一時間目の授業はハードだったが、二時間目以降は座学の日だった。歴史、戦術、魔法理論、ダンジョン学、異界学。《
そしてついに、全ての授業が終わり、
カリキュラムの最後の時間にある、
想像を絶するほど辛い修行とは多くの人がいうものだが、どれほどしんどいものなのだろうか。
凄まじい苦痛があるらしいが、同時にその苦痛に耐えれば耐えるほど、肉体は強く、頭は賢く、魂はより多くの魔力を持てるようになるらしい。そうして向上した能力は遺伝するらしく、
「とりあえずノルマの5秒はちゃんと耐えたいな……」
「心配性だな、宝希。君ほどの根性があれば、10秒くらいは余裕で耐えられると思うんだが」
「だといいんですけどね……」
フランさんは笑って大丈夫と言ってくれるが、これでもメンタルの弱さにはそれなりに前科がある僕だ。前に怨霊経験を積んだことで、苦痛への耐性はそれなりに出来上がったと自負しているが、大の大人が二度とやりたくないと謳う儀式を、一体どれほど耐えられるのか。
早速、
「――っっ、ぅぅぅ……!」
ライが声にならない叫びをあげている。普段はもっと飄々として、余裕綽々の彼が脂汗をかいて、必死に歯を食いしばっている。
「……ライさんでも、ああなるんですね」
「まあ、そうだな。私だってああなる。
ひぇぇええ……。まじか。まじかぁ……。
「……覚悟を決めて、やってみますか」
「ああ、頑張れ。いざという時は、光魔法はかけてやる。ただし、無茶をして心を壊すなよ。引き際を間違えると、廃人になるぞ」
何それ、怖すぎ……?まあいいや、男は度胸。なんでも試してみるものさ……!
右手に
――闍ヲ縺励>縺、繧峨>豁サ縺ャ蜉ゥ縺代※蜉ゥ縺代※谿コ縺励※谿コ縺励※谿コ縺励※
ぎゃあああああ!頭痛い吐き気がするお昼のパスタリバースするっ!
ていうかなんか変な声がガンガン聞こえてけっこうやばい!しんどい!
けどまず一秒は耐えたぞ……!てか立てねぇ!膝が崩れて、地面に手をついた。気合で耐える。苦痛を振り払うように、拳で地面を叩いた。
ボゴッ!!
うぉ!?すげ。なんかよく分かんないけど、地面がめっちゃ抉れた。もしかして今、めっちゃしんどいけど超強化されてるじゃんね?
「頑張れ、宝希……」
不思議、クッソしんどいけど、名前を呼ばれるとけっこう楽になっちゃう。
「頑張ります!」
「……っ!?」
よし、五秒は経過したぞ。ノルマクリア達成!もう一回遊べるドン。うん、まだ結構いけそうだな。
――螟ァ縺?↑繧区ュサ繧偵◆縺溘∴繧医&繧峨↑繧句ョ吶↓縺ョ縺シ繧後?繝翫?譬ケ貅舌↓隗ヲ繧檎函蜻ス縺ョ菴ソ蜻ス繧呈?昴>蜃コ縺
「ヴっ」
はい前言撤回!!吐きました。さよならお昼のパスタくん……。いや待て、ゲロをよく見るとパスタっぽいものが入っていない。そっか。
というか、苦しみのギアがまた一段上がりやがった。これは何というか、怨霊時代の経験的に、魂をぐちゃぐちゃにされるような、肉体から魂が引きはがされ、高次の宙に昇っていくような苦痛。肉体とかじゃなくて、魂が感じている苦痛だなこれ。というか魂がふわふわとんでっちゃうから、しっかり繋ぎとめないと帰ってこれなくなる!
「大丈夫か……?初めてだから、そんなに無理をしなくてもいいんだぞ。もう5秒は過ぎた。聞こえるか、宝希?」
「ハイ無理ですもう無理です止めます止めました!」
フランさんの心配そうな声が聞こえて、一旦切り上げる。別にこの儀式、ここじゃなくてもできるから、ここでわざわざ心配かけてまで続行する必要ないな。
「……っ、すごいな……君は。15秒も続けられたのは、初めて見たよ」
ほら、水だ。フランさんが飲み物をくれた。ありがてぇ、ありがてぇ。口をすすいでから、ごくごくと水を飲む。ぷはっ、生き返る!
「ありがとうございます……助かりました……」
お礼を言いながら、違和感。非常に多くの視線が向けられている。貴種の視線は普通の人より
「……」
ミツルギ先生も、驚いたような顔をしてこちらを見ていた。ミツルギ先生でさえそんな顔をしているのだから、周りの人はもっとあり得ないものを見たような顔をしていた。
「その、異常はないか、宝希。すごく眠いとか、目が見えないとか、変な音が聞こえるとか。無理をして
うーむ。体の五感を点検。……特に異常はないな!むしろ
「大丈夫ですね、思ったより健康です!むしろさっきより強くなってますよ、僕!」
「……っ。……そうか。何か異常があったら、すぐに言うんだぞ」
フランさんは本当に呆然としたような顔をしている。周りの人の反応も考慮すると、僕の
「よっ、と」
わざとらしく、立ち上がってみた。
ざわっ。分かりやすく、周りが動揺したのが分かる。
「あり得ない……」
となると、これはもしかすると色々と注目を浴びるのかもしれない?
ふむ。まあ。僕的には大歓迎ですよ!差別されないのは嬉しいですし?友達100人作りたいですし。でも、今後の立場が思ったより違ったものになりそうだから、そこは色々と計画を立て直した方がいいかもしれない。
何はともあれ、
でもなんだろうか。たぶんびっくりしているからだろうけど、少し態度が変わったフランさんの様子に、胸がザワザワする。友人が利害関係のない友情で結ばれた友人でいてくれるのか、心配に……。……。なる必要はなかったね!
うん。フランさんはフランさんの事情で僕と友人でいてくれるから、僕の云々は特に関係なかった。これからもよろしくね、フランさん。
金土日の休日とはいえ、大雑把なプロットもなく前から温めていた脳内設定だけで2万文字近く書けたのは個人的に結構頑張ったと思います。