やっと半年前に書いた物語は終わりを告げます。
冥界は暗く、寒く、静かな寂しい所だった。
元々人間が生身で入れる場所では無いが、早苗の奇跡に保護して貰っている。
本当に何でもありのようです…奇跡って。
長い階段を「ぜえぜえ」と息を乱しながら上がってゆく。
上った所に居た女性、幽々子に息を整えてから言う。
「え、えっと、すいません緊急事態なんです…霞さんを生き返らせてくださいませんか?」
小鈴がそう言うと幽々子はにっこり笑って
「話は聞いているわ。いいわよ。でも、この冥界の中から探し出してね。」
※※※
守矢の山、かつて霞が亡くなった場所にポワンがいた。
しかし、ポワンがにとりの格好をしているので皆手が出せなかった。
ポワンはいつもは語尾に「です」が付くのに、付けないように心がけている様で…。
「「あっちが偽物だよ!!」」
「「「「………」」」」
皆、早く白黒付けやがれと思っていた。
そのまま10分ほど時が過ぎた。
そして、
「あーっ!!もう面倒臭い!!二人まとめて退治すればいいのよ!!」
霊夢が“夢想封印”を放つ。
「え…霊夢!?…うああああ!!」
「「「にとりーっ!!」」」
にとり、戦闘不能。
ポワンは炎妖怪の姿になって、見事に夢想封印を跳ね返した。
その夢想封印は諏訪子に着弾。
「ぐはっ!!」
「「「諏訪子(様)ーっ!!」」」
諏訪子、戦闘不能。
霊夢以外の皆が皆、
(余計な事をー!!)
と思っていた。
霊夢は、
「にとり!!諏訪子!!あんたらの仇は私がとるから!!」
(((いやいや、おかしいだろ!!)))
早速、二人やられたが、それでも戦闘は続く。
ポワンが炎の弾幕を放つ。
霊夢がそれに対抗して“夢想天生”を使用。
霊夢の姿が消えて、何処からか弾幕が放たれる。強いスペルカードだ。
しかし、霊夢が何処に居るか分からないため、早苗たちはうかつに攻撃できない。
霊夢は多分共闘に慣れていないのだろう。
魔理沙に夢想天生の流れ弾が何度も当たった。
さらに、
「私、嗅覚には自信あるですっ!!」
なんと、ポワンは姿の見えない霊夢に超弩級炎弾を当てた。
霊夢と魔理沙、戦闘不能。
しかし、
「「魔理沙(さーん)ー!!」」
早苗も華扇も霊夢の事はもう誰も気にしなかった。
ただ一つ思うとすれば、
最後まで邪魔だったなあって
ただそれだけ。
構うことなくポワンに攻撃する。
早苗はグレイマソタージを放った。
案の定、ポワンに避けられる。
でも、
「“モーゼの奇跡”!!」
炎の超弩級弾を放て無いように海水で囲う。
「その程度で、ですっ!!」
ポワンがにとりの姿に変わる。
それも想定済み。
華扇の雷獣で電気を流す。
「うあっ…。」
ポワンが水に触れた瞬間、ポワンに電流が流れる。
苦しそうにうめき声を上げ、言った。
…許さない…です。
ポワンは今まで見せたことのない憎しみに満ちた表情をした。
一気に空が曇りはじめた。
雨が降り始める。
「あ…。」
慧音が言っていた言葉を思い出した。
『あ、そうだ早苗…ポワンは龍の鱗を食べた事がある。』
慧音はあの時そう言っていた。
次の瞬間、ポワンが変化したのは
龍だった。
※※※
「霞さーん!!」
そう小鈴が叫んでみるものの、沢山の幽霊が返事する訳もなく。
「あうぅ…どうしたら良いのぉ…。」
小鈴が涙目になってきた時に、
「これじゃないですか?」
近くに居た妖夢が小鈴の背後の幽霊を一つ捕まえた。
「さっきからずっと貴方の周りに居ましたよ貴方が移動してもずっと。…あ、幽々子様〜この幽霊お願いします〜。」
と、妖夢は幽々子の方に走っていった。
「じゃ、体を再生するわね〜。」
そして、白い閃光が爆ぜる。
その閃光とともに現れた人影
木宮霞
目をゆっくり開いて、
そっと優しく笑って、
「帰ってきたよ…ポワン。」
※※※
霞は小鈴という方から今の状況を聞いた。
冥界から出て、ポワンに会いに行くのだが…
「何処に居るのよっ!!」
そう叫んでしまう。
すると、
ドオオン!!
そんな音と共に雷が落ちたのが分かった。
近い。
その音がしたのは、
「守矢の山!!」
※※※
「えぇ…」
目の前のポワンは、龍の姿をしていた。
咆哮を上げ、巫女達を攻撃している。
「ポワーン!!私だよ〜!!」
などと声を上げるものの、雨の音で聞こえないようだ。
「あ、良い物発見っ!!」
魔理沙の箒とミニ八卦炉を見つける。
それを手に取り、
(これ空翔べるフラグだよね!?)
などと考えていた。
ポワンの顔は上空高くにある。
これでポワンの視界に入ればいいと思った。
「ようし、翔ぶぞお!!」
などと、遊び心半分で箒の先に八卦炉をセットする。
雨が強くなってきた。
と思ったら、豪雨弾が巫女達を襲っていた。
霞は射程圏外。
けど、これではポワンに近づく事も出来ない。
豪雨弾の音に紛れ、巫女達の悲鳴が聞こえる。
行くしかない。
テキトーに八卦炉を起動して箒にしがみつく。
地面から離れていく。
そして、少しずつポワンの頭に近づいていく。
豪雨弾に撃たれながら、服や体ががボロボロになりながら、叫んだ。
「もっと…速く!!」
八卦炉がブーストする。
マッハ1に達して、空気の壁を纏う。
ラストワード“ブレイジングスター”
空気の壁は豪雨弾を弾いた。
そして…
※※※
『…マスター、です?本当に…本当に…。』
そんな声が脳内に響いた。
私、どうなちゃったかなぁ。
死んじゃったかなぁ。
ポワンの笑顔が見たかったのになぁ…。
※※※
「マスター!!」
「え?」
霞の目の前にもう一人の霞がいた。
(生きてる…?)
服は破れてしまって、体もボロボロの布一枚すら纏わない姿だが、それでも生きている。
もう一人の霞が霞を優しく抱いた。
さっきまで悲しそうだったもう一人の霞が笑った。
本当に嬉しそうに。
「ポワン!!」
「マスター!!」
あの雨も止んで、空は快晴だった。
二人で抱き合って、二人は笑顔のまま泣いた。
早苗たちはその二人を見守っていた。
(終わったんだ。やっと…。)
ポワンはあの時見せた悲しそうな顔をもう見せない。
どうも健治です。
半年前に書いていた物語も終わりました。
二ヶ月が長かったです。
支えてくださった方々、見てくださった方々。
今回も本当に…ありがとうございました!!
次回〈銀の雫〉(仮)