ラノベ転生 ―底辺社畜、昔好きだったラノベの世界に転生するも転生先は暗黒系鬱ラノベの世界だった件。せっかくなので鬱フラグをへし折って殺されるはずだった女の子たちを助けます― 作:哀原正十
「アキラくん! くっ! 鏡よ!」
「無駄だァ!」
パリィイイイン!
僕を庇って展開された鏡がガルティアの拳によって容易く割られる。だが、今回はその後の展開が少し違った。
「うおっ。なんだ。これは衝撃が跳ね返ってきやがる。なるほど。鏡に籠める魔力を増やした訳か。そんで無力化するのに僅かに時間がかかりその僅かな間に攻撃を反射したと。中々やるじゃねぇか」
「ハァ、ハァ。これだけ魔力を籠めてもこの程度の効果ですか。でも、アキラ君を庇う事くらいは出来そうです」
「厄介な女だ。先に片付けちまうかなっと!」
「! 会長!」
ガルティアがルナ会長の方へと疾駆する。その速さに追いつけない。魔人ガルティアは反則なまでに素のスペックが高かった。ガルティアへの畏怖、そして、それ以上に自分への情けなさが胸に広がる。
(糞ッ! もう少しやれると思った。魔人ガルティアを甘く見てた。そしてそれ以上に僕自身の力を過剰評価していた。僕は、闇蔵アキラはこの程度なのか? いや、今はそんなことはどうでもいい。今は)
「会長!」
僕は会長の元へと必死で駆ける。だが現実は非常だ。僕よりガルティアの方が足が速い。前世の小学生時代50メートル走でカースト上位の生徒相手にボロ負けして格付けされた苦い思い出が蘇る。いや、今そんなことはマジでどうでもいい。とにかく今は一刻も早く会長の下に駆け付けねば。だが、ガルティアが僕より早く会長の元へと辿り着いた。
「さっきの男に比べたら隙だらけだぜ」
「! アークミラーよ。跳ね返せ」
ガルティアの拳を会長が武装覚醒で生み出した他の鏡に比べて遥かに強靭な鏡で迎え撃とうとする。ガルティアはその拳をフェイントに攻撃を変化させる。ストレートパンチから回し蹴りへ。
「あっ、えっ?」
「ぶちくらいな」
パリィイイイン!
会長にガルティアの攻撃がもろに当たる、寸前、生み出された鏡が攻撃を受け止めた。容易く貫通されるも、ガルティアの攻撃の威力を確かに減じさせる。しかし、それでも、
ズガン。
会長に、攻撃が直撃した。
容易く吹っ飛ばされる華奢な体躯。壁に激突し、カハっと血を吐く。僕はその姿を見た瞬間頭に血が上って沸騰しそうになった。ガルティアへと猛進する。ガルティアはへッと笑って、
「駄目だ。ヤリごたえがねぇや。やっぱお前じゃねぇとな」
「気色悪いことをのたまうな」
ガギィイイイン。
再度激しい剣戟を再開する。一撃だ。一撃でいい。この闇の剣による攻撃は一撃が致命傷になる。だがその一撃が入らない。天才だ。ガルティアは戦闘の天才だ。胸の中に恐怖が膨らむ。恐怖? 闇蔵アキラはそんな感情を感じない。ならば恐怖を感じているのは誰だ。
松岡アキラ。
お前だ。
お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。お前が悪い。
お前が悪い。
それまで自然に融合していた松岡アキラと闇蔵アキラの自我が分離し、まるで喧嘩をしているかのように自分の中から自責の声が止まらない。気持ちが悪い。吐きそうだ。そして無論そんな戸惑いを産み出しながら戦える程魔人ガルティアは安い相手ではない。すぐに隙を咎められて、
「あ? 何か急に弱くなったお前」
ドガン。
攻撃が直撃する。だが、魔力覚醒によって守られた体は致命傷を負うことはない。だが、それでも攻撃の威力は逃しきることが出来ず僕は吹っ飛び、会長と同じように壁に激突し、地に転がった。
即座に立ち上がる。だが、頭の中の警鐘が止まらない。
今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。今のお前じゃ勝てない。
今のお前じゃ勝てない。
ならばどうすればいい。簡単だ。
その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。その体を貸せ。
その体を貸せ。
それで勝てるのか?
勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。勝てる。
勝てる。
分かった。なら貸すよ。会長を助けるにはそれしかないんだろ。
――体の奥で何かがニィイ、と笑ったのを感じた。
契約、成立だ。
そして、僕《・》は。
起き上がり、闇の剣を構えて、ガルティアに向けてこう言った。
「こいよ雑魚。この僕が殺ってやるよ」