個性図書館によるヒーローアカデミア   作:ヨガマスター

8 / 10
後半は峰田視点です。
この小説は100%友情の話です。


8.恐怖、そしてオリジン

 そこに間に合ったのは偶然だった。

 焼肉屋を出て峰田と別れたあと、妙な悪寒を感じた俺は普段はしないパトロールをしていた。

 そしてその結果目にしたのは何重にも筋繊維を重ねた大男マスキュラーとそいつのパンチによって吹き飛んで行く峰田の姿だった。  

 

「……え?」

 

 俺はすぐさま峰田に近づきつつ安否を確認し、命に別状はないことが分かるとマスキュラーと峰田の間に降り立った。

 

「……ぁ……?」

「もう大丈夫、俺が来た、峰田」

 

 まだかろうじて意識があったようで微かに声を出す峰田に、俺は身体だけはマスキュラーの方に向けつつそう言葉をかけた。

 

「なんだ? 次はてめぇが血を見せてくれるのか?」

 

「……悪いけど今俺は結構キレてるんだ、黙っててくれないか?」

 

「キレてる? ハッ、もしかしてそいつお前の知り「黙れよ」……っ!?」

 

 吹き飛んでいく峰田を見た瞬間、俺のなかで様々な感情が湧き上がった。

 困惑、驚愕、悲しみ……

 けれどその中で最も強かった感情は怒りであった。

 

「お前に対して手加減をする気はない、一撃で終わらせる」

 

「へぇ……、じゃあやってみろよ、ワクワクしてきたぜ」

 

「帰属、『黒雲道』『乱射』『狙撃』、『デュランダル』!」

 

「っ、がぁ……!?」

 

 マスキュラーに可能な限りパッシブスキルで威力を上げたデュランダルによる二連攻撃を放つ。

 まず1回目の斬撃で筋繊維による防御を破壊、次の斬撃で無防備になった身体にとどめを刺した。

 

「臓器は避けた、死にはしねぇよ」

 

「く……そ……」

 

 その言葉を最後にマスキュラーが倒れる。

 

「……できるだけ原作のままが良かったんだけどな」

 

 思わずそんなボヤキが出た。

 ここはヒロアカ世界だ。

 何か一つ変わるだけで最終的に日本が完全に崩壊する可能性もある。

 だからできるだけ話を捻じ曲げたく無かった。

 

「ま、しょうがないか」

 

 そんな適当な結論を出して、俺は警察と病院に連絡しすぐにここに来てもらうように手配をする。

 これでマスキュラーは逮捕され、奇跡的に息がまだあるウォーターホース夫妻も助かるだろう。

 ……まぁ、この怪我だともうヒーロー活動は無理だろうが。

 

「っと、それよりまずは峰田の確認をしないとな」

 

 軽く見た感じ特に大怪我はなさそうだったが、実は内臓が壊れてましたとかあるかもしれん。

 

「ん〜……、大丈夫そうだな、というかほぼ無傷だこれ、無意識的に受け身でもとったか?」

 

 でもまぁ、良かった無傷で。

 これなら病院に運ぶ必要もなさそうだ。

 

「っし、ならこのまま峰田を抱えて帰るとするか」

 

 そう言いつつ俺は一応ティファレトに姿を変えつつ峰田をお姫様抱っこし、帰路についた。

 ……これ実質お持ち帰……いや、違うか。

 なんか峰田に毒され過ぎてないか俺? 

 

 *  *  *

 

 かすかに感じた振動で目が覚めた。

 

「ん……? あれ、オイラは……」

 

「あ、目覚めた?」

 

「エッッ!?」

 

 超至近距離の本読みの顔と左腕にわずかに感じる弾力でオイラのオイラが思わず反応する。

 な、なんでこんなことになって……

 

「あっ、あ、あの大男は!?」

 

「あぁ、あいつならもう倒したぞ、今頃警察に連行されてるはずだ、あ、あと近くに倒れてたヒーローたちもかろうじて生きてたし救急車は呼んだから心配要らないぞ」

 

「そっか……、ならよかったぜ……」

 

 若干それつまり倒したヴィランと死にかけのヒーローを置いてったってことじゃと思いつつ、口には出さなかった。

 なぜなら本読の顔はひどく安堵したような表情で、オイラのことを本気で心配してそれどころじゃなかったんだろうことが伝わってきたからだ。

 

「……本読ってスゲーな、オイラが手も足も出なかったあの大男を倒しちまったんだろ?」

 

「ふふん、もっとほめてくれてもいいんだぜ?」

 

「……なぁ、ヒーローって毎回こんな感じで命懸けなのか?」

 

「っ……あぁ、いや、それは……」

 

 思わず口に出してしまったオイラの疑問に、本読かたじろぐ。

 さっきの戦いでオイラは理解しちまった。

 あの二人のヒーローがヴィランにあっさりやられちまうところを見て、本当にヒーローが命懸けの職業だってことを実感しちまった。

 そして怖いと思ってしまった。

 

「……悪い、少し言葉を間違えた、別にそれを理由にヒーローを目指すのをやめるわけじゃねぇんだ」

 

「え?」

 

「むしろヒーローを目指す理由が増えたぐらいだぜ?」

 

「それは……なんで?」

 

「……秘密」

 

「えっ、ちょっ、なんで!? 気になるじゃんか!?」

 

「秘密と言ったら秘密なんだよ! 特に本読にだけは!」

 

「えぇ!?」

 

 言えるわけねぇよ。

 本読がヒーロー活動中に命を懸けて本当に死んじまうのを想像して怖くなっちまったなんて。

 もしそんなことが起きそうになった時に隣にいて守れるようにヒーローになろうと思ったことなんて。

 

「む〜……」

「っと、そんなことより早く降ろしてくれねぇか? もう普通に歩けるから」

「親友に秘密を教えてくれない人の言うことなんて聞きません!」

「ガキかよ!?」




ダメージの基準は10ダメージで初期の緑谷の100%ぐらいです。
ただしこれは黒い沈黙の本を使っているときの基準でねずみの本で10ダメージを出してもそこまでの威力は出ません。

高評価をくれると作者が喜びます。
あと誤字あったら教えてくれ……

今後赤い霧の本を使うときどっちの姿にする?

  • カーリー
  • ゲブラー
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