ゾンビVSテロリストVS原作知識持ち転生者   作:カロ(ハーメルン)

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第7話

 

 

「れん、腹へってねえか?」

 

 明るさが、ざらついたココロに。

 

「……山田」

 

 短髪の男子生徒。

 ニカッと笑ったその顔。

 

「だから、隼人でいいって!」

 

 あぁ。

 

「……ハヤ、ト」

 

 泣いて、しまいたい。

 

「おう! で、これ食うか?」

 

 元気づけるようにナニカを。

 

「ジャーキー持ち歩く俺、やっぱ天才──」

 

 にく。

 

 

──グチャ……クチャァ

 

 にくをむさぼるヒト。ヒト。ヒト。

 

「ヴッ……オェ゙ェ゙ェ゙」

 

 陰に沈む渡り廊下。散らばったガラス。

 

 なにもかもが、ダンダンダンッ!とおしよせる。

 

──ア゙ア゙ア゙!! ヴィャァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙!!!!

 

 こちらをチラッと見た。

 

 かれが。

 

 恐ろしい眼で。

 

 まっかな血肉をボトボト──

 

 

「──ぃ……おい……おいッ!?」

 

 ぼんやり近づく、焦った声。

 

「だ、大丈夫か!? ……ごめんッ」

 

 おずおずと背中をさすられる。

 ほのかな熱。

 

「ぁ……だい、じょうぶ」

 

 ゆっくりまえを。

 ここは図書室。

 

 ひとしか、いない。

 

 

「──お前なんて、死んでおけばッ!」

 

 苦しみに満ちた叫びが突然。

 ヒュッと締まる首。あたまがまっしろに。

 

「……おにぃ、ちゃん」

 

 ガタガタ震えきった──

 

 

 メイの声。

 

「(ッ……そうだ)」

 

 ハッと目を開く。

 同じ展開。

 

「は? 最ッ低……」

 

 金髪の女子が吐き捨てるように。

 

「おい……かぞく、なんだろ?」

「なりたくてなったわけじゃ!」

 

 歪んだ表情のメガネをかけた男子。

 

「りょうくん、やめて」

 

 うしろから。

 

「……ハァ……ハァ」

 

 張りつめた沈黙、弱々しい呼吸だけ。

 

 彼女の痛み。壊れるココロ。

 

 血塗られた最期。

 

 

──美しい涙。

 

「メ、イ」

 

 思わずこえを。

 

 だめだ。変えちゃ、だめなのに。

 

 また。

 

 

「……蓮、さん?」

 

 でも。

 

 だから。

 

 おねがい。

 

 もう。

 

 

「ぜったい……ッ ……ぜっだい、ま゙もる、がら゙ッ」

 

──しなないで。

 

 

 

 

「わたくし、思うんですの」

 

 タカナン。

 

「寮や森までそのようなら……もう島に逃げ場はないと」

 

 そばかすをフッとうつむかせて。

 

「……そう、かもな」

 

 暗い声色でニクダがぼそり。

 

「だ、だからなんだッ」

 

 嚙みつくメガネ。いちいちうるさい。

 

「ですから」

 

 

──ぽよんっ

 

「みんなで、この島から出ましょうっ!」

 

 その……無駄にでかい乳を弾ませ。

 

 

「ぉ……ん?」

 

 ちらちら見てたニクダが、首を傾げる。

 キモ。

 

「船でしょ。ムリだって」

 

 できるわけない。惨めに死んで、やつらのエサに──

 

 

「──きっと、できますわ」

 

 強い強い濁った瞳で、ウチのことをジィッと。

 

「……なん、で」

 

 おかしくなってるだけ。

 魅入られてるだけ。

 

 なのに。

 

「れんくんたちが成し遂げたんですもの──みんなで力をあわせれば、できます」

 

 なんで、こんなに。

 

 揺さぶられるの。

 

 

 

 

「ボクはいかないッ」

 

 リョウがグワッと荒々しく。いつかの妹のように。

 

 そして、同じように拒むはずの彼女。

 生きることを諦めたメイは。

 

「……」

 

 静かに。

 

「(あ、れ)」

 

 こっちを。

 

 その目。その顔。ざわつく胸。

 

 ぼうっと。

 

 やわらかい光が、ほころぶように──

 

 

「私もいきません」

 

 

──消えた。

 

 

 

 

 テロリストに捕まったメイの幼馴染。

 

 彼らの目的の一つは、全生徒の殺害。

 怯えた女の子が内に秘める、生存者の情報。

 

 冷酷なキカイは手段を選ばない。

 

 

「──としても、おかしくない」

 

 なんでユウキが……!

 

 図書室に残られたら、すべてがおわる。

 彼女の命も、僕らの命も。なにもかも。

 

「……ぇ」

 

 サァと顔色を失ったメイ。

 そんなつもりじゃ。

 

 あぁ、でも。

 

 自分がかけるコトバなんて。

 

「ハハ……ま、まさか」

「メガネ……」

 

 ぼかして伝えた原作知識。

 

 大丈夫。これで。

 

 きっと、いっしょに──

 

 

「関係ない」

 

 強い強い……濁った瞳で。

 

「──冬也くんを、助けにいくから」

 

 

 

 




※見切り発車。需要があれば続きます。

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なんでこんなに暗いんですか……?
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