こんなタイトルですが、トーカちゃん視点で進みます。
「ちょっと! いきなり飛び降りるなんて聞いてないわよ!」
「言ったら、あいつらにばれるだろ? てか、あいつらは大丈夫かな」
「何で殺されかけたのに心配してるんですか……。そもそも、何であんなところにドラゴンがいるんですかね?」
「ルーカスさんには、下層にはドラゴンがいるから絶対におまえらは行くなよって言われたけど……」
「ドラゴンが上層にいるなんて反則よ」
「だよなぁ」
私たちはため息をつく。
ドラゴンに襲われた私たちは、冒険者たちにそれを擦り付けて地底湖に飛び込んだ。
今の魔石を取り込み続けた私の実力なら、ドラゴンでも1対1なら問題ない。
でも、あの不安定な足場で二人を守りながらであると少し心許なかった。
竜と戦うか、逃げて地底湖に飛び込み中層に降りるか。
後者の方がいいと判断した私たちは念話でマコトくんと話し合い、私たちは身を投げたのだ。
「どうしようかな、これから」
「上層に戻るんでしょ?」
「ああ、だけど上層に戻る道がわからない」
「え? 滝から戻ればいいじゃない。まことの魔法で」
「さすがに滝登りはできないよ」
周りに気配を感じる。先ほどの冒険者とはくらべものにならない気配。それも数えきれないほど。
「もしかして、これって絶体絶命?」
「ちょっと、まずい状況かもな。」
「大丈夫です、力を合わせればきっと」
私は身体を剣に変える。
マコトくんが私を拾い装備した。
周りからはどんどんと魔物が近づいてくる。
どうしようかな?マコトくんと私はそう思いながら、構えを取った。
◇佐々木あやの視点◇
「はっ」
私――佐々木あやは、目を覚ました。
「あれ?」
私、
自分の身体を見てみる。
大きな怪我は無い。
辺りを見渡す。
ここは、私のお気に入りの滝の裏の広場だ。
住処を出て、すぐの場所だ。
「大母様! みんな!」
住処に向かって駆け出した。
見慣れた住処の入り口を守る大岩は、内側から壊されていた。
いつもワイワイと賑わっていた、洞窟の中はがらんとして、誰も居ない。
「冷たい……」
いつもの住処じゃない。
あの悪夢の時と同じ。
「うっ、うっ、うう……」
涙が溢れる。
みんなの最後の光景が、目に焼き付いて離れない。
あの虚ろな目。
血まみれの大母様。
なんで、あんなことに……。
私はこの惨状を引き起こしたやつの顔を思い出す。
大姉様、いや。
あのクソヤロウ……。
キョウダイを、大母さまを、姉様たちを……。
なぜだかわからないが、私は生きてた。
なら、敵を討つ。
それまで、私は死ねない。
私は暗く静かになってしまった洞窟で暗い決心をした。
それから、私は魔物を狩って、狩って、狩って、狩って、狩って、狩って、狩って、狩って、狩り続けた。
特にハーピーだ。
しかし、徹底的に潰そうとしたのだが、あいつらは空に逃げるから手が出しづらい。
最近は、私を見ると逃げるようになってしまった。
くそっ!
寝る場所は、誰もいないラミア族の寝床だ。
扉が壊されてしまっているので、前ほど安全では無いが他に場所を知らなかった。
もしかすると、裏切り者のアイツが帰ってくるんじゃないかと思ったが、姿を見せなかった。
どこに行ったのだろう。案外、どこかで野垂れ死んでいるのかもしれない。
しかし、もし生きているなら。
必ず、私が殺す。
あの裏切り者と、ハーピー共の親玉を殺すことだけが私の生きがいだ。
だけど、私はそこまで強くない。
どうするべきか、そんなことを思っていた時、大母様の言葉を思い出した。
「強くなりたいなら人間を食べなさい。あいつ等は、神に祝福された強い力を持っている。魔力の高い人間を食べると強くなれるよ。私みたいにね」
今の私では、ハーピーの親玉には勝てない。
私はもっと強く、ならないと……。
手段は、選んでいられない。たとえ、かつての同族を食べるとしても........
◇
しばらくは、たった一人で戦い続けた。
ある日のこと。
気づいたのは、地底湖のほうで大きな音がしたからだ。
慌てて、私は寝床から飛び出した。しかし、何もない。敵が襲ってきたのかと思ったが、そうではないらしい。
魔物たちが、何かに群がっている。
あれは、人間?姉様たちが言ってた冒険者だろうか。
二人の人間がいる。
真っ赤な髪の女と、グレーぽい服装で黒髪の男。
女のほうは魔法使いだろう、杖を持ってるし。
男はなんだろう、軽装に直剣と短剣。剣士だろうか?
女魔法使いは、身体から魔力があふれ出している。
強い生命力を感じる。
(あいつを襲えば……、食べれば私は強くなれるのだろうか)
だが、その前に憎たらしいハーピー共がいる。
先に、あいつらを片付ける!
ハーピーを蹴散らしながら、2人を観察する。
(やっかいなのは、男のほうだ)
その体から感じる力はそこいらのゴブリンと変わらない。女の方は強大な生命力を感じられ、それだけを見ると彼女の方が強い。
だが、彼の持つ剣。それからは強い気配を感じる。あの力、もしかしたら、大母様よりも........
そして、何よりも.....
(あいつ、後ろに目があるの?)
数十匹の魔物に囲まれて。
女魔法使いは、必死の形相で魔法を唱えて、悲鳴を上げながら大海蛇やアラクネの糸から逃げている。その様子には、全く余裕がない。
しかし、男の方は
後ろから襲ってくるハーピーを最小限の動作でかわし。
水中から飛び出してくる大海蛇から軽やかに逃れ。
近づいてきたバンパイアに魔法を放ち。
アラクネの糸を、サクサク切り裂いている。
まるで踊っているように気軽に全ての攻撃をさばいていた。
(あの落ち着きぶりはなに?)
ぎりぎりの命のやりとりをしながら。
ふと、魔物からの攻撃が無いわずかな時間にぽりぽりと、頬をかいていた。
やれやれ、困ったな、みたいな感じで。
(やっかいなのはあの黒髪の男だ……。あいつから狩ろう)
私は集中力を高めた。
それにしても、あの頬をかく仕草。どこかで、見た覚えがあるんだけど思い出せない。
◇
減らないですね
私は迫りくる魔物の大軍をさばきながら、そうこぼす。
「
ルーシーさんの放った魔法が、巨大な水柱を発生させる。既に10発目の魔法だ。
何匹かの魔物を巻き込むが、まだ数は多い。
「大丈夫か? ルーシー」
「うん、魔力はまだまだ平気」
(無理はしないでください)
さすがは、底なしな王級魔法使い。ただ、魔力は良くても集中力のほうがそろそろ限界だろう。
「ルーシー、しばらく魔法は使うな。俺たちが対処するから」
「わ、わかったわ……」
マコトくんはふらついているルーシーさんの肩を抱き寄せ、辺りを見回す。
私たちを囲んでいる魔物は100匹以上。
大体の魔物は、下位~中位クラスの魔物で私たちなら一撃で倒せる。
気をつけないといけないのは、2匹。
ひとつは、巨大なワニのような魔物。
これは、ギルドに情報があった、地底湖の主らしい。
ただ、今のところ私たちに興味が無いようで、オークやらゴブリンを襲っている。
どうやら、魔物同士でも争って混戦になっているらしい。
だから、そこまで心配はしていない。
問題は、もう一匹の方だ。
この混戦に気がつくと混じっていた、一匹のラミア。
(通常は、ラミアは群れで行動すると聞いたんだが……)
(ラミアの上位種でしょうか)
このラミアは、たった一匹で行動している。
一見、ハーピーやアラクネと戦っていて、こちらに興味は無さそうだが……。
(こっちを狙ってるな)
マコトくんの危険感知スキルのアラートが鳴りっぱなしだ。
(しかも、相当強いですね)
ラミア族は、魔物としては中位クラス。
しかし、こいつは一撃でオークを叩き潰し、紙のようにハーピーの翼を引きちぎっている。
というか、ハーピーはこのラミアの姿を見て逃げてしまった。
その点だけは、助かったが、あのラミア一匹のほうが危険度は高い。
まだ、魔力には余裕がある。そろそろ大きい魔法を使って、魔物たちを撒きたいのだが……。
(あのラミアが狙ってる状況で、手札を切りたくはない)
隙を作ってしまうし、見せたら対処されるかもしれない。できれば、気をそらしたいが。
私たちはルーシーさんを見る。
肩で息をして、いかにも疲労困憊と言った様子だ。今魔法を使って気を引けというのは酷だろう。
私たちが対処するしかないですね。そうだな。
スキルで共有されている思考で、マコトくんと話し合い、気合を入れなおす
私たちはラミアに対して、あえて
スキルで視界は360度見えているので、絶対にラミアからは注意を逸らさない。
(誘いに乗るかな……)
ダメだったら次の手を考えましょう。
魔物たちの攻撃をさばきながら、その時を待つ。
(来た!)
ラミアが一気に、距離を詰めて迫ってくる。
(早いっ!)
振り向きざまに、剣を振るうが、虚しく空を切った。
「水魔法・水龍!」 (太陽魔法・
本命の超級魔法を放つ。
ラミアの眼前に生み出された、それは。
(避けられた!?)
ものすごい速さで避けられ、距離を取られた。
「くそっ!」
(まさか、あそこから避けられるとは)
これはちょっと、まずいかもしれない。
今の速さで動けるこいつと接近戦で戦う。それが私の本領とは言え、できれば遠距離攻撃で倒したかった。
至近距離で、ラミアと目を合わせる。
ルーシーさんを守るため短剣を構えなおした。
だが、一向に襲ってこない。
目の前に迫る魔物は、驚いたように目を見開いて言った
「高月くん……?」
原作よりも魔物の数は多いです。
強化したなら、敵も強化しないとね!!
トーカちゃんを装備している時の思考は二人のものが統合されているので、口調が混ざっておかしくなります。一人称だったり語尾だったりがね。
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