個性図書館によるヒーローアカデミア   作:ヨガマスター

31 / 33
ようやく主人公視点です。


31.裏とその後

峰田がヒーロー殺しから殺気を食らっていた頃……

 

「いた、死柄木弔だ」

 

ビルの屋上、双眼鏡を覗きながらそうつぶやいた。

 

本で書かれていた志村転弧に関する内容が正しければ、おそらく死柄木弔はまだ完全にヴィランになりきれていないはず。

だから俺の予想が合っていればまだ引き戻すことができるはずだ。

 

「あの時の目……」

 

USJで見た奥に悲しみを隠した目、あの目がまだ消えていなければきっと……!

 

俺はそう信じて死柄木へと近づいた。

 

「帰ろ」

 

「満足いく結果は得られましたか?死柄木とぶっぁ!?」

 

「黒霧!?」

 

ワープゲートで帰られる前に黒霧を吹き飛ばす。

そもそも帰られたんじゃ話のしようがないからな。

 

「悪いな……、まだ帰らせるわけにはいかないんだ」

 

「黒い沈黙……!」

 

ビルの屋上にある貯水タンクの上にて、俺はそう宣言した。

 

「なんでお前がここにいる」

 

「君と話がしてみたくてね」

 

「話……?俺がするとでも思うか?」

 

「するさ、それ以外は選ばせないからね」

 

死柄木の雑な右の大振りな攻撃を避けながらそう言う。

これで力の差を感じて話を聞いてくれたらいいんだけど……

 

「ちっ、何が話したいんだ?」

 

「お、会話する気になったか?」

 

「くどい」

 

「おっと、じゃあ話そうか」

「まぁそんな難しい話じゃない」

「君がどうしてヴィランをしているのかについて、たったそれだけだからな」

 

「は?」

 

ん〜……あんまりわかってなさそう。

いや、まぁそりゃそうだけど。

 

「君は今どうしてヴィランをしている?」

 

「そんなの憎いからに決まってるだろ」

 

「憎いって何が?」

 

「そんなの……、社会に決まってるだろ」

 

「今迷ったな?」

 

「……」

 

「実はお前、何が憎いのか分かってないだろ?」

 

「……っ!」

 

この反応……!

やっぱりだ!

思った通り死柄木弔はなぜ自分がヴィランになったかがわかっていない!

おそらくAFOが何かをして死柄木弔は志村転弧の記憶がないんだ!

 

「何が憎いか……知りたいか?」

 

「は?お前何言って……」

 

「お前には過去の記憶がないんだろ?」

 

「……っ、なんなんだよおい……!」

 

死柄木は明確に俺の言葉に反応している。

このまま言葉を畳み掛けろ!

 

「俺はお前の過去を知っている」

「お前の本名を知っている」

「お前は……志村転弧だ」

 

「……かゆい」

 

「え?」

 

かゆい……?

なんでかゆい?

 

「かゆいかゆいかゆい……!」

「かゆいんだよお前のセリフ……!」

「なんなんだよお前は!」

 

「っ!」

 

まずい何か失敗したかもしれない!

なんとか戻さないと……!?

 

そう思い挽回しようと口を開こうとし、そこでいつの間にか黒霧が戻ってきていた事に気がついた。

 

「逃げますよ死柄木弔!」

 

「しまっ……!」

 

「二度とお前とは会わねぇ!」

 

「……ぐ……!」

 

逃げられた……!

 

「クソ!」

 

何で失敗した?

黒霧を吹き飛ばす時の力が弱かったか?

いや、そもそも死柄木がかゆいと言い始めた時点で失敗してた様な気がする。

じゃあ失敗だったのは志村転弧という名前を出したこと?

けど志村転弧の名前を出さないなんて無理じゃないか?

 

「……そもそも引き戻すことは不可能……?」

 

いや、きっとできるはずだ!

考えろ……

普通じゃ無理なら普通じゃない方法で……

……あっ!

 

「……そうだ……確かあの時……」

 

相澤先生の接待をしたとき……、相澤先生は図書館と共鳴してたよな……?

 

……だったらもしかしたら……!

 

「……次会ったときだ、そのときは必ず成功させる!」

 

*  *  *

 

その翌日、病院にて……

病室のベッドの上で横たわる峰田に冷たい視線を送りつつ、俺は会話をする。

 

「無許可でヴィラン退治とかお前何やってんの?」

 

「え、なんで無許可だって知って……」

 

「何やってんの?」

 

「……すぅ……本当にすみませんでした!!!」

 

謝られてもねぇ……

俺マジでビビったんだよ?

本来ステイン戦に参加しないはずの峰田がなぜか参加して怪我したって聞いた時は。

 

「相澤先生からいきなり電話が来て峰田がヴィランと戦って病院送りになったって聞いた時の俺の気持ちがわかるか?」

 

「え〜と……オイラの心配……ですか?」

 

「それが5割、あとは困惑と驚愕と怒り」

 

「……あ〜……」

 

原作と違う部分で起きたことだからもしかしたら再起不能になったかもとすら思ったわ。

今回は後遺症無しで治せるらしいけどマジでもうやめてほしい。

 

そんなことを思っていると隣のベッドにいる飯田が口を開いた。

 

「本読さん、峰田君の怪我は僕が暴走してそれに巻き込んでしまったのが原因だ、だから悪いのはぼ「あ〜そういうのいいから」……え」

 

「峰田のことだしどうせ巻き込まれたんじゃなくと巻き込まれに行ったんでしょ?」

 

「……まぁ……はい……」

 

「だから飯田は別に気にしなくていいよ」

 

飯田に関しては別に原作通りだし特に思うところはない。

普通に峰田が悪い。

 

「はぁ……まぁ、そういうことだから次ヴィランと戦うときはちゃんとヒーローに電話とかで交戦許可をもらうかヒーロー仮免許を取ってからにしてよね」

 

「あ、戦うなとは言わないんですね」

 

「言っても聞かないでしょ」

 

「まぁ……はい……」

 

ヴィランと戦うならせめて事前に電話してくれ……

普通に許可するから……

 

……ところで……

 

「なんで峰田以外ほぼ無傷なんだ……?」

 

「……そうじゃん!オイラ以外大怪我なくてずるくないか!?」

 

「……確かにずるかったかもしれねぇ……わりぃ……」

 

「純粋だね轟君!?」

「峰田君が自傷しただけでもともとヴィランから受けたダメージはみんなほぼないでしょ!?」

 

「……え、自傷?」

 

「ちょっ、緑谷てめぇ何口滑らせて……ぐぁ!?」

 

俺は峰田の頭を割れないギリギリの力で鷲掴む。

 

「ちょ〜〜っとお話しようか峰田?」

 

「ひゅっ……」

 

「……南無」




相変わらず妙に勘に鋭いんだよな主人公……

高評価と感想くれ♡

林間学校に心操を連れて行く?

  • 行く
  • 行かない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。