GOD EATER~アラガミが嫁で悪いか?~ 作:王・オブ・王
神喰いってなんかエロくね?
皆の衆は当然『このイケメン!』『なにイケメンなこと言ってんだ!』と言うことだろう。
しかしとりあえずその言葉を一旦飲み込んでから、俺の質問に答えて欲しい。
アルダノーヴァを知っているのはこの世界に何人いるのだろう? 支部長も知っているのか?
まぁどちらにしろプロトタイプ・アルダノーヴァであるアルフは可愛いぞ。世界一と言っても過言ではない。
だがな、一言言わせていただけるなら一つだけ言わせてくれ、アルフはやらんぞ?
「さて、なぜリンドウがいるんだ?」
「おぉ、酷いこと言うな」
俺の方を見て言うアイツはまったくそんなこと思っていないという顔だ。
今回のミッションは簡単な討伐ミッション。
敵はシユウ二体程度で、編成は俺とマトちゃんとアリサとリンドウの四人。そう、なぜこの俺のハッピーなパーティーを崩すのか、リンドウよ。
聞いてもどうせ命令だからと返されるのだろう。
おのれ……おのれ支部長。なんか良い声しやがって、絶対に許さんぞ。
「なんで私が貴方みたいな人と……」
ふとそんな声が聞こえた。考えるまでもなくアリサだ、俺を睨みつけながら横髪をいじっているが、腹立つ。
ものっそいあれだ。こいつは『ひぎぃっ!』って言わせたくなるタイプだ。つまり俺のドS心が現在天元突破、隙あらばこう、バックから……。
とか考えていると最後にマトちゃんがやってきた。
「ごめんなさい、少しアルフさんと“お話”していて……」
ならしょうがないな。最近はアルフとマトちゃんは良く“話”をしているようで、仲睦まじきは良い事だ。
言語を話すことは今だできないが、メモ帳を介して意思疎通はできる。
それでも話すと言ってくれているのだからマトちゃんは実に良い子である……何が良いって巫女服っぽい服装ってとこか、今度服をプレゼントしよう。うん、そうしよう!
「まったく、緊張感が無いんじゃないんですか?」
後ろ髪を払いながらそう言うアリサを腹パンしたい俺……俺の悪口は良いがマトちゃんの悪口は腹が立つ。
「それに、あんな変な女をアナグラに連れ込むなんて」
「あ?」
さすがの俺も今のは聞き逃せんぞ?
俺としたことが冷静になりそこない、ついつい感情的になってしまった。
美少女相手に俺は何を腹たっているのだ。まったく……。
自分を落ち着かせて、俺はマトちゃんの方を見る。
「気にするな、さて行こうか」
マトちゃんの背中を軽く押してロシア女のことはリンドウに任せる。エリックと同じように諦めるのはしょうにあっていないので俺はまだロシア女を攻略する気でいるが、これ以上は俺がブチギレる可能性だってある。落ち着くまではマトちゃんと話でもしているとしよう。
さてさて、今回の敵も瞬殺してさっさと帰るとしようではないか!
贖罪の街……俺とリンドウの二人が自らの神器をかつぎながら歩く。
索敵中、といえばわかりやすいか?
それにしてもマトちゃんとアリサを一緒にするなんてなんて危ない。
これは実戦だぞ、アリサがマトちゃんの邪魔になったらどうするつもりだ。
そのせいでマトちゃんが怪我してみろ、俺はリンドウをボコボコにする。
「んな怖い顔すんなよ。お前って気に入った娘がいるといつもそうだよなぁ」
呑気にそういうリンドウだが、こいつは俺がどう言う意味で不機嫌かわかっていてやっている。
そしてたぶんアリサとマトちゃんが上手くやれるとか思っているに違いない。
おのれ、これで上手くいかなければこいつを本気で事故にみせかけて抹殺してやるわ。
「だが、先にコイツか……」
眼前にいる大量のオウガテイルを見据えて、俺とリンドウは神器を構える。
一分で片付けてさっさとマトちゃんに会いに行こう。さっさとアルフともいちゃつきたいしな……。
さっさと決めるぞ下等生物共!
贖罪の街、境界付近にて二人の少女が神器を持って歩いている。
まぁ、二人の内の一人が私、アリサ・イリニーチア・アミエーラなわけですけれど……隣のゴッドイーター、時雨マトさんは特別訓練成績や模擬戦成績が良かったわけじゃない。
それにも関わらずなんだか先輩風を吹かして、さらに私を守る気でいるなんて正気じゃないと思う。
本当に極東支部ってゴッドイーターにふさわしくない方たちばかり、合理的な判断もできないなんて、大人しく私の後ろに隠れていてください。
「発見、アリサちゃん。ここは二人で一気に接近戦といこっか、コンビネーションを鍛えるのに良いと思うの」
時雨マトさんはモノ陰に隠れてそう言う、けれど敵と言ったってシユウ。それにせいぜいオウガテイル一体が付いている程度でしょう?
なにをそんなに警戒しているのか、訓練でも圧倒的に私の方が成績が上なんですから、そんな言葉に付き合っていては作戦時間に支障が出ますよ。
「ここは私が先にしかけます。合わせてください」
「えっ!?」
そう言って、私は一気に跳びだした。
あの時雨マトさんにも見せつけましょう、これが新型の戦い方、新型のあるべき姿。旧型に頼る必要もなく、ただ一人でありとあらゆるアラガミを“殺せる”だけの力。
私はブレードを、横に振った。
私、時雨マトは今非常に困っています。
理由は……こういうのもあれですが、アリサさんです。
どこか高飛車な感じで、最初は緊張しているだけかなと思ったんですけど、そうでもないようでただ本当に高飛車でした。
今現在だって、私の立てた作戦に従おうという気はまったくないようで、一人で走って行ってシユウの足を切りつけます。
でもその程度の攻撃じゃ体勢を崩すこともできない。ここ最近のアラガミの性能は右肩上がりで、あげくに回復能力もはかりしれないのですから!
「アリサちゃん、下がって!」
私は剣を展開していた神器を銃“ファルコン”へと変えるとすぐさま敵に狙いをつける。
「ファイアッ!」
シユウが弱い火炎を付与させた弾を頭に向かって撃つ。
そのレーザーはまっすぐとシユウに向かっていくが、それはアリサさんが振り上げた剣にぶつかってはばまれる。
あぁ! あれが当たれば致命傷だったのにっ……。でも、今はそんなことを考えている場合じゃありません。
驚いているアリサさんが、私の方を見て睨んでくる。
だからそんなことしてる場合じゃないんですってばぁ!
アリサさんは前方のシユウの拳に吹き飛ばされて転がる。
「きゃぁっ!」
その高飛車な態度からはまったく想像もつかない可愛らしい声が聞こえるが、今はそんなことを考えてられない。
さっそく追撃のためか、シユウは両手で巨大な火炎球を作っている。
「間に合ってっ!」
放たれる火炎球。けれど―――私の方が早い!
すぐにアリサさんの前でシールドを展開した私だけれど、その火炎球の衝撃にわずかに下がらざるをえない。
少し無茶して走ったからっ、力が入らない。
「今のは貴女が撃てば勝ちでした!」
背後からアリサさんの声が聞こえるけれど、相手にしているほど私も余裕はない。
確かに私が先ほどと同じように撃てば“私の勝ち”かもしれないけれど、私が撃っていればシユウの攻撃もアリサさんに放たれていたはずだ。
私は急いでシールドをしまうとブレードを展開する。
「逃げますよアリサちゃん!」
「なにを!」
「リンドウさんの言いつけです!」
そう言っても、決して逃げようとする様子を見せないアリサさん。
むしろ立ち上がって剣を構えだした。
何を考えてるんですかね一体……。
溜息すらつきたくなる私だけれど、後輩というのはここまで大変なのだろうか?
「戦いから逃げてなにがゴッドイーターですか!」
「
わずかに背後に視線を向けた私は、すぐに正面を見た。
そこには、オウガテイルの口で、大きく開けた口は今にも私を飲み込もうとしていて―――あぁ、死んだエリックさんもこんな気持ちだったのかな?
「良く言ったマトちゃん!」
大きな、聞き覚えのある声が聞こえて、目の前のオウガテイルの首がストンと落ちた。
地面に転がるオウガテイルの頭と体。
そしてその隣にはあの人が立っていた。
普段はとってもだらしないけれど、いざというときすごく頼りになる人だ。
「このグラハム、今日は手加減してやれんぞ」
怒りを押さえているのか、それとも怒っているからなのか、彼の口元はわずかにつり上がっていた。
そして彼の雰囲気はいつものそれとはとても似つかわないほどに殺気立っている。
あぁもう腹いっぱいだ。沢山だ……最近は支部長の件でもかなりイライラしてたし、なによりも禁欲のせいでさらにイライラ。
そして“通常の状態”ならば笑って流してられるアリサの悪態にもイライラとする。
この俺松田グラハムはすでに怒りすら通り越して修羅の立つ場所まできている。
なによりもこのザマだ。これだから『訓練で高成績』の人間とは信用ならんのだ。
「リンドウ!」
「おう」
俺の横に立つリンドウ。
今日はお前にもマトちゃんとアリサの二人を守る権利をやろう。
普段ならば俺ひとりで好感度も一人占めだったのだがな、今日の俺は修羅か仏か、まぁどっちでも良いと結論づけようじゃないか……。
マトちゃんと、これから俺の攻略対象となるべきのアリサすらコイツらは殺そうとしたのだ。
美味しく料理してやるとしよう。
「ついてこいよ!」
「了解っと」
リンドウが走り出すと同時に俺はすぐさま神器を銃へと変える。
純粋な貫通性のを持った火炎弾を撃つが、それはシユウの横ステップで避けられた。だが生き物だ、所詮動いた後に隙はできる……リンドウがそのチェーンソーでシユウの足を斬りつける。
横に、ではなく縦にだ。そちらのほうがシユウの足は切りやすい。
「二発いく!」
俺はさらに二発の火炎付与のレーザーを撃つ。それは曲がりながら左右からシユウを襲おうとするが、シユウは飛ぶことによって回避した。
「グラハム!」
「わかっている!」
リンドウの声に呼応する俺、たまには美少女以外の声にだって耳は傾けるさ……非常に不本意だがな!
俺は巨大な火炎弾を空中のシユウに向かって撃ち込む。それはシユウの体に突き刺さり、爆発を起こす。
落ちるシユウに跳んだリンドウが空中で三度ほど斬りつける……そして俺はすでに走り出し、地面を足で強く蹴る。
飛び上がり、神器をバスターへと変えて振り上げた。
「必殺グラハム☆スラッシュ!」
ネーミングセンスあふれる一閃により、シユウの頭頂部から腹部にかけては割けるチーズのように分かれてた。
これにてミッション終了。
まったくもって今回のミッションは疲れさせてくれる。よもやオウガテイル大量発生とはな、異常事態だ。
これにて帰還。と言いたいところだが、アリサに説教の一つや二つくれてやらねば話にならん……と動こうと思ったが、それをリンドウが止める。
「なんのつもりだ?」
「お前が説教したって悪魔が聖書読んでるようなもんだろ」
何を言うか! 俺は聖人だろう。俺が説教して反省しなかった美少女なんて居ない!
まったく失礼なやつである。
「それに、俺たちみたいなやつが今回説教したってしょうがないさ、今回はあのルーキーがなんとかしてくれんのを楽しみにしてようぜ?」
今回はリンドウとマトちゃんに免じて説教は勘弁しておこう。
俺が本気を出せば泣く子も啼く説教が待っているところだったのに、まったくもって残念だ……。
まぁ良かろう、俺はさっさと帰ってこのイライラも忘れるぐらいアルフとイチャイチャしようじゃないか!
最近はおっぱい揉んでなかったからな!
◇◇◇◇◇◇
そして現在、俺とアルフは部屋にいた。今までいきさつを話したというわけだ。
最近は慣れてきたおかげで燃費も良いという『人型』の状態だ。青い髪の巨乳美少女とかストライクゾーン。
俺の心情の一部を話すと、アルフは顔を真っ赤にしている。
やはりアルフはからかい甲斐があるというものだ。おっぱいを揉みたいってのは本心だけどな。
『触りたかったの?』
揉みたかったの? と聞かないあたりやはり恥じらいがあるのだろう。
フッ、危うく涎が垂れるとこだったよ。
「いや、今はいいさ」
こんな夕方からだと俺の禁欲というタガが外れかねない。
きっと『グラハムの拘束具が!』『やめなさいグラハム、人に戻れなくなる!』とか言われるかもしれないから我慢我慢。
真っ赤なままのアルフは、そっとメモ帳に文字を書いて俺に見せてくる。
『グラハムがどうしても我慢できなかったら良いからね?』
文字上では淡々と言っているように見えるが、その文字は恥ずかしさからか震えて文字がブレている。
文字を書くのが上手いアルフからはめったに見えないような文字だ。
それほど恥ずかしいのか、俺に胸を揉まれるのだから当然だな、こんなイケメンに胸を揉まれれば嬉しいに決まっている。
『恋人なんだから』
そういやそうだった。とか言ったらどこかからか物が飛んできそうだから言わないでおこう。
恋人だったんだよな、ついつい他の女の子達と同じように接してしまう。
基本的にアルフは他の子達より俺を受け入れてくれるが、恋人だったのを忘れていた。
でもこの世の中一夫多妻制もかなり良いと思うんだ。
アルフも受け入れてくれるはずだから大丈夫だよな!
だからこそ俺はあきらめんぞぉ!
でもやっぱりダントツで可愛いのはアルフだな、うん!
あとがき
お久しぶりですみなさん!
いやはや、執筆に止まってる最中に今までもらった感想を読み直してみたらなんだかやる気がでてきました。キングにござる。
キングの小説は常にエンターテイメントでなければならんのでござるがそれとは程遠い結果……。
そう言えば今回はグラハム以外の視点が入った巻きでござったな、結果最終的にグラハムでござるが、シリアスパートではグラハムは居ても問題にしかならぬからこれで正解でござる。
では、皆の衆、次回もお楽しみに!
感想くださればまさに僥倖!