ラノベ転生 ―底辺社畜、昔好きだったラノベの世界に転生するも転生先は暗黒系鬱ラノベの世界だった件― 作:哀原正十
「よく来てくださりました。闇蔵アキラさん。歓迎いたします」
そして学園長室にて。
待ち受けていたのは妙齢の穏やかな顔つきの女性だった。
髪は白髪、と言うかシルバー。物腰は丁寧で好感が持てる。眼光鋭いヴァルハラ学園の学園長鷲塚シスイとは好対照な人物だった。その人物が言う。
「私の名前は
「はぁ、闇蔵アキラです。以後お見知りおきを」
「突然ですが勧誘を。あなたはソドム学園に転入する気はありませんか?」
「一切ないです」
何だよこの展開。
思いながら僕が即答すると学園長はカラカラ笑いながら言った。
「あらま、本気でしたのに。即答で断られてしまったわ」
「僕は今の学園に愛着があるんでね。それより早速行きましょうか。ヴァルハラ学園に。その為に呼んだんでしょ」
「ええ。それでは行きましょうか。……道中」
読丘カナンは。
油断ならぬ笑みを浮かべて僕にこう言った。
「あなたのことは詳しくお話させてもらいますわね」
「なるほど。あなたの虚無の魔法はそんなことまで出来るんですね」
「はぁ、まぁ……」
「なるほど。あなたに野心などはなく純粋に仲間と過ごす学園生活が楽しく今の生活を守りたいと」
「まぁ、そうですね……」
「なるほど。そんな生い立ちが。それは……興味深いですね」
「さいですか」
道中は他にも色々なことを聞かれたが詳しく語ってもうんざりするだけだろうので割愛。僕もうんざりした。
そうして行きと同じような道を辿りヴァルハラ学園へとついた。細かい道中は割愛する。そして懐かしの我が母校ヴァルハラ学園へと辿り着く。
「……そう言えばカナンさんは何しにこの学園に来たんですか?」
「人類会議より申しつけられた依頼を口伝で伝えに。そしてもう一つは」
キッ、とその眼に確かな熱意を秘めて読丘カナンは語った。
「我が校の最大戦力神崎焔を連れ戻しにです」
(あ、これ失敗する奴だな)
後に聞いたが予想通り失敗したらしい。詳しくは聞かなかったので詳しくは分からないが一刀両断だったとか。
「それでどうして僕を護衛に指名したんですか?」
「いえ、何。人類会議からあなたの人となりを調べるように依頼されましてね。護衛のついでに色々と聞かせてもらったのです」
読丘カナンは。
そんな内情を語った。さらに続けて。
「それで思いました。この人なら信頼できると。実は私の魔法は」
読丘カナンは語る。
「偽心を見抜けるんです。道中、あなたにたくさん質問しましたがその中に嘘は殆ど含まれていなかった。そしてクリティカルな質問には全て誠実に答えていました。それを持って信頼できると判断しました。これをもってあなたへの最終試練はクリアされました。おめでとうございます」
「えっ」
初耳なんだが。異界学園キョウって本当細かい設定がガバい、というか読者の想像に任せるような書き方をするからな。こういう予期せぬ裏設定が顔を覗かせてくるの本当に止めて欲しい。
心臓に悪いだろ。
たまたま転生周りに関わってくる質問が殆ど飛んでこなかったからいいようなものを。
「……そして、このヴァルハラ学園を訪れた理由は……っと、学園長室に着きますね。そこで語りましょうか」
読丘カナンが学園長室の扉を開ける。そこで待ち受けていたのは当然ヴァルハラ学園の学園長鷲塚シスイ。そしてそこで読丘カナンは驚愕の真実を語るのだった。