◇トーカの視点◇
マコトくんと契約を結んだ私は、彼に運ばれて彼が拠点としている町「マッカレン」にやってきていた。
前世も含めても初めての人の多さに私はとてもテンションが上がっていた。
(マコトくん、マコトくん、あれは何?)
(あれは屋台ですね。新鮮な食べ物が売ってますよ。)
(あれは、あれは?!)
(あれはですね.....)
とまあ、目に映るものが珍しくて念話で会話をしすぎてしまったが迷惑になっていないだろうか。
(ごめんね、こんなこと初めてだったから気が昂っちゃって)
(ん~、まあいいですよ。仕方がないことだし)
どうやら気遣ってくれるらしい。優しい。
(じゃあ、今から依頼完了を報告しにギルド行くんで)
(分かったわ)
ギルドの途中の道にも色々なものがあり、私はまた彼を質問攻めにしてしまった。
◇高月マコトの視点◇
「じゃあ、行きますよ」
(ええ!!)
俺は片手にトーカさんを持って集中力を高める。
「水魔法、
こちらに向かってきた虎のような魔物がバランスを崩す。
その隙を俺たちは見逃さず俺はトーカさんで一閃した。
「やっぱり、強いな~」
(当然でしょ)
トーカと契約してから俺の狩りは効率が格段に上がっていた。
契約により彼女を"装備"している時は攻撃力や速度が俺に加算されることで、俺のステータスが水増しされ素のステータスとは比べ物にならないくらい強化される。
「なんというかズルしている気分だな」
(そんなことはないよ、二人で力を合わせて倒したんだから。)
そうはいっても俺は氷を床に張っただけだし、その魔力もトーカさんに『貯蓄』されていた魔力を使ったものだ。ほとんどトーカさんのおかげだろう。
というかあなたなら俺の助けがなくてもこの程度の魔物は倒せるでしょうに。
(まあ、それよりもいつも通りいいわよね?)
「ああ、これを俺が持っていったら問い詰められるからね」
さっき倒した虎の魔物から魔石を取り出し彼女に渡す。
俺の冒険者ランクはストーンランク。しかも、ステータスの低さは知られていることだ。
そんな俺がこんな魔物の素材を持って行ったら勘繰られてしまう。だから、上位の魔物を倒した場合は魔石を取り出しトーカに吸収してもらい、他の部分は放置して自然に帰るのを待つということになっていた。
(このままだと俺がヒモになってしまう。)
最近は彼女の力に頼りきりになってきてる。
ステータスの底上げをしてくれるのはありがたいのだが、それに依存しそうで少し怖い。
(修行がんばろ.......)
俺は日課の魔法の修行に一層打ち込むことにした。
◇
夢を見た。
俺は何も無い空間に立っていた。
ここには見覚えがある。
気づくと俺の前には目もくらむような美女が立っていた。
「久しぶりですね、女神様。」
「久しぶりね、マコト。」
目の目には、俺の信仰するノア様が現れた。
久しぶりにあった俺がするべきことは、
「ノア様この前の助言はありがとうございました。」
トーカさんを俺と引き会わせてくれたお礼だろう。
「別にいいわよ~。信者のマコトの力が強くなるのは、私にも都合がいいし。」
「.....トーカさんはすごいと思いますが、俺はそんなことはないと思いますけど。」
彼女を装備している時はステータスが増えるが、それだって彼女の力を借り受けてるに過ぎない。俺の素のステータスはミジンコレベルのままだ。
「そういう、仲間がいることも"力"の一つなのよ、もうちょっと胸を張りなさい」
「そう......ですかね?」
「そうよ。世の中はちょっとぐらい図々しいぐらいがやりやすいのよ!」
俺に図々しく信者になるのを頼んできた女神さまが言うと説得力が違うなぁ。
そんなことを思ったら女神さまにギロリと睨まれた。やべっ、心を読まれた。
「まあ、彼女に頼りきりにならないようにするのは正解よ。トーカちゃんを装備している時のあなたは大抵の相手には負けないけど、逆に言えば彼女がいなければ何もできなくなっちゃうからね」
それは...まあ、分かっているつもりだ。
どんなに彼女が強くても装備者の俺がこのままじゃ色々とまずい。トーカさんが離れている時に何もできなくなっては問題だ。
「それに、彼女みたいな
「いんてり.....?」
女神様は気になることを言ったがそれよりも聞きなれない言葉が気になった。
「インテリジェンス・ウェポン。意志を持った武具のことよ。歴史上でも数えるほどしかなく、その性能は勇者が振るう聖剣にも劣らないと言われているわ。」
トーカさんってそんなすごい武器だったのか.....。確かに使ってみたらすごい性能だったけど。
「だから、あまり人前で彼女の力を使っちゃだめよ。」
「わかりました、女神様」
すると目の前が歪み始めた。この感覚は現実の世界に体が戻される直前だ。
「今日はありがとうございました、女神様。今後ともよろしくお願いします。」
「いいわよ、マコトもこれからも精進なさい。あなたは私のたった一人の信者なんだから命は大事にしなさいよ。」
それが聞こえると俺の意識はゆっくりと沈んでいった。
原作0番目のヒロインノア様と原作主人公マコトの会話です。二人の掛け合いって好きなので比較的に筆が乗ります。
マコトの描写が大変...。やっぱりキャラの書き分けができてる世の小説家ってすごいんですね。
原作のアニメ化のキャストが決まってテンションが上がっています。楽しみだな~