峰田要素強めタグが火を吹くぜ!
「次から次へと……今日はよく邪魔が入る」
ヒーロー殺しがそう呟く。
緑谷のパンチのダメージはあまりなさそうだ。
「峰田君、逃げるのはできないの?」
「あいつは相当素早い、倒れた2人を担ぎながら逃げるのはかなり厳しいと思う」
「そうか……」
緑谷の疑問にオイラが答えると、轟がそう言いながら巨大な氷の坂を生成し、倒れた2人をオイラたちの近くまで滑らせる。
「だからひとまずは救援が来るまで耐久するべきだと思う」
「分かった、なら僕が前衛をするよ、峰田君と轟君は中遠距離から支援してほしい」
「できるのか?」
「たぶん!」
そう言うと緑谷は緑色のイナズマを全身に纏いながら壁を蹴って高速起動しつつヒーロー殺しへと近づいていった。
「緑谷も高速起動覚えたのか!」
そう叫びつつ、緑谷の支援をする。
緑谷が攻撃を当てたならその隙にオイラがモギモギを投げつけ拘束を狙い、緑谷が反撃を受けそうなら轟が氷か炎を放ちそれを阻害する。
……まぁ、ほとんど避けられてしまっているが。
「3人共……何故なんだ……」
「君たちは関係ないじゃないか……」
「何……言ってんだよ!」
「そんなこと言ったらヒーローは何もできないじゃないか!」
「っ……!」
「オールマイトが言ってた!」
「『ヒーローの本質は余計なお世話』なんだって!」
飯田の言葉に緑谷はヒーロー殺しへの攻撃を続けながらそう返す。
まぁ関係ないことに首突っ込むのがヒーローだもんな!
「ハハッ、いい!」
「っ、轟君危ない!」
「違う! 危ないのはお前だ緑谷!」
「えっ!?」
ヒーロー殺しが轟に向かってナイフを投げる。
勿論あんな見え見えの攻撃は轟は氷のガードで防げるが、問題は投げナイフに意識が行ってしまった緑谷である。
緑谷にヒーロー殺しの刀が迫る。
轟は氷のガードで視界が塞がっているし、オイラの攻撃じゃ速度が遅すぎて間に合わない!
「ぐあっ!?」
「くそっ!」
緑谷は回避をしようとはしたが、結局刀は腕に掠ってしまった。
そのままヒーロー殺しはその血を舐め、緑谷の動きが止まってしまう。
「前衛交代オイラが前に出る!」
「……あぁ!」
「ごめん2人とも……」
『グレープラッシュ』で最低限必要な分のモギモギを貼り付け、再び『跳峰田』を行う。
「ハァ……また結界か?」
「いや、ちがうぜ!」
本来オイラの『跳峰田』はただ逃げ回るための技だ。
逃げながら『グレープラッシュ』や『モギモギワイヤー』で攻撃を仕掛けるための技。
だけどそれじゃあ駄目だ!
これまでの方法じゃあただ全方位から攻撃できるだけでせっかくの速度が全部無駄になっている!
ヒーロー殺しには通用しない!
だから思い出せ!
さっきの緑谷の動きを!
「っ!?」
「まだまだ!」
オイラは緑谷じゃねぇ、だから流用しろ!
『跳峰田』の勢いをキックに使え!
そしてそのまま敵を蹴って次の『跳峰田』に繋げるんだ!
そう、名付けるとすればこれは……!
「『ラッシュスタイル』!」
「ぐっ、がっ!?」
足がクソいてぇ!
当然だ、『跳峰田』の勢いで敵を蹴ってるんだからな!
これまでもモギモギの勢いで蹴りはしてたけどそれの比じゃねぇ!
けど顔には出すな!
ずっとこれを続けられると敵に錯覚させるんだ!
「すごい……、まるでグラントリノの……いや、それ以上の速さだ……!」
「なぜ……3人とも、なぜだ……、やめてくれよ……」
「兄さんの名を継いだんだ」
「僕がやらなきゃ……、そいつは僕が!」
「継いだのか……、おかしいな」
「俺が見たことあるインゲニウムはそんな顔じゃなかったけどな」
「お前んちも裏じゃいろいろあるんだな」
飯田の発言に轟が反論を返す。
まだ飯田はそんなことを……
いや……それよりそろそろ足が……やばい……なっ!?
「あぶねぇ!」
「くっ」
「すまん助かった轟!」
速度に対応されたのか動きが読まれたのか……
分からないが、ヒーロー殺しに反応され、今にも足が切断される……というところで轟の氷が来たおかげでなんとか無事だった。
オイラはそのまま1度崩れた体勢を整えるため轟の隣に着地する
「その技、足への負担やべぇだろ、あとどれぐらいできる?」
「バレたか……、実は今立ってるだけでもクソ痛い、あとできるのは多少無理しても15秒ぐらいだな」
轟のその質問に本当はもうできないと言いたいが、ここは無茶するしかないだろう。
「……っ!? その足の色……どうしてそこまで……!」
「え?」
飯田のその言葉に思わず足を見ると、轟の氷がかすっていたのかコスチュームの足部分がが破けており、そこから見える肌は少し前の緑谷ほどではないが紫に変色していた。
……ヤバいそれを認識したせいでさらに痛く感じてきた。
「けど行くしかねぇ!」
轟の氷で若干時間を稼げていたが、もうステインは氷を斬って近づいて来ている。
ここで動かなきゃ負ける!
「『跳峰田』『ラッシュスタイル』!」
「速い、がさっきほどじゃない」
「っ、らぁ!」
なんでさっき対処できたのかと思ったら遅くなってたのか……!
なら速くなれば解決だな……!
「ハハッ、やはり……いい!」
「うぉぉおお!!」
「俺も支援する!」
足はもう限界に近い……だけど……!
ここまで緑谷も轟もオイラのことを手伝ってくれてるんだ!
ここでやらなくてどうする!
「やめてくれ……」
「もう……僕は……」
はぁ!?
何いってんだ飯田は!?
そう思うもののオイラに言葉を返す余裕はない。
「くっ……、やめて欲しけりゃ立て!」
だがそれで良かったのかもしれない。
その轟の言葉は轟だからこそ出せたように感じたから。
「なりてぇもん、ちゃんと見ろ!」
「くっ……!」
ヤバい……そろそろ足が……!?
「っしま!?」
足の痛みで速度が緩んでしまった。
そしてその隙にヒーロー殺しが轟の方に……!
「氷と炎、言われたことはないか?」
「個性にかまけ、挙動が大雑把だと!」
「……はっ?」
「轟……!」
轟の放つ氷と炎、そのことごとくをヒーロー殺しは回避し、接近する。
そしてついにヒーロー殺しの刀が轟を切り裂こうとし……
「レシプロ……バースト!!!」
飯田の足がその刀をへし折った。
そしてそのまま反対の足でヒーロー殺しを蹴り飛ばす。
オイラはそれと同時に二人のもとに着地した。
「飯田君!」
「解けたか、意外と大したことねぇ個性だな!」
「……あれ? 待って! 僕も動ける!」
そう言って緑谷もオイラたちの元へと来た。
「轟君も峰田君も緑谷君も、関係ないことで申し訳ない」
「また……そんなことを……」
「だからもう、これ以上血を流させるわけには行かない」
飯田……!
やっと調子が戻ってきたな!
そう思っていると吹き飛ばされたヒーロー殺しが口を開いた。
「感化され取り繕おうとも無駄だ」
「人間の本質はそうやすやすと変わらない」
「お前は私欲を優先させる偽物にしかならない!」
「ヒーローを歪ませる社会のガンだ」
「誰かが正さねばならないんだ」
……?
何が言いたいんだこいつ?
「時代錯誤の原理主義だ」
「飯田、人殺しの原理に耳貸すな」
「いや、やつの言うとおりさ」
「僕にヒーローを名乗る資格など……ない」
飯田……?
「それでも……折れるわけには行かない……!」
「俺が折れれば、インゲニウムは死んでしまう!」
「論外!」
飯田……!
っと、感動してる暇はないな。
ヒーロー殺しが近づいてきて轟が炎を放ってくれたけど、あれが当たるような相手じゃない。
「バカ! ヒーロー殺しの狙いは、俺と白アーマーだろ!」
「応戦するより逃げたほうがいいって!」
うぉ!?
これまで何も喋ってないからびっくりしたわ!?
意識あったのか倒れてたヒーロー……
「そんな隙与えてくれそうにないんですよ」
「さっきから明らかに様相が変わった、奴も焦ってる!」
……確かに、緑谷がもう個性解けてる辺り何らかの理由でブレが起きやすい個性で、しかも発動条件は血の経口摂取だ。
どう考えても対多には弱い、ほかのヒーローが救援に来る前に殺そうと焦ってるのか。
「んっ……、轟君! 温度の調整は可能なのか!」
「左はまだ慣れねぇ! なんでだ?」
「俺の足を凍らせてくれ! 排気筒は塞がずにな!」
なるほどそれでエンジンの熱を……っ!
「邪魔だ!」
「あぶねぇ轟!」
「轟君!」
ヒーロー殺しがナイフを2本投げ、片方はオイラが『モーギングスター』でくっつけ防ぎ、もう片方は緑谷が弾き飛ばした。
「早く!」
「っ、あぁ!」
急かされた轟が飯田の足を凍らた。
これで飯田の準備は完了し、どうやら緑谷もやる気のようだ。
となればオイラも乗るしかないよなぁ!
「レシプロ……エクステンド!」
「フルカウル!」
「『跳峰田』『ラッシュスタイル』!」
「行け!」
「「「っらぁぁあああ!!!」」」
オイラの蹴りが、緑谷の拳が、飯田の足が……
「がはっ……」
今、ヒーロー殺しに突き刺さった。
これで決まった、そう思ったが……
「ハァ! うりゃああっ!」
「っ!」
ヒーロー殺しが飯田目掛けて刀を振るう。
まだ気絶してねぇのか!?
よく今の一撃躱せたな飯田!
「お前を倒そう!」
「今度は犯罪者として!」
「畳み掛けろ!」
「ヒーローとして!」
「ぐぁっ……」
轟の掛け声に合わせて飯田がキックをし、再びヒーロー殺しに命中、そして間髪入れずに轟の炎が皮膚を焼く。
頼むからこれで終わってくれ!
……あれ、そういえばいま落下中だけど着地って。
「「「あっ、うぉぉぉあ、だっ!?」」」
轟の氷のお陰で地面に真っ逆さまは回避できた。
かわりに氷に頭を打ったけど……
「立て! まだやつは……、んっ?」
「あっ……」
「さすがに気絶してる……っぽい?」
そこにあったのは力なく氷のうえに倒れるヒーロー殺しの姿だった。
……ようやく……倒せたのか……
「はぁ……、じゃあ拘束して通りに出よう」
「あぁ、じゃあオイラのモギモギっ!?」
「峰田君!?」
「ってぇぇぇえええ!?」
「ドーパミン切れたぁぁぁ!!!」
「あ〜……、今の峰田君に拘束は無理そうだね」
「だな、何か縛れるもんは……、あと一応添え木的なやつも」
オイラが痛みに悶える中、緑谷と轟がそんな会話をする。
もうちょっとオイラのことを労ってくれてもいいと思うんだけどな!!!
* * *
「さすがゴミ置き場、あるもんだな」
ステインの持つ武器を外し、拘束しながら轟はそう言った。
「……オイラ今のこの状況に文句があるんだけど」
「あはは……、峰田君の足は今酷い状況だからしょうがないよ……」
「いくら酷いからって男にお姫様抱っこは嫌だわ!」
「ちょっ、それはネイティブさんに失礼じゃ!?」
「いや、別にいいよ、実際俺もされたらちょっと嫌だし」
そう、おいらは今倒れていたヒーローことネイティブにお姫様抱っこされているのだ。
これが本読だったら別にいいんだが、ネイティブはちょっと……
そんなことを思い、思いっきり口に出しながらオイラたちは通りへと向かう。
「悪かった、プロの俺が完全に足手まといだった」
「いえ、1対1でヒーロー殺しの個性だともう仕方ないと思います、強すぎる……」
「4対1の上にこいつ自身のミスがあってギリギリ勝てた」
「たぶんこの状態の峰田がまだ動くとは思ってなかったんじゃねぇかな」
「ラストの三人同時攻撃で手が足りなくなって対応が中途半端になってた」
へ〜、オイラ視点だと分かってなかったけどオイラの攻撃は正解だったのか……
そう考えたところでようやく通りに出た。
「さて、早くそいつを警察に……」
そうネイティブがいいかけたところでどこかから大声で誰かに呼ばれた。
「な、なぜお前がここに!?」
「あっ、グラントリノ!」
え、あの?
そう思い緑谷の目線の先を見ると、そこには黄色いマントに黒いマスクをつけた老人の姿があった。
あれが本読がやけに推してたグラントリノか……
「グラントリっ!?」
「新幹線で座ってろって言ったろ!」
緑谷が言い切る前にグラントリノが顔面にけりを入れる。
……緑谷お前……勝手に抜け出してたのか……
「誰?」
「僕の職場体験の担当ヒーローグラントリノ」
「でも何で?」
「いきなりここに行けと言われてな」
「まぁようわからんが、とりあえず無事ならよかった」
行けと言われた……?
一体誰になんだろ?
そう疑問には思うものの口には出さない。
「グラントリノ……ごめんなさい」
「ったく」
叱られてやがる……
……オイラも勝手にぬけだしてるんだよなぁ……
そんなことを思っていると駆けてくる音とともに複数人のヒーローがやってきた。
「この辺りだ!」
「あれ?」
「エンデヴァーさんから応援要請を承ったんだが……」
「子供?」
「ひどい怪我じゃないか、今すぐ救急車を呼ぶから」
「んっ、おい、こいつ……」
「んっ? えっ!?」
「まさか……ヒーロー殺し?」
「何?」
「今すぐ警察にも連絡だ!」
ふぅ……これだけヒーローがいればもうヒーロー殺しが起きて暴れても大丈夫そうだな。
そう安堵していると飯田が口を開き、頭を下げた。
「3人とも……」
「僕のせいで、傷を負わせた」
「本当に済まなかった」
「怒りで何も……見えなく……なってしまっていた」
「……僕もごめんね」
「君があそこまで思い詰めてたのに、全然見えてなかったんだ」
「友達なのに……」
「しっかりしてくれよ、委員長だろ?」
「そうだそうだ! 委員長なんだからしっかりしろ!」
「……うん!」
よ〜し……これで飯田と完全に和解できたな!
これにて一件落ちゃ……
「なっ、伏せろ!」
「えっ!?」
「ヴィラン!」
それを聞き思わず上を見上げると、そこには腕に翼を生やしたヴィラン……いや違う!
あれは……脳無!?
「ちょっ……!?」
「「「緑谷(君)!!!」」」
突然現れたかと思えば、脳無は緑谷を掴んで飛んでいく。
緑谷を連れ去ってどうする気だ!?
「血が……やられてにげてきたのか!」
緑谷の誘拐によるパニック、そんな中真っ先に動く事が出来たのは……
「ハァ……」
「ヒーロー殺し!?」
隠し持っていたナイフで拘束を解いたヒーロー殺しであった。
ヒーロー殺しは手始めにたまたま脳無の血がついたヒーローから血を舐め取り濃霧の動きを阻害し、そのままとんでもない速度で走り出す。
「偽物がはびこるこの社会も……」
「いたずらに力を振りまく犯罪者も……!」
ヒーロー殺しはそう言いながら脳無に追いつき、そのままナイフを頭部に突きさした。
「ハァ……ハァ……、粛清対象だ……!」
「あぁ……全ては……正しき社会のために……!」
当たり前のように脳無を殺しやがった……!
というかあんな動きができるなら最初から本気出してたらオイラたちに簡単に勝てたんじゃ……?
「少年を助けた?」
「バカ! 人質取ったんだ」
「躊躇なく人殺しやがったぜ」
「いいから戦闘態勢取れとりあえず!」
「なぜひとかたまりで突っ立っている?」
「んっ?」
「こっちにヴィランが逃げてきたはずだが」
え、エンデヴァー!?
なんでこんなところに?
「あの男はまさかの……」
「エンデヴァー……」
「ヒーロー殺し!」
エンデヴァーがいるならヒーロー殺しにも勝てるか?
そんなあまりにも呑気な事を考えていると、まるでそれを叱責するように突然とんでもない殺気を叩きつけられた。
「っ!?」
「偽物はァ……」
「正さねば……」
「誰かが血に染まらねば……ハァ……」
「ヒーローをォ……取り戻さねばァ……!!!」
その殺気は、まるで昔本読が本気で殺しかかってきたときかのようで……
「来ィ……来てみろ偽物共ォ!」
「俺を殺していいのは本物のヒーロー……」
「オールマイトだけたァァァァアアア!!!」
オイラはまるで体を動かせなかった。
そしてしばらくして、カンッという音がやけに響き渡って聞こえた。
「あっ……」
「気を……、気を……失ってる……」
そうエンデヴァーが呟いた。
結局、ヒーロー殺しの事件はこれで終結した。
だがオイラの頭には酷くこびりついている。
あの凄まじい殺気を放つヒーロー殺しの立ち姿が……
『ラッシュスタイル』の攻撃力は峰田の体重が軽く筋力もあまりないのもあって意外と低いです。
純粋な攻撃力なら普通に緑谷の5%のほうが高い。
代わりにスピードだけは本当に速く、爆豪の反射神経で外側から見てかろうじて目で追えなくもないぐらい。
6000文字とか普通に1日で書くの疲れました……
励ましとして高評価と感想をください……
あと絶対どっかに誤字あるので誤字報告も……
林間学校に心操を連れて行く?
-
行く
-
行かない