ラノベ転生 ―底辺社畜、昔好きだったラノベの世界に転生するも転生先は暗黒系鬱ラノベの世界だった件―   作:哀原正十

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第54話 松岡アキラ

 松岡アキラはくだらない男だった。

 

 小学生の頃から冴えない男だった。勉強も駄目。運動も駄目。何のとりえもないゴミだった。母は俺を愛してくれたが、父にはゴミを見るような目を向けられて育った。そんな俺の唯一の救いが。

 

 ――ライトノベルだった。

 

 ライトノベルの世界は素晴らしかった。現実には存在しない素敵な世界。現実には存在しない素敵なキャラクターたち。彼らとライトノベルを読んでる間は友達になれた気がした。友達のいない自分でも、友達に。

 

 そんな中、一際強烈で、それ故に怖いもの見たさで嵌ったライトノベルがある。それが異界学園キョウだ。残酷な世界観。惨たらしく殺されるキャラクターたち。それでも最期は希望があった……そうだ。それは僕が求めていたもの。残酷な世界。惨たらしい現実。それでも尚、希望を求めていた。ライトノベルと言う希望を求めていた。それは現実の自分がライトノベルに求めていたその有様を濃縮して踏襲した物語だった。だからこそ僕は嵌ったのかもしれない。異界学園キョウに。その残酷で、陰惨で、それでも最期は希望が勝つ物語に。

 

 ……俺は現実でも希望を信じた。どんないじめにあってもいつかは必ず希望があると信じて。信じて信じて信じて、高校に入って、学業は落ちこぼれ友達はいなくて、またいじめが始まって、勉強もスポーツも駄目な自分にとって現実は苦しいことだらけで、それで、それで――。

 

 希望を信じるのをやめた。異界学園キョウも大学に進学する際に纏めて捨てた。もう希望を信じられなかったから。それからライトノベルにしばらく離れて、ゴミみたいなキャンパスライフを送って、ゴミみたいな会社に就職して、しばらく経って、それで、それで……。

 

「先輩、何読んでるんですか」

「ラノベ、昔好きだったラノベ」

 

 それでもやっぱりライトノベルが好きで、昔好きだった世界に縋って。

 

 最後には希望があると信じて。その日も糞だった。糞だった企業に糞だった上司に糞だった仕事に邪魔されて希望はどこにもなくて、それでもいつかは必ず希望に辿り着くはずで、醜い世界の中に希望がある物語の世界――異界学園キョウの世界に飛び込んで、邪魔されて、それで車を発進させて、それで、それで。

 

 本当に物語の世界に飛び込んで。

 

 ――それからの日々は夢の日々だった。素晴らしい世界。素晴らしい人物。素晴らしい力。全てが僕の望む通り、とはいかないけど、十分に希望に満ちた世界だった。僕はのめり込んだ。その世界で生きることに。楽しかった。夢の世界で夢のように生きることが。大切な人たちも出来て、大切に思ってくれる人たちもいて、生徒会長もいて、大好きな人たちがいて、そんな世界で夢のような、最後は希望に辿り着く世界にいて。

 

 そうだ。

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望に辿り着く。

 

 それが異界学園キョウに貫かれていた鉄則。どんなに残酷でも、陰惨でも、最後は希望に辿り着くからこそ当時の読者達は離れなかった。物語を信じた。そして報われた。そう。最後は希望が勝つ。

 

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。 

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。 

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。最後は希望が勝つ。

 

 最後は希望が勝つんだ。

 それが物語というものだ。

 そして俺の、松岡アキラの、生まれ変わった闇蔵アキラの物語だ。

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。

 最後は希望が勝つ。

 

 でないと俺が報われない。

 

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