個性図書館によるヒーローアカデミア   作:ヨガマスター

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最初は主人公、あとは相澤先生視点です。
試しに脚注を使ってみました。


20.決闘、そして決着

 相澤先生に決戦の約束をしたあとの帰り道、俺はふとヴィラン連合のことを考えていた。

 これまでは後処理で忙しくあまり考える時間がなかったのだが、それが終わって考える余裕ができたからだ。

 

「……あの目……」

 

 俺が脳無と戦っているときにちらっと見えた死柄木の目、それが妙に記憶に残っていた。

 あの目は強い憎しみが籠もった目だった。

 けれどその奥に何故か悲しみのような感情も感じたのだ。

 

「……死柄木弔か……」

 

 正直俺の原作に関する記憶は結構曖昧だ。

 もう15年ほど転生してから経っているため当然だが、忘れてしまった設定も多いだろう。

 死柄木に関しても結構忘れてしまっている。

 確か本名が志村……十狐……いや、転弧だっけ? 

 それぐらいしか覚えていない。

 

 図書館の個性で自分の記憶を思い出せないのかと思うかもしれないが*1、それができるのは今世の分だけで前世の記憶は引き出せなかった。

 

「死柄木弔について一回調べてみるかな……」

 

 俺の個性を使えば調査は結構簡単だ。*2

 一度殺す必要はあるが、悪人なら別に蘇るしいいやろのノリで行けるし……

 うん、そうしよう! 

 

 *  *  *

 

 あれから1週間が経った。

 

 根津校長とともに対策を話し合い、リカバリーガールの協力のもと多少無茶な訓練をし、可能な限りの準備はできたはずだ。

 そのために雄英体育祭が近づいている中訓練場を1つ使い続けることになってしまったが、まぁそれはしょうがないだろう。

 

「失礼します」

 

 そう言って校長室に黒い沈黙……いや、本読さんが来た。

 

「……うん、ちゃんと根津校長と相澤先生の二人だけだね」

「それじゃあ早速行こうか」

 

「あぁ」

 

「わかったのさ!」

 

 俺と根津校長が頷くと本読さんは右の親指と人差し指を合わせ、指パッチンをした。

 すると目の前の空間が歪んでいき、気がつくとそこは無数の本が蔵書された図書館になっていた。

 

「ここが話にあった図書館か……」

 

「ふむふむ……、読んだことがない本ばかりなのさ!」

 

 本読さんの話だとこの空間内であればどれだけ負傷しようが治すことができるらしいが……

 

「さて、ようこそ我が図書館へ、本をお探しならこちらへ、ただし対価はいただきますが……」

 

「望むところだ」

 

「あぁ、根津校長はあっちに行って、あそこは観客席だから*3

 

「わかったのさ!」

 

 本読さんの後を付いて進んでいく。

 その足が止まったとき、いよいよ決闘が始まるのだろう。

 そうして少しの時間が経ち、周囲の空間は灰色に染まった妙に広い廊下へと変わっていた。

 

「着いたよ、ここが接待を始める場所だ*4

 

「遂にか……」

 

「あぁ、それじゃあ……始めようか!」

 

 そう言うと本読さんの姿が赤髪の女性から黒い手袋にスーツを着た男性へと変わり、俺に突撃して来た。

 俺は個性を発動しつつ、捕縛布で攻撃を仕掛ける。

 

「っと、やっぱりバトルページ*5は使えないみたいだな」

 

「ちっ、さすがに対処されるよな……!」

 

 しかし、捕縛布による攻撃は容易く剣によって弾かれてしまった。

 切断されてないのが唯一の救いだな。

 

「ほらそこ!」

 

「ぐ……!?」

 

「ん? ……今の感覚、防刃ベストか?」

 

 脇腹に突き刺さる一撃、あらかじめ防刃ベストを着込んでいたため致命傷は回避できたが……

 

「骨の何本かはいかれたか……!」

 

「その状態で次の攻撃に対処できるかな?」

 

 おそらく助骨がいくつか折れてしまっている。

 まだ動ける範疇の負傷だが、このまま続くと間違いなく負ける。

 やはり黒い沈黙は純粋な格闘能力で俺の上を行っている。

 抹消の個性がまるで役立たない。

 

「だが……! まだやってやる!」

 

「いいね! ほら、仕掛けて来な!」

 

 普通に戦って勝てる相手じゃない、だから普通じゃない方法で……! 

 

「くらえ!」

 

 そう言って俺はあるものを投げた。

 

「っ……スモークか!」

 

「ただの煙じゃねぇぞ」

 

 そう言いつつ俺はガスマスクをつけた。

 投げたのはミッドナイトの眠り香入りのスモークグレネードだ。

 吸えば一撃で勝てる。

 ……が、まぁ吸わないだろうな。

 

「だけど確実に視界は妨げるし、息ができなくて長期戦になれば俺が有利になる!」

 

「……」

 

 何も言わねぇか。

 まぁ、息を持たせるためには当然だな。

 

「あとは持久戦を耐え抜……っあ!?」

 

「……それは違うだろ」

 

 一瞬だった。

 手に持った剣を大きく横に振る、ただそれだけで煙が霧散した。

 そして俺がそれを認識した直後に腹に感じた強い衝撃。

 気づいた頃には蹴られていたのだ。

 

「っぐ……!」

 

「真正面からは勝てないから作戦を考え、仲間の武器を使う……それはいい」

「だが、それに頼っての持久戦は違う」

「それは誰かを守るための戦い方じゃないだろ」

 

「……!」

 

 その言葉に、俺はハッとしてしまった。

 

 あぁ……確かにそうだった……

 この戦いは白雲を守るための力を示すためのものだ。

 だというのに俺がしていたのはただ勝つ為だけの作戦。

 たとえこれで勝ったところで、俺は自信を持って白雲を守れると言えるだろうか? 

 

「……そんなわけ……ないよな!」

 

 あぁ、そうだ。

 俺がしなきゃいけないのは……! 

 

 *  *  *

 

 あれから10分ほどが経過した。

 何度も黒い沈黙による斬撃を食らい、今にも倒れそうな身体を無理にでも動かす。

 

「はぁ……はぁ……、まだ……だ……」

 

「粘るね、相澤先生、いくら図書館の機能で負った傷は治せるとはいえ無茶しすぎだぜ」

 

「当たり前だ……、いくら負傷してもいい状態で……白雲が掛かった戦いだぞ……」

「たとえ死んでも……、あきらめる気はない……!」

 

「確かに死んでも戻せるけどねぇ……」

 

「ほら……、構えろよ黒い沈黙……、戦いはまだ終わってねぇぞ……!」

 

「あぁ、そうだったな……!」

 

 何度目かもわからない半分ヤケが入った俺の攻撃。

 それを黒い沈黙は当然の様に捌く。

 そしてこれまた何度目かもわからない蹴りが俺に突き刺さった。

 

「っ……!」

 

「諦めないのは評価する、だけどそれだけではな……」

 

「ぎぃ……!」

 

 諦めない? 

 そんなの当たり前だろうが……! 

 白雲のおかげで! 

 こんな俺でもヒーローになれたんだ! 

 

「……ん?」

 

 俺のなかであの言葉がフラッシュバックする。

 今でも忘れられないあの日の言葉が……

 

『頑張れ、消太! 負けるな、消太!』

 

 その応援の声が、俺の背を押してくれていた。

 俺は一度その応援を裏切ってしまったが……

 

「っ……これ……まさか……」

 

 こんな俺でももう一度、応援してくれるんだな……

 白雲!!! 

 

「共鳴しているのか……図書館と*6……!」

 

 その時、チリンという甲高い音が聞こえた気がした。

 そしてそれと同時にボロボロだったはずの俺の身体に力がみなぎってくる。

 

「俺はもう……! 裏切るわけにはいかないんだ!」

 

 白雲が俺にかけてくれた言葉を、もう裏切りたくない。

 その気持ちを込めた捕縛布による一撃を黒い沈黙へと叩きつける! 

 

「っ!? ぐぅ……! この力……! そうか……『古い信念と約束』*7か……!」

 

「うぉぉぉおおお!!!」

 

 吹き飛ばされていく黒い沈黙に隙を与えず攻撃を入れまくる。

 もちろん持っている剣で対抗してくるが、俺の捕縛布のほうが威力が高いようで、無理やり押し通していく。

 

「これで、俺の勝ちだ!!!」

 

「っ! ぐぁ!?」

 

 最後の一撃が黒い沈黙の顔に突き刺さり、それと同時に捕縛布が砕け散る。

 そしてそれによって廊下のいたるところに積まれた本を散らかしながら黒い沈黙は吹き飛んでいった。 

 そしてそれが終わると、黒い沈黙は少しよろけながら立ち上がり口を開いた。

 

「……あぁ……いいよ……お前の勝ちだ、相澤先生」

 

「っ……しゃぁぁぁあああ!!!」

 

 それは俺らしくもない歓喜の叫び声だった。

*1
アンジェラには完全記憶能力があるためその本を使えば自由に記憶を思い出せる

*2
図書館の能力で人を本にした際、その本を読むことでその人物の能力や記憶を知ることができる

*3
図書館での描写的に上から戦いを見れる場所が存在する

*4
図書館では戦いを接待と言う

*5
いわば技のようなもの

*6
図書館には感情を増幅させる効果があり、その増幅された感情に共鳴し図書館が力を与えることがある

*7
簡単に言うと武器を強化してくれるツール




相澤先生が勝つにはこれしか思いつかなかったよ……
……プルスウルトラって言わせたほうが良かったかな……

古い信念と約束
Library of ruinaの前作Lobotomy Corporationにて登場したツールであり、一定確率で武器を強化してくれる。
しかし代わりに強化の一定確率を外すと武器を破壊する。
この小説では一時的に武器を強化するがその後破壊されるということにした。

高評価くれると咽び喜びます。
あと感想でもそうです。
あとついでに誤字報告くれ。

読み返してる時にヒロアカとLibrary of ruinaの知識ないと何やってるかわかんなくねと思ったのでアンケートします

  • 要所でそれぞれ解説を入れるべきだよ
  • ヒロアカ部分には入れるべきだよ
  • 図書館部分には入れるべきだよ
  • 今のままでいいよ
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