ひぐらしのなく頃に〜もう1つの欠片〜   作:Sabs(S)

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読みにくかったらごめんなさい。


第2話 再会 Part1

ちょっと待てどうしてこうなったんだろう。

だからといって今の気分が悪いとかそんなのではない。ただちょっと脳の処理速度が追いつかないだけだった。

 

だって今日初めて会った人達と遊んでいるからだ。普通は同じ学校だからとか、クラスメイトとかならわかるがここは、男女問わず、なんなら年齢問わず、それに他県からの人まで巻き込んでしまうのか。それがどうにも落ち着かない。そう、今は部活中なのであった。

 

だが、それより少し前のことだ。

梨花ちゃんに案内され診療所に案内してもらっていた。

 

診療所の中では。

 

「それじゃあ今日は私の家に泊まってもらいましょうか」

 

入江がそう言った。

 

「え、本当にいいんですか?」

 

「もちろんですよ」

 

ありがたい話だった。

宿の心配をしなくて済む。

財布の中身にも限界はある。

 

「ありがとうございます」

 

「その代わり、色々と村のルールは守ってくださいね」

 

またその言い方だった。

まるで何かがあるみたいな。

俺が気になっていると。

 

「みー!」

 

梨花ちゃんが突然声を上げた。

 

「どうした?」

 

「そろそろ学校が終わる時間なのですよ」

 

「学校?」

 

「部活なのです」

 

そう言って胸を張る。

 

部活。

その言葉に違和感を覚える。

小学生くらいの子がそんな誇らしげに言うだろうか。

 

「部活って何の部活?」

 

俺が聞くと。

梨花ちゃんは満面の笑みを浮かべた。

 

「とても楽しい部活なのですよ」

 

全然答えになっていない。

 

「魅音たちもいるのです」

 

「魅音?」

 

聞き慣れない名前ばかりだ。

だが梨花ちゃんは嬉しそうだった。

その様子を見る限り仲の良い友達なんだろう。

 

「駿一も来るのです」

 

「え、俺も?」

 

「強制参加なのです」

 

「今初めて会ったんだけど?」

 

「問題ないのですよ」

 

問題しかない。

 

だが梨花ちゃんはすでに診療所の出口へ向かっている。

 

「行くのです」

 

「え、ちょっ、待って」

 

慌てて追いかける。

 

入江はその様子を見ながら笑っていた。

 

「ははは、頑張ってくださいね」

 

完全に面白がっている。

 

俺は半ば強引に診療所を出ることになった。

 

外へ出ると。

 

夕方の風が吹いていた。

ひぐらしの鳴き声が辺りに響く。

梨花ちゃんは先頭を歩く。

その小さな背中を見ながら俺は思う。

礼奈のことを知るために来た。

 

それなのに。

 

気付けば俺は雛見沢の人間たちに振り回され始めている。

 

だが。

 

悪い気はしなかった。

 

 

入江診療所を出た俺は、梨花ちゃんに連れられて学校へ向かっていた。

 

「それで、部活って何をするんだ?」

 

「楽しいことをするのですよ」

 

「絶対説明になってないよな、それ」

 

「みぃ♪」

 

誤魔化された。

 

しばらく歩くと、小さな学校が見えてきた。

 

雛見沢分校。

 

全校生徒を集めても俺の高校の一クラスに届かないんじゃないかと思うくらい小さい。

学校は木造建築で、古びた集会所のようだった。

梨花ちゃんは慣れた様子で校舎へ入り、一直線に教室へ向かう。

どこか昭和の雰囲気が残っている。

 

「ここ? 」

 

「そうなのですよ」

 

梨花ちゃんは慣れた手つきで扉を開ける。

 

ガラガラ。

 

扉が開いた。

 

「みんなー、お客さんなのですよ」

 

教室にいた数人が一斉にこちらを見た。

 

「おや?」

 

最初に反応したのは、ポニーテールの女の子。胸が大き……陽キャという感じのイメージの子であり、年齢は俺と同じくらいだろうか。

 

自信満々の笑みを浮かべている。

 

「梨花ちゃん、その人誰?」

 

ポニーテールの女の子は興味津々みたいだ。

 

その横にいた金髪の少年、少し頼りなさそうではあるが、後ろに金髪のショートの女の子が隠れていた。

 

「外から来た人なのです」

 

梨花ちゃんが説明してくれる。しかし雑だな。

 

「へぇー?」

 

少女は興味津々といった様子で近付いてくる。

 

「私は園崎魅音! この部活の部長さ!」

 

胸を張る。

 

部活と言われても何の部活なのかまだ知らない。

 

「月桂駿一です」

 

「よろしくねぇ!」

 

元気が良すぎる。

 

その時だった。

 

「お姉ぇ、いきなり距離近すぎ」

 

別の声が聞こえた。部長、園崎魅音と似た人。双子か。

 

「初めまして、私は詩音。お姉ぇ、魅音の双子の妹です」

 

そして、振り向くと、一人の少年が立っていた。金髪。先程の頼りなさそうな男の子。

 

優しそうな顔立ち。

 

どこか穏やかな雰囲気がある。

 

「北条悟史です」

 

そう言って手を差し出してくる。

 

「月桂駿一」

 

握手を返す。

 

「村の外から来たんだって?」

 

「ああ」

 

「大変だったでしょ。ここ結構不便だから」

 

悟史は苦笑した。

 

今のところ、この村で一番話しやすい人かもしれない。

 

すると。

 

「お兄ちゃん!」

 

元気な声と共に、小柄な少女が悟史の横へ駆け寄る。

 

金髪。

 

目付きは妙に強気だった。

 

「その人怪しいですわ!」

 

「初対面なんだけど!?」

 

思わずツッコむ。

 

「怪しいものは怪しいですの!」

 

「ははは……ごめんね」

 

悟史が頭を下げる。

 

「妹の沙都子です」

 

「北条沙都子ですわ」

 

胸を張る。

 

兄妹らしい。

 

だが性格は全然違う。

 

「よろしく」

 

「よろしくされてあげましてよ」

 

なんだその上から目線。

 

すると魅音が大笑いした。

 

「はははっ! 気にしない気にしない!」

 

全員自由すぎる。

 

その横で梨花ちゃんがちょこんと座る。

 

「みぃ。紹介は終わったのですよ」

 

「終わったって、梨花ちゃんも紹介しなよ」

 

「古手梨花なのです」

 

「それはもう知ってる」

 

「みぃ」

 

梨花ちゃんは満足そうに頷いた。

 

そして、もう一人教室の隅に立っていた少女へ目がむく。赤い髪。

 

白いブラウス。少しだけ大人しそうな雰囲気。

その姿を見た瞬間、俺の心臓が止まりそうになった。

 

「礼奈……」

 

思わず名前が漏れる。

 

礼奈もこちらを向いていた。驚いたかお。

まるで信じられないものを見たような。

 

「駿一くん……?」

 

静寂が訪れる。そして俺たちに視線がむけられる。

 

「知り合い?」

 

魅音が首を傾げる。

 

礼奈は何も言えなかった。俺も、言葉が出なかった。だって

 

探しに来た相手がこんなにもあっさり目の前にいるのだから。

 

だが。

 

おかしい。俺が知っている礼奈と違うからだ。

 

普通に。

 

楽しそうに。

 

学校で見たあの狂気も。病院で聞いた話も、何も感じさせない。

 

それが逆に怖かった。

 

「レナ?」

 

魅音が不思議そうに聞く。

 

礼奈はハッと我に返った。

 

「あ、ごめんかな、かな」

 

そして。

 

少し照れたように笑う。

 

「前にいた学校のお友達なんだよ」

 

その言葉に全員が納得したらしい。

 

「あー!」

 

魅音が手を叩く。

 

「なるほど!」

 

「そういうことでしたの!」

 

沙都子も頷く。

 

だが。

 

梨花ちゃんだけは黙っていた。

 

小さな瞳で。

 

俺と礼奈を交互に見ている。

 

まるで。

 

何かを確かめるように。

 

そして。

 

誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。

 

「なるほどなのです……」

 

その表情は。

 

驚きと。

 

そしてほんの少しの希望に満ちあふれていた。




部活前の宿探しで入江先生の所でお世話になる感じにしてみました。
あくまで二次創作ですのね、このキャラの性格違うとかこんなこと言わないとかはご了承ください。

それと感想頂きありがとうございます。
思い立った時くらいしか更新しないので不定期です。(頑張って描きます)
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