GOD EATER~アラガミが嫁で悪いか?~   作:王・オブ・王

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第十話「神喰いの末路」

 俺は死んだのか?

 否、目を開く力は充分ある。だからこそ明るい中目を見開く。

 まぶたの上からでもわかる明かりの正体は証明であり、それが“俺の部屋”の天井であることも俺はわかる。

 それにしてもさすがに疲れたな―――この男前ことグラハム松田、疲労とはなさけない。

 上体を起こして、俺は横を見た。椅子に座っているアルフが俺の足の方へと寄りかかって寝ていた。

 ―――アラガミも寝るんだな、まぁどうでもいいさ。アルフマジ天使。

 アルフの髪を撫でながらニヤニヤしているが、たぶん他人から見れば俺はニヤニヤではなくカッコよく微笑しているように見えるのだろう。

 

「……」

 

 顔を上げるアルフ。

 

「おはよう、寝起きも可愛いぞ」

 

 そう言ったが、瞬間……アルフは飛びついて俺の上へと乗る。首に手を回して顔を俺の肩にうずめた。

 泣いているようにも思えたが、アラガミって泣けたんだなとか野暮なことは聞かないでおこう。

 そっと俺はアルフの頭を撫でる。

 そんな時、扉を開けた入ってきたのはツバキちゃんだった。

 

「うむ、おはよう」

 

「昼だ……体には異常がないらしいな」

 

「まぁ一応は、体は動くな」

 

 入院患者用の服のままの自分を見てみる。

 話があるだろうから着替えたほうが良いか……。

 

「あぁそのままで良い」

 

 ふむ、ならばそうさせてもらおう。と思ったのだがアルフは俺の上から降りるようだ。残念でならんがまぁ良い。

 俺が医務室じゃない理由なんざ簡単に推測可能と言えるだろう。

 医務室を誰かが使っている。それだけだ、そして使っているのはあの情緒、精神不安定なあのロシアンガールだろ。

 ふむふむ、そして俺が一体何日ぐらい昏睡状態だったか気になるとこだ。

 

「今はいつだ?」

 

「あれから一日、気持ち悪い回復力だな」

 

 さすがツバキちゃん、毒がたっぷりだぜ。

 

「サクヤちゃんは大丈夫?」

 

 少しばかり苦々しい顔をするツバキちゃん、俺かリンドウの前ぐらいでしかこういう顔は見せないから、丁度良い息抜きだろう。

 いつもはりつめてばかりだと壊れてしまうからな、丁度良い。

 アルフが俺の上から降りるので、軽く頭を撫でてやると犬みたいにくすぐったそうにするかわいい。

 立ち上がるが、うむ……少しばかり体がだるいな。まぁいいさ。

 

「さて、任務に出るとしよう」

 

「なにを言ってる馬鹿者、貴様まさかリンドウを探しに行こうなどと思っていないだろうな?」

 

「ハッ! なにを世迷言を、この俺が男を探す? 寝言は寝て言えよツバキちゃん、俺がどういう人間か良くわかっているだろう?」

 

「わかっているから止めている!」

 

 怒鳴るようなツバキちゃんの声に、俺は少し驚いた。

 ツバキちゃんの怒鳴り声を聞くなんざずいぶん久しい気もする。

 それにしても俺も感情的になりすぎる。まさか女相手にあんなセリフとは……落ち着け。

 OK、クールにいこう。

 

「とりあえず現状報告を頼む」

 

「お前は自分の階級がわかっていてその口調か、まぁお前に敬語を使われる方が気持ち悪いが」

 

「へ~い、酷いじゃないかツバキちゃん」

 

 軽く笑うと、ツバキちゃんも笑う。

 とりあえず今の現状報告が無ければ動くに動けん……下手にナンパして地雷踏んで好感度ダウンなんて目も当てられんからな、フッ。もちろんアルフが俺にはいるがまだまだ遊びたいのだ。人生は長いぞ……。

 そう、人生が長いからこそ俺は遊びつくす! さぁ、待っていろよマトちゃんとロシアンガール!

 

「現在、アリサの方は精神不安定により入院中。急遽作った医務室もお前がねるようなスペースは無かった……というよりサカキ博士がお前を看たのだが大丈夫だったか?」

 

「あぁ問題ない」

 

 あの変態ぐらいじゃなければ俺の脇腹に問題が出る。さすがに『オラクル細胞』の塊が脇腹の前傷口だった場所にあるというのは見せたくはない。

 正直この状態ならばいつアラガミ化してもおかしくはないと言われているのだが……さすがに俺の人生諦めるには早すぎるな。

 特に元部隊長(リンドウ)にだけは『介錯』なんてされてたまるか!

 ……話がズレたな、とりあえずサカキ以外に俺を診られるわけにはいかんのだ。あと俺のようなイケメンが死ぬなんて世界の損失だ。

 

「さて、でどうなんだ?」

 

 なんとか起き上がってから、俺は入院服を脱ぐことにした。

 後ろか音がするが、たぶんツバキちゃんが急いで体を反対にしたのだろう。うぶだな……。

 とりあえずタンスから俺の私服を出す。

 

「アリサのことは話したな、次はサクヤだがずいぶんまいっているようだ……」

 

 何か言いたそうなツバキちゃん。

 

「なにが言いたい?」

 

 俺は着替えながらそう聞くと、背後から感じる感覚に違和感を感じた。

 アルフが出て行く音が聞こえる……まったく空気を読める嫁だ。

 俺はリンドウとツバキちゃんとサクヤちゃんの三人と10年近く一緒にいるからこそ、あえて聞いてみた。

 近しいから、すべて知っているからこそ言えない、考えられないこともあるのだ。そしてツバキちゃんは今考えがまとまらないでいる。

 サクヤがリンドウを好きでその逆もしかり、ならばその二人を家族のように思っているツバキちゃんもまたしかりだ。だが安心しませい、この松田グラハム、なんのためにそんな家族のような三人と一線を引いていたと思っている? もちろんこういう時のためだ。すべてに対して二手、三手先を読むのが真の男前というもの、だからこそこういう時のため頼られる。

 

「サクヤはすぐにでも当分待機の命令を出しておけ、さもなくばあいつは探しに行って死ぬ。さすがに攻略対象が減るのは困るからな、フハハッ!」

 

 NTRしてやるぜ! 寝取りだ寝取り! 寝取られも最近目覚めてきたがそれよりも寝取りに限る!

 そのためにもまずさっきゅんを助けなければならん。つまりは待機。

 そしてアイツが帰ってくる頃にはさっきゅんは俺のもの、フフフッ、完璧だな。

 着替えも完璧だ。ツバキちゃんの方を見ると気づいたのか俺の方を見る。

 

「あぁ、わかった……お前は信じているようだな。リンドウのことを」

 

 いやいや、それはないツバキちゃん。マジでリンドウは死んでもいいと思ってるよ。あいつ充分生きたしクソリア充だしなんか色々な女の子たちから尊敬されてるし……リンドウの枠は俺がもらう!

 アイツが帰ってきたとき引退したくなるようなアナグラをつくってやるぜ。

 いや、ちょっとまてツバキちゃん誤か……いや、これは好感度アップにつながるな。

 

「ほかのやつには内緒だぜ?」

 

 軽く笑うと頷いて、ツバキちゃんは部屋から出て行く……。

 よし、ツバキちゃんから俺への好感度はうなぎのぼりだ! いやはや、案外楽なものだな、あのおっぱいをもめる日も近いな。ド痴女みたいなかっこしてもんでくださいというような服だもんな。

 結婚願望強そうだけどまぁ、なんとかなるだろ!

 てか大丈夫かツバキちゃん。独り身で……。

 

 

 

 とりあえず俺は部屋を出てエントランスへとやってきた。

 俺を見て驚いたのかみんながよってくる。案外俺って人気者じゃん?

 

「よかったですグラハムさん、グラハムさんまで居なくなっちゃったら……」

 

 やっぱりカノンちゃんは優しいなぁ~。

 

「グラハムさんぐらいなんです。私の誤射を笑って許してくれる人」

 

 うん、普通は命かかってる状況だものな。俺ぐらい強くなきゃな。

 リンドウも笑ってくれるだろ、あぁあいついなくなってるから俺だけってこと……そう。

 若干この俺もしょんぼりだぜ? フッハハッ!

 

「あら、生きてたのね」

 

「相変わらずクールだなぁジーナちゃん、もうちょっと喜んで俺の胸に飛び込んできてもいいんだぜ?」

 

 そう言うと、ジーナちゃんは俺に近づいてきた。え? なに俺フラグ立ててた? 最高だな。

 と思ったら俺の前で止まったあとくんくんと臭いを嗅ぎ出す。

 なん……だと?

 まさかジーナちゃんが臭フェチだとはこの松田グラハムも予想外というものだ。

 

「最近、アラガミの匂いがするのよね」

 

「気のせいだ」

 

 さて俺はエントランスを下に降りておやっさんに軽く片手を上げるとおやっさんも軽く片手を上げて笑うと何かを投げてきた。

 それを受け取ると、それがなんだったのか確認してからため息をつかざるをえない。ということで……。

 

「はぁ~」

 

 俺用に調整し直したおやっさんのピストル型神器なのだが、少しロングバレルになっていた。

 昔のが持ち運びは楽なのだが、あの人なりの気遣いなのだろうとありがたく受け取ることにする。

 おやっさんには昔っから世話になってるからな、最初はただの頑固じじいだったが……。

 とりあえずそいつをジャケットの内側に差し込んでしまうと、ソファに座ることにした。

 マトちゃんは任務中だから帰ってきた時に会えるだろう。

 

「グラハム!」

 

 そんな聞き慣れた声と共に、俺に駆け寄ってきたのはあの『エリック=上田』の妹『エリナ・デア=フォーゲルヴァイデ』だ。

 可愛いもので俺になついているが、やはり成長後はかなり期待できる。神器であるわけがないけどなんか槍とか使いそうなイメージだ。あくまでイメージだがな……。

 さてさて、そんなことはともかくとしても、とりあえずお兄ちゃん大好きっ娘のエリナは俺の隣に座って楽しそうに話をする。

 仕方がない、あの連中が帰ってくるまでは俺がお姫様のお相手をするとしよう。

 

 

 

 マトちゃんが帰ってきたのはそれから数分後だった。

 今回は小僧とソーマとエリックが一緒だったようで、エリックのもとへと向かうエリナ。

 俺のもとへと歩いてくるのはマトちゃんとソーマと小僧だ。おのれ、マトちゃんだけでいいものの、というよりソーマは珍しいな。

 なんだ、俺の顔見やがって。

 

「生きてたのか、借りっぱなしにならなくて安心したぜ」

 

 そう言って去っていくが……おい、男にツンデレされても一ミクロも嬉しくないわ。

 

「そういやグラハムさん、あの量のアラガミ倒すなんてすごいっすね。みんな話してましたよ」

 

 だろうな、小僧に言われなきゃもっと嬉しかったがみんなが話してたならそれで良いさ。

 俺の信頼度とかもさらに上るってわけだ。たまらねぇな……。ちくしょう露店のジジイなに親指立ててやがるテメェの好感度なんか上がってもうれしかねぇ!

 俺は軽くマトちゃんの方を見てみる。

 マトちゃんは俺を見て軽く笑う。

 

 ―――やばい、今ずきゅーんと来た。これはアルフ以来じゃないか……。

 

「良かったです。帰ってきてくれて、リンドウさんもいなくなっちゃってサクヤさんも疲れてるみたいで、アリサさんもあの調子で、頼れる方がいて良かったです」

 

「ちょっ待っ俺は!?」

 

「華麗なるボクは!?」

 

 だまってろガキ共。とりあえずこの小僧と上田もあてにならないのはわかる。

 俺は俺でやることもあるんだが、まぁ良いだろう。マトちゃんの頼みならなんでも聞いてやろう。アルフの頼みがあったらそこで俺は細胞分裂したくなるのが目に見えているがマトちゃんとアルフのお願いは絶対だ。

 うむ、ならば俺がやることは一つだな。

 まずこの体を動けるようにせねば、一日眠っていたのだからなまっているのは確かだ。

 

「うむマトちゃん、もし無事にリンドウが見つかったら俺と―――」

 

「あっ、アリサちゃんのお見舞い大丈夫かな?」

 

 聞かないか、そうか聞かないか、これは天然スルースキルがやべぇタイプの娘のようだな。

 さすがと言わざるをえん。ちくしょう。

 まぁともかく今後、サクヤちゃんの出番も無くなるだろうし俺がこいつらの面倒を見なければならんとはな。

 

 ―――フッ、俺のようなイケてるメンズには丁度良い試練だ。なぁマトちゃん?

 

 もう居ないじゃないか……フッハハっ!

 

 

 

 

 

 

 




あとがき

お久しぶりでござる。
まぁ色々すまぬ。ほんとすまぬの。
今頑張ってるでござるよ。ゴッドイーターⅡへの引き継ぎのため!
まぁ、頑張るでござる。できればVITA版が欲しいでござる。
なにはともあれ頑張るでござるよ~できればⅡも書きたいで候。

では次回もお楽しみにしてくだされ!
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