ひぐらしのなく頃に〜もう1つの欠片〜   作:Sabs(S)

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早速1話目書いてみました。
表現等々読みにくい可能性あるかもですのでご了承ください。


第1話 (Part1)雛見沢の影

翌朝、俺はまず興宮へ向かった。

 

昨日調べた情報によれば、雛見沢は中部地方、岐阜県にある村らしい。村である以上、宿泊施設があるとは限らない。だからまずは興宮で情報を集めることにしたのだ。

 

電車に揺られながら、俺は礼奈との出会いを思い出していた。

 

「竜宮礼奈です」

 

それが彼女との最初の出会いだった。

 

どこか大人しく、ふわふわとした雰囲気の女の子。雛見沢という村から転校してきたらしい。緊張していたのか、それとも元からそういう性格なのかは分からなかった。

 

だが、彼女は驚くほど運動神経が良かった。

 

体育のリレーでは誰よりも速く、球技も得意だった。田舎育ちだから体力がある、と言ってしまえばそれまでだろう。勉強もそれなりにできたらしく、良くも悪くも目立つ存在だった。

 

もちろん、俺とは無縁の人間だと思っていた。

 

だがある日、俺は屋上のベンチで一人座る彼女を見つけた。

 

元気がない。

 

いや――泣いていた。

 

「り、竜宮さん……大丈夫?」

 

「え……?」

 

彼女は驚いたように顔を上げた。

 

「あ、ごめんね。ちょっと昔のことを思い出しちゃったかな、かな」

 

「俺で良ければ話聞くよ。嫌なら無理しなくていいけど」

 

「ううん、ありがとう。でも大丈夫」

 

それ以上は何も話してくれなかった。

 

「わかった。じゃあ話したくなったら教えてよ、竜宮さん」

 

すると礼奈は少しだけ笑った。

 

「礼奈でいいよ……駿一くん」

 

「そっか。じゃあよろしく、礼奈」

 

それが、良くも悪くも俺と礼奈の始まりだった。

 

弱い部分を見てしまったからなのか、同情だったのかは分からない。

 

ただ、放っておけない。

 

そんな気持ちだけは確かにあった。

 

それから俺たちは毎日のように一緒に過ごした。

 

俺にとって、高校で初めてできた友達だった。

 

「礼奈! 今日何する?」

 

今になって思えば、彼女は無理をしていたのかもしれない。

 

もともと笑わない子だったのか、それとも転校してから無理に笑っていたのか。

 

そんな気がする。

 

それでも俺は、礼奈の笑顔が見たかった。

 

俺と一緒にいることで、少しでも心を開いてくれていると思いたかった。

 

そして――。

 

ある日、俺は聞いてしまった。

 

聞いてはいけないことを。

 

「なあ、礼奈」

 

「なにかな、かな?」

 

「雛見沢って……どんなところなんだ?」

 

その瞬間だった。

 

空気が凍りついた。

 

礼奈の表情から感情が消えた。

 

そして、震える声で何かを呟き始めた。

 

「……ごめんなさい」

 

「え?」

 

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」

 

「お、おい! 礼奈!」

 

俺が思わず大声を上げると、礼奈はハッと我に返った。

 

静寂が訪れる。

 

辺りには、ひぐらしの鳴き声だけが響いていた。

 

その日を境に、俺たちは少しずつ話さなくなった。

 

 

 

そして――事件が起きた。

 

何がきっかけだったのかは分からない。

 

だが彼女は、金属バットを握りしめながら校舎の廊下に立っていた。

 

次の瞬間。

 

ガシャァン!!

 

窓ガラスが砕け散った。

 

礼奈は狂ったようにバットを振り回していた。

 

そして、

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……オヤシロ様ごめんなさい」

 

 

・・・・・・。

 

電車でほぼ十時間。

 

さらにバスを何本か乗り継ぎ、ようやく興宮へと辿り着いた。

 

長時間座りっぱなしだったせいで体が重い。

 

ホームへ降り立った瞬間、思わず大きく息を吐いた。

 

久しぶりの大地。

 

そんな感覚だった。

 

礼奈のことを考え続けていたせいか、移動中はほとんど眠れなかった。

 

それでもここまで来た以上、引き返すつもりはない。

 

まずは五十嵐刑事に紹介された警察署へ向かうことにした。

 

興宮警察署。

 

思っていたよりも大きな建物だった。

 

受付へ向かい、声をかける。

 

「こんにちは。茨城県警の五十嵐さんから紹介されて来ました。月桂と申します。大石さんはいらっしゃいますか?」

 

受付の奥にいた男性刑事が顔を上げる。

 

「あー、大石さんですか。申し訳ないんですが、今は外に出てましてねぇ」

 

四十代後半くらいだろうか。

 

どこか人の良さそうな雰囲気の刑事だった。

 

「そうですか。じゃあ、また来ます」

 

そう言って警察署を後にする。

 

さて、どうしたものか。

 

雛見沢へ向かうのもいいが、腹が減っていた。

そういえば朝からまともに何も食べていない。

駅前を歩いていると、派手な看板が目に入った。

 

『エンジェルモート』

 

どこか聞いたことのある名前だ。

ファミレスのようにも見える。

とりあえず入ってみることにした。

店のドアを開く。

 

「いらっしゃいませー!」

 

元気な声が飛んできた。

そして俺は固まった。

 

「……え?」

 

店員全員がコスプレ姿だった。

いや、メイド喫茶ではない。

看護師やらバニーガールやらよく分からない衣装の人までいる。

 

何だこの店。

 

興宮ではこれが普通なのか。

 

一瞬だけ引き返そうかと思ったが、店員と目が合ってしまった。

 

今さら逃げるのも気まずい。

 

観念して席へ案内される。

 

メニューを開く。

 

パスタを注文した。

周囲を見回す。

店員達は忙しそうに店内を行き来していた。

 

それにしても可愛い人が多い。

 

そして全体的に衣装が際どい。

 

目のやり場に困る。

 

そんなことを考えているうちに料理が運ばれてきた。

 

「お待たせしましたー。ご注文のパスタです♪」

 

「あ、どうも」

 

礼を言ってから改めてメニューを見る。

 

なるほど。

 

ここはファミレスというより喫茶店に近いらしい。

 

デザートの種類が異常に多い。

 

パフェだけで何ページあるんだ。

 

今さら気付いた。

 

パスタを食べながら窓の外を見る。

 

この先に雛見沢がある。




ひぐらしのなく頃に二次創作描いてみました。どうでしょうか?
また投稿して行くんでよろしくお願いします
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