数分後、大分県警のパトカーが到着した。
「警部。」
「被害者は、東京の人間のようですね。」
「何、それは本当か。」
「ええ、名前は東京都江藤区の中原 実さん37歳と判明しました。」
と、工藤刑事は言った。
「ほう、そうかそれで死因は?。」
「はい、被害者が飲んでいた缶ビールの中に青酸カリが混入されていました。」
「青酸カリか。」
「ええ。」
大分県警の話では、被害者が着方駅で特急「ゆふいんの森」に乗って駅弁と一緒に食べた後にビールを飲んで殺害されたと判明した。特急「ゆふいんの森」で起きた殺人事件は、鉄道公安隊特捜班にも伝えられた。
「中原 実、それで住所は東京都江藤区、わかりました、さっそくこちらでも調査いたします。」
と、高杉は電話を切った。
「おいっ、大分県警から捜査協力の要請だ。」
「早速、当たってみます。」
桜井は、さっそく高山と岩泉と一緒に中原家へ向かった。
「まぁ、夫が殺されたんですか?。」
「ええ、博多発の特急「ゆふいんの森」の車内で殺害されました。」
「まぁ。」
「それで、何か悩みとかトラブルとかありませんでしたか?。」
と、桜井は言った。
「そう言えば、夫は誰かに脅されているんらしいんです。」
「えっ、何だって。」
「それで、警察の方には。」
「ええ、もちろん相談しました。4日前にも知り合いも同じ被害にあっていたんです。」
「ほう、なるほど。」
高山と岩泉と桜井は、高杉に報告した。
「そうか、中原も金銭トラブルによる恐喝被害か。」
「ええ、恐らく。」
「班長、東京駅で起きた事件と特急「ゆふいんの森」の毒殺は恐喝事件と関連しているんでしょうか?。」
「ああ、その可能性があるな。」
と、高杉は言った。
「奥さんの話では、彼は鉄道オタクでよく1人旅へ行くこともあったそうです。」
「ほう、それで旅行先は九州か?。」
「ええ。」
被害者の中原の九州旅行の日程は次のとおりである。
1日目 東京から博多へ 9時17分発特急「ゆふいんの森1号」に乗車 湯布院で1泊
2日目 湯布院から鹿児島中央へ 大分から特急「にちりん」と特急「きりしま」に乗り継いで、鹿児島中央から特急「指宿のたまて箱」に乗り継いで指宿へ 指宿で1泊
3日目 指宿-鹿児島中央から列車と新幹線に乗り継いで東京へ帰京
「という事は、湯布院温泉へ行く途中で毒殺されたって事か。」
「ええ。」
「ほう、なるほどね。」
「という事は、犯人はどこかの駅で下車したってことは考えられないかな?。」
と、桜井は高杉に言った。
「おお、その可能性もあるな。」
犯人は、どこへ消えたのか。
次回もお楽しみに。