ラノベ転生 ―底辺社畜、昔好きだったラノベの世界に転生するも転生先は暗黒系鬱ラノベの世界だった件―   作:哀原正十

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第26話 魔人ガルティア

 道中に魔物はいなかった。

 

 まるでそんなものに頼る必要はないとでもいうように。

 

 そうして走る事数分。

 

「……見えてきましたね」

 

 巨大な扉が見えてきた。

 

 あの向こう側に魔人ガルティアがいるのだろう。

 

 僕は緊迫の面持ちで会長に尋ねる。

 

「会長、どちらが扉を開けますか」

 

「アキラくんが。その前にちょっと待っていてください」

 

「?」

 

 何をするのかと眺めていると、会長は武装解放で一対の鏡――アークミラーを産み出し、両手に持った。そして、

 

「インフィニット・アーク」

 

 合わせ鏡から無限のエネルギーを取り出しぶつける会長の奥義のチャージを始めた。僕は悟った。

 

「そうか。ここでチャージを終わらせてからドアを開け放つと同時相手に攻撃を放てば」

 

「はい。交戦するまでもなく敵は木っ端みじんになるという寸法です。この作戦で行きますよ」

 

「はい!」

 

 ……それから10分程の時が過ぎた。会長が合図を出す。

 

「いいですよ。今です!」

 

「はい!」

 

 僕はドアを開け放った。それと同時会長が10分間溜めに溜めた光のエネルギーを標的目掛けて解き放つ!

 

「インフィニット・アーク!」

 

「うおおおおおおおおおお!?」

 

 ……遠くから悲鳴のような戸惑いのような声が聞こえた。その直後。

 

 ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!

 

 ……会長の攻撃が城の壁を突き破って外に解き放たれた。痕には巨大な大穴が空く。これを喰らっては生きてはいられまい。やったか? と僕と会長が思った矢先。

 

「……危ない、危ない」

 

 ……煙の中から現れたのは無傷の魔人ガルティア。信じられない光景だった。あの攻撃を喰らって無事で済んだというのか? それは理不尽過ぎやしないか。一体どうやってあの攻撃を無力化したのか?

 

 ……いや、その答えを僕は既に知っている。魔人ガルティアが凶暴な笑みを浮かべながら言った。

 

「避けるのが間に合わなかったらやられるところだったぜ」

 

 ああ、うん……。

 

 そりゃ避けられることもあるか。おかしいと思ったんだ。あいつの能力特性的にあの膨大な魔力の攻撃を防げる訳がないから。

 

 魔人ガルティア――緑色の髪に筋骨隆々な体躯。上半身は剥き出しで下はジーンズのような履物を吐いている。顔は癖はあるがイケメン――が呵々大笑しながら言う。

 

「今日の挑戦者は歯ごたえがありそうだぜ。さて、やり合うのが楽しみだ……」

 

 そしてこれだよ。

 

 魔人の癖に妙にさっぱりしているから嫌いになれないんだよな、こいつ。

 

「アキラ君。さぁ、やり合いますよ。魔人ガルティアを倒しましょう」 

 

「はい。会長。あいつの情報は事前に話した通りです。さぁ」

 

 だが、だからと言って。

 

 今からこいつを倒すことに変わりはないが。そして。

 

「油断せずに行きましょう」

 

 気を抜いて勝てるような相手ではないことにも変わりはない。魔人ガルティアが笑う。

 

「バトルスタートだ」

 

 戦いが始まる。

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