ゾンビVSテロリストVS原作知識持ち転生者 作:カロ(ハーメルン)
「れん、腹へってねえか?」
明るさが、ざらついたココロに。
「……山田」
短髪の男子生徒。
ニカッと笑ったその顔。
「だから、隼人でいいって!」
あぁ。
「……ハヤ、ト」
泣いて、しまいたい。
「おう! で、これ食うか?」
元気づけるようにナニカを。
「ジャーキー持ち歩く俺、やっぱ天才──」
にく。
──グチャ……クチャァ
にくをむさぼるヒト。ヒト。ヒト。
「ヴッ……オェ゙ェ゙ェ゙」
陰に沈む渡り廊下。散らばったガラス。
なにもかもが、ダンダンダンッ!とおしよせる。
──ア゙ア゙ア゙!! ヴィャァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙!!!!
こちらをチラッと見た。
かれが。
恐ろしい眼で。
まっかな血肉をボトボト──
「──ぃ……おい……おいッ!?」
ぼんやり近づく、焦った声。
「だ、大丈夫か!? ……ごめんッ」
おずおずと背中をさすられる。
ほのかな熱。
「ぁ……だい、じょうぶ」
ゆっくりまえを。
ここは図書室。
ひとしか、いない。
「──お前なんて、死んでおけばッ!」
苦しみに満ちた叫びが突然。
ヒュッと締まる首。あたまがまっしろに。
「……おにぃ、ちゃん」
ガタガタ震えきった──
メイの声。
「(ッ……そうだ)」
ハッと目を開く。
同じ展開。
「は? 最ッ低……」
金髪の女子が吐き捨てるように。
「おい……かぞく、なんだろ?」
「なりたくてなったわけじゃ!」
歪んだ表情のメガネをかけた男子。
「りょうくん、やめて」
うしろから。
「……ハァ……ハァ」
張りつめた沈黙、か細い呼吸だけ。
彼女の痛み。壊れるココロ。
血塗られた最期。
──美しい涙。
「メ、イ」
思わずこえを。
だめだ。変えちゃ、だめなのに。
また。
「……蓮、さん?」
でも。
だから。
おねがい。
もう。
「ぜったい……ッ ……ぜっだい、ま゙もる、がら゙ッ」
──しなないで。
*
「わたくし、思うんですの」
タカナン。
「寮や森までそのようなら……もう島に逃げ場はないと」
そばかすをフッとうつむかせて。
「……そう、かもな」
暗い声色でニクダがぼそり。
「だ、だからなんだッ」
嚙みつくメガネ。いちいちうるさい。
「ですから」
──ぽよんっ
「みんなで、この島から出ましょうっ!」
その……無駄にでかい乳を弾ませ。
「ぉ……ん?」
ちらちら見てたニクダが、首を傾げる。
キモ。
「船でしょ。ムリだって」
できるわけない。惨めに死んで、やつらのエサに──
「──きっと、できますわ」
強い強い濁った瞳で、ウチのことをジィッと。
「……なん、で」
おかしくなってるだけ。
魅入られてるだけ。
なのに。
「れんくんたちが成し遂げたんですもの──みんなで力をあわせれば、できます」
なんで、こんなに。
揺さぶられるの。
*
「ボクはいかないッ」
リョウがグワッと荒々しく。いつかの妹のように。
そして、同じように拒むはずの彼女。
生きることを諦めたメイは。
「……」
静かに。
「(あ、れ)」
こっちを。
その目。その顔。ざわつく胸。
ぼうっと。
やわらかい光が、ほころぶように──
「私もいきません」
──消えた。
*
テロリストに捕まったメイの幼馴染。
彼らの目的の一つは、全生徒の殺害。
怯えた女の子が内に秘める、生存者の情報。
冷酷なキカイは手段を選ばない。
「──としても、おかしくない」
なんでユウキが……!
図書室に残られたら、すべてがおわる。
彼女の命も、僕らの命も。なにもかも。
「……ぇ」
サァと顔色を失ったメイ。
そんなつもりじゃ。
あぁ、でも。
自分がかけるコトバなんて。
「ハハ……ま、まさか」
「メガネ……」
ぼかして伝えた原作知識。
大丈夫。これで。
きっと、いっしょに──
「関係ない」
強い強い……濁った瞳で。
「──冬也くんを、助けにいくから」
※見切り発車。需要があれば続きます。
ご覧いただきありがとうございます!嬉しい……!
良いな~と思ってくださった方は、よろしければ☆評価やお気に入りをお願いします……!
なんでこんなに暗いんですか……?