個性図書館によるヒーローアカデミア   作:ヨガマスター

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半分ぐらいヴィジランテの抜き出しになっちゃった……


2.罪悪感と自認アンジェラ

 白雲を本にした後、原作通り若き日の相澤先生が幻聴の白雲の励ましもあり無事にガマガエルヴィランを撃破した。

 

 そのため今は事後処理の時間になったのだが、つまり相澤先生が白雲の死に気がつく時間でもあるわけで……

 

「あのデカブツを、新人が一人でやるとは……、信じられんな」

 

「いえ、チームプレイです」

 

 ……っ! 

 

「相棒がずっと声を掛けてくれてて……、白雲は?」

「香山先輩! 白雲の怪我はどんな具合です?」

「さっきまで元気に俺を励ましてたし、そんなに大したことっ……!」

 

 相澤の言葉に香山先輩は言葉を返せていない。

 

「そんなに酷いんですか!? じゃあ、病院に……!」

「山田! そこのスピーカー、白雲のだ!」

「持っていってやらなきゃ!」

「……うん?」

 

 山田も……、返せないよな……

 

 そうこうしているとオレンジの特徴的な髪をしたやつがスピーカーを拾い上げた。

 

「なんだ? 壊れてるこいつ……」

 

「え……? そんな馬鹿な? だって白雲はずっと……」

 

「……つまり奴は最後までこのスピーカーからお前を応援していたと……」

「いや、違うな」

 

「え……?」

 

「お前はこの壊れたスピーカーを通して、自分自身を鼓舞していたというわけか」

「なにしろ極限状態だ、そういうこともあるかも知れん」

 

 ……

 なんか……、見てるだけでも……

 

「そうじゃない……、あいつは……頑張れって……、頑張れ消太って……」

「俺はっ、ずっとその声に励まされて……」

 

「この大量の血……、間違いなく誰か死んでいる、死体がないのはヴィランの攻撃のせいか?」

 

「…………!?」

 

 ……まぁ、死体は俺が本にしたから無くなってるよな……

 大量の血やちぎれたであろう四肢の一部は残ってるみたいだけど……

 

「相澤! 一流のプロチームも敵わなかったヴィランを相手に、お前は踏みとどまり、戦い抜いたんだ!」

「たった一人でな!」

 

 ……それは今の相澤先生には禁句だろ……! 

 

「誇れ相澤! これを誇らんでどうする!」

 

「閃走寺お前……、ホント羨ましいね、単純で……」

 

 ……静寂の時間がなんというか心に来る。

 

「白雲の声が、聞こえたんだ……!」

 

「……あぁ」

 

「確かにあいつの声だった!」

 

「…………あぁ」

 

「俺を! 応援してくれてた!」

 

「……あぁ」

 

 

 相澤先生の独白を静かに相槌をうち、聞いていく山田。

 その相槌のための余白がチクチクと痛む。

 

「出会った時から……、俺はあいつにずっと背中を押されてた」

「くっ……、さっきだって……、いつだって……!」

 

「あぁ……、わかってる」

 

 すまん……、俺が本にしてしまっているんだ……

 正直もとの死体にすら戻せるかわからん……

 

「また雨が強くなってきたわね」

「相澤君、山田、もう中に入りなさい、これ以上は身体に障るわ」

 

「あざっす……、香山先輩……」

「だけど俺たち……、今はそういう気分なんで……」

 

「く……、うぅ……」

 

 

 相澤先生がゴーグルを強く握り締める。

 そう言えばあのゴーグルは元は白雲のものなんだったな……

 ……ざ……罪悪感がやべぇ……

 原作だと死体はあったけど今回は俺のせいでそれすらないもんな……

 

 い、いや、まだ俺の図書館の個性によっては白雲を復活させられるかもしれん! 

 原作より悪くはなってない……はず! 

 

 ……帰ったら個性をちゃんと調べなきゃな……

 

 *  *  *

 

 深夜、両親が寝たことを確認した俺はこっそりベッドから出る。

 もちろん俺の個性を調べるためだ。

 

 俺の個性……仮称図書館によっておそらく俺の中に異空間として図書館が存在する。

 そしてこの図書館は入ろうと意識することでおそらく中に入れる……気がする。

 

「すぅ……はぁ……」

 

 俺は目を閉じ、俺の中にある図書館に入る姿を強くイメージする。

 するとまるで空間が歪んだかのような感覚がし、その感覚が止むのと同時に目を開くとそこにはまるで無限に続いていると錯覚するほど広い図書館に居た。

 

 この図書館……どこか見覚えがある……

 謎に黄色く発光する階段、無駄に大量にある長さが不揃いのロウソク、本が積まれた机に黒い椅子……

 

 ……やっぱりlibrary of ruinaの図書館じゃねぇか! 

 はぁ……、そんな気はしてたけどやっぱり図書館か……

 人を殺すことを前提とした厄ネタ満載の謎空間……

 こんな空間一体俺にどうしろと……? 

 

 ……って、ん? 

 俺の今の身長的によく見えてなかったけどこの机に積まれた本って……

 なになに……館長……アンジェラの本……? 

 

 え……? 

 もしかして……? 

 

 俺は机の脚を使ってなんとか立ち上がり、その本に触れる。

 そしてその本を着るイメージをした。

 

 その瞬間触れていた本が無数の黄色い紙に変わり、俺の全身を覆うように張り付いていった。

 

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……!?」

 

 そんなまるでスローモーションにしたかのような驚きの声が俺の口から出た。

 俺は反射的に口元に手をやろうとし、身体がまるで鉛になったかのようにゆっくりとしか動かせないことに気がつく。

 

 いや、違う、俺の身体がゆっくりにしか動かせないんじゃない、俺の体感時間がとんでもなく長くなってるんだ!? 

 確かアンジェラには体感時間が通常の100倍とかいうとんでも設定があったはず、つまり今俺の体は体感時間が100倍になっているのか!? 

 

 っ!? 

 というか俺の身体完全にアンジェラのものになってないか!? 

 俺の1歳ボディではありえない高い視点、ゆっくりにしか動かないのを我慢しつつ下を向くと膨らんでいることが明確に分かる胸! 

 間違いない! 

 顔はまだわからないけど間違いなく今の俺はアンジェラだ!?




というわけでこの作品ではアンジェラやローランといった指定司書たちは本として主人公が使えるものになります。
……アンジェラとかビナーのエミュができないからとかは言ってはいけないお約束

評価してくれると作者が喜びます。

今後赤い霧の本を使うときどっちの姿にする?

  • カーリー
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