自分を偽り続けた者がスタンドを得たので運命に抗ってみる件 リメイク版   作:スイオウ

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12話目です。


着せ替え人形と出陣

  

 

 

 ー城星sideー

 

 

リムル「そういう訳でオーク軍を相手にすることになった、決戦は湿地帯で行う。そこで勝てれば良し、だが、もし負けたら速やかにここを放棄しトレントの集落へ落ち延びるように。正直、敵戦力は少なくない、勝つつもりでいくが負けたからといって怯える必要はない」

 

...っていうか、何このお神輿みたいなの。 いや知ってはいるけど実際に見てみると更に意味が分かんなくなる。

 

今現在、リムルさんは何故かお神輿みたいなのに乗ってゴブリン達に状況を伝えている。

 

リムル「状況は【思念伝達】で知らせる。皆、落ち着いて決められた通りに行動するように。えーでは...第一陣に加わる者を発表する!!」

 

 

 

 

 

 

 

んで報告が終わってそれから...

 

シュナ「リムル様〜♪、次はこちらをお召しになられてください♪」

 

シオン「そのあとはぜひこちらも!」

 

シズ「シオンさんのが終わったら次は私のね♪」

 

ハルナ「リムル様、素敵です〜♪」

 

リムルさんは女性陣達の着せ替え人形にされている。

 

ちなみに私も今は着替えている。いや、正確には“着替えさせられている”のだ。

 

まぁ、五右衛門風呂の時からそんなフラグは立てられていたからもう諦めてはいたんだけどね...。

 

一応ダメ元でコッソリ逃げようとドアを開けたらそこには既にシュナさんが笑顔で立っていたあの時の恐怖...うぅ、今も鳥肌が。

 

シュナ「城星様もそろそろよろしいですか〜?」

 

シュナさんから声がかけられる。リムルさんは無性だから、女性陣達は何とも思わないけど私はちゃんと男だから控え室で着替えているのだ。

 

...てかなんかサイズピッタリだし、いつ測ったの? ...まぁいいか。

 

私は着替えを終えてドアノブに手をかけ、部屋に入る。

 

リムル(お、来た来た。ヒッヒッヒ逃すわけにはいかんぞ、城星。俺と同じ屈辱をお前にも味わってもら...)

 

城星「あの...変じゃないですかね?」

 

私は顔をポリポリ掻きながら恥ずかしさと不安な思いで皆の前に姿を見せる。

 

シュナさんが用意した服の中から私が選んだのは俗にいうゆるふわガーリー。藤色と藍色を基調にしたフリフリな衣装に胸元にはリボン。頭には自分のスキルで作ったベレー帽を被って、髪はストレートに、両耳にはコレもスキルで作ったもふもふの毛玉が付いたイヤリング...。

 

...うん、どう見ても〇〇〇カノに出てくる○音が来ていたやつだな。流石にコレは見た目が女の子寄りでもキツイよな...。

 

そんなことを思っていると気づけばキャイキャイとはしゃいでいた周りがやけに静かだった。

 

変に思い見渡してみると...

 

そこには大量の血が床一面に撒き散らされておりシュナさん達がうつ伏せで倒れていた状態だった。

 

城星「み、みなさん!?一体何が...リムルさん!しっかりしてください!」

 

ダメだ、こっちも何でか宇宙猫のような表情でボーッとしている。とにかく何とかしないと!

 

リムルさんを往復ビンタで叩き起こして一緒に女性陣達の処置をする。

 

みんな鼻から出血多量で虚な目をしながらギリギリ生死の境を彷徨っていた状態だった。

 

けれど、何とか回復薬やクレイジーダイヤモンドを使って復活させることができた。

 

...でもなんか私の方を見たら笑顔でまた失神したんだけど。

 

そんなに酷かったのか...しばらく女装やめとこ。服を脱ぎながらそんなことを考えていると、

 

ソウエイ(城星様、今よろしいですか?)

 

ソウエイが【思念伝達】で話して来た。リムルさんにもそれを繋げる。

 

ソウエイ(リザードマンの首領に会えました。同盟の話、受けてもいいそうです)

 

城星(おお、そうか)

 

ソウエイ(ただ、お二方に出向いて欲しいとのことですが…)

 

それに私とリムルさんが答える。

 

リムル(いいよ、どっちみち湿地帯で決戦予定なんだし。会ってもない人物を信用しろってのも無理な話だよ)

 

城星(そうですね、リムルさんの言う通りです)

 

ハイソックスを脱ごうとしてるが、上手くいかないようなので手伝ってあげる。

 

ソウエイ(では、会合の日取りはいつ頃がよろしいでしょうか)

 

リムル(んー、そうだな)

 

ソファに座り、リムルさんが膝に座ったので髪を解いてあげる。...っていうか何で私の膝の上に座りたがるの?

 

リムル「お、さんきゅ」

 

リムル(準備や移動に時間がかかるし、まあ七日後ってところかな)

 

ソウエイ(ではそのように)

 

リムル(ああ、よろしく。...そういえば、リザードマンの首領ってどんな感じなんだ?)

 

ソウエイ(慎重ですが、判断力のある男です。こちらへの対応も丁寧でしたね)

 

ん? 何だか視線が...。

 

リムル(じゃあ一つ伝言を頼むよ)

 

リムルさんが伝言をソウエイに伝えている間、私は視線の方へと顔を向けた。

 

そこにはいつのまにか復活した女性陣達が次の服を手にこちらを見ていたのだ。

 

今取り込み中だから後にしてください、と目で伝えるがなんでか羨ましそうにリムルさんと私を交互に見てくる。何ですか?その目。

 

ソウエイ(承知しました)

 

リムル「...んで、何で俺はお前の膝に座ってんの?」

 

城星「無自覚かよ!...失礼...取り敢えずまたシュナさん達来ましたけど、どうします?また一緒にお人形さんになりますか?」

 

リムル「やべっ!逃げんぞ!!」

 

城星「ガッテン」

 

そう言ってリムルさんと一緒に退散する。

 

もう...なんか追いかけてくる皆さんの目が本当に怖かった。持っていた下着も女性用だったし...何で女性は可愛いものに見境がないんだろか。

 

 

 

 

 

 

……それから四日後……。

 

シュナ「...お待ちしておりました。リムル様、城星様。出撃用の武具の準備ができております」

 

私はリムルさんを抱えながら、リムルさん達の武器と服を受け取りに行っていた。

 

リムル「へえ、いいじゃないか!」

 

そう言ってリムルさん達は着替える。うーん、やっぱりカッコいい!なんかこの服を見るとザ・転スラ!って感じがして来たな。

 

シズ「あれ?城星さんはその服でいいの?」

 

新しく服を新調した(いつもの服装とは変わらない)シズさんが私に言ってきた。

 

城星「あー...実はシュナさんに新しく服新調してもらうの忘れてたんですよ」

 

シュナ「申し訳ありません...。慌てて気づいて急いで取り掛かったのですがどうしても間に合わず...」

 

城星「いえいえ!大丈夫ですよ、シュナさん。わざわざありがとうございます」

 

そう言って門の前へ集まる。

 

リムル「みんな!準備はいいか?」

 

城星「では出発しますか...行くぞ!

 

 

 

バーーーン!!

 

 

 

そうして、私達の戦いの火蓋が切られた。

 

 

 

 

 

 

ベニマル「...あの、この立ち方には何か意味が?」

 

※左からソウエイ、ベニマル、城星、リムルの順で「行くぞ!」立ち

 

城星「私が好きでやってるので、お構いなく」

 

 

 

 

 

 

リムル「ほいストップ」

 

リムルさんがそう言って、進行をやめさせる。それぞれが野営の準備をし始めた。

 

リムル「今日はここらへんで野営するぞ」

 

街を出てすでに三日たっているが、テンペストウルフ達のおかげで順調に進めていた。

 

城星「ホイッと」

 

私はチャリオッツで木を切り刻み、薪を作る。

 

狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)「オ〜〜」パチパチ

 

連れてきたのは、ベニマルさん、ハクロウさん、シズさん、 シオンさん、ソウエイ、ランガさん、それと百騎ほどのゴブリンライダー達。

 

リムル「ソウエイ、周辺の状況を確認してきてくれ」

 

ソウエイ「はっ」

 

ソウエイは偵察のため一時離れる。

 

ゴブタ「そういえばリムル様、約束の褒美っすけどちゃんとクロベエさんに頼んでくれたっすか?」

 

リムル「あ!!...うん、勿論だとも」

 

ゴブタ「「あ!!」って...」

 

リムル「いや、帰ったらちゃんと頼むって」

 

城星「忘れてると思ったから私の方でクロベエさんに頼んどきましたよ」

 

ゴブタ「おお!城星様、ありがとうございますっす!」

 

やれやれと思っていると、

 

ベニマル「あの、城星様。少しよろしいでしょうか?」

 

城星「はい?」

 

ベニマルさんから急に声をかけられたのでどうしたものかと思っていると、ハクロウさんも横に並んできた。

 

ベニマル「前に言っておられたポルナレフ?というのはどういった方なのかと気になりまして...」

 

ハクロウ「チャリオッツの本来の持ち主と伺っていますが、あの剣捌き...並大抵の修行で得られるものではありませぬ。ぜひお話しを...」

 

...せっかくだし、少し話すか。

 

私はポルナレフのこととスタンドのことについてみんなに話した。リムルさんが途中で色々と付け加えてくれたおかげでスムーズに話すことができた。

 

シズ「そんな事があったんだ...」

 

ベニマル「...妹の仇のために...ですか。...できることであれば一度会って手合わせしてみたかったものですね」

 

ハクロウ「うむ、何と勇敢な男よ。...まるで若のようでありますな」

 

しみじみとした雰囲気の中ゴブタさんが割って入ってくる。

 

ゴブタ「あのーじゃあ、城星様が持っているスタンドって本来はみんな元々持ち主がいたってことっすか?」

 

ゴブタさんの疑問にリムルさんが答える。

 

リムル「ああ、そうだ。でもそこが気になるんだよ。本来ならスタンドっていうのは例外を抜いて一人一体までなんだ。いくらスキルによる存在といっても限度があるはずなんだが...何でだろうな?」

 

城星「確かにそうですよね...スタンドの姿や能力っていうのは持ち主の精神の具現化として形にでるんです。ですから人型だったり物体だったりと精神によって色々な形になるんですが...私の場合、何でか姿も能力も全く元のそのままなんです。たしかにユニークスキルっていうのは所持者の願望とかを表現したものなんですけど...」

 

シオン「???」(話が難しくて追いついていない)

 

そんな感じで話し合っていると、

 

ソウエイ(リムル様、城星様、よろしいですか?)

 

リムル(なんだ?もう、何か掴めたのか?)

 

ソウエイ(いえ、交戦中の一団を発見しました)

 

リムル(なに?)

 

ソウエイ(片方はリザードマンの首領の側近、交渉の折、見かけた一人です。もう片方はオーク達ですね、上位個体と思しき一体と、その取りまき50体ほどです。どうやら自分の力を誇示するつもりのようで、上位個体が一人でいたぶっています)

 

城星(ソウエイ、そのオーク達に勝てそう?)

 

ソウエイ(容易い事かと)

 

うん、イケメンだね。顔も発言も

 

リムル(わかった、そのリザードマンには悪いが、オークの能力を調べるいい機会だ。出来る限り観察しろ)

 

リムル「聞け!野営は中止だ!!」

 

城星(リムルさんは、そう言っていたけど殺されそうになったら助けてあげて。一人でそんなとこにいる事情も聞きたいし)

 

ソウエイ(御意)

 

城星「リムルさん、私だけ先にソウエイと合流しておきます。皆さんの進行を続けさせてください」

 

リムル「分かった、気をつけろよ」

 

私は頷くとスタープラチナを使ってソウエイの所に向けて飛び上がった。

 

 

 

 

 

 

 

ギィィィン!ドサァ!

 

リザードマンの女を、オークの上位個体がいたぶっている。ちょうど合流したばかりだが、これは酷い。

 

ソウエイ「城星様、いかがいたしましょう。まだ監視を続けますか?」

 

城星「...いや、行こか、締めどきとか言ってるし」

 

ソウエイ「かしこまりました」

 

ほんじゃ、行ってみますか。

 

側近(父上...兄上...ごめんなさい、私はもうここで...)

 

リザードマンがそんな感じで覚悟を決めていたが、私は既に割って入っている。

 

上位オーク「な、何だてめぇら!獲物の横取りでもしようってのか!?」

 

城星「うーん、横取りっていうか保護?」

 

ソウエイ「勝手に死なれては困るな。リムル様と城星様が、お前に事情を聞きたいようだ」

 

ソウエイが話している間に私はオークの間合いに入ると

 

城星「スタープラチナ」

 

そう呟きスタープラチナの腕のみをだしてオークの腹に拳を入れる。

 

上位オーク「ガフッ!!?」

 

血を吐き出しながら腹を抑えてうずくまる。

 

ちょっとやりすぎたかな? パワーアップしているとはいえまだ加減が難しいな。

 

......あ、リムルさん達が来た。

 

リムル「無事か?君がリザードマンの首領の側近だな」

 

だが側近は既に満身創痍、答えられる体力も残っていないだろう。

 

城星「リムルさん、ここは私が」

 

クレイジーダイヤモンドをだして側近に手を翳して治癒をする。

 

側近「.........!?傷が!?嘘、致命傷だと思ったのに...」

 

城星「あのオーク、傷付ける事を楽しんでた感じでしたから、ギリギリで死なないようにしてたんでしょうね。そのおかげ助かったけど」

 

側近「貴方達は...?」

 

リムル「俺はリムル=テンペスト、んでそっちのが」

 

城星「ジョウセイ=クウジョウです。リザードマンとの同盟のため、会談をするために来ました」

 

リムル「あ、そういえば城星。でっかいオークはどうした?」

 

城星「ええ、そこでまだうずくまってますよ。情報が必要なため手加減はしたんですけど...」

 

リムル「なるほど、手加減しても威力が強すぎたと...」

 

この時、城星とリムルの心は一つになった。「承太郎さん、強すぎですって...」

 

そんなことを思っていると、上位オークが咳き込みながら起き上がってきた。

 

上位オーク「手加減しただと?負け惜しみを...貴様程度の非力な腕では、この俺には通じぬだけよ。残念だったな!豚頭帝(オークロード)様より授かったこの偉大な力を前に貴様らは敗北...」

 

シオン「痴れ者め」

 

ソウエイ「あ、おい、そいつからは情報を...」

 

シオンさんが剛力丸を振りかぶる。そんなことだろうと思ったよ!

 

シオン「リムル様と城星様の前に不敬ですよ!!」(ブン!)

 

城星「ザ・ハンド!

 

 

 

 ガオン!!

 

 

 

そう言って出したザ・ハンドの腕を振るわせると……空間が一瞬歪み、剛力丸が当たるギリギリの所で上位オークの体は私の近くに移動した。

 

上位オーク「!?」

 

シオン「あ、あれ?」

 

城星「ストーン・フリー!」

 

状況が読み込めていない間にストーンフリーの糸の束でオークの体を巻き付けて糸を引っ張り体を倒し行動不能にする。

 

城星「確保ーーー!!!」

 

ソウエイ「!」

 

状況を飲み込めたソウエイが糸で捉えるのを交代してくれたのでストーンフリーを解除する。

 

城星「ふう......シオンさん?」

 

シオン「は、はい!」

 

城星「私達のために怒ってくれるのは嬉しいですし、ありがとうございます。ですができることならもう少し頭を回してください。今、こういった状況下で混乱している中でこのオークが我々にとって有益な情報を持っていたとしたらどうするんですか?私が急いで確保したからよかったものの、真っ二つにしていたらそれだけで何もかもがパアになっていたかも知れないんですよ?それから情報の件に限らず、トレイニーさんの時も勝手な承諾をするという行為は秘書に限らずそもそも対人関係として一番やってはいけない行為ですからね?たしかに私達を信頼してくれるのは嬉しかったですし、私もあの時は受けるつもりではいましたがリムルさんの考えはどうだか分からなかったじゃないですか?あとさっき受けるつもりとは言いましたけどそれはあくまでの話です。もし私も受けるつもりがなかったら貴方は独自判断の上、デメリットも考慮せず...「城星、ストップ、ストップ」...はい?」

 

リムル「もうシオンがギャン泣き一歩手前だぞ」

 

城星「...あ」

 

シオンさんの方を見るともうすっごい震えていて、目には涙が溜まっていた。やべ、つい言い過ぎた。

 

城星「...オホン!ま、まぁでもたしかに決断力は必要ですからね。そこがシオンさんのいいとこです。でも次からは気をつけてくださいね?」

 

シオン「は、はい!本当に申し訳ありません!次こそは必ず...!」

 

途端に笑顔になりながら凄まじい勢いで何度もお辞儀して謝ってくる。...まぁ、分かってくれたならいいんだけど。

 

側近「...はッ!!気をつけて、まだヤツのとりまきが...」

 

ベニマル「なあシズ殿、少しは残しておいてくれよ。ほとんどあんたが一撃で消し炭にしちゃったじゃないか」

 

側近が注意を呼びかけるが、もうすでにシズさん達がオーク達を片付けていた。

 

リムル「え?なに、もう終わったの?早すぎない?」

 

ベニマル「ていっても、ほとんどをシズ殿に取られましたけどね...」

 

シズ「いや...その...【白炎】を試したくって、使ったらまさか一瞬で終わるとは思わなくて...」

 

リムル「...強くなりすぎじゃない?」

 

側近(...この方達ならば!)

 

側近「...お願いが御座います!!」

 

城星除く「?」

 

首領の娘「どうか我が父たる首領と、兄たるガビルをお救い下さいませ!!」

 

リムル「どういう事だ?何かあったのか?」

 

城星「...もしかしてガビルさんが謀反でも起こしましたか?」

 

首領の娘「...!はい、その通りです」

 

リムル「マジかよ...何で分かったんだ?」

 

城星「会ったことないからわかんないんですけど多分、ガビルさんの性格上籠城なんて考えないと思いまして...まぁこれは予想ですが、もし何か伝言を伝えたいのであれば首領さんの娘さんじゃなくて他の兵士でもいいはずなのにそうしなかったっていうことは少なくとも首領さんや他の皆さんが身動きができない状態に陥ったということは明白だと思いまして」(知っているくせにそれっぽくカッコつける)

 

首領の娘「はい... おっしゃる通りです。兄ガビルが謀反を起こし、首領を幽閉したのです。兄はオーク軍を自らの力で退けるつもりのようです。ですが兄は豚頭帝(オークロード)を甘く見ており...このままでは敗北しリザードマンは滅亡するでしょう。虫のいい話であるのは重々承知しております。力ある魔人の皆様を従えるあなた様方なら我らを救う御力があるのではと愚考致しました。どうか...」

 

シズ「あ、私は魔人じゃなくて仙人だし、城星さんも人間だよ...」ボソッ

 

するとシオンさんが首領の娘さんの肩を叩いて...

 

シオン「よくぞ申しました!お二方の偉大さに気付くとは、貴方見込みがあるようです

 

城星「...シオンさん?」

 

シオン「ハッ!あ、あの城星様...これは...」

 

城星「...次やったら本気で秘書権剥奪ですからね?」

 

シオン「ヒィィィィィ!ハ、ハイィィィィィィ!!」

 

リムル「やれやれ...ま、どうせ豚頭帝(オークロード)とは戦うんだ。えーと、君は首領の娘さんだっけ?」

 

首領の娘「は、はい」

 

リムル「では、君を首領の代理と認める。ここで同盟を締結することに異論はあるか?」

 

首領の娘「え?いえ...いえ、異論など!では...」

 

リムル「ソウエイ、お前、首領の所まで影移動できるか?」

 

ソウエイ「可能です」

 

リムル「同盟相手なら助けに行く、当然だろ?」

 

城星「右に同じ」

 

首領の娘「...!...ありがとう...ありがとうございます!」

 

そう涙を浮かべて震えながら首領の娘さんはソウエイと一緒に【影移動】で移動した。

 

リムル「さて...もう少し情報がいるな。ベニマル、そいつの尋問はどうだ?」

 

ベニマル「ダメですね、意地でも口を割ろうとしません」

 

上位オーク「グフフフ...我等が仲間を売るとでも?片腹痛いわ!!」

 

...まぁ、予想通りだね。

 

城星「はぁ...お手上げですね。“この人の口から“はどうしても情報を引き出すのは無理みたいです」

 

上位オーク「フフフ...分かったようだな...いくら尋問されようと「だから”勝手に見させてもらいます”」...?何を言って...」

 

 

城星「ヘブンズ・ドアー。今、心の扉は開かれる」

 

 

私がそう言うと、上位オークは気絶して顔の真ん中や腕、足などに切り込みが入り、本のようにパラパラと開き始めた。

 

ベニマル「...!?これは...一体?」

 

シズ「これって...本?」

 

城星「ヘブンズ・ドアー、能力は対象を本にする事ができる事。この能力で本にした奴は「人生の体験」...人となり、経歴、能力、体重やスリーサイズ、本音など心に秘めている事、個人情報は全てここに載っています」

 

私がそう言うとシズさんとシオンさんが腕で体を隠すようにした。

 

シズ・シオン「「ハッ...まさか私達の...!」」

 

城星「プライバシーの侵害なので安心して下さい」

 

シズ・シオン「「......チッ」」

 

今、チッって言った? 何で? 女性ってそういうのイヤでしょ?

 

リムル「...とにかく、なんか役に立つ情報とか書かれてないか?」

 

城星「えーっと?「...今現在、本隊が湿地帯でリザードマン、ゴブリン達と交戦中。すばしっこい蜥蜴風情の一匹を捕らえ、捕食したので鱗と水かきを獲得。これで移動速度が上昇。これで正気は見えたも同然。全て喰ろうてくれよう...」」

 

城星除く「...!!」

 

リムル「急ごう!これはうかうかしている暇はないぞ!!」

 

ベニマル達「ハッ!!」

 

リムル「おい、城星も...何やってんだ?」

 

城星「...リムルさん、先行っててくれません?」

 

リムル「はぁ!?状況分かってんのか!?このままじゃリザードマン達だけじゃなくてゴブリンの奴らも...」

 

城星「分かってますよ!でも、何でかこのページに「スタンド」って書いてるんですよ!」

 

リムル「!?」

 

城星「でも、スタンドの名前も能力も何も書かれていないんです。それにこいつがもしスタンド使いだったら簡単にやられるはずないのに、こんなにあっさりやられるってことは考えられるのは3つ。一つ、戦闘タイプのスタンドではなくてそもそも単に発動する暇もなく弱かっただけ。二つ、やられた後に発動する自動タイプのスタンドの可能性。......そして三つ」

 

リムル「...【飢餓者(ウエルモノ)】と同じようにコイツらにもスタンドが与えられている...そしてその本体となるスタンドは...」

 

城星「...豚頭帝(オークロード)が持ってると見て間違いないですね。...それに2つ目の考えも外れているみたいです。さっきから全然スタンドが発動しませんし、可能性として豚頭帝(オークロード)から離れているからスタンドの射程距離外なのか、それともこいつがスタンドって言葉を知っているだけなのか...」

 

...謎は深まるばかりで沈黙が走る。...嫌な風が二人の髪を靡かせた。

 

城星「...とにかくもう少し、調べてみます。何か分かったら急いで向かいますので」

 

リムル「...分かった。頼んだぞ」

 

そう言って、リムルさんは皆と湿地帯へと向かう。

 

...どうなってんだよ...。

 

 

 

   

 

 

  ♦︎

 

 

 

 

 

 

 ─トレイニーside─

 

 

……これは、森の何処か。

 

ラプラス「計画の方、順調に運んどるようやなぁ、ゲルミュッド様」

 

ゲルミュッド「うむ、オークロードの出現は予想外だが幸運だった。我が子が森の覇権を手に入れる日も近いだろう...!」

 

ゲルミュッド「そうすれば俺の野望も...「なかなか楽しそうな話をしていますね」な、何者だ!?」

 

二人の魔人が声の方へと顔を向けるとそこにはトレイニーがいた。

 

トレイニー「私の名はトレイニー、この森での悪巧みは許せません」

 

トレイニー、その名を聞き、笑顔の仮面の男、ラプラスが何かを思い出す。

 

ラプラス「こりゃやばいでゲルミュッド様。森の管理者(ドライアド)や」

 

ゲルミュッド「何だと!?」

 

二つ名を聞いたことで、ペストマスクの魔人、ゲルミュッドも今更その恐ろしさに気付いたらしい。

 

トレイニー「御名答。それで何を企んでいるのか話して下さいませんか?」

 

ラプラス「いやーその辺は守秘義務ゆうか...」

 

トレイニー「そうですか、ではもう用はありません。森を乱した罪であなた方を排除します」

 

ラプラス「はぁ!?」

 

トレイニー「精霊召喚『風の乙女(シルフィード)』」

 

ラプラス「待て待て待て待て、気早すぎやろ!?」

 

トレイニー「さぁ、断罪の時です。罪を悔いて祈りなさい... 【大気圧縮断裂(エリアルブレード)】」

 

トレイニーによって起こされた風は刃となり、二人の敵を切り裂く……かに思えたが。結界で直撃は塞がれた。だがラプラスの腕が……

 

ゲルミュッド「おい腕…「早く逃げたほうがええで、ゲルミュッド様」」

 

ラプラス「無茶苦茶しやがるなあんた。問答無用かいな。まあ、目的は達成しとるし...ここらにしときまひょか」

 

そう言いながらラプラスは指先にいくつもの球を持って取り出し……

 

ラプラス「ほなさいなら」

 

地面に叩きつけると煙幕が上がり、その隙に逃げられた。

 

トレイニー「...逃げられましたか。状況は思わしくありません、あの方々は果たしてどこまで信じられるのでしょうーーー」

 

 

 

 

 

  ♦︎

 

 

 

 

 

 

 ー城星sideー

 

 

あの後、調べに調べ尽くして私は湿地帯に向かい、【部分擬態(ぶぶんぎたい)】でジャイアントバットの羽を出して上空に浮かんでいるリムルさんと合流した。

 

リムル「...なんか分かったか?」

 

城星「...すみません」

 

リムル「...そうか」

 

二人の間に緊張が走る。

 

リムル「...そういえばお前って飛べるんだな」

 

リムルが空気を和ませようと話しかけてくる。

 

城星「えぇ、まぁ...スタープラチナをゼロ距離で纏わせることで普段から浮かんでいる性質を活かしてるんです」

 

ちょっと空気の流れが変わった。

 

城星「...とにかく気合を入れ直しましょう。分かんないなりにやってみるしかありません」

 

リムル「そうだな...大賢者、魔力感知をマクロにしてくれ」

 

城星・リムルの大賢者《了》

 

城星「...やっぱりリザードマンの分が悪いですね」

 

リムル「だな、シミュレーションゲームなら一瞬で溶ける」

 

様々な所を眺めていたところ……。

 

リムル「...ん?アレガビルじゃね?」

 

城星「ほんとですね...一騎打ちでしょうか?」

 

ガビル「渦槍水流撃(ボルテクスラッシュ)!!」

 

オークジェネラル「混沌喰(カオスイーター)!!」

 

ガビルとオークの一撃がぶつかり合い、火花を散らす……かに思えたが。

 

リムル「...オーラが実体化したな」

 

ただそれでも食らいついている。ゴブタさんにやられたことは知っていたけど、やっぱりこう見ると...。

 

リムル「...ただのお調子者かと思ったが、意外と男気あるんだな」

 

城星「だから言いましたでしょ?悪い人じゃ無いって」

 

リムル「言ったっけ?」

 

言って...ないね。まぁいいでしょ。

 

リムル(ランガ、聞こえるか?)

 

ランガ(は!)

 

リムル(ゴブリンライダーを連れてガビルを助けてやれ)

 

ランガ(お任せを!)

 

そういえば首領さんの方は...まぁソウエイがいるし大丈夫かな。

 

ガビル「うおおおおおおおっ」

 

オークジェネラル「さすがトカゲよ。地を転げ回っているのがよく似合っているぞ。だが、その滑稽なダンスも飽きた。そろそろ死...」

 

ゴブタ「注意散漫だと危ないっすよ」

 

そうゴブタさんは言いながら影から出てきてガビルさんを後ろから蹴りガビルさんを助けた。

 

ガビル「んが!?だ、誰であるか!?...!!貴殿は...っ、あの村の主殿ではないか!」

 

ゴブタ(へ?...主?何言ってるっすか、この人)

 

ガビル「もしや、助太刀しに来てくれたのであるか?」

 

ランガ「あれは狼鬼兵部隊ゴブリンライダーの隊長ゴブタだ」

 

ガビル「牙狼族の...っ」

 

ランガ「我が名はランガ、リムル様の命により助太刀に来た」

 

ガビル「いかにしてここまで...」

 

ランガ「【影移動】だ、学ばんのか貴様」

 

オークジェネラル「グググ...リムルだと?知らんな。どこの馬の骨かは知らんが、邪魔立てするなら容赦は...」

 

 

 

ゴォッ

 

 

 

オークジェネラルが容赦はしないって言おうとしたら背後に黒と白の大きなドーム型の炎が現れ、沢山のオーク達を焼き払った...あれ黒いのはベニマルさんの【黒炎獄(ヘルフレア)】だけど、白いのは...。

 

城星の大賢者《解。個体名ベニマルの【黒炎獄(ヘルフレア)】を個体名シズエ=イザワが【白炎】で再現した技であり原理は一緒です》

 

ほへ〜...シズさんヤバッ。

 

オークジェネラル「なっ...!!」

 

ゴブタ「おお、始まったすね」

 

オークジェネラル「なんだ!?一体、何が起こったと...」

 

オークジェネラル(まさか大魔法!?リザードンごときが多人数による儀式魔法を使えるとは。一騎打ちには早々にケリをつけ、あの大魔法を操る者共を始末せねば...!!)

 

ゴブタ「ええと、ガビルさんでしたっけ?さっさと態勢立て直して防御陣形を整えるっすよ」

 

ガビル「う、うむ、わかったのである。しかし、さっきの黒と白のアレは...」

 

ゴブタ「あー、あれは心配ないっす。オイラも初めて見たけど、味方の術っすから...多分!」

 

まぁ、そうですよね。なんかこっちも巻き込まれそうな程規模が大きすぎるもん。

 

ベニマル「...だからどけと言っただろう」

 

オーク「貴様ら何者だ!?」

 

ベニマル「覚えていないのか?非道いな、里を喰い散らかしてくれたじゃないか」

 

オーク「その角...まさかオーガか!?」

 

ベニマル「どうかな、今は少し違うかもしれないな」

 

ハクロウ「いよいよじゃな」

 

シオン「この機会を与えてくださったリムル様と城星様に感謝いたします」

 

シズ「個人的には恨みはないけど...友達をきずつけ報いを受けてもらうよ」

 

ベニマル「もう一度言う、道を開けろ豚共。灰すら遺さず消えたくなければな」

 

そう言いつつもベニマルさんはオーク達を消し炭にしちゃうんだよなぁ

 

ちなみにシズさんも【黒炎獄(ヘルフレア)】の白炎verでどんどんオーク達を倒してるし...

 

リムル「...城星、俺今度からシズさんを怒らせるのやめるわ」

 

城星「懸命な判断ですね」

 

オークロードの側近「...どうやら敵方にも危険な強者が紛れているようですね...(ロード)?」

 

オークロード「...腹が減っタ。なんでモいイ...喰いたイ...ッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




投稿が遅れてすいません。ネタが浮かばなかったのと個人的に色々あって執筆する暇がありませんでした。よければコメントよろしくお願いします。
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