あぁ!?脱いだら凄いんだぞこっちは!(うすほそ) 作:あげ竹輪
時系列はログアウトしました
万魔殿とシャーレが会議をするらしい。
私も発言とかするのかな?と思って手前まで行ったけど
”ここからは1体1の話し合いだから、メイはしばらく外にいてくれる?”
私がついてきた意味とは。
と思ったけど書類上、上の人だけで来るとなんとかとか言っていた。都合がちょっと悪いらしい、ということは伝わったのでその場から離れる。
っていってもなぁ、この辺って車とかバイクとかないと周りに何もないし....
「...つまり、時間を潰すためにここに来たと」
「いえ...ダメな訳では無いのでそんなに露骨に悲しまないでください。貴女であれば歓迎しますよ」
そんなに顔に出ていたかな...
寝転んで本を読んでいる先輩の元にいくとそんな返事を貰った。
「生憎イブキは今日いませんから....構うならこちらでお願いします」
と横にいる灰色の生き物を指差す。
「あ、ライオンマル!」
「今日は機嫌がいいのか部屋まで着いてきました。貴女が来るのを知っていたんですかね?」
足元に擦り寄ってくるライオンマルを抱え、イロハ先輩の近くに座った。
ライオン丸の正式名称は長すぎてもう却下されたんだっけ。私の顔まで持ち上げて本人...本猫に聞いてみる。
ニャー、じゃわかんないや
ページを捲る音とライオンマルの喉が鳴る音だけが部屋から流れる
ほら、ここがいいのか!ここか?...どこだ?
ほとんど全部どこを触っても嬉しそうにしてるのでどこを撫でるのが最適解かわかんなかった。
あ、でもお腹吸おうとしたら前脚で止められた。残念
しばらくして、パタン、と少し重めの本を閉じる音がし、先輩が立ち上がった。
「さて...そろそろ時間も経ちましたしパトロールでも行きますか」
一緒にどうです?と言われたので勿論!と言っておいた。
ライオンから虎に乗り換える瞬間である
お腹に乗っているライオンマルにまた来るからね〜というとまたニャー、と言ってすぐに部屋から出ていってしまった。
やっぱり猫は気まぐれでよく分からないや
パトロールとは言っても虎丸に乗り込み、外の景観を見ながら雑談をしているだけ。
喧嘩はどの状況でもこの学園では起こりうるし、それを止めるのは風紀委員の仕事だから、って意味で基本はあんまり何もしないらしい。
まあ人vs戦車だから過剰戦力だろうしね。いくらなんでも喧嘩をこっちにふっかけてくるのは少ないらしい。
少ない、ってことはゼロではないってところがやっぱりゲヘナの凄いところだと思う。私だったら絶対無理だもん
だいぶ進んできて、ゲヘナの区域の範囲外に近しい所まで来た。
この辺は確かブラックマーケット?みたいな所があるらしい。ゲヘナまで違法なものとかを持ってこられるとこの辺をよく見てるんだって。
暫くその辺を徘徊していると、何やら見覚えのある人影がある。
「あれって...ヒフミちゃん?」
遠くだから顔までは分からないけどペロロのカバンを使っているような人は1人しかいないだろうし多分本人だろう。
というか一体何をしに...?
「お友達ですか?...なにやら逃げていそうですが」
その言葉の通り、ヒフミちゃんは後ろを警戒しながら走っていた。時々振り返ってまだ追っ手がいるか確認して...
銃弾が飛んできた。
カツンと車体に当たった音がする。
ヒフミちゃんが危ない!!と思った私はすぐにハッチを開けて外に出る。
「ちょっと!?」
といつもとは違う声色が聞こえたけどあまりに気にしない。
懐からハンドガンを取り出し、奥から走ってくるヒフミちゃんを追いかける人を狙う。
片目を閉じて標準を合わせ、撃___てなかった。
ストッパーはかかっていない。握力が足りなかった?と思い急いで両手に持ちかえ2つの指で引く。
「ふっ....ん”っ....!」
全力で押してようやく発射されたその玉は狙いを外し、その人の足元に落ちた。
その反動で私も後ろに飛ばされ尻餅を着く
おかしい。昔はこんなんじゃなかった。
「加勢か?かかってこいやお嬢様ぁ!」
「ぼ、ボス!やべーっす!相手戦車います!退散退散!!」
「ヒフミさん...でしたか?いくら欲しいものがあったとは言えど危ないですからね?」
「は、はいぃ....うぅ」
その後の会話はあまり記憶に残っていない。
多分生返事を繰り返して帰ったと思う。帰りの電車の中でも特に先生と話すことはなかった。
自分で言うことはなかったけど、ある程度の強さはあったと思う。
そりゃあヒナちゃん先輩には勝てないけどイオリちゃんとかには同じ武器支給というハンデがあったとはいえ互角までいけたんだ。
そのせいで風紀委員にスカウトされかけたけど
私はその力を使って食堂で暴れる生徒だとか、時々発生するモンスターとかを撃退してきたんだ。その時「ありがとう」ってお姉ちゃんから言われるのが好きだった。暖かい気持ちになれたから
机に置かれた私の愛銃を見る。
あの時、すぐに撃てなかった。そこに心の不調から来るものではないことは私がいちばん分かっている
戦う判断まではいつもと変わらなかった。セーフティもかかっていなかった。いつも通りなら、撃てた。私の力だけで助けられたのに。
筋肉痛で動かす度に痛みが走る指を見る。セナさんから湿布を支給されて貼られたその部位は真っ白で、まるで無力ですよと直接伝えられているようだった。
「無くなっちゃった....」
私が私を守る力。
日に日にあの時から弱くなっていった腕は、今では健康のけの字もない程に細く、頼りなくなっている。
こんなのでタイトな服を着ようものなら間違いなく気持ち悪いだろう。周りの目は正直なんだ
私には何が残っている?
平均以上の戦力はなくなった。
料理は?
味見が出来なくなった。同じ厨房に立てなくなった。お姉ちゃんの横でなら出来ていたことが、もう隣には居ないということを再認識させられて包丁を握る度に動かす手が止まってしまう。
あの頃とは違う、冷たいゼリーと錠剤だけ。たとえキッチンに立てたとしても今は何も出来ない。
私は今、支えられて生きているんだ。周りを気を使わせて
今日も帰りに先生に心配された。
”大丈夫?何かあったかな?”
って。
こんな姿になって、自立もできやしない。
立つ筋力もないから支えられて生きている。
私には何が残っているんだろう。
「私って....なんなんだろう...っ」
ネルと戦ってみたいよね。多分本人からは理由ないと喧嘩ふっかけないと思うんだけど。
でもシャーレとしてミレニアムに行くってなった時に、先生から”ごめん、書類上だとこの枠しか空いてなくって...”って名目上護衛として行って欲しい。正式に呼ぶ方法がないけどユウカがミレニアムを紹介したいからとか言う理由ならもっといい。
先生の護衛って言うくらいだからどんな奴が来るんだろうとちょっとワクワクしてるネル先輩。
いざメイが1人になった時に対面した時、雰囲気に違和感を覚えるネル。だけどアリスとかトキの前例があるからあんまり疑問に思わず、話しかけて勝負をしかけるんだ。
メイは自分弱いですよって言うんだけどまあとりあえず来いってメイの腕を掴んで部室に連れていこうとした時にあまりの細さにびっくりして「お前...ちゃんと食ってんのか?」って聞くんだ。
どうせメイは否定するんだろうけど世話焼きのネル先輩はきっと料理を作ってくれる。メイも人から出されたものを粗末にしないからきっと食べてくれる。