更新は出来るだけ早くするつもりですが、書くのが遅くなるときがありますのでその時はご了承ください。
それではどうぞ!
第6話 天才と落第、そして…
手刀を叩き込んでから三十分、束はステラに説教した。
「そんだけの温度があったら放射熱が〜」やら「そもそも学長室で剣を振り回すのはどうかと思う〜」など常識を説いている。一輝と黒乃はそれを傍観していた。
束自身、この世界は魔法が存在し非常識が存在するとちゃんと分かっている。だが、間違っている知識を正しいと勘違いして使っている事はどうしても許せなかった。
「まあ今回、俺が怒らせる発言をしてしまったのがそもそもの発端ですからそれは謝る。だけどな、感情まかせで力を振るうのは馬鹿がする事だ。皇女様ならそれは分かってますよね?」
「…………」
説教されているステラは釣り上げていた眉を下げ、瞳に涙を浮かべていた。内心では煮え立つくらいに腹が立っているが反論が出来ない。
「市花、それくらいにしておけ」
「……分かりました」
束がステラの前から下がる。黒乃が止めなければ言いたい事を言い続けていただろう。
「では黒鉄、ヴァーミリオン。両名は今年度の寮の部屋を共用とする。異議はー」
「異議ありです」
「……まあ、そうなるな」
黒乃の言葉を遮りステラが反論する。
「先程のやり取りで気が変わりました。男と一緒なんて嫌です」
「僕もです。そもそも寮は二人一組ですが男女一緒の部屋ははないはずです」
「私が理事に就任する前年の話だ。市花、私の教育方針を言ってみろ」
黒乃に当てられ束は黒乃の方針を聞いたか思い出す。
「完全の実力主義に徹底した実戦主義、ですよね?」
「そうだ。それが私の方針、学園の方針だ。破軍は他の学園に比べいいところが一つもない。しかも『七星剣武祭』でも優勝はおろか一回戦すら勝てない。理事会は立て直しを決め、私を理事に推挙した。部屋割りもその一つ。出席番号、性別、果ては学年関係なく力の近い者を同じ部屋にすることで、同等の存在同士で切磋琢磨させ競争を生じさせる、というわけだ」
腕を横に広げ、ふてぶてしく己の思惑を明かす。
「だったらステラさんは同じ力の学生とペアになればいいと思うんですが?」
「そうね、Aに届かなくてもBランクならいいと思う」
「生徒会なら何人かいるんじゃないか?そもそもイツキと皇女様じゃランクが違いすぎる」
「ランクが違う?ちょっと、あなた何ランクなの?」
束の話にステラが一輝に問いかける。
「恥ずかしいけど、Fランクだよ」
「え、Fランク!?Fランクと一緒の部屋なの!?どういうことですか理事長!」
黒乃に詰め寄り、机を叩き苛立ちを見せる。が黒乃はにやけ顏を変えずに言う。
「君達の場合は特別だ。実はウチにはヴァーミリオンほど優れた者がいない。かといって一人で部屋を使わせるとそれは勿体無い。そこで、一人だけの黒鉄と組ませる事で無駄をなくす。余り同士で組ませる事になるが我慢してくれ」
その言葉にステラは眉をひそめ、手を顎に当て考える。
「……もし私と同じぐらいの力をもつ学生が入学して、その人と部屋を同じにしてくれるなら……構いませんが」
「もしも、の話だがな」
Aランク伐刀者は十年に一度の逸材と呼ばれる程希少。それがこの学園にやって来るのは限りなくゼロに近い。黒乃は断言は出来ないが出来るだけ希望に添えるよう手配はするつもりだ。
「……分かりました」
「話は以上だ。行っていいぞ」
「理事長。一つお願いがあります」
退室を促されたにも関わらず、ステラはその場に留まる。
『内容にもよるが、言ってみろ」
「訓練場を貸していただけますか?今から」
「構わないが、使用目的がないと貸せないな」
「すぐに終わります。私は、この男と勝負します」
腕をピンと伸ばし、一輝を指差した。
「一緒の部屋になるのに、相手を知らないままっていうのは失礼だと思います。お互いのためにもまずは戦いをしたいと思ったのですが、よろしいですか?」
「ふむ……いいだろう。第三訓練場黒鉄もそれでいいか?」
一輝も少し考えてから頷き、
「はい、Aランクと戦えるのは僕にとってもいい経験になります。こちらからもよろしく、ステラさん」
ステラに右手を差し出す。
「……ふん」
しかし、ステラはそれに応じず理事長室を退室した。ドアが閉まり、足音が遠くなったのを壁越しで確認した三人は全員のほうを向く。
「いいのか黒鉄?相手はAランクだぞ」
「いずれにしろ戦う相手になりますしいいですよ。『卒業に必要な単位を取り、七星剣武祭で優勝すれば卒業させる』って理事長も約束してくれたし……それにさっき言った通りAランクと戦ってみたいのは本心です」
「ああ、確かにそう約束した。だが難しいだろうな……お前の能力だと」
「イツキは勝ちますよ」
束はそう宣言し一輝の肩に手を置く。
「どんな相手でも全力で戦う、そうだよな?」
「うん、負けるつもりはないよ。僕はあの時から自分の信念を曲げたことはない」
「ふっ……その意気だ。さ、お前も準備して来い!応援してるぞ!」
一輝のやる気を感じる言葉に束は微笑み、一輝の肩を押し理事長室から送り出す。
(見てなさい……減らず口を叩けなくしてやるんだから!)
廊下を駆け足気味に歩き、ステラは訓練場に向かう。
「いいのか?お前はそれで」
「いいんですよ、これで」
一輝が去った後の理事長室に残った二人が会話を続けていた。
「まあ、お前には
椅子の手すりに腕を置き、背をもたれつつ束を見つめる黒乃。
その束は黒乃の前で腕を後ろに組み、背筋を伸ばす。
「理事長、今回の試合なんですがー」
その一時間後、午後二時。第三訓練場にいた学生達は練習を中断し観客席へと上がる。
魔法や武術の訓練中突然の場内放送。
『ステラ・ヴァーミリオン、黒鉄一輝の模擬戦を始める。リング内の学生は練習を中断するように』
ステラ・ヴァーミリオン。Aランク伐刀者で破軍の一年生になる彼女は、専らの噂になっていた。
その彼女の戦いを観れるまたとない機会を、見逃す者はいない。
学生達が試合を待って暫くして数十分。
ステラ・ヴァーミリオン、黒鉄一輝両名の戦いの準備が整った。
ふええ……執筆時間がないよう……→(バイツァ・ダスト!)→よし書くぞ!→ふええ……執筆時間が(ry
はい皆さんお兄ちゃんです。
お色気、ギャグを書くと物語が崩れやすくなってしまうという判断で削っていますが……入れたほうがいいのかな?と思う時が時々あります。
次の戦闘描写がうまく書けますように……
それでは、次回も楽しみにしていてください!
あ!そうだった!
私の執筆が遅いのにも関わらず読んでくれている皆さん、本当にありがとうございます!
いつも励みになっています!
それでは、今度こそまた次回ノシ