東方牙焔録   作:こなぎゆめ

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まあそんなこんなで文字数が今までの中で一番少ない第四話です。
…ごめんなさい。本当にごめんなさい。


木宮 霞

小鈴が早苗に話を始めようとした時だった。

一人の里の女性が鈴奈庵を訪れた。

この前、鈴奈庵に来た女性とは違う普通の里の人間。

 

「小鈴さんこの前の…。」

 

女性は早苗を見ると何も無かったかの様に帰りだした。

 

「待って!」「待ってください!」

 

見事に女性は二人に止められた。

女性は嫌そうな顔で早苗から少し遠い場所に椅子を置いて座った。

そこまで嫌うこと無いのに。

早苗は女性に言った。

 

「この前の白い少女…ポワンちゃんについてお話を聞かせていただけませんか?」

 

早苗がそう言うと、女性と小鈴は首を傾げた。

 

「…ポワンって誰?」

 

「あ、早苗さん。それ私も訊きたい。」

 

二人は逆に訊いてきた。

 

「え?白い服で白い髪で…。」

 

「あ、それは分かってます。でも、私たちは“木宮 霞”って呼んでるの。」

 

早苗は「え?」と声を漏らした。

木宮霞…これがポワンの本当の名前?

女性はため息をついて言った。

 

「あなた、あの亡霊に騙されてるの?」

 

「ちょ、ちょっと待って!!今『亡霊』って言った!?」

 

「ええ。」

 

「ちょっと整理させて…。」

 

新しい情報が多すぎて分からなくなってきた。

彼女の名前は「木宮 霞」。里の人間からは亡霊扱い。

小鈴は呆れた顔でため息をついた。お二人さん、さっきから早苗へのため息多いよ。

 

「…どういうこと?」

 

早苗が二人に尋ねると、女性の方が話しだした。

 

「三年前、霞とその母親は死んだはずなんです。霞は、私が…この手で…。」

 

「え?…うそ、だってあの子どう見ても人間じゃない!!」

 

「人間なら“ポワン”なんて名前、おかしいとは思わなかったんですか?」

 

「うっ…。」

 

ここは幻想卿だった…外人みたいな名前…里には居ないよね、なかなか。

早苗は外の神様だったせいかあまり不自然とは感じなかった。

女性は話を続けた。

 

「…で、三年前この辺で火災が発生したわ。原因は放火よ。」

 

それについては早苗も知っていた。

早苗が頷くと小鈴は一枚の新聞記事を早苗に見せてきた。

<火災の原因は赤い少女>

有名な記事だった。

写真には赤い少女が火災の中で笑っている姿が見えている。

小鈴が口を開く。

 

「でもこの事件のあと犯人の赤い少女は妖怪も人間も誰一人として目撃していないんです。でも、別の天狗が書いた記事の写真には霞が写っていました。」

 

「……!?」

 

「結果、霞を共犯者と断定。もう一度村が燃やされないように殺してしまう必要がありました。しかし霞もまた姿を消しました。それから三年たって、号外で配られた新聞の写真で霞が写っていました。」

 

「…その記事、もしかして…。」

 

「「<奇跡の神の下着を激写>。」」

 

「…泣いていい?」

 

「どーぞ。」

 

 

 

 ~三分後~

 

 

 

「さて、早苗さんが立ち直ったところで話を続けましょう。」

 

「ひゃい…。で、でもぉ…ちょっといい?」

 

早苗は涙を拭いて、二人に尋ねた。

疑問だったことを。

 

 

「なんで私に“ポワン”って名乗ったの?」

 

 

「「え?」」

 

二人は首を傾げた。

早苗は続けた。

 

「私は霞を知らなかった。それこそ知ってたら殺したかもしれないし…あの子も私が霞を知らないこと分かってたと思う。そもそも名前を偽らなくたって私は神であって人間じゃない。あの子が警戒していたのは人間だけだったし、すでに新聞記事の文に私(早苗)は神って書いてあった。」

 

「?」

 

「ああ…そういうこと。」

 

早苗の言葉を女性は理解していたが、小鈴は理解できてないようなのでまとめる。

 

「つまり、人間以外を騙す理由があの子にはない。」

 

「…あー。でもそれって早苗さんがあまり信用されてなかった可能は…。」

 

「ぐう…でも、私はあの子はポワンちゃんだと思う。霞じゃない。私も諏訪子様もポワンちゃんは人間だって言ったし。」

 

早苗は外を見た。いつの間にか三日月が出ていた。幸運なことに満月ではないようだ。

早苗は言った。

 

「確かめに行きましょう。」

 

 

 

 

  ***

 

 

 

 

「はあ…です。」

 

ポワンは『せいけん』の一件でため息をついて博麗神社に帰る途中だった。

そんなポワンを狙う者がいた。

 

「…っ!!あいつかぁ、あれ折った奴はぁ…!!」

 

河城にとり。

実はあれ河童の所有物だったそうで、にとりはポワンに対して怒っていた。

明日の河童バザーの商品だったらしい。

売れるかどうかは別問題。

 

「生きて帰れると思うなよ…。」

 

にとりはそう呟くと、茂みの中から攻撃を試みた。

 

「スペルカード“スーパスコープ3D”!!」

 

にとりのスペルカードによって放たれた弾はポワンに向けて一直線に飛んでいった。

刹那、ポワンはにとりの方向に体を向けてダッシュした。

弾も避けられる。気付かれたようだ。

 

「……っ!!」

 

「いたです…妖怪です?」

 

にとりは隠れるのをやめて弾幕を放った。

 

「漂溺“光り輝く水底のトラウマ”!!」

 

しかしこれもポワンに一撃も当たることなく避けられる。

ポワンの顔つきが変わった。

 

(…戦えるです…相手が人間じゃないなら私は、です!!)

 

ポワンのその表情は口だけ笑っているようだった。

にとりは恐怖を覚えた。

この少女は本当は人間じゃないのかもしれない。

 

「燃えろです!!燃えてしまえですっ!!」

 

ポワンがそう言った時、白い少女が炎に包まれていった。

その炎はにとりがさっき身を潜めていた茂みに引火し他の木々にも引火した。

さっきまで暗かった夜の河童の谷は炎で明るく照らされていた。

 

「ちょ…やば…。」

 

にとりがそんな声を漏らした瞬間、にとりの右腕の感覚が無くなった。

 

「え…?」

 

足元を見るとそこにはにとりのの右腕があった。

思考が追いつかない。

そんな中にとりの目の前に誰かが立った。

その人は白い少女ではなかった。

赤いワンピースを着た、髪も赤いポニーテールの炎妖怪の“赤い少女”。

口でにとりの右腕を引きちぎったのか、口の周りが血で染まっている。

その赤い少女はいつの間にか白い少女の姿に戻っていた。

混乱するにとりをほって置いて、

 

(…思い出すです。三年前を。)

 

白い少女は炎を見ながら、三年前のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三年前、人間の住む里には木宮霞という少女とそのペットの銀狐が住んでいましたとさ…。




はい、もう一度謝ります。文字数少なくて本当にごめんなさい。タイトルも詐欺っぽいです。これ以外いい題名無かったんです。
内容は濃いので許してください。
あと謝ることがもうひとつ。
前回のミス多かったですね…投稿してから気が付きました。
今回もあるかもしれませんが。
さて次回予告でもしてみよう、と最今考え出しました。
してもあまり見ている人いないでしょうし。
というか今更な話ですけどね(笑)
はい、この牙焔録。実は早くて八話、遅くて十話の予定です。
というかこれほど長いあとがきは初めてです!!
今回もありがとうございました。では次回!!


<次回予告>
ついに過去編が始まるです!!
さあ、伏線回収のときでしゅっ!!
噛んだなんて気にしたら、きっとあなたは火難の相です!!
そこ!!次回なんて読まなくても分かるなんて言わないです!!

次回第5話『牙焔録』(予定)

「そんなの決まってるよ…ずっと、そばに居てほしいから。ね?」
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