ふと、目を開く。
ひどくぼやけた視界の中、そこに見えたのは一人の女性だった。
そしてそれを認識した直後にお尻が軽く叩かれたような衝撃がら走り、思わず涙が出る。
「うぇぇぇ!」
口から自分の意思に反して声が出た。
妙に高く幼さを感じさせる声。
それと同時にこれまで息をしていなかったことに気がついた。
……あれ、これもしかして……転生してる?
* * *
俺は確かサブスクでヒロアカのアニメを見ながらLibrary of ruinaをやってて……、それで……どうしたんだっけ?
いや、そもそも俺って誰だ?
……駄目だ、思い出せない。
……まぁ、転生してるなら今更元の自分のことなんて気にする必要……、ないわけないけど気にしないことにするか。
さて、そろそろ現実逃避はやめにしよう。
なぜ俺が前世のことを考えていたかというと、今世を終えることになりそうだからだ。
何があったのかというと、俺が転生してから一年が経った今日、両親が仕事で忙しく、友人であるという保育士の女性に預けられていたのだが、その日は遠足で保育士の女性に抱えられながらほかの保育園児と一緒に街を歩いていた。
そんなとき突如気持ちの悪い黄色いガマガエルのような見た目の化け物が現れ、街を破壊し始めたのだ。
幸いすぐに救助の人らしい若い二人組が来てくれたので、その人たちの命令通りに二人組のうちの白い雲のような髪型の変な人が生成した雲に乗って避難をしたのだが、結局逃げるのは間に合わず落ちてくる瓦礫に潰されそうなのが今である。
……うん、どゆこと?
まず何あのバカでかいガマガエル、あんなの現実に存在するわけなくね?
あとこの白い雲もなんなんだよ、意味わからん。
そんな今死にかけているとは到底思えないクソみたいなことを考えていると、頭の上に今乗っているのと同じ雲が現れる。
その雲は見事に瓦礫を受け止め、俺たちは何とか潰されて死ぬことは回避できた。
……あれ?
そう言えばこの光景どっかで見たことあるような?
白い雲が瓦礫を受け止める……?
白い雲……、白雲……
あ、あぁ、あぁぁぁぁ!?!?!?
白雲、そうだ白雲!?
なんで今更気づくんだ俺!
これヒロアカで見た、いや、正確にはそのスピンオフのヴィジランテで見たやつじゃん!?
ってことはもしかしてこの世界ってヒロアカの世界!?
後半日本が崩壊するヒロアカの世界!?
治安がいいと言われる日本ですら日常的にヴィランが出てくるヒロアカ世界!?
……やばい、これからの人生詰んだくね?
この世界で生き残れる自信微塵もないんだけど……
そんな自暴自棄のような考えをした俺は、放心状態だったせいか雲が消えてしまったときに落下の勢いで少し転がり、瓦礫の山にぶつかってしまった。
いっつつ、放心状態になるのはこの危機的状況から抜け出してからのほうが……!?
え、なにこれ……
ひ……人の手……だよな……?
な、なんで瓦礫の山から人の手が飛び出て……!!
そ、そうだった、この場面はヴィジランテで白雲が死んで相澤先生が覚醒した時……!?
ってことはこの手って……
俺は思わずその飛び出た手に触れる。
まだ1歳だから腕が短く指先だけでしかさわれなかったが、はっきりと伝わってくる温かい感触。
けれどその感触は徐々に冷たいものへと変わっていく。
これが……人の死……?
ここは間違いなくヒロアカの世界、つまりは漫画の世界だ。
だけどこの感触は間違いなく現実で……
いやだ、死んでほしくない!!!
俺は白雲のことなんて漫画で見ただけでそれ以上のことは知らない!
ほとんど赤の他人のようなものだ!
だけど赤の他人だろうと誰だって目の前で死んで欲しくなんてないはずだ!
なんとか、なんとかならないか!?
そうだ、例えば俺が今個性に目覚めてそれが死者でも蘇らせることができるとか!
そんな叶うわけがない滅茶苦茶な願望を心から強く願った。
……そして何も起こらずにどんどんと手の先から温かさが消え、完全に消えたのを感じたその直後、奇跡が起きた。
「……っぁ!?」
突如として触れていた手が光だし、無数の黄色い紙のようなものに変化した。
……あぇ、あ……、これもなんか見覚え……
あ……、え……、たしかLibrary of ruinaで敵を本にしたときってこんな感じじゃ……!?
その瞬間無数の黄色い紙が俺の身体に吸い込まれていき、そのまま吸収された。
そして直感的に俺にはわかった。
俺の体内にある図書館に白雲朧の本が増えたことが……
……え、もしかして俺の個性ってLibrary of ruinaの図書館……!?
心操が好きです。
あと謎に峰田も好きです
今後赤い霧の本を使うときどっちの姿にする?
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カーリー
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