あれから峰田に勝ち決勝へと進んだ爆豪がそのまま決勝でも勝利し、舐めプ*1した轟にブチギレた爆豪が表彰台で拘束ながら雄英体育祭は終わった。
しかし、その帰り道で峰田は妙に浮かない顔をしていた。
「ん〜……、なんで峰田そんな微妙な顔してるん?」
「あ、すまん、顔に出てたか?」
「うん、思いっきり、どしたん話聞こか?」
「あ〜……、実はな……」
「……あぁ、なるほど」
峰田によると、どうやら飯田の兄がヴィランにやられたらしい。
そういえばそんなイベントが原作にもあったな……
確か……、スタンダール……?
そんなような名前の敵がやったんだっけ……?
「ん〜……、あ〜……」
「……?」
んぁ〜……だんだん思い出してきたぞ。
そう、スタンダールじゃなくてステインだ。
ヒーロー殺しステイン、誰だよスタンダールって……*2
確か飯田が職場体験中に復讐しに行って緑谷と轟の2人……
あ〜……、2人……だよな?
うん、2人……が助けに行ったんだ。
んで……、確か……脳無も何体か出たからヴィラン連合もなんか関わってたんだっけ?
「……なるほど?」
「なんで2回目?」
そうだ、確かその時その場所のどっかに死柄木もいたんだよな……
……よし。
「峰田すまん」
「え、なにが? ……えなにが!?」
ちょっと死柄木に会いに行くから職場体験の指名無理だわ……
* * *
雄英体育祭から3日、オイラは教室で緑谷と話していた。
「お、腕の怪我*3治ったんだな」
「うん、休み中にもリカバリーガールのところに行って昨日ようやく」
と、そこまで話したところで教室に相澤先生が入ってきたため会話を中止した。
「今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ」
特別?
抜き打ちテストとかか?
「コードネーム、ヒーロー名の考案だ」
「「「胸ふくらむやつ来たぁぁぁあああ!!!」」」
ヒーローネーム!
本読の黒い沈黙とか相澤先生のイレイザーヘッドとかのやつだよな!
と、そこまでテンションを上げたところで相澤先生の目が赤く光り、生徒全員がスンとなった。
「というのも、先日話したプロヒーローからのドラフト指名に関係してくる」
「指名が本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2,3年から」
「つまり今回1年のお前らに来た指名は、将来性に対する興味に近い」
「卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんてことはよくある」
キャンセルもあるってマジか……
大人は勝手だ……
「いただいた指名がそのまま自身へのハードルになるんですね!」
「そう、でその集計結果がこうだ」
相澤先生がそう言うと、指名件数が表示された。
え〜と、オイラは……
おぉ! 1000人超えてるじゃねぇか!
爆豪相手にいいとこまでいけたのが評価されたのか?
……ところで随分数値が偏ってるな?
オイラが3番目に多いけどその上に3倍ぐらい差がついてるぞ……
「例年はもっとバラけるんだが、2人に注目が偏った」
「だぁ〜、白黒ついた……」
「見る目ないよね、プロ」
「1位轟、2位爆豪って……」
「体育祭と順位逆転してんじゃん」
「表彰台で拘束されたやつとかビビって呼べないって……」
「ビビってんじゃねぇよプロが!」
……確かにあれを見たら指名する気失せるよな。
その分の何割かがオイラの指名に流れてそうだ。
「流石ですわ……、轟さん……」
「ほとんど親の話題ありきだろ」
いや、エンデヴァーの息子ならむしろ指名しないほうが多くないか?
普通に考えると職場体験なんてエンデヴァー事務所に行くだろうなってなるし。
……あ〜……ところで……
「緑谷……無いな……」
「あんな無茶な戦い方すっから怖がられたんだ……」
「……うぅ……」
大怪我した箇所を使ってさらに大怪我って……
普通に見てて怖かったからな?
「この結果を踏まえ、指名の有無に関係なくいわゆる職場体験ってのに行ってもらう」
「職場体験……?」
「あぁ、お前らはUSJん時、一足先にヴィランとの戦闘を経験してしまったが」
「プロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」
……あぁ!
それでヒーロー名を決めるのか!
「まぁ、そのヒーロー名はまだ仮ではあるが適当なもんは……」
「つけたら地獄を見ちゃうよ!」
「学生時代に付けたヒーロー名が、世に認知さるそのままプロ名になってる人多いからね!」
そう相澤先生のセリフを奪いながらミッドナイトが入ってきた。
「ま、そういうことだ」
「そのへんのセンスをミッドナイトさんに査定してもらう」
「俺はそう言うのできん」
ん?
相澤先生のイレイザーヘッドとか結構いいセンスしてると思うけどな?
「将来自分がどうなるのか、名をつけることでイメージが固まりそこに近づいていく」
「それが名は体を表すってことだ」
「オールマイト……、とかな」
なるほど……
確かにあの人ほど名前通りなヒーローなんて……
「……いや」
本読の黒い沈黙とかそのまんまだな?
全身黒一色だし……
* * *
あれから10分ほどが経過した。
ヒーロー名は……うん、これでいいよな。
「じゃあそろそろできた人から発表してね?」
発表形式マジか!?
そんな人前で発表する度胸は……
って、早速青山が前に出てきたな。
……なんか嫌な予感するのはオイラだけか?
「いくよ、輝きヒーロー『I can not stop twinkling』!」
「訳してキラキラが止められないよ☆」
短文じゃねぇか!?
やると思ったわ!
「ここはIを取ってCan'tに省略したほうが呼びやすい」
「それね、マドモワゼル」
いいのかよ……?
というか短文の時点で呼びやすさもクソもなくないか……?
そう思っていると次は芦戸が出てきた。
次はまともなのを……
「じゃあ次私ね!」
「ヒーロー名、『エイリアンクイーン』!」
「2!? 血が強酸性のアレを目指してるの!?」
「やめときな!」
「ちぇ〜」
あ〜……、エイリアンとかいう昔のホラー映画だっけ……?
見てないけど多分グロいやつなんだろうな……
……というかこの二人のせいで今思いっきり雰囲気が大喜利会場みたいになってるんだけど!?
「ケロッ!」
「じゃあ次私いいかしら?」
おぉ!
蛙吹ならいい感じの名前を期待できるんじゃないか?
「小学生の頃から決めてたの、梅雨入りヒーロー『フロッピー』!」
「かわいい! 親しみやすくていいわ」
「皆から愛されるお手本のような名前ね」
マトモだ!
ありがとうフロッピー!
雰囲気が変わった!
さて、それ以降は烈怒頼雄斗やイヤホン=ジャックなどマトモな名前が続く、これならオイラも出やすいな。
「モギタテヒーロー『GRAPEJUICE』!」
「ポップ&キッチュ!」
よし、通った!
オイラの個性の見た目がブドウっぽいってだけの安直な名前だけど、ヒーロー名はこう言うシンプルなもののほうがいいだろうしな!
まぁ、オイラのモギモギは食ったら死ぬけど。
……本当は本読みたいに色と名詞を合わせた紫の粘着とかも考えたけど……
いや、ダサいよな、やっぱ……
と、そんな事を考えていると爆豪が壇上に立っていた。
「『爆殺王』」
ガキか!?
「そういうのはやめたほうがいいわね」
「なんでだよ!?」
「爆発さん太郎にしろよ!」
「黙ってろクソ髪ぃ!」
……オイラ割と爆殺さん太郎のテンポ感好きだな。
うん……、爆発さん太郎のほうがいいんじゃねぇか?
「じゃあ、私も」
おっ、次は麗日か。
どんな麗らかな名前だ?
「考えてありました、『ウラビティ』」
おぉ!
グラビティから重力を表すGを取ってウラビティか!
洒落てるな!
「ヒーロー名、思ったよりじっとスムーズに進んでるじゃない」
「残ってるのは再考の爆豪君と……飯田君、そして緑谷君ね」
あれ、飯田まだ出てないのか……
意外だな……
そう思っていると、飯田が前に出てきてボードを立てる。
そこには天哉とだけ書かれていた。
「……あぁ」
そうか……、お兄さんの事があったもんな……
今後の事について悩んでるのか……
「緑谷君、できた?」
そうミッドナイトが声をかけ、次は緑谷が前に出た。
ボードに書かれていた名前は……え?
「いいのか? それで」
「一生呼ばれ続けるかもしんねえんだぜ」
そんな心配の声がクラスから出てくる。
まぁ、そうなるのも無理ない名前だ。
「うん、この呼び名、今まで好きじゃなかった」
「けど、ある人に意味を変えられて、僕には結構な衝撃で、嬉しかったんだ」
「これが、僕のヒーロー名です!」
緑谷が出したボード、そこには『デク』と大きな文字で書かれていた。
ちなみにもし紫の粘着を名乗った場合本読から全力で否定されます。
紫の特色はもうイオリがいるしね。
オラに高評価と感想を分けてくれ!
峰田のヒーローネームどうする?
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