the other ~2番目の騎士~   作:お兄ちゃん

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進まない筆、イライラする作者。
それを見た主人公から一言。
「前回の約束を守ってもらおうか」
……後半へ続く。


第12話 一輝の妹(前編)

 第十二話 一輝の妹

 

 その頃、束がいるクラスである二年三組でもホームルームと大会についての説明が終わったところだった。

(……つまんねえ)

 その説明に対しての束の感想は、ただつまらないというものだった。

 去年と変わったことといえば、『選抜の方法が変わりました。参加も自由です』という事だけ。同じ内容をもう一度聞くほど退屈になる事はないだろう。

 束はかけた眼鏡を左手で修正し、教室の一番隅の窓際にある自分の席から教室を見渡す。どの生徒もだらけているというか退屈そうな顔をしている生徒ばかりだ。

 そんな中、一人の生徒に目が止まる。束の席からは真横に離れた席に彼はいた。赤みがかった茶髪に首元まで伸びたもみあげ、そしてどこか余裕を持っているかのように口元に浮かぶ笑み。

 桐原静矢。前年度に首席で入学し、去年の破軍学園代表まで上り詰める程の実力を持つ。

 昨年の彼は学園生徒からかなりの注目を集め、七星剣武祭では一回戦で優勝候補と言われた文曲学園の生徒を一方的に叩きのめし勝利した。入学時から誰にでも分け隔てなく接し笑顔を振りまく好青年として他の学生からの人気が高い。そんな彼を見て束は、

 

 この世の終わりと同じぐらい絶望な日々が始まるのを感じた。

 

「さて、明日から授業が始まる。皆頑張って励むように」

 今日の連絡事項を伝え終わりホームルームを締める担任の声を皮切りに、学生がそれぞれ鞄を背負い仲の良い者同士で集まって帰る用意をする。担任も教壇から降りるが、何かを思い出したようで、再び学生の方を向く。

「ああそれから、皆も知っていると思うがこの近くで『黒い騎士』が目撃されたそうだ。警察が付近の見回りをしてくれているが、見かけたらその場から離れて警察に連絡するように」

 そう言い残し、教室を出て行った。

『黒い騎士』、それは八年前から目撃されるようになった存在。ニュースなどの話によると全身が黒いフルプレートを纏い、黒い靄のような煙に覆われているとのこと。初めの頃は関東地方のある場所に立っている、徘徊しているなどの目撃情報だけで危害を加えるような事はなかった。

 だが、その二年後に酒気帯び運転で小学生の列に車が突っ込むのを、車を正面から受け止めるという事件を皮切りに、種別を問わない施設への襲撃や破壊活動を起こしたと思えば事件や事故を未然に防ぐなど不規則に行動していた。共通した『黒い騎士』が残した事件の爪痕は、建物を瓦礫に変え道路に亀裂を走らせる程にその存在自体の凶暴性を示し、人々に恐怖を植え付けた。

 そして二年前に犯罪組織《解放軍(リベリオン)》の拠点襲撃を最後に行方をくらませる。

(……まあ、そんな事件をこの近くで起こるなんてないだろうな。理事長もいるし)

 そう思う彼も他の学生と同じように学生鞄に持ち物を詰め、帰る準備を進める。

「市花くん、もう帰るのかい?」

「……何か用?」

 掛けられた声の方を不機嫌な顔をしながら振り向くと、そこに居たのは先程見かけた桐原だった。数人ずつの男女が桐原の後ろに従えた人気者は、瞼を細め静かに微笑んだ笑みを浮かべながら束に右腕を曲げてを差し出す。

「これから皆と遊びに行くんだけど、君もどうだい?」

 桐原から声を掛けられる、それは彼に憧れる者にとってとても素晴らしい事だろうか。そんな誘いに束はその手を払うように右手を軽く振る。

「悪いけど、用事があるから他の子にしてくれ」

「つれないなあ、去年からの付き合いなんだしいいじゃないか」

「去年か……」

 その言葉を聞き、右手で鞄の紐を持ち上げ肩に持って行き桐原の左側をすれ違うように通る。

「ちょっと、桐原君の誘い断るの?」

「せっかく仲良くしようと思ってるのになー、市花」

 教室のドアまでの道を塞ぐように男子二人と女子一人が割り込む。そこへゆっくりと束の後ろに桐原が歩み寄る。

「まだあの落ちこぼれと一緒にいるのかい?あんな奴といると君もー」

「どけよ」

「……何か言った?」

 桐原の言葉を遮り彼を、そして周りを囲う学生を睨みつける。

「聞こえないならもう一度言う。……さっさとどけっ!」

 人を殺し射抜くような殺気に満ちた目を見て、学生達はたじろぎ後ろへ下がる。束の大声で教室内外の生徒が彼らの方を向く。

「あ、ああすまない。大事の用事なら言ってくれれば良かったのに」

「それを言えば大人しく道を開けたのか?」

「……すまない」

 目つきに驚きながらも謝罪する桐原を一瞥し、束は教室を出て廊下を歩く。途中、すれ違う学生が彼を見ていたがそれを気にすることなく真っ直ぐ一年一組へと向かう。

 

『ゆ、ゆりせんせーーー!?』

 

「……」

 遠くから聞こえる、叫びに似た誰かを呼ぶ声。その名前を聞いて束は頭を抱える。

「相変わらずだな、先生は」

 進めていた足を速め、走り出す。考えられる状況を予測しながらー

 




どうも皆さん、お兄ちゃんです。
妹と書いておきながら一瞬すら出てこないというなんという詐g()
やっと出てきた黒い騎士。彼は一体スキルは何スロットなんだ……

ではまた次回!


11月16日 タグ追加 他英霊の宝具使用可能性あり
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