0話 剣咲刀華は転生す
コヒュー......コヒュー......
息を吸って吐くそれだけのことも私は満足にできない。
空気を取り込むたびに胸の奥が痛み吐けば喉が焼ける。
小さいころに罹った病気により私は17になるこの年まで病院のベットで過ごしていた。
(なんで私って生きているんだろう....)
何度思ったか分からないことを私は考える。
親はこの有様の私に興味を無くし何年も病室には来ていない。院費は払っていてくれるようだがそれは法律上の親としての義務によるものだろう。
肺の病気で機器が無ければ呼吸も安全にできず、ベットの上から動けないため骨だけになった体はまるで死体のよう。病室から出られず記憶にある景色といえば白い天井と物々しい格好をした医者や看護師だけ。
まさしく生かされているとしか言いようがない自分の現状に私は思考を巡らせる。
この先にはこの痛みと退屈に見合うだけのものがあるのだろうか?苦しみを続けることの意味はあるのか?私は生きるべきなのだろうか?
結局、考えてみても私は現状を変える力すらないといういつもの結論にたどり着こうとしていた。
その時だった、突如周りが暗くなった。
そして一拍置いた後にとてつもない苦しさが起こった。
途端に私の視界は暗転し沈んでいった。
こうして私、剣咲刀華の人生は幕を閉じた。
(どうしてこんなことになっているんでしょうか?)
あの日、おそらく停電であろうもので生命維持装置の電源が切れた私はその命を落とした。
気が付くと私は見覚えのない石畳の小汚い部屋にいたのだ。
あの時の私の混乱っぷりはすごかった。当時私は一瞬のことで自分の置かれた状況が分からずパニックになり医者や看護婦を呼び続けたのだ。
しばらくして落ち着き医者を呼んでも意味がない....どころか
これ異世界転生というやつだ......と。
いきなり見知らぬ部屋に移動したこと、無菌室でなければ危険なはずの体に何の苦しさも感じないこと、そして自分の
だってそうでしょ.....。人間どころか生物ですらない自分の姿を見れば。
私はこの体になってできるようになった視界を飛ばす魔法?(後にこれはスキルというものだとわかった)で自分を見下ろす。
柔らかい何らかの皮で作られた持ち手。青と黒のシックな装飾。そして銀色の刀身。
(神様、生まれ変わるならせめて生き物がよかったです........)
病弱少女 剣咲刀華 16歳
死んでしまった私は異世界で剣として生きていくことになるようです。
剣咲刀華
種族:
前世、難病によりベット生活だった子。そのためあまり未来に希望を持てず悲観的なことばかり考えていたが、心の中では現状を変えたい、外に飛び出してみたいと無意識に思っていた。
腕すら上がらないほど体が弱っていたがかろうじて目や指先は動いたのでアイトラッキングなどで電子機器を用いてアニメ、漫画、小説を漁っていた。それによりオタク趣味には理解を示している。
モデルというか元ネタは『転生したら剣でした』の師匠。性格や人間性は全く似つかない。最終的な性能や強さも違うのでほとんど剣に転生するという状況を真似ただけ。