衛宮士郎モドキは英雄にしかなれなかった 作:曇らせはいつかガンにも効くようになる
ある日、目を覚ますと知らない場所にいた。
体も声も自分のものではなく、記憶もまた知らないものが当然のように存在している。
否、自分はこれを知っている。それが自分のよく知る、画面の向こう側から眺めていた人物のものだと気づくのにそう時間はかからなかった。
衛宮士郎。fateシリーズに登場する人物。fate/stay nightの主人公。
正義の味方を志す少年。壊れた心で善を為す、機械のような存在。
そんな少年の体でここに立っている。
そう自覚してから、「それならば、正義の味方にならないと」そう決意した。
自分が衛宮士郎ならば、下手にストーリーを捻じ曲げると世界が滅びかねないと知っていたからだ。
それが杞憂であると気づくのはそのすぐ後だった。
街行く住人の多くは頭に天使の輪をつけた少女。他には機械や獣人のような大人たち。
そして、あちこちから鳴り響く銃声。
そこが、物語の舞台である冬木市でないことは一目瞭然だった。それどころか、日本でも、自分の知る世界でもない。
それでも決意は揺るがなかった。
この体が、この記憶が衛宮士郎のものならば、自分には為すべき義務がある。
この世界、キヴォトスでは銃は当たり前。キヴォトスの住民は銃弾が当たっても痛いで済む強靭な体を持ち合わせている。
こんな世界では、正義の味方になるどころか、まともに生きるにも自分はあまりに非力だった。
だから、鍛え上げた。魔術と身体を磨き上げ、戦術と技術を学んだ。
そこらの生徒には負けないほど強くなり、誰かを救うということも出来た。
――――――――それでも、足りなかった――――――――
明確に世界が変わり始めたきっかけは、アビドスという場所で発生した。
小鳥遊ホシノという生徒の
それによりアビドスが滅んだ。被害はアビドスにとどまらず他の自治区にも広がる。
「止めなければ」…………その方法はただ一つ。それを為すには力が足りない。
そんな時、契約を持ち掛けられた。相手は、連邦生徒会長を名乗る少女。
――――力を上げます。代わりにどうか、キヴォトスを救ってください――――――――
死後の安寧すら差し出して、世界を救う歯車となる。そんな契約。
どこかで聞いた話だった。だからこそ、その行く末も察しが付く。それでも――――――――
――――――契約を結ぼう。オレに世界を救う力をくれ――――――――
否はなかった。たとえその先が地獄でも、誰かを救うことが出来るなら、こんな自分が誰かの肉体を借りてまでこの世界に生まれた意味がある。
それに、目の前の絶望に喘ぎ苦しみ、それでも前に進もうとする彼女を助けたかった。
そして、オレは…………
だが、これで終わることはなかった。
それからしばらく時を経て、空が赤く染まった。
多くの生徒が
死が遠くにあったこれまでとは真逆に、来る日も来る日も誰かが死んだ。
オレがすべきは、ただ一つだった――――――――。
殺して…………殺して…………殺し尽くした。
感謝されたこともあったし、罵倒されたこともあった。
罵倒した者は、二日とたたずに死んだ。
感謝した者は、次の瞬間には事切れていた。
そうして、命の剪定を繰り返す日々。段々と肌は褐色に焼け、髪は色を失っていく。
そうして遂に、ようやくこの地獄を引き起こした存在にたどり着いた。
「あれが
色彩…………詳しいことは知らないが、ゲマトリアという連中の話によればこれが世界を滅ぼす厄災そのものらしい。
通常の方法では太刀打ち出来ない、死という概念があるかどうかすら怪しい、上位の存在。
これを退けるのは、限りなく不可能に近いのだろう。
それでも、やるしかない。奥の手も用意してきた。零に近くとも可能性はある。
平凡な生徒であれば、それだけでヘイローが砕けるほどの威力。
「I am the born of my sword
それを、七つの花弁で辛うじて防ぎ切り、懐から
転生した
それは、『天寿』の概要礼装。相手の『終わり』を観測し、それに到達させる弾丸。
「穿て!!ブラックバレル!!」
放たれた死の弾丸が、
だが、まだ足りない。
身体は限界だと叫んでいるが、それを無視して銃を突き付ける。
「 体は剣で出来ている
血潮は鉄で 心は硝子
幾度の戦場を超えて不敗
ただの一度の敗走もなく、
ただの一度も救えはしない
彼の者は常に独り 剣の丘で殺戮を謳う
故に、この生涯に意味はなく
その体は、きっと剣で出来ていた 」
――――無限の剣製《アンリミテッド・ロストワークス》――――――――
それは、本来世界を自分の心象風景で塗りつぶす大禁呪である固有結界を弾丸として射出し、着弾した相手の内部で暴発させる対人宝具。
彼の心象風景は、無限の剣を内包する荒野の世界。人一人の内にあるものとはいえ、世界は世界。
それを内側から暴発させれば、いかに
渾身の第二の銃弾が、
そして、内部から
それを見届けて、オレは地面に崩れ落ちた。
攻撃など、ほとんど受けていないはずなのに、体中が血に濡れていた。
体の奥から熱が失われていくのを感じる。
自分の命の終わりを感じ、英雄は嗤う。
正義の味方を志し、偽物でも誰かを救えるのだと吠え散らかし、無謀にも力を望んだ男の終わり。
あゝ滑稽。身の程も弁えず、突き進んだ先、築き上げたのは屍の山。
誰も救えず、ただ殺すことしか出来なかった
その終わりは唯だ一人、孤独に命を閉ざすだけ。
「………ハハ…………ハ……」
涙は出ない。その資格は疾うに失った。
だから、ただ己の惨めさを嗤うのだ。
鉄の決意は、疾うの昔に腐り落ちていたのだから。
世界を救ったんだろう?
――――――――沢山殺して――――――――
みんなを守ったんだろう?
――――――――命の取捨選択をして―――――
なら笑えよ?
――――――――正義の味方なんだろう?――――――――
「…………ふざ…………けるな…………!」
こんな
もし―――もし――――――――ここに立ったのが、別の誰かだったなら――――――――
――――――――きっと救えた、ハズなんだ――――――――
そうして衛宮士郎のような
自分ではない誰かなら、この世界を救えるのだと。
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「うう…………仕事が終わらないよぅ」
キヴォトスという地に来て、先生になって、サンクトゥムタワーの制御権を取り戻して…………。
そんな波乱万丈な初日を終えて、リンちゃんから押し付………渡された仕事。
やってもやっても終わりの見えない書類の山。
いくら大人だと言っても、泣き言の一つや二つ、出てしまうのも仕方がないというもの。
「誰か…………たすけてぇ…………」
そんな願いとも取れないような、小さな独り言。
それに、応えてしまった者がいた。
「………熱っ」
手の甲が発熱する。異常事態はそれにとどまらない。
シャーレの部室の床が唐突に光り輝く。
眩い光りに、思わず瞼を閉じ…………目を開くと――――――――
「サーヴァント プリテンダー。召喚に応じ、参上した」
見知らぬ少年が立っていた。
褐色の肌、白い髪。体は筋肉で覆われていながら、しなやかな機能美を備えている。
「オレなぞを召喚するとは…………余程の物好き――――――――」
「ごめん!誰か分からないけど、書類仕事手伝ってぇ~~~!」
先生にとって突如現れた少年の正体など、重要では無かった。
重要なのは、彼がこの書類地獄から自分を開放してくれるか否か。
「はぁーーーー…………。分かった、手伝おう」
「ありがとう~~~~!!」
恥も外聞も捨てて、涙目で少年にすがりつく。
そんな大人を冷たい目で見下ろし――――――――
「なんでさ」
―――――――なんとも、彼に似合ったセリフを零した。
思いついたから書いちゃった。たぶん続かない。
そもそも作者がブルアカにわかなのである。ここから先を書くとすれば、しっかりブルーアーカイブをプレイして知識をつけた後かなぁ。
好評だったら、気合いで続き書きます。
余談
ブルアカの先生って褐色白髪の生徒相手にバグってるイメージあるんですけど、それだったらエミヤ相手にもバグり散らかすんじゃないかなって思った自分に驚いたんだよね。(某ひろゆき並感)
先生の性別、どないしますか?
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男先生!悪友やってろ!
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女先生!イチャイチャしてろ!
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どちらでも!一向に構わんッ!!