自分を偽り続けた者がスタンドを得たので運命に抗ってみる件 リメイク版 作:スイオウ
最初に言っておこう、俺は自分が嫌いだ。自分の容姿も自分を偽る自分も。
周りは俺を気味悪く思っていただろう。それはそうだ。はたからみればへらへら笑って普段から俺が何を考えているか分からなかっただろうし母の血が濃かったせいか、女のような見た目のせいで俺に関わろうとする人なんてほぼいなかった。気の合う友人達も少なからず俺の事をそう思っていただろう。でもそうでもしないと気がおかしくなってしまいそうだったから俺は笑った。
もう一度言おう。俺は自分が嫌いだ。俺たちを捨てた父親譲りの金髪もそして母に縋り付いて泣く俺自身も。
そもそもとして俺がこんなふうになったのも母が亡くなったからだ。女手ひとつで高校まで行かせてくれた母はある日、遂に倒れてたった数日で俺は母の最後を見送ることになった。まだ若かったのに病気のせいであっさりと亡くなった。
何もできなかった自分に腹が立ったし、母を良いように思っていなかった親戚の奴等も嫌いだった。そして俺と母から安心を奪った名も知らない父も嫌いだった。
でもせめて母が託してくれた事は続けたいと思っていたから俺は自分を偽って高校生活を送っていった。嘘つきと言われてもどんなに辛くても、母の事を親戚に悪く言われても笑って自分を偽って誤魔化した。
それから高校を卒業して社会人になったんだっけ。親戚に居候していたけど追い出されて一人暮らしを始めて、色々な仕事を回ったけどどれも上手くいきすぎて妬ましく思ったのか色々な職場の上司や先輩に虐められたり、嵌められてあらぬ失敗や噂のせいでクビにされたんだよなぁ。ほんと嫌な奴等だった。だから人とつるむのは極力避けた結果、唯一心を癒せた時が1人で本を読んでいた時だけだった。
特に好きだったのが「ジョジョの奇妙な冒険」と「転生したらスライムだった件」だったけ。でも「ジョジョ」を見ている時何故かDIOが出ると生理的にムカつくのは何故なんだろうか?というかなんで今俺、こんなこと思い出して...。
「おい!君!大丈夫か!?」、「今、救急車呼びました!」、「おい!そのクソ野郎押さえろよ!ぜってー逃すな!」
ああ...そっか〜これ走馬灯か...。確か歩いていたら後ろから刺されたんだっけ。通り魔みたいだったけど...。
「君!しっかりしろ!」、「救急車呼んだから後少し耐えてくださいね!」、「おーい!誰か手を貸してくれ!このクソ野郎目がイッテるし、力が以上に強いんだ!」
ごふっ! ああ...すみません、もうダメですわ。なんか目が霞んでるし、寒いし、息が上手くできなくなってた...。くっそ...せっかく「ジョジョリオン」買えたのに...見れずに終わるのか...。
《確認しました。ユニークスキル「幽波紋」(タチムカウモノ)を獲得しました。続けてスキル「耐熱耐性」、「耐寒耐性」を獲得しました。「耐熱耐性」、「耐寒耐性」を獲得した事により熱変動耐性にスキルが変化しました。》
あれ...誰かなんか言いました...?あ〜ダメだ。もう声すら出せん。もうすぐ死ぬなこれ...。ごめん母さん、俺の人生は結局、「偽りの人生」だった。母さんが今までやりたかった仕事に色々就けれたのにすぐクビになったし、理由聞いたらいつもへらへら笑っていて崩さない俺の顔から熱意が感じられないってさ...。でもそうだったな...。全部母さんがやりたかった事を見せてあげようと思って、熱意とかどうでも良かったし...本当、昔から俺って嘘ばっかついてたしな...ツケが回ったんだろうな...。
《確認しました。ユニークスキル「虚偽者」(イツワルモノ)を獲得しました。》
やっぱり誰か言ってるよね?あ〜でももうどうでも良いわ。体も全く動かせなくなってきた...。でも...。
「おい!お嬢さん!救急車が来たぞ!死ぬな!」、「こっちです!急いで!」、「お巡りさん!このクソ野郎お願いします!」
こんなふうに俺の事助けてくれる人がいるし...。あーもういいや、もうそれだけで満足だ...。チェリーでももう良い...。もしかしたら賢者になれたかもしれんけどもう良いんですよ...。ジョジョのスコリッピだって言ってた。「我々は皆、運命の奴隷なんだ」って...。これが運命なら俺は受け入れるよ...。でもせめて...あなた達の思いが...たとえ無駄になっても...俺が死んだ後も...その意思は...忘れないで...ください.......。
《確認しました。エクストラスキル「賢者」を獲得。続いてエクストラスキル「賢者」をユニークスキル「大賢者」(エイチアルモノ)に進化させます。...成功しました。エクストラスキル賢者はユニークスキル「大賢者」(エイチアルモノ)に進化しました。続けてユニークスキル「継承者」(ウケツグモノ)を獲得しました。》
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よし...状況を整理しよう...。俺の名前は空条城星。24歳独身。無職で本やマンガ、小説が生き甲斐のオタク。で、今日はジョジョの新刊を買って家に帰ろうとしたら...刺されて...意識が遠のいて...死んだと思ったら...“洞窟にいた”と...。
...いや何で?
刺されたじゃん。死ぬじゃん。でも何で生きてんの?
まぁいっか...。きっとリアルな夢でしょ...。“背中の傷は塞がってるし”...。
...ん?
ちょっと待って...何で”傷が塞がってる“ってわかるの?
いやそれは見たから...。...誰が?...「俺が」...見たから...!?
いや待て待て待てどうやって見た...!?そもそも背中の傷って見れるわけ...!?でも実際“後ろから”...!?
俺は後ろを振り返った。その時、そこにいたのは...
浮かびながらこちらを見ているG・E(ゴールドエクスペリエンス)の姿だった。
あっ!(両手を叩く)なるほどね〜♪ゴールドエクスペリエンスのおかげで傷を防げたってわけか〜♪なるほど、なるほど〜♪
「いやふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
これが俺のこの世界に来たときの第一声だった。
「リムル:(ん?なんか声が聞こえたような...?)」
「ヴェルドラ:(おい、早くせぬか。結構勇気がいるのだぞ。)」
リメイク版のプロローグでした。不定期投稿なのでまた失踪するかもしれませんが手探りで頑張るのでどうか見守っていてください。