あぁ!?脱いだら凄いんだぞこっちは!(うすほそ) 作:あげ竹輪
幸せにしたいですね。
給料を引き落としに行ったときに見た残高は信じられないことになっていた。
「これ...高一が貰っていいお金じゃないよ...」
6桁とか一括で貰ったことないよ...その程度の勤務はしているのかもしれないけど
ひとまずどうしよう...
セナさんに渡す薬代...飲料、光熱費....生活費って意外とかからないんだね
って思ったけど胃が小さくなって食材も買わなくなったからだった!あーあ!!
「...はぁ....」
少し落ち込みながら使い道を探す。まだ半分以上も残っているからそのままにしておくのもいいけど....
「これ、給食部専用の口座!上から勝ち取ったからここから材料足せる...!」
「これで足りない分私たちの財布から出すのもなくなる...!やったわね、メイ!」
ああ、そういえばそんなこともあったっけな
ふと自分の財布の中にあるカードを見る。まだパスワードが変わっていないなら....
「...。」
”入金が完了しました”
負担、減らせるといいな。なんて
私がいなくなったからもっと忙しくなって私のせいなのに私が負担を減らしたいとか烏滸がましいにも程があるよ
「はぁ....」
会いたいなぁ
気持ちがナイーブに、人の温もりが恋しくなって来た時、私のスマホが鳴った。
「おまたせ〜!待った〜?」
全然大丈夫です!と返事をしてメイさんを歓迎しました。
今回私と杏山カズサとメイさんで遊園地に行こうと計画をしたのは、私。
普段であれば自分から行動はせず...いえ、出来ない私ですが杏山カズサと、あの件を話していた時、少しでも気分転換をできるなら、ということで前々から計画を練っていました。
何故、吐いてしまったのか?それは杏山カズサが原因ではありませんでした。それはその後慌てて擁護をしているメイさんからも、状況説明を聞かされた時にも分かりました。
では、何故?
私たち2人は考えました。
「食べること...?」
「いや、アイツはその前にはちゃんとアイスを食べてたから違う...はず」
「ですが、それに関係するかもしれないものを再び持ってくるのは如何なものかと思いますよ、杏山カズサ。」
「...なんか、今日のアンタいつもと違って落ち着きがあるというか...ちょっと違うね」
少し驚いたように私を見る杏山カズサ。それもそうです。
「...メイさんは表立って初対面の私を友達だ、って。目を見て、手を取ってくれたんです。初めての、友達なんです。」
「友達が困っていたら助けたいって思うのって、ダメな感情なんですか...?」
数えても私の周りにいる人は少ないのでその辺のことは分かりません。ですが、自警団として...ではなく、何もしないのは正しくないんじゃないかと。そう思いました。
「__分かった。一緒に考えてあげるから。」
「ま、まだぐるぐるする...」
「あははっ、メイ絶叫系弱すぎ!」
見た目通りというか、メイさんはやはりジェットコースターは苦手なようで、大変グロッキーになっていました。
判断をミスってしまったかと思いましたがそれでも楽しそうにしてくれていたのでおそらく良かったのだと思います。
「あっ、あそこにもなにか建物がありますよ!お化け屋敷でしょうか!?」
近づいて見てみるとそこは古びた舘をイメージされた、トリニティでは中々に見ないような建物でした。
「うわっ、お化けとかじゃなさそうだけど...趣味悪っ。虫とか苦手なんだけど」
どうやら昆虫などの小さな虫たちを題材とした恐怖を煽る屋敷らしいです。心霊とはとはまた違った怖さがありますね...
ふと、メイさんの反応がないことに気が付きました。
いえ、正確には何かを言っているのは聞こえます。ですが私たちに向けてではなく、ひとりでなにかブツブツと言っているメイさんがいました。
「だっ、大丈夫、あれは作り物だから、いまは違うから。」
「せっかく連れてきてもらったのに、楽しめないなんてことはしなくないから、大丈夫。行ける。...」
「いまは2人がいる、無理なんてことはないし作りもの。大丈夫、大丈夫、大丈夫だから....」
何か言っているのが聞こえなくなったと思ったすぐあと、俯いていたメイさんがパッと前を向き....
その後、全ての力が抜けたかのように膝から崩れ落ち、震え始めました。
「メイさんっ!?」
その身体を急いで支え、どこか体調が悪くなったかどうかを確認します。熱は無し。切傷、打撲等もありません。
ですがどんどんと青くなっていく顔を止められることができず、次第に息が浅くなっていき、過呼吸になっていきました。
「メイさん!大丈夫ですか!?メイさん!!」
私は、どうすれば良かったのでしょうか。何が正解だったのでしょうか。
教えてください、杏山カズサ。
「キキッ、ようやく来たか、空崎ヒナ。」
「...おちょくるのもいい加減にしてもらおうかしら。貴女が隠したんでしょう?」
2人の間には重く深い空気が漂う。幸いこの部屋にはこの2人しかおらず耐えられないものはいなかった。
「ふん、なんの事だか...「メイのことよ」...まあ知っているがな」
「だったらなんで教えてくれなかったの?嫌がらせをするにも限度があると思わない?理由もなくメイが実質退学だなんて...」
「理由もなく、か。....元情報部の名が廃る。それくらい自分で調べてこい.........本人からは何か聞いたのか?」
「いえ。退院してからは何も。面会も拒否されたから。セナからも情報は貰えなかったわ。何回も言うけど、いい加減教えてちょうだい」
「.........いいだろう。但し、1つ、私の言うことを絶対に聞くこと。それが条件だ。破ったりすることはさせんぞ。」
「___いいわ。風紀委員長の名において、約束を破ることはしない。それでメイの身に何があったかがわかるなら」
「なんっ...」
「言ったことが全てだ。そこに齟齬も何も無い。」
怒りが抑えられないヒナが翼を力任せにはためかせ、重苦しい空気を無理やり循環させるかのごとく風を巻き起こす。
全く、仮にもトップであるのだからそれくらいの感情は抑えておけ...とは私の口から言えない。
怒りを抑えきれなかったのは当時の私なのだから。
「それはそうとして、約束は約束だ。聞いてもらうぞ」
「...いいわ。これから帰ってやることが沢山ありそうだから手短にね」
今すぐにでも乗り込もうとしているヒナを止めるために私が提案したことを教えてやろう。
「___それでは、空崎ヒナ。貴様は
「なっ___」
「貴様はどうせ暴れでもするのだろう?メイは言っていた。復讐などはするな、と。貴様は精々風紀を守るための治安維持に務めるが良い!キキキッ、アッハッハッハ!!!」
私を殺すかという勢いで睨みつけるヒナ。
ああ、それでいい。それでこそだ。
だからお前には重要な役割を果たす役目があるのだ。
誰かが暴走しているなら、それを止める絶対的な力が。
愛清メイ
16歳
元ゲヘナ学園所属 現シャーレ勤務
好きな物:お姉ちゃんが作る料理、友達、オムライス、人の匂い、お姉ちゃん。
嫌いな物:貰ったものを粗末にすること、周りに迷惑をかけること。蟲(new!)