表現等々読みにくい可能性あるかもですのでご了承ください。
翌朝、俺はまず興宮へ向かった。
昨日調べた情報によれば、雛見沢は中部地方、岐阜県にある村らしい。村である以上、宿泊施設があるとは限らない。だからまずは興宮で情報を集めることにしたのだ。
電車に揺られながら、俺は礼奈との出会いを思い出していた。
「竜宮礼奈です」
それが彼女との最初の出会いだった。
どこか大人しく、ふわふわとした雰囲気の女の子。雛見沢という村から転校してきたらしい。緊張していたのか、それとも元からそういう性格なのかは分からなかった。
だが、彼女は驚くほど運動神経が良かった。
体育のリレーでは誰よりも速く、球技も得意だった。田舎育ちだから体力がある、と言ってしまえばそれまでだろう。勉強もそれなりにできたらしく、良くも悪くも目立つ存在だった。
もちろん、俺とは無縁の人間だと思っていた。
だがある日、俺は屋上のベンチで一人座る彼女を見つけた。
元気がない。
いや――泣いていた。
「り、竜宮さん……大丈夫?」
「え……?」
彼女は驚いたように顔を上げた。
「あ、ごめんね。ちょっと昔のことを思い出しちゃったかな、かな」
「俺で良ければ話聞くよ。嫌なら無理しなくていいけど」
「ううん、ありがとう。でも大丈夫」
それ以上は何も話してくれなかった。
「わかった。じゃあ話したくなったら教えてよ、竜宮さん」
すると礼奈は少しだけ笑った。
「礼奈でいいよ……駿一くん」
「そっか。じゃあよろしく、礼奈」
それが、良くも悪くも俺と礼奈の始まりだった。
弱い部分を見てしまったからなのか、同情だったのかは分からない。
ただ、放っておけない。
そんな気持ちだけは確かにあった。
それから俺たちは毎日のように一緒に過ごした。
俺にとって、高校で初めてできた友達だった。
「礼奈! 今日何する?」
今になって思えば、彼女は無理をしていたのかもしれない。
もともと笑わない子だったのか、それとも転校してから無理に笑っていたのか。
そんな気がする。
それでも俺は、礼奈の笑顔が見たかった。
俺と一緒にいることで、少しでも心を開いてくれていると思いたかった。
そして――。
ある日、俺は聞いてしまった。
聞いてはいけないことを。
「なあ、礼奈」
「なにかな、かな?」
「雛見沢って……どんなところなんだ?」
その瞬間だった。
空気が凍りついた。
礼奈の表情から感情が消えた。
そして、震える声で何かを呟き始めた。
「……ごめんなさい」
「え?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「お、おい! 礼奈!」
俺が思わず大声を上げると、礼奈はハッと我に返った。
静寂が訪れる。
辺りには、ひぐらしの鳴き声だけが響いていた。
その日を境に、俺たちは少しずつ話さなくなった。
そして――事件が起きた。
何がきっかけだったのかは分からない。
だが彼女は、金属バットを握りしめながら校舎の廊下に立っていた。
次の瞬間。
ガシャァン!!
窓ガラスが砕け散った。
礼奈は狂ったようにバットを振り回していた。
そして、
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……オヤシロ様ごめんなさい」
・・・・・・。
電車でほぼ十時間。
さらにバスを何本か乗り継ぎ、ようやく興宮へと辿り着いた。
長時間座りっぱなしだったせいで体が重い。
ホームへ降り立った瞬間、思わず大きく息を吐いた。
久しぶりの大地。
そんな感覚だった。
礼奈のことを考え続けていたせいか、移動中はほとんど眠れなかった。
それでもここまで来た以上、引き返すつもりはない。
まずは五十嵐刑事に紹介された警察署へ向かうことにした。
興宮警察署。
思っていたよりも大きな建物だった。
受付へ向かい、声をかける。
「こんにちは。茨城県警の五十嵐さんから紹介されて来ました。月桂と申します。大石さんはいらっしゃいますか?」
受付の奥にいた男性刑事が顔を上げる。
「あー、大石さんですか。申し訳ないんですが、今は外に出てましてねぇ」
四十代後半くらいだろうか。
どこか人の良さそうな雰囲気の刑事だった。
「そうですか。じゃあ、また来ます」
そう言って警察署を後にする。
さて、どうしたものか。
雛見沢へ向かうのもいいが、腹が減っていた。
そういえば朝からまともに何も食べていない。
駅前を歩いていると、派手な看板が目に入った。
『エンジェルモート』
どこか聞いたことのある名前だ。
ファミレスのようにも見える。
とりあえず入ってみることにした。
店のドアを開く。
「いらっしゃいませー!」
元気な声が飛んできた。
そして俺は固まった。
「……え?」
店員全員がコスプレ姿だった。
いや、メイド喫茶ではない。
看護師やらバニーガールやらよく分からない衣装の人までいる。
何だこの店。
興宮ではこれが普通なのか。
一瞬だけ引き返そうかと思ったが、店員と目が合ってしまった。
今さら逃げるのも気まずい。
観念して席へ案内される。
メニューを開く。
パスタを注文した。
周囲を見回す。
店員達は忙しそうに店内を行き来していた。
それにしても可愛い人が多い。
そして全体的に衣装が際どい。
目のやり場に困る。
そんなことを考えているうちに料理が運ばれてきた。
「お待たせしましたー。ご注文のパスタです♪」
「あ、どうも」
礼を言ってから改めてメニューを見る。
なるほど。
ここはファミレスというより喫茶店に近いらしい。
デザートの種類が異常に多い。
パフェだけで何ページあるんだ。
今さら気付いた。
パスタを食べながら窓の外を見る。
この先に雛見沢がある。
ひぐらしのなく頃に二次創作描いてみました。どうでしょうか?
また投稿して行くんでよろしくお願いします