ラノベ転生 ―底辺社畜、昔好きだったラノベの世界に転生するも転生先は暗黒系鬱ラノベの世界だった件―   作:哀原正十

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第51話 瞬間冷却

 作戦立案には3日かかった。

 

 北の地。寒い土地。そこで過ごす3日間は心胆を寒からしめるものがあった。

 

 とはいえ、たった3日間。この寒い土地でゲイマルクと言う凶悪な魔人を相手に戦ってきたコキュートス学園の生徒たちの心労を思えばその程度、ないに等しい苦難だった。

 

 そして作戦実行の日が訪れる。

 

 

 

 

 場所は荒野。

 

 魔物圏。

 

 ゲイマルク城から1KMの地点。

 

「……いきますよ」

 

 会長が合図する。サスケが応じた。

 

「おうよ。カクレ・クナイ」

 

 その隠蔽の力を持った武装を手に効果を発動する。僕たちヴァルハラ学園組+エレナ・バートンを加えた全員が透明化する。

 

「そして、インフィニット・アーク」

 

 会長が合わせ鏡から無限の力を取り出す必殺技を放つ。時間がかかるのが難点だが時間さえかければ最強の一撃を放てる一撃だ。それをサスケの魔法で安全にチャージする。1時間程チャージした頃、サスケが言った。

 

「もう限界だ」

 

「はい。では、いきましょうか。インフィニット・アーク――解放」

 

 シュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

 

 ――凄まじい光の奔流。それを会長は右から左に一閃する。視界の中の魔物たちが一掃される。さらに。

 

「あ、ゲイマルク城が」

 

 ゲイマルク城までついでのように消し飛ばされた。本当についでのように。だが、油断はできない。ゲイマルクの配下は不死の属性を持つ。果たして城が消し飛ばされてできた廃墟の後には。

 

 ゆらり。

 

 立ち上る複数の影。エレナ・バートンが強気な表情で言った。

 

「敵の動きを止めるのは任せてください! バギー、発進です!」

 

 7人を乗せたバギーが発進する。ゲイマルク城の廃墟に向けて。

 

 

 

 

 

 

「ギャギャギャ。何だ今の攻撃は。俺様の城が消し飛ばされたぜ。許せん」

 

 ……不死の魔人ゲイマルク。人型ではあるがドロドロに似解けた、腐敗した腐肉のような見た目をしている。その魔人が悪態をつく。

 

「けっ、許せねぇ。強力な援軍を読んだようだがいくら強力な攻撃だろうと俺には無力。勝てないって分からねぇかなぁ! ……今日と言う今日こそは教えてやるか。あのエレナ・バートンに」

 

 ジュルリ、と舌なめずりをして魔人ゲイマルクは笑う。そして言った。

 

「女の喜びって奴をな。ゲヒヒ。おっ立って来たぜぇ……お?」

 

 バギーで猛進してくる敵の群れ。その中の一人――エレナ・バートンがよくとおる凛とした声で詠唱し

 

「神淵覚醒――ゴッド・フリーズ・ゾーン!」

 

 その力を解放する。

 

「ゴッド・フリーズ・ストーム!」

 

 そしてゲイマルクはいつものように配下ごと纏めて凍らされた。時間が過ぎ魔力が切れれば解ける氷。俺の不死の概念を凍らせるなんてことはできない。ゲイマルクはニヤリと笑っていつものようにその冷却を受け入れた。

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