衛宮士郎モドキは英雄にしかなれなかった 作:曇らせはいつかガンにも効くようになる
今後も、不定期での更新になると思いますが、暖かい目で見守ってください。
そして、作者はにわかなので、ブルアカのキャラのエミュに自信がありません!!
キャラクターの一人称とか、他キャラへの呼び方とか、言動に違和感ありましたら是非ご指摘ください。
(主人公の衛宮シロウくんは、衛宮士郎の肉体を持っているだけの別人で、エミヤでもエミヤ・オルタでもないオリキャラです。なので、衛宮っぽくない言動も普通にします。)
アビドスへGO!
某日、シャーレにて。
「おはようございます、先生!」
「おはよう、アロナ」
「ここ数日間、シャーレの噂も広まって、いろんな学園の生徒達から助けを求める手紙も来ています!それは、良い兆候なんですが………一つ、ちょっと不穏な手紙がありまして」
「読んでみようか」
手紙はアビドス高等学校から送られてきたもので、なんでも学校が暴力組織に攻撃されている、という危険な状況らしい。
「アロナ!アビドスに出張するよ!」
「すぐに出発ですか!?さすが、大人の行動力!………でも、シロウさんに一言伝えた方がいいんじゃないですか?」
「そうだね。まぁ、モモトークでメッセージを送っておけばいいでしょ」
『アビドスに出張に行きます。シャーレの仕事、よろしくね!!』
「よし」
「本当にこんなメッセージだけで大丈夫なんですか?後で怒られるような気がするんですが」
「シロウは優しいから大丈夫だよ」
「それじゃあ、行こう!アロナ!!」
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ピコン!
モモトークからのメッセージの通知か。
『アビドスに出張に行きます。シャーレの仕事、よろしくね!!』
「…………はぁ」
唐突がすぎるだろう。というか、ちゃんと準備して行ったんだろうな?
アビドスは土地勘がないと街中で遭難しかねないぞ。マスターのことだ、碌にアビドスについて調べずに向かった可能性もある。即断即決と言えば聞こえは良いが、マスターの場合は考えなしと言ったほうが適切だろうからな。
日常的に衝動買いを繰り返す姿を思い出し、ため息をつく。
そもそも、シャーレの仕事のほとんどはシャーレ顧問としての権限がなければ、進められないものばかりだろうに。
「仕方ない………オレもアビドスに向かうか」
正直、あまり気は進まない。あの場所は、オレにとって苦い記憶のある場所だ。
初めての挫折。初めて、切り捨てる選択をした場所。
こことは違うアビドスでの出来事とはいえ、彼女らに会わせる顔がない。
「はぁ………こんなこと、考えても仕方ないだろうに」
我が事ながら、なんとも女々しいことこの上ない。
「マスターが遭難した、なんてことになったらシャレにならないからな。早く向かうとしよう」
Vol.1 対策委員会編 一章:対策委員会の奇妙な一日
以前、別の世界でのことではあるが、アビドスには何度か行ったことがある。
土地勘も多少はあるが、念のため最新の地図も用意してアビドスに向かった。
アビドスに向かう前、マスターにメッセージを送ったが、マスターの端末は圏外のようだった。
本当に遭難しているかもしれない。そう判断したオレは、アビドス高等学校を訪ねることにした。
マスターもそこに向かっているし、万が一遭難しているのならば現地の住人であるアビドス生の協力が必要だからな。
事態は一刻を争う可能性もあるため、投影魔術でバイクを投影し、最速で向かうことにした。
無免許であるため、なるべくこの手段は使いたく無かったが、仕方ない。
そうして、アビドス高等学校に向かい数日。いよいよ目前というところで――――――――
「戦闘音?」
銃声、爆発音を耳が捉える。聞こえる方向からして、アビドス高等学校で戦闘が起こっているようだ。
「………状況は分からんが、急いだ方が良さそうだな」
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「ホシノ!2メートル前進!敵の注意を引き付けて! ノノミはそのまま制圧射撃! セリカとシロコは側面から攻撃を! アヤネはドローンでホシノの援護をお願い」
「うへぇ~~。おじさん、ちょっと大変だよぉ~~」
「私、弾薬が尽きそうです~☆」
「ちょっと、そんな軽く言うことじゃないでしょ!それ!結構ピンチじゃない」
戦闘を続けながら、何時ものような調子で会話をする5人。
その様子から、5人が戦闘慣れしていることは伺えるが、戦況はやや不利であった。
「ほんと、戦車まで持ち出すとか!バカなんじゃないの!?アイツら!?」
人数で大きく下回っている上に、ダメ押しの戦車。それでもなお、辛うじて戦局が拮抗しているのは、手練れ揃いのアビドスと、戦闘の指揮に長けた先生あってのものであった。
しかし、戦局を巻き返すには一手足りない。
「ん。私が突っ込む」
「ダメですよ!そんなやけくそな突撃!!」
「うへぇ~~流石にそれはダメだよぉ、シロコちゃん。仕方ないし、おじさんが本気を出そうかなぁ~」
バンッ
戦局を変えたのは一発の弾丸。アビドスを襲っていたヘルメット団の後方から放たれた一撃。
それは、戦車の装甲に突き刺さり――――――――
「
爆発。装甲を破壊し、戦車を大破させる。
「くそ!対戦車砲か!?いったい誰が!?」
「うわぁーーー!折角揃えた戦車がーー!!」
「言ってる場合か!?撤退するぞ!!」
戦車が壊されたことで、戦意を失ったヘルメット団たちが足早に立ち去っていく。
「あーー!!アイツら、逃げやがったわよ!!自分たちが不利になった途端に!!」
「まぁまぁ、落ちついてくださいセリカちゃん。勝てたんだし、いいじゃないですか」
「それにしても、戦車を壊したのっていったい――――――――」
「お節介かとも思ったんだがね、苦戦しているように見えたから手助けさせてもらった」
褐色の少年が現れる。両手には、刃の着いた二丁拳銃が握られていた。
先ほどの援護が、彼によるものだと判断し、ノノミが礼を言う。
「ありがとうございます。助かりました☆……ところで、貴方は?」
キヴォトスではまず見ることの無い生身の男性。唐突に現れた彼に、アビドスの面々は警戒を強める。
「連邦捜査部「シャーレ」 部長の衛宮シロウだ」
「!じゃあ、先生の…………」
「ああ、部下……のようなものだと思ってくれていい」
「そうなんですね!私、男の子なんて初めて見たのでビックリしちゃいました☆」
「そうか。ところで、学校にシャーレの先生は来ていないだろうか?」
「その方でしたら、さっきシロコちゃん…………うちの学校の生徒が連れて来ましたよ!
なんでも、遭難しているところを見つけたんだとか」
「そうか。うちの先生が、随分迷惑をかけてしまったようだな」
「いえいえ!私たちの方も、助けられましたから!」
「ちょっと!いつまでも話してないで、戻るわよ!!」
「ふふっ怒られちゃいましたね。先生は校舎にいらっしゃるので、衛宮さんもいらしてください」
「ああ、そうしよう」
セリカの一声に振り返り、二人は校舎に足を運んだ。
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先生は、案の定遭難していたらしい。黙って出張に行った挙句、遭難して命の危機、さらには出張先の生徒に助けてもらうとは………これは、説教が必要だな。
「うへぇ~~、君すごく強いねぇ~。おじさん、関心しちゃったよ~」
「君は…………」
「おじさんは小鳥遊ホシノだよぉ、よろしくねぇ~」
「………オレは、衛宮シロウだ。よろしく頼む」
昼行灯な様子を見せながらも、こちらを警戒しているホシノ。
正体不明の実力者。彼女から見たオレは、不気味な存在として写っていることだろう。
生前は、助けられなかった少女。それしか道は無かった………それは、確かなことなのだろう。
それでも、あの後悔が、あの罪が……無くなることは無い。
彼女自身は、望んでいないかもしれない。そもそも、彼女とオレの殺した少女は同じ小鳥遊ホシノでも、別の存在だ。けっして、償いになる訳じゃないけれど、それでも――――――――
―――――――この世界の小鳥遊ホシノは、必ず救ってみせる。
密かに覚悟を固める。
そうしているうちに、部屋には全員が集まっていた。
「いやぁ~まさか勝っちゃうなんてね。ヘルメット団もかなりの覚悟で仕掛けてきたみたいだったけど。戦車なんてものまで持ち出してきてたしね」
「まさか勝っちゃうなんて、じゃありませんよ。ホシノ先輩…………
勝たないと学校が不良のアジトになっちゃうじゃないですか…………」
「先生の指揮が良かったね。私たちだけの時とは全然違った。
それに、褐色の人の加勢も助かった。あの一撃で、ヘルメット団は撤退を決めたみたいだから。
これが大人の力……すごい量の資源と装備、それに戦闘指揮と武力まで。大人の力ってすごい」
「今まで寂しかったんだね、シロコちゃん。パパとママが帰ってきてくれたおかげで、ママはぐっすり眠れまちゅ」
素直に感心しているシロコに、ホシノが茶々を入れる。
「えっ!パパとママ!?私たちそんな風に見えるの!?」
「いやいや、変な冗談はやめて!先生困ってるでしょ!それに、ママが二人って複雑な家庭みたいじゃん!」
「でも、先生はまんざらじゃないみたいですよ?
衛宮さんは、どうですか?先生と夫婦、なんて?」
最近は料理の味見も手伝ってもらっているからな…………。オレもマスターも、シャーレで寝泊まりしているし、傍から見れば夫婦と言われても違和感のない状況なのか…………?
「ふっ………先生は美人だからな。きっとオレなんかよりいい人を捕まえるさ」
「うぇ!?そんな、美人なんて…………」
「ふふっクソボケですね☆」
「なんでさ」
「あはは………少し遅れましたけど、あらためてご挨拶します、先生」
話が素っ頓狂な方向に脱線していたところにブレーキをかけ、黒髪に赤いメガネと長い耳が特徴的な少女が自己紹介を始める。
「私たちは、アビドス対策委員会です。私は、委員会で書紀とオペレーターを担当している1年のアヤネ……。こちらは同じく1年のセリカ」
「どうも」
猫耳を携えた、ツインテールの少女、セリカ。
「2年のノノミ先輩とシロコ先輩」
「よろしくお願いします、先生、衛宮さん」
ベージュのロングヘア、おっとりとした印象を受けるノノミ。
「さっき、道端で最初に会ったのが、私。………あ、別にマウントを取っているわけじゃない」
セミロングの銀髪、イヌ科の耳を頭に乗せたシロコ。
「そして、こちらは委員長の、3年生のホシノ先輩です」
「いやぁ~よろしく、先生にー、衛宮くん」
ピンク色の長髪、小柄な体型のホシノ。
「ご覧になった通り、我が校は現在危険にさらされています。そのため、「シャーレ」に支援を要請しました。先生と衛宮さんがいなかったら、さっきの人たちに学校を乗っ取られていたかもしれませんし、感謝してもしきれません………」
「対策委員会ってどういうものなの?」
説明の中に出ていた、対策委員会について聞く先生。
名称から察するに、何かに対して協力し合うために設立されたものだと考えられるが………。
「ご説明いたします。対策委員会とは、このアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です」
「うんうん!全校生徒で構成される、校内唯一の部活なのです!全校生徒といっても、私たち5人だけなんですけどね」
アヤネの説明に、ノノミが補足する。
「他の生徒は転校したり、学校を退学したりして町を出て行った」
アビドスの現状については、多少は知っている。
頻発する大規模な砂嵐によって、オアシスが枯れ、自治区の生徒や住民のほとんどはアビドスを離れ、人口の流出が続いたことで自治区全体が衰退したという。
一時期は治安もかなり悪化していた。
生前、治安の悪化したアビドスに出向き、不良たちを制圧したこともあったな。
対策委員会はそんなアビドスの復興を目指す部活のようだ。
「現状、私たちだけじゃ学校を守り切るのが難しい。在校生としては恥ずかしい限りだけど……」
「もし「シャーレ」からの支援がなかったら………今度こそ、万事休すってところでしたね」
「だねー。補給品も底をついてたし、さすがに覚悟したね。ホントに助かったよ、二人とも」
「うんうん!もうヘルメット団なんてへっちゃらですね。大人の力ってすごいです☆」
「かといって、攻撃を止めるような奴らじゃないけど」
アビドスを襲っているのは、カタカタヘルメット団という不良集団。
一人一人は大した脅威ではないが、その数が問題だ。「シャーレ」の支援により、物資量の差はなくなったが、人員では大きく劣る。
「そういうわけで、ちょっと計画を練ってみたんだー」
「えっ!?ホシノ先輩が!?」
「うそっ………!?」
ホシノの発言に、1年生二人が驚愕する。
後輩にそんな反応されるって、先輩としてどうなんだ?
生前、パトロール中の彼女と出会った時とは、随分印象が違うとは思っていたが………普段どうしているんだ、この世界のホシノは。
「いやぁ~その反応はいくら私でも、ちょーっと傷ついちゃうかなー。
おじさんだって、たまにはちゃんとやるのさー」
「………で?どんな計画?」
「ヘルメット団は、数日もすればまた攻撃してくるはず。ここんとこずっとそういうサイクルが続いているからねー。だから、このタイミングでこっちから仕掛けて、奴らの前哨基地を襲撃しちゃおうかなって。今こそ奴らが一番消耗しているだろうからさー」
「い、今ですか?」
「そう。今なら先生もいるし、補給とか面倒なことも解決できるし」
「なるほど。ヘルメット団の前哨基地はここから30kmくらいだし、今から出発しよっか」
「良いと思います。あちらも、まさか今から反撃されるなんて、夢にも思っていないでしょうし」
「それはそうですが………先生と衛宮さんは、どう思いますか?」
「オレは賛成だ。ノノミも言っていたが、相手は防戦一方だったアビドスの反撃など考えていないだろう。そういう精神的死角をつく作戦は、極めて有効なものだと思う」
それに、気になることもある。ただの不良チームが、戦車などという大それたものを持っているのには違和感がある。バックに七囚人がいるのならともかく、言い方は悪いが、アビドスという辺境の学校を狙って戦車まで持ち出すものか…………?
「私も賛成。シロウもいるから、負けないだろうしね」
「よっしゃ、先生のお墨付きももらったことだし、この勢いでいっちょやっちゃいますかー」
「善は急げ、ってことだね」
「はい~それでは、しゅっぱーつ!」
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おまけ:サーヴァントについて勉強しよう!~セイバー編~
「サーヴァント勉強会、第二回を始めるぞ」
「待ってました!」
「今回は、サーヴァントのクラス、セイバーについてだ」
「剣士のサーヴァントだったよね?」
「ああ、その通りだ。セイバーは、主に生前剣を用いて戦った逸話のある英霊が配属される。そのバランスのとれた能力から、最優と称されるクラスだ」
「最優……なんか、凄そうだね!」
「サーヴァントのクラスには、それぞれクラス別の能力、クラススキルがある。セイバーは魔術への耐性を得る対魔力、乗り物を乗りこなすための騎乗、この二つを持つ」
「なるほど。確かに、騎士って馬に乗って剣で戦うイメージあるもんね!」
「そうだな。まぁ、別にセイバー=騎士って訳じゃないんだが。
セイバーのサーヴァントの例で言うと、アーサー王伝説における聖剣の担い手騎士王アーサーや、日本の剣豪宮本武蔵なんかが、セイバーに該当するな」
「へーー。たしかその二人は、すごい剣士って言われるとすぐに思いつく人かも」
「それと、セイバーの特徴として………剣からビームがでる」
「はい?」
「剣からビームがでる。勿論、該当しない者もいるが、有名どころは大体剣からビームをだす」
「そんなの………そんなの、セイバーじゃなくてビーマーじゃん!?」
「まぁ……そう言いたくなるのも分かる」
生前の衛宮シロウくんは、ホシノと面識がありました。
夜中、不良たちと戦闘している時にパトロール中のホシノと出会い、不良ごと殺されかけました。
初対面時には、まだ抑止力との契約前で未熟だったので、なんとか食らいつくも普通に負けました。その後、命懸けで誤解を解いて、九死に一生を得る生前シロウ。
誤解を解いた後は、何度か不良相手に共闘するなど、良好な関係を築きつつあったんですが………その関係は、自分で断ち切ることになっちゃったね!(愉悦)
シロウくんが対策委員会について知らなかったのは、あくまでホシノとは共闘することがあっただけで、自分たちのことについては殆ど話していなかったためです。