食堂にて、いつも通り緑谷たちと一緒に昼食を食べながら俺は峰田と話していた。
「なぁ本読、職場体験どこ行くのが正解だと思う?」
「ん〜? そう言うのは緑谷のほうが向いてんじゃねぇか?」
「え? 僕?」
「確かにデク君ヒーローに詳しいもんね」
そんな事を言いつつ峰田からリストを受け取り内容を読む。
……ん〜
微妙だぁ……
「んぁ〜……、まぁ……う〜ん……」
「そ、そんなに悩むことなのか?」
「いや、まぁ、ねぇ……」
「ぶっちゃけあんまいい人がいないんよなぁ……」
「マジで?」
「うん、行っても峰田に利点がないか、俺が全く知らないマイナーヒーローばっかだね」
「本当ならグラントリノっていうヒーローから指名があったらよかったんだけど……」
「グラントリノ?」
「僕も知らないヒーローだ、どんなヒーローなの?」
ん? 緑谷グラントリノのこと知らないんだっけ?
緑谷が職場体験に行った人だったはずだけど……
「簡単に言うと室内で壁とか地面を足場に高速機動ができるヒーロー」
「あぁ! 確かにそれなら峰田君にぴったりだね」
「昔教師やってたこともある人だから教えるのも上手い、今の峰田の高速機動に足りない箇所を補ってくれたと思う」
「……本当に指名があればなぁ……」
う〜ん……
他に利点がありそうなヒーローなぁ……
「ん〜……、諦めろ、お前に行くべきヒーロー事務所はない」
「マジかよ……」
「うん、マジ……グラントリノさえ居ればなぁ……」
「本読がそこまで言うヒーローか……、ちょっと気になってきたな……」
* * *
あれから数日、今頃峰田はどっかしらで職業体験をしている頃だろうか。
原作だと確かマウントレディのとこに行ってたはずだけど……
結局そこに行ったのかな?
そんな事を考えながら、俺は目の前にいたヴィランを斬った。
「ごふっ……、え……、なんでヒーローが殺……」
「黙ってろ」
そう言って完全に息の根を止めるために首をはねる。
すると首から血の代わりに黄色い紙が溢れ出し、ヴィランの身体は本へと変わった。
「っと、これでよし、こいつがいい情報持ってるといいんだけどなぁ〜」
さて、俺がなんでこんな事をしているのかというと、前にやると決めていた死柄木の情報収集をする為だ。
今は職場体験で峰田がいないから丁度良かった。
「おっ、こいつ当たりだ」
志村転弧の名前が本に書かれてる。
どうやら目当ての人物だったらしい。
え〜となになに……
「みっくん……?」
ヒーローごっこをやらせた?
なんの為……ヒーロー願望を抱かせる為……?
「……なるほど」
どうやらこの本はみっくんと志村転弧に呼ばれていた人物、その父親の本らしい。
この本曰く志村家は父親にあたる志村弧太郎が子供にヒーローに関して話すことを禁じており、破ると虐待をしていたらしい。
そんな中AFO*1がこの人物に命じて息子であるみっくんを志村転弧の友達にし、ヒーロー願望を植え付けた。
結果志村転弧はそのヒーロー願望を家族に否定されることによる憎しみとともに崩壊が発現、家族全員を殺してしまったと……
「……いや、待てよ?」
まさしく悲劇と言える物語、だが俺はその内容になんとなく違和感を感じた。
その違和感の正体は……
「そうか……、個性の発現部分だ」
崩壊が個性として発現するのはちょっと妙じゃないか……?
志村転弧の叔母、志村菜奈の個性は浮遊のはずだ。
ほかの親族の個性もこの本曰く特筆したものはないらしい。
個性は遺伝する、どっから崩壊なんて個性になったんだ?
俺みたいに個性の突然変異っていう可能性もあるけど……
「なんか違うよな……?」
ここはヒロアカ世界、漫画の世界だ。
それでラスボスクラスの人物である死柄木弔の個性が突然変異?
物語としてちょっと弱いよな?
「……そうかAFOか!」
崩壊はAFOが与えた個性、そう考えれば物語として綺麗だ。
死柄木弔の全ては個性、人生全てがAFOが与えたもの、そうだとすれば綺麗に胸糞悪い。
「ということは……」
USJの時に見た強い憎しみの奥に悲しみを感じる目、そしてこの志村転弧という人物の物語を考えると……
「まだワンチャンあるかもな……」
* * *
「全員コスチューム持ったな?」
「本来なら公共の場じゃ着用禁止の身だ」
「落としたりするなよ」
そう相澤先生に言われた。
今日は職場体験初日、オイラはこれから職場体験先に行くことになる。
体験先は……
「行こうぜ飯田、同じヒーロー事務所がインターン先なんだから」
「……あぁ」
飯田と同じマニュアル事務所だ。
なぜ飯田と同じ事務所になったか。
偶然?
もちろん違う。
オイラがわざと被せたからだ。
飯田は兄であるインゲニウムがヴィランにやられてからというもの様子が変だった。
昼食に誘っても断られるし、学校が終わればすぐに帰っちまう。
そんななか職場体験先がインゲニウムがヴィランに襲撃された場所である保須市にあるマニュアル事務所だということを聞き、オイラはすぐに同じマニュアル事務所に行くことを決めた。
どう考えても何かしら目的があると思ったからだ。
幸い飯田と同じくマニュアル事務所から指名が来ていたし、本読からどこに職場体験行っても利点が無いと言われていたからオイラにはマニュアル事務所以外に行く理由が無かった。
そんな事を考えていると緑谷が麗日と共にが飯田に話しかけた。
「飯田君!」
「本当にどうしようもなくなったら言ってね」
「……あぁ」
緑谷の問いかけにたったそれだけを返すと、飯田は歩き始める。
……やっぱ様子が変だ。
緑谷も心配するよな。
「緑谷、安心しろ」
「いざというときは体験先が一緒のオイラが止めるさ」
「うん、ありがとう峰田君」
「さて、それじゃあオイラも行くよ、緑谷も麗日も職場体験頑張れよ」
「「うん」」
緑谷たちに伝えておきたかったことを話し、オイラは飯田の隣まで走り、一緒に目的地である保須まで向かう。
……これから先何が起きるか。
不安がいっぱいだが、オイラだってヒーローを目指してるんだ。
いざという時はやってやるさ。
……若干主人公の察しが良すぎる気がしないでもない。
乞食はするだけ良いと聞きます。
故に高評価と感想の乞食をするのです。
峰田のヒーローネームどうする?
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原作のまま
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変える