ラノベ転生 ―底辺社畜、昔好きだったラノベの世界に転生するも転生先は暗黒系鬱ラノベの世界だった件。せっかくなので鬱フラグをへし折って殺されるはずだった女の子たちを助けます―   作:哀原正十

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第3話 戦闘準備

 2人組の部屋を出た後は即座に隣の部屋の2人と合流した。

 

「学園に入学して早々ハードなイベントだな」

 

 と僕とキサラちゃんに告げるごついガタイの男子生徒は名を本郷タケシという。純然たるモブキャラだ。

 

「本当、いきなり大群体と遭遇とかマジ最悪なんですけど。あーし二度寝していいすか?」

 

 同じく隣室から出てきたちょっとギャル口調で見た目も少しギャル入ってる桃髪ツインテールの女の子は夢川アユム。同じく純然たるモブだがちょっと可愛い。

 

 この2人と僕こと闇蔵アキラと吉祥院キサラを足した4人がフォーマンセルのワングループとなる。魔物とは基本フォーマンセル――4人組で相対することになる。学園の采配でフォーマンセルとなった僕たち4人は学園の宿舎の一室を飛び出して合流し、戦場へと走る。

 

「なーに。要は数が多いだけの有象無象よ。私の力、見せてあげるわ」

 

 と、意気揚々とした台詞を吐く吉祥院キサラ。その末路を知っている僕は反射的に思ってしまう。

 いや君、このままいくと魔物に惨たらしくレイプされて殺されることになるんだが?

 

 

 

 

 

 異界学園キョウの戦闘は科学&魔法を合わせたものとなる。そしてどちらかというと魔法に寄っている。

 

 この世界は科学が発展した世界であり、魔物と戦う際にも特殊兵装に身を包んで戦うことになる。ヴァルハラ学園の制服は制服自体が特殊兵装に当たるため着替える必要はない。武器も部屋にそれぞれの専用兵装が置かれている。ビーム砲やビームサーベルなど科学で再現できそうな兵器ならある程度まで何でもござれだ。

 

 それと同時に、この世界は魔法の存在する世界でもある。そしてその魔法こそが個人の兵力差に直結する特別なファクターであり、しかも誰でも使える訳ではない。魔法の使える人材はそれだけで特殊な人材であり一定の価値を担保される。魔法を使える人間は魔術士と言われて重宝され、強力な魔術士は人類の切り札とされる。

 

 もちろん闇蔵アキラはその強力な魔術士に当たる。物語序盤ではその力を隠しているが、物語中盤からは隠すことなくその強力な魔法を使用し、主人公たちを苦戦させる役割を担う。

 

 もっとも僕はこの世界でそんな役割を担うつもりはないが。だとすればどんな役割を担うべきだろう。

 

 僕はこれからこの世界でどうやって生きるべきなのだろう……。

 

「アキラ。何ぼーっとしてんの。そんな状態で戦場に行ったら魔物に惨たらしく殺されるわよ」

 

 そんな僕の背をキサラがバシンと叩く。力強い。そして、心強い。そう思った。自分より弱いはずの女の子が、自分より強い台詞を吐く。

 

「なーに。同室になったよしみよ。あんたがピンチになったら私が助けてあげるから、精々殺されないようにしなさい」

 

「キサラちゃん……う、うん……」

 

 戸惑う。前世の知識が、意識が、まだ戦場に出て戦うという事態に適応できていない。その自分に掛けられる優しい言葉が、やけに胸に染みる。

 

 僕はどうやって生きればいいのか分からない。でも、

 

「そうだね。殺されないようにしないとね」

 

 この子がここで死ぬのは絶対間違いだ。心からそう思えた。

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