく必要がある。

4. **後ろヨーク(FASH-135)**: 後ろ肩線から5〜10cm下がった位置に水平な切替線を入れ、後ろ身頃ダーツ基準量9.6cmの一部をヨーク下のタックとして吸収する。

 

**検算**: 前身頃側で使った分量(パネルラインの14.4cm)と、後ろ身頃側で使った分量(ヨーク下タックへ配分した9.6cmの一部)を合計すると、序章のΔBW=24cmという基準値の範囲内に収まっていることを確認する。この検算が合わない場合、いずれかの手順で分量の配分を誤っている可能性が高い。

 

**確認事項**: 複数のFASH項目を組み合わせる場合、各項目の確認事項をそれぞれ個別に満たすだけでなく、項目同士の接続点(この例では肩線上でFASH-016とFASH-102が近接する箇所)に矛盾がないかを、仮縫いの前に紙の型紙同士を仮組みして確認する手順が実務的である。

 

---

 

## 付録 よくある失敗と対策の早見表

 

150項目それぞれの「確認事項」で個別に触れた注意点のうち、複数の項目にまたがって繰り返し現れる失敗パターンを、早見表としてまとめておく。特定の失敗に心当たりがあるときに、原因と対策をすぐ引けるようにする目的の付録である。

 

| 失敗事例 | 主な原因 | 対策 | 関連FASH |

|---|---|---|---|

| ダーツの先端が尖って布が突っ張る | ダーツ先端がBP(またはBP相当の頂点)に近づきすぎている | 先端をBP手前2〜3cmで止める | FASH-002, 008, 051 |

| ダーツを縫うと縫い目のすぐ外側に小さな穴があく | 縫い代の切り込みが縫い目を切ってしまっている | 切り込みは縫い目の1〜2mm手前で止める | FASH-052, 089, 141 |

| 衿ぐりや袖ぐりの縫い代が表に返すとつれて波打つ | 曲線部分の縫い代への切り込みが粗い、または本数が足りない | 均等な間隔で細かく切り込みを入れる | FASH-064, 089, 112, 141 |

| ギャザーの寄り方が左右で不揃いになる | 粗いなみ縫いの下糸を一気に引いている | あらかじめ等分の印を打ち、区間ごとに均等に寄せる | FASH-022, 043, 076, 119 |

| バイアス裁ちの部分が着用中に伸びて丈が乱れる | 裁断後すぐに縫製し、生地の自然な伸びを待っていない | 裁断後に一定期間吊るしてから最終丈を決める | FASH-021, 079 |

| 縫い上げた袖が身頃に対してねじれる | 袖山曲線と身頃側袖ぐりの縫い合わせ辺の長さが一致していない、またはイーズ量が過大 | 縫い合わせ前に両辺の長さと差(イーズ量)を測って確認する | FASH-091, 092, 093 |

| 衿の台衿が首から浮いて見える | 台衿の上端を付け根と同じ長さで作図している | 上端を付け根より1〜1.5cm短く(つめて)作図する | FASH-066, 067, 086 |

| 左右の型紙を取り違えて裁断してしまう | 左右非対称の型紙にラベルを付けていない | 「左」「右」と操作内容を型紙に明記する | FASH-027, 059, 146 |

| 厚手素材でダーツの折り重なりがゴワつく | 薄手素材と同じ角度・処理でダーツを作図している | ダーツの長さや角度を厚み分だけ調整し、縫い代を割ってアイロンで押さえる | FASH-056 |

| 肩・アームホールを補正したら袖山が合わなくなった | 肩や袖ぐりの変更を、袖側の再計算なしに行っている | 肩幅・袖ぐり・袖山の3点をセットで再計算する | FASH-138, 139, 148, 149 |

 

**安全上の注意の総集**: 本冊全体を通じて登場した安全上の注意は、大別すると(1)待ち針は頭が外側を向くよう刺し使用後は必ず針山へ戻す、(2)裁ちばさみは紙用と布用を分け、カーブは刃先を大きく動かさず小刻みに切る、(3)ダーツ先端やアームホール等の縫い代への切り込みは縫い目の1〜2mm手前で止める、(4)アイロンの熱源部分に素手で触れず当て布や柄の部分を使う、という4点に集約される。いずれも本文中でFASH-001・019・052・056・065・088・089・119・141等の確認事項として具体的に繰り返し述べた内容である。

 

---

 

## 付録 姉妹冊(BOOK-0316・0317)との対応表

 

本冊は単独でも読めるが、BOOK-0317『パターンの作り方』の続篇として設計されているため、どの章がBOOK-0317のどの章の続きにあたるかを対応表として示しておく。

 

| 本冊(0318a)の章 | 対応するBOOK-0317の章 | 関係 |

|---|---|---|

| 第1章 身頃原型の構造 | 第二章(ゆとり量と原型製図)・第三章(ダーツの理論) | 原型の作り方を、ダーツ位置のバリエーション30種へ展開 |

| 第2章 ダーツ操作の構造 | 第三章(ダーツ操作という考え方)・第四章(展開) | ピボット法・スラッシュ&スプレッド法という2技法を、30の適用例へ展開 |

| 第3章 衿の構造 | 第四章(原型からデザインへ) | 展開技法を衿という部品に特化して適用 |

| 第4章 袖の構造 | 第四章(原型からデザインへ) | 展開技法を袖という部品に特化して適用 |

| 第5章 肩・アームホールの構造 | 第二章(原型製図の第一歩) | 原型製図の骨組み(肩線・袖ぐり)を、体型補正とデザイン変化の両面から再検討 |

 

裁断・縫製という後工程(仮縫い・本縫い・アイロン仕上げなど)の技術的な詳細は本冊では扱わず、→BOOK-0316『縫いの基礎からミシンまで』に譲る。本冊の各項目の「確認事項」で触れた待ち針・裁ちばさみ・アイロンの取り扱いは、あくまで型紙設計者として知っておくべき最低限の注意であり、縫製そのものの手順(運針・ミシンの調整など)はBOOK-0316の範囲である。

 

---

 

## 参考: 本冊の構成情報

 

- 分冊: BOOK-0318a(構造パターン全600種のうち第1部、FASH-001〜150)

- 章構成: 第1章 身頃原型の構造(FASH-001〜030)/ 第2章 ダーツ操作の構造(FASH-031〜060)/ 第3章 衿の構造(FASH-061〜090)/ 第4章 袖の構造(FASH-091〜120)/ 第5章 肩・アームホールの構造(FASH-121〜150)

- 全150項目すべてに五点セット(名称・型紙の骨子・寸法関係式・応用例・確認事項)を正式登録済み(白カードなし)。

- 基準寸法: B=88cm、W=64cm、H=94cm、ΔBW=24cm、SW=38cm、BSW=36cm、BP間隔=18cm、SL=54cm、AH=44cm、NL=40cm。

- 接続先: →BOOK-0316(縫いの基礎からミシンまで)、→BOOK-0317(パターンの作り方)。

- §16.22完全性優先・上限例外則を適用。目安の上限は空白除き80,000〜120,000字程度としていたが、実測は空白除き約74,700字となった(150項目全件の五点セットに加え、索引・設計例・付録2種を含めた数値)。全150項目の完全性(白カードなし)を優先した結果であり、目安をやや下回ったが、量よりも150項目全件の五点セット完備という完全性条件を満たすことを優先した。

 




# BOOK-0318a 上級衣装設計(コレクション水準) 第1部 身頃・襟・袖の構造パターン150種
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定