なので、ここで物語は完結しています。
時系列が飛びすぎて戸惑われる方もいらっしゃるかもしれませんけど
優先順位を決めた上でpixivの小説データを移行している関係でこうなっています。
なお、本当はゴーカイジャーがファミーユ星へ乗り込み、現地を支配するザンギャック帝国軍と戦うストーリーもありますけど
そちらについては投稿するかどうかは未定です。
バクート海賊団との戦いも終わり、久しぶりに懐かしの『喫茶サファリ」でカレーを食べているゴーカイジャーの六人。
特にマーベラスは久しぶりのこの店のカレーの味を堪能していたところだったのだが…
「で、マーベラスさん、これからどうするつもりなんですか、」
という鎧の言葉を聞いて、現実に引き戻され、不機嫌な表情となる。
無理もない。
かつてゴーカイジャーの六人がその船内で日々を送っていたゴーカイ・ガレオン。
ここにいる六人の誰にとっても、そこでの様々な出来事は、もう記憶の中に刻み込まれていることであり、それを失ったことの喪失感は並大抵のものではない。
ゴーカイ・ガレオンは、あのバクート海賊団によって沈められてしまい、もう、再び宇宙の大海原を駆け巡ることも叶わないのだろうか…
「ふんっ、どうするも、こうするもねえよ!」
マーベラスは、やや、ムスッとしながら鎧に向かって答える。
「壊れたものは、また造り直せばいい!、それだけの話だろ。ゴーカイ・ガレオンは、俺が頑張って、もう一度、宇宙の大海原を駆けることが出来るようにする!」
そう強気に言いながらも、内心の苛立ちを隠せずにいるマーベラスに、ルカが微笑みながら声をかけた。
「ねえ、マーベラス、ダメもとで言うけどさ」
「なんだよ、ルカ!!」
不機嫌さを隠そうともしないマーベラスの強い口調にも、ルカは全く動揺する様子を見せないまま
「この際、いい機会だから私の船に来たら?、歓迎するわよ」
何やら嬉しそうにいうルカに対して、マーベラスはムスッとしながら
「お前が船長の船にか?、いやだ、断る!」
と答える。
「やっぱりねえ、いうと思ったわ」
想像通りのマーベラスの返事に、ルカはクスクス笑うと
本当にマーベラスは、最初に会ったときから変わんないんだから…
そう内心で呟く。
が、そうしたマーベラスとルカのやり取りに、鎧は思わず目を白黒させると
「あの…、、マーベラスさん、ルカさんが船長の船って、あの?、それって?」
と、驚きを隠せないまま、マーベラスとルカの顔を、それぞれ交互に見つめながら、困惑を隠せない表情で、目の前の二人に向かって問いかける。
そんな鎧の様子を見ながらルカは愉快そうに笑う。
「あははっ、そうか。鎧は、あん時いなかったのね。私、マーベラスをあいつらに差し出した時、ちゃんと、あいつらと丹羽野君の前で『孤高の女海賊ルカ・ミルフィ』って名乗ったんだけどね」
そんなルカの台詞に、早速マーベラスが突っ込みを入れる。
「何が『孤高の女海賊』だよ!、なあ、ハカセ」
名前を出されたハカセは思わず頭をかくと
「ルカは船長で『孤高の女海賊』、僕はその船のメカニック、メンテナンスその他の担当」
と、答えたのだが
「だから乗組員がもう一人いる時点で『孤高の』じゃねえだろ、と言ってんだよ!」
と、あくまでもこだわるマーベラス。
話についていけない鎧は、ただ、目を白黒させるばかり。
そこへルカがハカセをぐいっと引き寄せると
「じゃあーん!、私たち結婚したのよ!」
と、鎧に向かって宣言する。
そんなルカに強引に引き寄せられたハカセは思わず照れ笑いする。
「えっ!、えっ!、えええええっっ!!!」
鎧にとっては、まさに青天の霹靂。
驚くというレペルの話じゃなかった。
そして、あらためて
自分がゴーカイジャーを離れて地球に戻っている間にも
皆にはそれぞれ、いろんな出来事があったんだな…
とあらためて思う。
「で、二人とも結婚を機に独立して海賊やりたいって言ったんで、俺はオッケーした」
とマーベラス。
「早速、船だって中古だけど、ちゃんと買ったのよ。もうローンの支払いが大変!、大変!」
と、ルカがぼやく。
「船の型式は、どっちかと言うとフリー・ジョーカーに近いかな?」
と、これはハカセ。
「バスコが買ったのと同じメーカー品のものよ」
とルカが補足する。
ようやく事情を理解した鎧がしみじみと言った。
「じゃあ、ルカさんたちはその船で地球まで来たんですね!」
「そうよ」
とルカ。
「鎧、大体さあ、ゴーカイ・ガレオンが沈められてしまってるのに、どうやって私たち地球まで来たと思ってたの?」
それもそうか、と鎧は思いつつ
「それでマーベラスさん、あのバクート海賊団の連中に急襲されたとき、ゴーカイ・ガレオンの中で一人だったんですね…」
と、あらためてマーベラスに問いかける。
「一人じゃねえぞ。鳥はちゃんといたからな!」
とマーベラス。
マーベラスのいう『鳥』というのは、いうまでもなくナビィのことであるが、この『喫茶サファリ』にはその姿は見えない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まあ、こいつは一人にしておくと危なっかしい奴だから、本当は側にいてやりたいんだがな」
とジョーがマーベラスをチラリと見ながらいう。
「うっせえ、俺は元々一人でやってたんだ!、元に戻っただけだろ」
ジョーの言葉にカチンときたのか、マーベラスが食って掛かる。
「前はよくそんな感じで殴りあったりもしたな…」
ジョーが懐かしそうにいうと
「なあマーベラス、ここは意地を張らずにゴーカイ・ガレオンの事は俺たちに任せてくれないか?」
と、あらためてマーベラスに向かって提案する。
「そうですよ、マーベラスさん」
ここでアイムがジョーに加勢する。
「いくらなんでもゴーカイ・ガレオンを新たに造り直すというのは、マーベラスさんといえども個人の力では無理です。ここは私たちの方で…」
だがマーベラスは、そんなアイムに向かって
「ファミーユ王国の施しを受けろってか?」
と不機嫌そうに言う。
「施しなんて、そんな」
アイムはマーベラスの返事に困惑しながらも
「マーベラスさんは、
と、現在の再建なったファミーユ王国の女王アイム・ド・ファミーユは毅然として答える。
アイムもしばらく見ないうちに、随分と王様らしく貫禄がついてきたな…
心ひそかに嬉しく思いながらもマーベラスはそう呟いた。
ザンギャック帝国はゴーカイジャーによって敗死させられたアクドス・ギル皇帝の跡目を継いだ、その甥であるバッカス・ギルにより一時的に勢いを盛り返したものの
結局、そのバッカス・ギル率いる新ザンギャック帝国も、最終的にはゴーカイジャーと、地球で新たに結成された新戦隊ゴー・バスターズの連合軍に敗れて滅亡し
ファミーユ王国は晴れて独立を取り戻すことが出来たのだ。
その後、若干の紆余曲折はあったのだが
最終的にアイムはファミーユ王国の女王位につき
そしてゴーカイジャーの一員だった当時、アイムの剣の師匠であり、大切な仲間であったジョー・ギブケンと正式に結婚した。
それを機に、鎧も地球に戻ることになる。
マーベラスが『ゴーカイジャーの解散』を決めたのも、それがきっかけだった。
その後、少しの間はゴーカイ・ガレオンに残っていたルカとハカセも、まもなく、すぐに独立を決意することになる。
そして
新たな海賊としてゴーカイ・ガレオンから出ていくルカとハカセを見送るマーベラスは
「もしかしたら今後、新たな仲間も出来るかも知れないしな。いずれにしても俺は、このアカレッドから引き継いだゴーカイ・ガレオンに鳥と一緒に最後まで残る。気が向いたら遊びに来い!」
そう言って二人を送り出したのだ。
その最後までナビィと一緒に残るはずだったゴーカイ・ガレオンを、あいつら、バクート海賊団に沈められちまった…
「マーベラス!」
ジョーがあらためて言う。
「借りだと思わなくていい。
ファミーユ星の生まれではなく、かつて、そのファミーユ王国を滅ぼしたザンギャック帝国の元軍人、ジョー・ギブケンはそのように言った。
そして、そのファミーユ王国の生まれながらの王族であり、現在の女王であるアイム・ド・ファミーユも
「私たちが今あるのは、みんなマーベラスさんがいたからこそです。こんな時だからこそ、私たちは大切なマーベラスさんに力を貸したいんです」
と、言い切った。
「そうか…」
マーベラスは憮然としたように、しばらく沈黙していたが
「よし、ゴーカイ・カンパニーの俺が持っている権利は全部、ファミーユの王室に譲渡する。それで足りない分は、俺がローンで払う!、それでどうだ!」
と、ジョーとアイムに向かって返事をする。
ゴーカイ・カンパニー、それは
ファミーユ星の鉱山などを経営する企業であり、ファミーユ王国再建に貢献した謝礼としてゴーカイジャー全体が
ファミーユ王国から譲り受けたものである。
マーベラスは、その六分の一の権利を保有していた。
「この意地っ張りが!」
思わずジョーは笑うと
「いいさ。俺たちファミーユ王国の者たちで、ゴーカイ・ガレオン再建をやらせれくれるなら、とりあえずは、それで十分だ!」
とマーベラスに向かって答えた。
「準備は直ぐに進めます」
と、これはアイム。
ここで鎧が
「ところで新しいゴーカイ・ガレオンが完成するまでの間、マーベラスさんはどうするんですか?」
と見も蓋もない事を言う。
が、マーベラスはあっさりと
「ああ、その間は、この地球でゆっくりさせてもらう。鎧、その間はよろしく頼むぞ!」
と鎧に向かって事もなげにいう。
「えええええっっ!!!」
鎧は驚くと、これから先、マーベラスが地球に滞在する間、自分はどうすればいいんだろう?
と、あらためて考えてしまった。
そんなマーベラスと鎧の様子を見ながら
ジョーとアイム
ルカとハカセは
それぞれクスクス笑いをする。