俺の名前は多田野名斗《ただのめいと》
普通の勉強が嫌で進学はせず就職した普通の社会人、そこそこの企業に勤めて平和に暮らしている、
(今日は俺にとって特別な日、そう!人生初めてのメイド喫茶に行く日なのだ!何やら一見さん割引イベント中だそうだ、楽しみだぜ〜!)
瞬間ドスンと背中に鈍い衝撃がくる、と同時に女性の悲鳴が街に響く
なに…刺された?通り魔か?すごく痛い…
確認しました、刺突耐性を獲得、続けて物理体制を獲得しました
近くで悲鳴がする、もう1人刺されたのか、可哀想に…こんなに死に方…あんまりだろ…まだ…メイドさんに会ってないのに…
確認しました、要望の種族に変更します、成功しました、
血が止まらない…傷口が暑いのに体が寒い…
確認しました、耐熱耐性並びに耐寒耐性を獲得、成功しました
耐熱耐性、耐寒耐性を獲得したことにより、熱変動耐性にスキルが変化しました
そういえば、部屋散らかしたままだな…大家さんに殺される…いや、もう死にそうなんだけどもね…
確認しました、ユニークスキル清掃者を獲得、成功しました
まずい…もう、意識が、いや…だ…
【封印の洞窟】
静かで暗い洞窟の中で目を覚ます、
「ここは…どこだ?確か、背中を刺されたはず、」
体をぺたぺたと触り確認する
「傷がない?でも体が変だぞ、それなんか…胸がぷにぷにする、まさか!?無い!?俺のムスコが!?なんで!?」
焦りながらも周囲を見渡すと、近くに池を見つける、そばに駆け込み水面を覗き込むと、困り顔でこちらを見つめる銀髪の美少女が目に映る
「これ自分か!?なにごと!?なんでメイド服着てるの俺!?」
鈴のように可愛げのある声で叫ぶ、突然水面が揺れ、何かが飛び出してくる
「なにあれ?スライム??ふぁんたじーなの?まじでなんなの???」
スライムがなにかに跳ね返る、とにかく追いかけよう、そう思い近ずくと、キラキラと美しく光るものを見つける、その中にいる巨大で黒いドラゴンがどこか嬉しそうにスライムに話しかける
(やっべ〜!ドラゴンまでいるのか!あのスライム死んだな、可哀想に、隠れて様子を見るか)
岩陰に隠れ聞き耳を立てる何やらドラゴンはスライムに話しかけている様だが、ぷるぷると震えるばかりで、会話はできそうにない、
「もう!うっさい!ハゲ!」
喋れないかに思えたスライムが突然罵倒を浴びせる
「ほほう、我をハゲ呼ばわりするか、いい度胸ではないか、」
ドラゴンが雄叫びをあげると、洞窟全体が揺れ壁の一部が崩れる
「久方ぶりの客人だと思って下手に出てやったが…いいだろう!どうやら死にたいようだな!」
「すみません!すみません!自分口もなく目もない状態でして!」
スライムが必死に弁明する
「我の姿を見ての発言かと思ったが、目が見えていないのか、よし、見えるよにしてやろう、ただし条件があるがな、どうする?」
「どんな条件ですか?」
「簡単だ、見えるようになったからといって、我に怯えるな、そしてまた話をしに来い、それだけだお前にとってはいい話だろう?」
「それだけでいいんですか?」
「うむ、実はな、300年前にここに封印されてな、それから暇で暇でどうしようもなく退屈しておったのだ」
「封印ってのが気になりますけど、わかりました、喜んで!」
(なんだよ封印って、絶対にやばいやつだよあのドラゴン、スライムに気を取られている好きに逃げるか)
姿勢を低く岩陰をぬうようにその場から離れようとする、が突然スライムが叫び声に気をられ転けてしまう
「何者だ!出てこい!」
黒いドラゴン、ヴェルドラが叫びこちらを見つめてくる
(しまったー!バレた〜!!!)
「どうした!早く出てこい!さもないと…」
「わー!まって!まって!食べないで!殺さないで〜!」
慌てて岩陰から飛び出し命乞いをする
「食べもせぬし、殺しもせん!ふむ、お主人間?いや、奉仕種族か、しかしなぜここに?」
「メイドさん?なんでこんなのとろに?」
「いや〜自分でも分かんなくて、気づいたらここに」
「ほう、実に珍しい、スライムは本来思考すらせん低級モンスター、奉仕種族も自然には発生しないはず…ユニークか?」
「「ユニークといいますと?」」
2人の声が重なる
「異常な能力を持つ個体のことだ」
「ちょっとよくわかんないです、自分…人間だったんですけど刺されて死んで、気がついたらこんな姿になってて」
「あんたもか!?俺も刺されて…目が覚めたら此処にこんな姿でいたんですよ…性別も女じゃなくて男だったのに…」
「なるほどお主ら転生者…男!?」
「男だったの!?」
「コホン、お主ら稀な生まれ方をしたな」
「まれ?」
「異世界から渡ってくる者はたまに居るが転生者など、我が知る限り初めてだ、魂だけで世界を渡ると普通は耐えれないからな」
「つまり転生じゃなくて異世界からこっちの世界に渡ってくる人はいるんですね?」
「うむ、異世界人と呼ばれている、そういう者たちは、世界を渡る際に特殊な能力を獲得するらしい」
「なるほど俺のスキルもそれか」
「スライムさんも持ってるですか!?じゃあ俺にも!?」
目を輝かせながら両者を見つめる
「多分お主にもあるぞ、使ってみるといい」
「どうやって使うんです?」
「念じて見ればいいんじゃないか?」
「なるほど、では早速ユニークスキル発動!!」
頭の中に声が響く
ユニークスキル清掃者を発動します
能力を発動した瞬間周囲の瓦礫や塵がきえ、崩落した壁が修復される
「これが俺のユニークスキル清掃者!…えっ?これだけ?まじ?」
「しょぼい能力だな」
「可哀想に…」
その場に膝を着き項垂れる
「嘘だろ〜!冗談じゃない!こんな能力でどうやった生き延びれ…ば…」
急に体から力が抜けその場に倒れる
「大丈夫か!?どうした急に!?」
心配そうにスライムが近ずき、ヴェルドラが覗き込むように見つめる
「ふーむ、なるほど、こやつは奉仕種族だからな誰かと主従契約を結ばねば魔素を補充できないのか」
「たふけて…」
「我は封印されているからな、おいスライムよ契約してやれ!」
「でもどうやって?」
告、互いに主従の関係を明確に宣言すれば契約出来ます
「わかった!おい!俺のめ、メイドさんになれ!」
(声に出すと恥ずかしいなこれ…)
「わかったぁ」
名斗の体が光力がみなぎってくる
「ふっかーつ!!力が溢れるぜ!」
立ち上がりその場で体を伸ばす
「回復したようだな、よしお主ら!我の話し相手になれ!」
「え〜話って言っても…あっ、そうださっきヴェルドラさん、封印されたとか言ってましたよね」
「よくぞ聞いてくれた!300年前のことだ、ちょっとうっかり街を1つ、灰にしちゃってな」
(しちゃったなって…)
(完全に邪龍じゃねーか!!)
「そんな我を討伐に来たものがいた、ちょびっと相手を舐めてたのは間違いない、それでも途中から本気を出したのだがな…負けてしまったな!」
「ヴェルドラさんすごく強そうなのに負けちゃったんですね、お相手はそんなに強かったんですか?」
「ああ、強かったよ、“加護”を受けた人間の“勇者”と呼ばれる存在だ」
「人間の勇者、まるでゲームみたいだな」
「ユニークスキル絶対切断で我を圧倒!そして、無限牢獄で我を封印したのだ」
「その光ってるのが無限牢獄なの?まじかっこいいいじゃん、羨ましい」
「我を封印する程の力だからな!かっこいいのも当然だ!その者は自らを召喚者と言っておったな」
「召喚者…異世界人とは違うのですか?」
「30人間程の魔法使いで何日も儀式を行い、異世界から呼び出すのだ」
「おお!魔法使いがいる世界なのか!ますますゲームぽい!」
「夢があるな〜!魔法もかっこいいんだろうなぁ」
「強力な兵器としての役割も期待されておる、」
「兵器?」
「召喚主のな、召喚者は召喚主に逆らえぬように魔法で魂に呪いを刻まれる」
「なんじゃそりゃ!酷い話ですね!」
「酷いか…お前とそこの奉仕種族との主従契約も似たようなものだぞ」
「え!?俺こんなぷにぷにさんの奴隷なの!?」
「実質そうだな、元の世界ではどうだったか知らんが、この世界は弱肉強食こそが絶対なる真理だ」
「そっか、俺はそんな酷事しないからな!安心してくれ!」
「ならいいんだけど…で、その勇者に封印されてからずっと、ここにいるの?」
「そういうことだ、もう、暇で暇で」
「俺は 、37年恋人がいないだけで結構寂しかったぞ、300年ひとりきりって、どれだけ…」
「37年も…?まぁ22年間恋人がいなかった俺も人の事言えないかぁ…」
「よっし!じゃあ俺たち友達にならないか!」
「なんだと!?スライムの分際でこの暴風竜と恐れられるこの我と友達だと!?」
「随分急やね」
「いっ、嫌ならいいんだけど…」
「ば…バカ!誰も嫌だとは言っておらぬだろ!なぁ、小娘!」
「小娘いうな!まぁ、俺も別に嫌じゃないよ、スライムさんとは同郷みたいだし」
「えっそう?じゃあどうする??」
「そうだなどうしてもと、いうなら考えてやってもいいんだからね!」
(ツンデレか!)
「俺はいいよこの世界だとぼっちだし…元の世界でもか…」
「うん!どうしてもだ!決定な!嫌なら絶交、二度と来ない!」
「そこまで言わなくてもいいじゃんね」
「し…仕方ないな、お前たちの友達になってやるわ、感謝せよ!」
「素直じゃないねぇ、じゃあよろしく!」
「あ…ああ」
「よろしく〜!」
3人が重ねるように手を合わせる
(爪でっか、硬いしゴツゴツしてる…スライムさんはすごいぷにぷにしてて触り心地いいね)
こうして俺たちは通り魔に刺されて死んで方やスライム、方やメイドさんに転生し、暴風竜ヴェルドラと親友になった、普通の人生ではもうない、これからは世界かわいい(自称)パーフェクトメイドさん(自惚れ)として生きて行くのだ!
「田村、ハードディスク消去してくれたかなぁ、あいつ中身みてないだろうな?」
「なに?えっちなやつ?えっちなやつなの?」
「うるせ!!」
多田野名斗
種族、奉仕種族
スキル
熱変動耐性
刺突耐性
物理耐性
ユニークスキル
清掃者、周囲の汚れを消し建物や物品の傷を修復できる