厄災カリュブディスが目覚め、中央都市リムルに向かってくる、目的はおそらくリムル…?らしい
カリュブディスに対するこちらの戦力は、ベニマル達、ゴブタらゴブリンライダー、ゲルド率いるハイオーク達、ガビルとその部下、そしてガゼル王からの助太刀、騎士団長ドルフ率いるペガサスナイツ100騎
「さて、やるか!」
リムルの一声で一斉に配置に着く、俺は後方でリムルと待機、すぐ横にミリム様がいるからその相手だ
一番槍をベニマルが決める、黒い炎に包まれたメガロドンが地に落ちるが、あれほどの火力を喰らいながら消し炭にならず違和感を感じた
「カリュブディスのスキルか?」
告、エクストラスキル魔力妨害で半径300mの範囲内は魔素の動きが乱され、魔法の効果が低下します
「面倒な相手だ…予定通り分散させて各個撃破だ!」
それぞれが役割を全うし、メガロドンを撃破していく
「ハクロウの采配、見事なもんだ」
「若返って鬼教官ぶりに磨きがかかったからなぁ」
ベニマルがそう呟くとミリムがひょこんと出てくる
「なぁ、私も一緒に遊びたい」
「なんでここにいるの?街で待ってろて言ったよね?」
「それは…そう!メルナがいいって言ったのだ!」
「え?ミリム様がリムルに許可を貰ったて…」
「ミリム〜?」
「こ…こら、メルナ!え〜とっ…見学ぐらいいいであろう!街に居たって暇なのだ!」
ふとカリュブディスの方を見ると今に飛び出したそうにウズウズとしだす
「だめ!」
そう話しているとソウエイがメガロドンを操り同士討ちをさせる
「もうなんでもありだな、あのイケメン」
「なぁ、ランガのやつ空飛んでね?いつの間に?」
「シオンさんを背中に乗せてるね、よくたっていられるな…」
瞬く間に2匹を瞬殺するとカリュブディスだけが残る、みなが集結し一斉に攻撃を仕掛けるが傷1つつかない
「ここは俺が出よう、新装備の出番だ!」
「新装備?何も変わってないように見えるけど」
「ああ、見た目は変えたくなかったからね、でもシュナの反物で作ったこの新品のメイド服とその下に纏った防具があれば俺は無敵だ!」
告、魔力妨害のスキルにより、個体名メルナ=テンペストへの魔素供給が困難になります
「だそうだぞ?」
「わっはっはっ!メルナも私と一緒にお留守番だな!」
「えぇ…」
突然カリュブディスの目が怪しく光る
「何か仕掛けてくるかもしれない、油断するなよ!」
カリュブディスの鱗が飛び、鳥のように襲いかかる
「まずいな、ちょっと行ってくる!」
リムルが飛び出すとリムルのスキル、“暴食者”で鱗を食い尽くす
「あの数の鱗をを一瞬で…」
リムルが空を飛びながら攻撃を仕掛、けるがあまり効いていないようだ、ベニマルの指示でみなが総攻撃を仕掛けるが、カリュブディスは落ちることなく、気がつけば日が傾きだしていた
「カリュブディスのダメージは3割ってとこか…総力戦で3割…まずいな」
負傷者が増えリムルに焦りが見えた頃、カリュブディスが突然、拙い言葉で喋る
「ミ…ミリム…メ」
「今ミリムって言ったよな?大賢者、解析鑑定」
解、カリュブディスの依代となった素体の生命反応を確認、その素材が強烈な怒りの感情を持っているもよう
「強烈な怒り?ミリムに?つまり、カリュブディスはミリムが居たから俺たちの街に向かってきたってことか?てっきり俺の中にヴェルドラがいるのを察知して…とか…深読みしすぎていたか…あれ?じゃあミリムに頼ってもいいんじゃね?」
ミリムの方を見るといつの間にか木の影で寝ていた
「ミリム!」
「おわっ!?寝てないのだ!起きていたのだ!」
「いや、どう見ても寝てたし」
「瞑想していただけだ、なっ!メルナ」
「寝てましたね」
「はぁ…あのな、こいつどうやらお前に用事があるみたいなんだけど」
「何!?むむっ!あいつはこの前したフォビオとやらを依代にしているようだな」
「あいつか…でな俺への客かと思っていたからお前に遠慮して貰ってたんだが…」
「もしかして!私が相手していいのか!」
嬉しそうにカリュブディスの方に飛んでいく、リムルと何やら話したあとミリムから無数の光が飛び出しカリュブディスを消滅させる
「えぇ…嘘でしょ…あっ!」
消滅したカリュブディスから排出されたフォビオを、地面に激突する前にキャッチする
「うぇ…なんか胸に肉の塊がついてる…キモ、リムルー!これ取れそう?」
「任せろ」
リムルがフォビオからカリュブディスの核を取り除いてる間に、トレイニーさんやほかの皆が集まって来る
告、個体名フォビオから個体名カリュブディスの魔核を分離、捕食しました、隔離して解析鑑定を開始します
ほっと一息つくと回復薬を雑にかけると、ドルフさんが声をかけてくる
「リムル殿」
「ドルフさん、助力を感謝する、おかげでカリュブディスを倒すことができた」
「いえ、カリュブディスを倒したのは我々ではなく…説明してもらえますでしょうか?」
ミリムの方を怪訝に見る
「いや…その…実はこの少女は魔王ミリムといって…ね?」
「ん?魔王……ハハハハ!リムル殿は冗談がお好きなようだ!あのような高出力の魔法兵器を所持していたのなら、最初にそうもうして欲しかったですぞ」
「冗談ではない!私は魔王なのだ!私がカリュブディスを殺ったのだ!」
「なるほど、兵器については秘密と…分かりますぞ奥の手は隠して奥にかぎりますからな」
なんか勝手に納得しだしたぞ…まぁ信じられないよな
「人類にとっても災禍と成りうるカリュブディスを始末できたのは僥倖でした、私も王への報告がありますれば、今回はこれにて失礼します」
ドフルさんとペガサスナイツ達が去っていくと、フォビオが目を覚ます、皆が警戒し武器を手に取る中、リムルが話しかける
「おい、目が覚めたか?」
「ここはどこだ…俺は…俺は一体…」
「自分が何をしたか覚えているか?」
一瞬思考を巡らすと何があったかを思い出し、その場で土下座をする
「すみませんでした!」
見事な土下座だ、私があの域に達したのは10代後半の頃…
「俺は、ミリム様にとんでもないことを…あなた方にも迷惑をかけてしまったのようで!」
「なぜカリュブディスの封印場所を知っていたのですが?」
トレイニーさんが問い詰め始める、大人の女性のガチ説教だ、こういうのが1番怖い…
「偶然見つけた…などとは言わせませんよ」
「あっ、はい、それは…」
フォビオがティアと、フットマンと名乗る仮面の道化に唆されたことを白状する、仮面か…どこかで聞いたような話だな
「こんな仮面でしたか?」
トレイニーさんが地面に笑顔の仮面の絵を描きフォビオに問いただす
「いや俺の目の前に現れたのは、涙目の仮面の少女と、怒った仮面の太った男だった」
仮面の絵を見たガビルが何かに気づいたようだ
「あの〜そのラプラス殿も、えっとラプラス殿はゲルミュッドの使いとして吾輩の前に現れた者なのですが、今トレイニー殿が仰った仮面を被って降りましたぞ」
「ほう?」
「それに、中庸道化連という何でも屋の副会長と名乗っておりましたな」
「点と点が繋がったな…フットマン、ラプラス、ティアか…」
「謎の何でも屋と中庸道化連か…協力する風を装い、自分の手を汚さず相手を利用して目的を果たす、厄介そうな相手だな」
「ミリム様は何かご存知で?」
「むむ?私は何も知らないのだ、むしろそのような面白いやつらがいるなら、会ってみたかったのだ、もしかすると、ゲルミュッドではなく、クレイマンのやつが何か企んでいたのかもしれないな、内緒で」
「クレイマンですか?確か魔王の…」
「ヤツはそういう企みが大好きなのだ」
「誰の企みに乗せられたといえど、今回の1件は俺の責任だ、魔王カリオン様は関係ない、だから、俺の命1つで許して欲しい!」
「次からはもっと用心して、騙されないようにしろよ」
「は?」
「もう動けるだろ?行っていいぞ」
「いや…俺は許されないだろ」
「別にお前の命はいらないって、なぁミリム」
「うむ!当然なのだ!軽く1発ぐらい殴ってやろうと思っていたが、私も大人になったものだな」
まぁ、何も知らないみたいだし、尋問も無意味か…待てよ?ここで許せば魔王カリオンへの貸しができるのでは?
「全然腹もたってないし、許してやるのだ!カリオンもそれでいいだろ?」
後ろから金髪の男、魔王カリオンが歩いてくる、魔王カリオン!!?なんで!?いつの間に!?
「フンッ、気付いていたのか、ミリム」
「当然なのだ」
「よう、そいつを殺さずに助けてくれたことは感謝するぜ」
部下の失敗に自ら足を運んで来る上司の鏡ことカリオンさんだね
「お前がゲルミュッドを殺った仮面の魔人なんだろ?」
「ああ、その通りだ、仕返しにでも来たのか?」
「いや…立て」
フォビオを立たせると、後頭部を掴み地面に叩きつける、おお、ダイナミック五体投地だ、すげぇ
「悪かったな、部下が暴走しちまったようだ、俺の監督不行き届きってことで許して欲しい」
「あ、ああ…」
「今回の件借りにしておく」
カリオンの借りってか
「何かあれば俺様を頼ってくれていい」
「それなら、俺たちの国との不可侵協定を結んでくれると嬉しいんだが」
「そんなことでいいのか?よかろう、魔王のいや…獣王国ユーラザニア獅子王カリオンの名にかけて貴様たちに刃を向けぬと誓ってやる」
カリオンがまだ顔から出血が止まらないフォビオを掴み肩に担ぐ
「ではまた会おうリムル!」
青い光に包まれ姿を消す
「させてと、終わったな、俺たちも帰ろう!」