衛宮士郎モドキは英雄にしかなれなかった   作:とっとこ馬鹿野郎ッ!!

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VS.便利屋68

紫関ラーメンにて奇妙な出会いを果たした対策委員会一向は、近辺にて大規模な傭兵集団を確認し、その対応をするために出動していた。

 

「前方に傭兵を率いている集団を確認!」

 

「あれ…………ラーメン屋さんの…………?」

 

「誰かと思えばあんたたちだったのね!!ラーメンも無料で特盛にしてあげたのに、この恩知らず!!」

 

「あはは、その件はありがと。それはそれ、これはこれ。こっちも仕事でさ」

 

「残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた依頼はきっちりこなす」

 

「つまり、何者かの依頼を受け、アビドスを襲撃するということだね?便利屋68?」

 

「!!……私たちのこと、知ってたんだ」

 

「ああ、と言っても、思い出したのは君たちと別れた後だったがね。…………さて、おしゃべりはこの辺でお終いだ。襲撃を仕掛けられたんだ、こちらも徹底的にやらせてもらうが、構わないな?」

 

そう言って、銃を向け、ニヒルな笑みを浮かべる。

 

「(何よ、そのセリフ超クールじゃない!?)…………ええ、でもそう簡単に倒せるとは思わないことね!総員、攻撃!!」

 

アルの号令と共に戦闘が開始する。

傭兵の数が多いな。この数を少数で相手するのは骨が折れそうだ。

 

「傭兵の方は、ノノミとセリカで抑えて!!ホシノ、シロコ、シロウで便利屋の相手を!アヤネは双方の支援を任せてもいいかな!」

 

『はい!』 「「了解!」」

 

傭兵は数自体は多いが、個々の実力では対策委員会が大きく上回る。

やはり、この場で厄介なのは便利屋68。

 

「くふふっ!お兄さん、ヘイロー無いのに大丈夫?ケガしちゃうよ?」

 

「心配無用。これでも、くぐって来た修羅場の数が違う。オレに手傷をつけるならこの5倍は持ってくるといい」

 

「言うねぇ~、それじゃあ遠慮なくやっちゃおうか!!」

 

そう言って便利屋の一員、ムツキが仕掛けてくる。

放たれた弾丸を避けながら、遮蔽の裏に隠れ、手榴弾を投影。それを投げつける。

 

「きゃっ!」

 

当たりはしたものの、大した痛手にはなっていない。

 

「し、死んでくださいっ!!」

 

「くっ!」

 

ハルカが叫びながら接近、シロコと戦闘を始める。

後方から、シロコを狙ったアルの狙撃――――――――

 

「やらせないよ」

 

それをホシノが盾で受け止め、続くカヨコの射撃も防ぐ。

 

「……やっかいだね。確かに、ヘルメット団じゃ相手にならないのも納得だよ」

 

リロードに入ったカヨコの隙を狙い、干将・莫耶の射撃を食らわせる。

 

「くっ!」  「っカヨコ!」 「!!」

 

ひるんだ隙に、一気に距離を詰め、射撃を続ける。

 

「っ…………」(ホントに凄く強いじゃん……じゃ、出し惜しみはなしかな)

 

「ホシノはシロコのサポートを頼む!!」

 

干将・莫耶による振り下ろすような斬撃、それを愛銃で受けるムツキ。

リロードを終えたカヨコが、こちらに銃を向ける。

それを確認し、干将・莫耶に注意の向いたムツキを蹴りとばす。

 

「ぐぇっ!」  「ムツキ!」

 

次はカヨコの方に距離を詰め、仕留めにかかる。

一度干将・莫耶を消し、盾を投影。銃撃を防ぎながら、シールドバッシュでカヨコを突き飛ばす。

態勢を崩すと同時に、干将・莫耶を再度投影。トドメを――――――――

 

こちらに迫りくる手榴弾を目の端で捉える。

 

「くふふ!しっかり防がないと、不味いんじゃない!?」

 

「ふっ!」

 

空中を舞う手榴弾、それに狙いを定め、引き金をひく。

弾丸に貫かれた手榴弾は、こちらに届く前に爆発。飛んでくる破片を、大剣を前方に投影することで防ぎ切る。

 

「わー!なに今の!」

 

「ホント…………どんな手品なんだか」

 

「さぁ、どうやっているんだろうね。種も仕掛けもありません、と言ったところかな?」

 

「くふふっ!面白いじゃん、お兄さん……!」

 

 

 

__________________

 

本当に、どうなってんのよ!!あの男の人、ヘイローもないのに滅茶苦茶強いじゃない!?

さっきから、カヨコとムツキを同時に相手してるのに、傷一つついてない!

それに、あの盾を持った女の子、あの子も滅茶苦茶!こっちの狙撃、全部防がれてるんですけど!?しかも、ちょくちょく傭兵の方も倒しながら!!

 

くっ………いったいどうすれば――――――――

キーンコーンカーンコーン

 

「………あ、定時だ」

 

「今日の日当だとここまでだね。あとは自分たちで何とかして。みんな、帰るわよ」

 

「は、はあ!?ちょ、ちょっと待ってよ!!」

 

ここで帰られたら、確実に負けるじゃない!?

 

「終わったってさ」

 

「帰りにそば屋でも寄ってく?」

 

「こらー!!ちょっ、どういうことよ!?ちょっと!帰っちゃダメ!!」

 

「………」

 

「こりゃヤバいね。まさかこの時間まで決着がつかないなんて………アルちゃん?どうする?逃げる?」

 

「あ………うう…………。こ、これで終わったと思わないことね!アビドス!!」

 

「あはは、アルちゃん、完全に三流悪役のセリフじゃんそれ」

 

「うるさい!逃げ…………じゃなくて、退却するわよ!」

 

 

__________________

 

颯爽と逃げ去っていく便利屋68。

 

「待って!……あ、行っちゃいましたね」

「うへ~逃げ足早いね、あの子たち」

 

『…………詳しいことは分かりませんが、敵兵力の退勤……いえ、退却を確認。

困りましたね……妙な便利屋にまで狙われるとは、先が思いやられます………一体何が起きているのでしょうか…………』

 

「まあ、少しずつ調べるとしよう。確か……衛宮くんが、便利屋68とか言ってたよね?その辺から洗い出せば、もしかしたら依頼人までたどり着けるかもしれないし」

 

『はい。皆さん、お疲れ様でした。一旦、帰還してください』

 

 

こうして、便利屋68による襲撃はひとまず幕を降ろした。

 

 

 

 

_________________________________________

後日、早朝アビドス住宅街にて。

 

今日は早朝から、マスターと共にアビドスを歩き回っていた。

すると、見知った生徒と出会う。

 

「あ、先生、衛宮さん。おはようございます」

 

対策委員会の書紀、1年生の奥空アヤネであった。

 

「おはよう」

 

「おはよー!アヤネは、こんな早朝からどこ行くの?」

 

「えっと、今日は利息を返済する日でして………色々と準備があるんです。早めに登校して返済の準備もしないとですし、今後の計画も見直さないとなので…………」

 

「あっ、先生に、この前の男の子!!おっはよー!」

 

挨拶をしながら、勢い良く背中に抱きついてくる少女。

昨日戦った、便利屋68の浅黄ムツキだ。敵意の欠片もなかったので、反応に遅れ、がっしりと背中にしがみつかれてしまう。

 

「な、ななっ!?」

 

「お、おい!?」

 

「じゃじゃーん!どもどもー!こんなところで会うなんて、偶然だね!」

 

背中に顔を擦りつけながら話を続ける。

 

「あははーー!重い?苦しい?どうしよっかなーー!……あっ!名前!名前教えてくれたら、降りてあげてもいいかなーー!」

 

名前くらいはいいか、と思い答えようとしたところ――――――――

 

「な、何してるんですか!離れてください!」

 

「おっと、引っ張らないでよー」

 

アヤネがムツキを強引に引き離した。

 

「……誰かと思いきや、アビドスのメガネっ娘じゃーん?おっはよー、昨日ラーメン屋で会ったよね?」

 

「その後の学校の襲撃でもお会いしました!どういうことですか?いきなりなんれなれしく振る舞って…………それに、メガネっ娘じゃなくて、アヤネです!」

 

「ん?だって私たち、別にメガネっ娘ちゃんたちのことが嫌いなわけじゃないし」

 

あっけらかんと言い放つムツキ。言葉を続けながら、アヤネに歩み寄る。

 

「ただ、部活で請け負っている仕事だからさ。仕事以外の時は仲良くしたっていいじゃん?」

 

「いっ、今さら公私を区別しようということですか!?」

 

「別にいいじゃん。それに「シャーレ」の先生たちは、あんたたちだけのモンじゃないでしょ?だよね、先生?」

 

「うん。喧嘩しないで仲良くして欲しいな。でも、急に抱きつくのは危ないからダメだよ」

 

「あはは、それはどっちもムリかなー。ケンカしないってのは、こっちも仕事だからねー。アルちゃんモチベ高くてさ、てきとうにやると怒られるから。抱きつくなって方は………あはっ、反応が面白いからまたやっちゃうかも!」

「ま、いつかうちの便利屋に遊びにおいでよ。アルちゃんもみんなも、きっと喜ぶからさ。それと………ねぇねぇ、色黒くん、な・ま・え……教えて!」

 

「衛宮シロウだ。戦場以外でなら、仲良くしよう」

 

「あっはは!ありがとーう、シロウくん!先生とアヤネちゃんもまた今度ねー!」

 

そう言って、手を振りながら走り去っていくムツキ。

嵐のような子だったな…………。やっぱり、悪い子じゃなさそうなんだが。

依頼を投げ出すつもりはなさそうだ。近いうちに、また襲撃を仕掛けてくるかもしれない。

 

「また今度なんてありません!!今度会ったら、その場で撃ちます!!」

 

アヤネがそう言い終わる時には、既に姿が見えないほど遠くに行っていた。

 

「はあ………はあ…………何ですか、あの人は…………!」

 

困惑と怒りをにじませてそう言った。

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

返済の手続きを終えて、教室に集まる対策委員会。

 

「全員揃ったようなので始めます。まずは、2つの事案についてお話ししたいと思います」

 

「最初に、昨晩の襲撃の件です。衛宮さんのおっしゃっていた通り、私たちを襲ったのは「便利屋68」という部活でした。ゲヘナでは、かなり危険で素行の悪い生徒たちとして知られています。

便利屋とは頼まれたことを何でもこなすサービス業で……」

 

便利屋68。ゲヘナの委員会による追跡を何度も逃れている、実力の高い集団。

リーダーの名前は、陸八魔アル。自らを社長と名乗っているゲヘナの2年生。

その下には3人の部下がいる。役職、名前はそれぞれ――――――――

室長:浅黄ムツキ。 課長:鬼方カヨコ。 平社員:伊草ハルカ。

 

「続きまして、セリフちゃんを襲ったヘルメット団の黒幕についてです!

先日の戦闘で手に入れた戦略兵器の破片を分析した結果……現在は取引されていない型番だということが判明しました」

 

「もう生産してないってこと?」

 

「それをどうやって手に入れたのかしら」

 

「生産が中止された型番を手に入れる方法は………キヴォトスでは「ブラックマーケット」しかありません」

 

ブラックマーケット………中退、休学、退学など様々な理由で学校を辞めた生徒たちが集団を形成している無法地帯。悪質な企業なども、多く活動している。生前、キヴォトスにおける身分証にあたる学籍を持っていなかったオレも、ブラックマーケットで活動することが多かった。

 

「それから便利屋68も、ブラックマーケットで何度か騒ぎを起こしていると聞きました」

 

「では、そこが重要ポイントですね!」

 

「はい。ふたつの出来事の関連性を探すのも、ひとつの方法かもしれません」

 

「よし、じゃあ決まりだねー。ブラックマーケットを調べてみよう。以外な手掛かりがあるかもしれないしね」

 

 

 

 

_________________________________________

おまけ:サーヴァントについて勉強しよう~アサシン編~

 

「今回はアサシン、暗殺者のクラスだ」

 

「中二病心くすぐるクラスだね………!」

 

「クラススキルは気配遮断。サーヴァントとしての気配を断つ能力だ。アサシンは基本的に、直接戦闘が苦手なため、この気配遮断を利用して敵マスターの暗殺を行うという戦法をとることが多い」

 

「まさに、暗殺者って感じの戦い方だ」

 

「該当するサーヴァントは………歴代のアサシン教団の教主たる「山の翁」ハサン・サッバーハ。

霧の都の殺人鬼、ジャック・ザ・リッパーなど。この他には、日本の忍者にも該当する英霊がいるな」

 

「へー!忍者か~、やっぱ螺旋丸とかできる人いるの!?」

 

「それは忍者じゃなくて、NINJAだろ…………」

 

 

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