東方牙焔録   作:こなぎゆめ

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どうも、健治です。
初投稿ですがよろしくお願いします。
まずはじめに、あらすじの注意事項をご覧になって下さい。


東方牙焔録
空からの白い少女


赤い髪、赤いワンピースの少女は自分の家に火を放つ。

住んでいた家が燃える。

その炎は隣の家その隣の家へと引火していく。

暗い夜の人里に赤い炎の光が生まれる。

この焔に怒りを込めて、赤い少女は燃える人里を見守った。

 

 

 

  ***

 

 

 

東風谷早苗は、人里へ信仰を集めに来ていた。

彼女はよくこの人里に守矢神社の信仰を集めに来ている。

しかし、

 

「はあ…なんで私にだけ信仰があつまらないんだろう………」

 

早苗はそうつぶやいた。

守矢神社には「守矢の三柱」と呼ばれる三人の神様が居る。

早苗をはじめ、諏訪子、神奈子。この三人なのだが、なぜか早苗には信仰が集まらず、他の二人には信仰が集まっている。

3年前、人里が燃えたときには、すごく信仰が集まったが、その信仰のほとんどは諏訪子や神奈子のものだった。

早苗に対する信仰力など数えられるほどだ。

よく「守矢の二柱」などと言われてしまう。皆さん私を忘れてます。

その瞬間、早苗の頭にブラック諏訪子の姿が浮かぶ。

 

(もしや…諏訪子様の計画通りなのでは…?)

 

そんな考えを早苗は捨てた。

そんな事を考えていると、そろそろ帰る時間だと気付く。

そうして、守矢神社への階段の前に差し掛かる。

守矢神社は山の上に在り、そこにいくまでの階段は長く、早苗も登るのはしんどい。

なので、ロープウエイを造る計画があるのだが、山の妖怪が反対している。

 

(早くできないかな…)

 

と考えていると、

ゴオオッ

と空から風を切る音が聞こえた。

 

(…何の音?)

 

早苗は空を見上げた。

そこには空から落下してくる、白い髪に白い服を着た少女が…

 

(…諏訪子様…空から女の子が…)

 

それを見て早苗は瞬時に詠唱を始める。

早苗は奇跡の神だが、奇跡を使うためにはそれなりの長さの詠唱が必要になる。

時間が無いので、加速程度の奇跡を使う。

白い少女の落下地点は、早苗の登ろうとしていた階段を下りて三十メートルほど先。

 

(間に合って!!)

 

早苗は走る。

スカートで走るのは走りずらいが、気にしてる場合では無い。

白い少女の落下地点に来た時、もう早苗の真上に白い少女はきていた。

 

「きゃっ!」

 

そんな声を出しながら、早苗は白い少女を受け止める。

早苗は体のバランスを崩し、白い少女の下敷きになってしまう。

しかし何とか少女を受け止めることができた。

少女は気絶しているようだ。

 

「…いったあ…」

 

少し体が痛いが、少女はあまり重くなかった。

そんな少女を見て、早苗は、

 

「どうしよう…この子…」

 

と呟いた。

結局、守矢神社に連れて行くことにした。

判断は諏訪子様に任せよう…と。

 

 

 

  ***

 

 

 

「…ん…………ん?」

 

誰かの布団の中で、白い少女は目を覚ました。

 

(ここどこです!?気を失ってたです!?少なくともこんな場所しらないですっ!!)

 

少女は慌てて布団から飛び出た。

白い服を着ていて、白い髪、白い目をした無表情な白い少女。

周りに人は居ない。

どこかの家の和室だろうか。少し広い空間に布団1枚が敷かれている。

誰かに見つかる前に逃げ出そう。そう考えた。

さて、この部屋の窓を開け…

 

「あ、起きた。」

 

誰かが部屋に入ってきて、即刻で見つかってしまった。

入ってきたのは緑の髪の巫女。東風谷早苗。

白い少女は早苗を見て身構えた。

 

「え…なんでそんなに戦う気マックス!?」

 

早苗は驚いた。

少女は、近寄ったら殴ると言わんばかりの体制で早苗の動きに注意している。

すると少女が、

 

「…人間…」

 

と、ぼそっと呟いた。

 

「…はい?」

 

「…人間…私、大嫌いです。失せろです。絶滅危惧種にでも指定されてろです。」

 

少女はそう言った。

しかし、どう見ても早苗には目の前の白い少女が人間にしか見えなかった。

早苗は思う。

何を言ってるのだ。と

そして、もう1つ感じた。

 

「うああ…私、人間に見えるんだ…。」

 

だからかっ!!だから信仰が集まらないのかっ!!と、早苗は心の中で叫んだ。

 

「……?違うのです?」

 

そう問う少女へ早苗は、涙目で言う。

 

「違う…私は奇跡の神。」

 

「……………。」

 

それでも、白い少女の早苗へ向ける敵意は変わらなかった。

今、少女の敵意をむき出しにした顔と早苗の情けない顔が睨めっこをしている。

そして数分後、早苗の後ろに諏訪子が現れた。

 

「…早苗?どうしたの?」

 

諏訪子は白い少女に気付いて、

 

「…ぷっ。」

 

なぜか笑った。

少女は少々不機嫌になったが、諏訪子に対して敵意を向けていなかった。

おそらく、信仰を多く持っているとオーラが違うのだろう。

諏訪子は少女に手招きをした。

少女が諏訪子の所に移動する。

諏訪子は何処からか紙を取り出し、少女に見せた。

すると少女は

 

「…マジです?」

 

と呟いて早苗の方を見た。

そして、

 

「…本当に奇跡の神だったですね。ごめんなさいです。あと、助けてくれて…ありがとう…です。」

 

と言った。

どうやら信じてくれたようで、少女の早苗に対する敵意も無くなっていた。

しかし、

 

(何を見せたの諏訪子様!?)

 

早苗は不安になった。

すると諏訪子は持っている紙を早苗に見せた。

 

「…新聞?」

 

射命丸がよく発行している…あれである。

この新聞は号外ばかりで買う必要が無い。

号外を配る時には「読まないとあなたに明日は無い」と言っているのが少々怖い。

まあそんな新聞だが、今回の一面を飾る記事は

 

<奇跡の神の下着を激写>

 

「…………………………。」

 

その一文が早苗の頭に沁みこむまでにわ少々時間がかかった。

早苗が少女を助けようと走ったあの時、射命丸に後ろから撮られたのだろう。

あれから数時間しか経ってないのに…さすが「幻想卿最速」だ。

数秒後

 

「いやぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そんな早苗の悲鳴が山に響いた。

へなへなと倒れこむ早苗を無視して少女と諏訪子は会話を続けた。

 

「君、名前は?」

 

「…ポワン…です。」

 

「そっか~。よろしくね。」

 

「はいです。」

 

「ねえ、ポワンちゃん。」

 

諏訪子は疑問符を浮かべるポワンに、

 

「ポワンちゃんは人間じゃないの?」

 

と訊いた。

 

「違うです。」

 

そしてポワンは小さい声で言った。

 

「私は…何か…です。」

 

まともな答えは帰ってこなかった。

 

 

 

  ***

 

 

 

「邪魔するぞい。」

 

という声と共にひとりの女性が鈴奈庵を訪れた。

 

「いらっしゃいませ~。」

 

小鈴は元気な声であいさつをした。

すると女性は小鈴の方に来て、

 

「見てほしいものがあるんじゃ。」

 

そう言って小鈴の机に二枚の新聞記事を置いた。

 

「…これは?」

 

「見ての通りじゃよ。あんたに頼みたい事があるんじゃが…」

 

女性は小鈴にそう告げる。

小鈴は目の前の二つの新聞記事に目を通す。

3年前の火災の記事、そしてもうひとつは今日の号外の記事。

しかし何故3年前の記事をここで出してくるのだ、と小鈴は感じた。

まあ、何が言いたいのか理解できるのだが。

 

「ここにこやつを退治できる本があるのは知ってるぞい。」

 

「…あなた、何者なんですか?」

 

小鈴のその問いに、女性はにっこり笑って、

 

「ただの年老いたおばあさんじゃよ。…じゃ、よろしく頼むぞい。」

 

そう答えた。

 

 

 

 

 

  ***

 

 

 

 

 

守矢神社を朝日が照らす。

今日は快晴でいい天気だな、と早苗は感じる。

と言っても、実際快晴の日にやる事など信仰集めぐらいである。

そう、いつも通りなのだ。

いつも通りでは無い事といえば、

 

「…ふああ、早苗さんおはようです。」

 

この少女、ポワンが早苗について来ることだけである。

ポワンは無表情であくびをしている。

昨日と変わらない無表情。

でも、その目の奥には、悲しみが浮かんでいるような気がした。

ねえ、その目は…何を想ってるの?

早苗には、そんなこと訊けるはずなかった。

 

 

 

  ***

 

 

 

「…ん、今日はどんだけ信仰が集まるのかな~っと。」

 

早苗とポワンが人里へ出掛けて行ったのの見送って、諏訪子はそう呟いた。

さて、今日は何をしよう、と考えてみる。

それからしばらくして、諏訪子はあることに気付いた。

 

「……ん?」

 

神社に御参りに来た人がいた。

 

(…おっ?さて何円賽銭箱に入れてくれるかな?)

 

そんな事を考えながら、物陰からその人をじっと見た。

そして、その人が懐がら取り出したのは

 

(ふふふふふ、福沢諭吉!?)

 

さすがに驚いてしまう。

だって諭吉だよ?野口十人分だよ?表現的に危ない気もするけど…

その人はなんの躊躇いも無く諭吉先生を賽銭箱へ放り込む。これも表現的に危ない気もするけど…

諭吉を失ってまで叶えたい願いって何なのだろう?

その人の願いは…

 

 

 

  ***

 

 

 

早苗とポワンは階段を跳ぶように下りる。

今は早苗が先を行って、ポワンがそれを追う。

 

「…早苗さん速いです。見えない力を働かせたりしてるです?」

 

「働かせてるよ。…重力を。(ドヤ顔)」

 

「…………。」

 

「お願いだから何か言って!?」

 

ポワンは少々考えてから口を開いた。

 

「…そういえばいいのです?」

 

「無視っ!?」

 

「そんなに速く降りると私がブンヤさんから借りたカメラのシャッターが早苗さんの捲れたとこに向かって光るです。」

 

「…なっ!?」

 

早苗は立ち止まってスカートを手で押さえて後ろを振り返った。

刹那、

 

「嘘です。早苗さんお先です。」

 

と、スピードを緩めないポワンに抜かされる。

ポワンは「スカートが捲れた程度で何です?」と言っているような顔をしていた。

 

「あーっ!?ポワンちゃん!?」

 

早苗は全力で階段を駆け下りた。

すると、今度は本物のブンヤとすれ違ってしまい……

 

「あっ……。」「あ、です。」

 

ブンヤのカメラからフラッシュが迷い無く放たれた。

 

 

 

 

 

階段を下りきったが、早苗に「待ってて」と言われたのでポワンは早苗を待っていた。

すると、

 

   バギィ!!ゴギィ!!ギヤアアアアア!!

 

 

「…………。私、何も、聞いて、無い、です。」

 

これ・・・断末魔というのですかそうですか。

などと思っていると、周囲に気配を感じた。

 

(…早苗さんです?)

 

などと思ったのだが、複数の気配を感じた。

山の木の影や、建物の影に隠れている…人間のような感じをポワンは覚えた。

 

「…人間、出てくるです。」

 

ポワンがそう言うと、周囲から大勢の人間が姿を現した。

見たところ里の人間だろう。

ポワンは身構えた。

すると、周りの人たちの手元がキラッと光った。

 

「…わお、です。」

 

どうやら全員刃物を持っているようだった。

しかし、ポワンは素手だった。

 

(どうするです…。)

 

そんなことを考えていると、里の人間の中にいた小鈴が前へ出た。

そして小鈴はポワンに告げる。

 

「あなたを退治させていただきます!」

 




どうでしょうか?改善点や評価や批判があれば是非感想に書いてください。
私は別に射命丸文や東風谷早苗が嫌いなわけではありません。
ファンの皆様ごめんなさいでした。
ちなみに、この作品は半年前に作った物語なので私の友達はエンディングまで覚えているかもしれませんが、ネタバレはご遠慮下さい。
こんな私ですが、これからよろしくお願いします。
(誰か読んでくれるのかが心配ですが…)
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