GOD EATER~アラガミが嫁で悪いか?~   作:王・オブ・王

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第十三話「下剋上!?」

 結局あの後、俺はナナに会うことなくさっさとマグノリア=コンパスから帰った。

 まだ俺は恐れているんだろうとは思う、ナナと会うとアイツの夢をまた見てしまいそうで、だ。

 結局アルフに慰めてもらうためにパフパフを楽しんだんだが……ヨシノには、まぁ申し訳ないとは思わないのだよ、だって俺は男だからな、浮気は甲斐性っていうか、死んじまってんだからしょうがねぇ。

 なにはともあれ、俺は今日も戦い続けるわけだ。

 

 俺のバスターことクサナギでオウガテイルを真下から切り上げる。

 

「ふぅ、終了……だな」

 

 振り返ると同時にピストル型神器で背後から迫っていたザイゴートを殺した。

 くるくると回してからジャケットの内ポケットにピストルを入れると神器を背中に背負う。

 ともかくだ、俺の目的は今現在としてはスサノオ、ならびに例の美しいサリエルを探すことなのだが、それにしてもどちらも見つからんな。

 

 仕方がないのでアルフの御飯だけを拾って帰ることにした。

 

 

 

 アナグラに帰ると、そうそうに招集がかかり俺たち第一部隊は集まった。

 もうすっかり元気になったアリサちゃんも一緒で、俺はソファに座ったまま話を聞くことにした。

 少しばかり訝しげな表情をするツバキちゃんだが、まぁ良いから話を進めてくれ。

 

「どうやら全員いるようだな。本日、執行部から正式な辞令が下りた……今回の任務完了をもって、時雨マトをフェンリル極東支部、保守局第一部隊の隊長に任命する。これからはお前がリーダーだ、よろしく頼むぞ!」

「へ……ふぇっ!?」

 

 おぉ、可愛らしい声だな。

 

「ちょちょちょ、わ、私がですか!?」

「あぁ、実に理解できるが?」

「そうだぞ、もっと胸を張れマトちゃん」

 

 おっきいから。

 

「す、すげぇ! 出世じゃん! 大出世じゃん! こういうのなんて言うんだっけ……下剋上!!?」

「それ、裏切りですよ?」

「え?」

 

 これだから小僧は……。

 

「改めて、よろしくお願いしますマトさん。ね、サクヤさん……」

「おい、呼んでるぞさっきゅん」

「さっきゅんって呼ばないで! う、うんそうね……リーダーか、なんだかずいぶん頼もしくなっちゃったわね。マトになら背中を預けられるわ、これからもよろしくね」

「ふ、不肖この時雨マト、全力でやらせていただきます!」

 

「え、やらせて?」

「グラハムさん、まずいですって」

「へ、なんの話ですか?」

「いやいや、なんでもないよ!」

 

 エリックめ、邪魔をしおって。

 

「早とちりするな、正式に任命されるのは今回の任務終了後だ。それに、リーダーともなれば相応の権限が与えられる。しかし同等の重く大きな義務もかせられる……神器使いとしての職分だけではない。チームの部隊員を無事に生きて帰還させるという義務、だ……」

 

 いつになく熱く語るツバキちゃん。

 なんとなくだが、それがリンドウを思い出しているなと理解できるのは俺とさっきゅんぐらいだろうなぁとは思うよ、本当に弟思いの姉だとは思うが逆にそれが仇とならないことを願うのみだ。

 ともかく、これでマトちゃんが俺の上司なわけだなぁ。

 

「死ぬなよ、全員生きて帰れ……これは命令だ」

 

 そう優しい声音で言うツバキちゃんだったが、すぐに目を鋭くする。

 

「さぁ! なにをボサッとしている、早く任務に向かえ!」

 

 まったく、ツンデレだな。

 ともかくだ……許せん状況になったな、小僧がハーレム状態で任務に行きやがった。

 クソがッ! なんでオレじゃねぇんだ、腹がたつから小僧の母親にでも手を出してやろうと思うが、顔も見たことがないのでなんともって感じだな。

 美人だったら是非手を出したいところだが……おっと、今は俺の嫁はアルフだけだ。落着け!

 

 

 

 とりあえず、しょうがないから今回は防衛班の連中とのミッションだ。

 

「だが、それにしても暇だなぁ」

「それもそうでしょ……今回は、アラガミを見つけ次第討伐、ですもの」

 

 ジーナがそういうので、俺はおとなしくうなずくことにした。

 カレルの奴とシュンの奴もかなり暇そうにしてやがる。

 

「まったくかせげないじゃないか」

「本当だぜ、まったく暇だぁ~アラガミこねぇかな、こうでっかいの!」

 

 こいつ、小僧に似てるなぁとはおもうが言わないでおいてやることにした。

 それにしてもなんだこのパーティーは、これならタツミやブレンダンと言った方がマシだ。

 昔よりは確かに今の方がしっかりしているが、それにしてもやはりバラバラな感じはいなめないというものだ。

 ジーナがいなければもれなくミッション放棄をしていただろう。

 

「というより、あんたがいると俺の稼ぐ分が無くなるんだ」

 

 カレルの奴がそういうので、俺は笑った。

 

「俺から獲物を奪うぐらいしてみろ」

 

 クツクツと笑って行ってやると、舌打ちをするカレル。

 やはり俺から獲物をとれるとは思っていないらしい、昔でさえ無理だったんだ。

 俺が新型になっているのだからそんなことは不可能だと思った方が利口というものだろう。

 大人しく、俺のとりこぼしをやっていてもらおうか……。

 

「でも、あまり獲物を撃ち足りないと、撃ってしまうかもしれないわ」

 

 笑いながら言うジーナに俺も笑って返す。

 笑ってないカレルとシュンだがその程度のジョークに笑って返せないのは問題だな、さすがの俺もカノンちゃんに『威力の高い弾を撃てるようになった!』なんて言われた日にはとてもじゃないが笑えないかもしれんがな。

 そもそもだ、女のジョークには笑って返すのが定石というものだろうし、そんなのだからこの二人はモテないんだ。

 

「そういやグラハムさん、いい加減にあの娘どうやってナンパしてきてどうやって同じ部屋に住まわせてるのか教えてくれよ!」

「ナンパだと? 違うな、俺とアルフはそもそもめぐり合う星のもとに生まれてきたのだ、故にお互いは一目で一目惚れだな」

「なに言ってんですかあんたは」

 

 シュンの質問に答えたらカレルが『こいつ頭おかしい』って目で見てきやがった。

 こいつは背後から誤射してやること決定だな、そもそも色々とおかしいんだよ、カレルはなぜその容姿でモテない? いや、そもそもこいつ金にしか性欲わかないんじゃないのかなんてことまで想像できる。

 考えるのも癪な話だがカレルの見かけだけは俺も認めても良いんだが……。

 

「なるほど、目が死んでいるんだな」

「ハハハハッ!」

 

 俺が言うとシュンが大声で笑う。

 

「貴様らは誰もかれも欠陥があるな」

「まぁこの人の言うとおりだな、シュンはガキでジーナは陰湿そうだし」

 

 カレルの言葉にシュンが怒りジーナが笑う。

 

「フフッ、本当ね……あの新型の子の方が大人っぽいわよ?」

「なっ、ジーナお前、そんなこと言ったら新型二人の方がお前よりよっぽど胸が」

 

 瞬間、ジーナのレールガンがシュンの横顔を叩き、シュンはというと地面にひれ伏し動かなくなった。

 馬鹿め……胸の話は、厳禁だろうが……ッ! そんなこと言ったら……戦争だろうがッ!

 とまぁ、馬鹿なシュンは放っておいて、ニコニコ笑うジーナに俺はひきつった笑いで返すしかないわけだ。

 

 魅力的だと思うんだがな、ナイチチというのも……そもそもナイチチの良さに俺が気づいたこと自体がジーナのおかげであり感謝もしている。

 

 やっぱりアルフによって巨乳派に帰ってきたがな、ナイチチが嫌いなわけじゃないんだ。信じてくれ!

 

『みなさん、周囲に複数のアラガミの反応です!』

 

 ん、こんな時にアラガミだとはな、空気が読めるんだか読めないんだかって感じだな。

 ともかくこうなればシュンを起こして俺たちは四人で贖罪の街へと降りる。

 特に詳しい理由などは知らない、ただここに入る敵を一体たりとも逃がすなというのだからそういうことだろう。

 

 そもそもだ、特殊な装置を使ってるらしくアラガミは寄ってくるというのだからいずれこうなるのはわかっていたさ。

 近接が俺とシュン、遠距離のジーナとカレルで相性はバッチリだ、男と相性バッチリでもなにも楽しくないが……ともかくこれが終わったらマトちゃんをいつも通り口説いてからアルフと一緒に……。

 

「おい、着たぞ!」

「ハァ……人が良い気分に浸っていたというのにな、面倒な相手だよ……」

「敵はヴァジュラ一体とシユウが一体、グボログボロも来て……フフッ、獲物がたぁくさん」

「俺は稼げればなんでもいい、しっかり頼むぞグラハムさん」

 

 まったく、俺を頼るのも構わんがもうちょっとなんかないもんかなとは思うよ、だが面倒だ……。

 

「片付けるとしようか!」

 

 俺は背中に背負っていた神器を抜き放って吠えるヴァジュラに切っ先を向けた。

 ―――さぁ、ショータイムだ!

 

 

 

 思ったより集客率は良いようで、それなりに数に押され俺は苦戦をしいられている。

 カレルとシュンとジーナを別にし俺は疑似フェロモンという物にてアラガミを引き連れて三人とは別れて別の場所へと走るが、正直ジーナ以外を助ける気などない。

 だが結果はこうなってしまったのだからしかたあるまいな。

 

 通常よりいくぶんか強いシユウが俺を壁へと追いつめ、拳を突き出すが……俺は正面の壁を蹴って跳ねると共にシユウの拳を避けてその首をクサナギで刈り取る!

 それだけで倒れるシユウ、そのコアを食らうとすぐに開けた場所に出るが、あの三人はすでに居ない。

 とりあえず探そうかと思ったが、厄介な相手がご来場してきた。

 

「まさか、テスカトリポカとはなぁ」

 

 クアドリガの上位種であり、なにが厄介かと言うと。

 

「ちぃっ!」

 

 変なための後に上空から突如ミサイルを現すことだ。

 すでに魔法の域に達しているであろうそれは走ってなんとか避けているのだが、どうにもそれ以外の対処法は一つしかない。

 ―――そう、殺られる前に殺る!

 俺はすかさずテスカトリポカに走るが、背中のミサイルポッドが開きそれらが俺へと襲い掛かるも、所詮は“その程度”のスピードにすぎん……俺は首をかしげるようにしてミサイル一発を避けて、次のミサイルを飛ぶと同時に踏み台にして、さらに跳ぶ。

 

 テスカトリポカのミサイルはそれだけですべて回避できた。

 空中にいるまま、俺はクサナギに力を込めて黒い刃を纏わせて―――斬る!

 

「グラハム、アーツ!」

 

 振り下ろされたオラクルの刃はテスカトリポカの右のミサイルポッドと排熱パイプ、顔面を切り裂くことに成功した。

 俺はすぐに着地して背後へと下がると神器を変形させて、『神』の属性を持った貫通弾を撃つ。

 それはもう一方のミサイルポッドを破壊する。

 ダメージが蓄積したためか、テスカトリポカが倒れてその弱点である全面装甲の内部を晒す。

 

「見えたぞ……ッ!」

 

 俺はすぐに走り出すと、そのまま神器を変形させると共にそのまま黒い刃を再び展開―――そして、その黒い刃を突き刺す!

 深く肉を裂く音がし、テスカトリポカは全身の力を失った。

 実に呆気ない……。

 

「……ッ!?」

 

 なんらかの視線を感じてそちらを見ると、そこにはグボログボロが居てすでに俺に砲台を向けていやがった。

 ―――クソッ、この俺が気づかんとは! 間に合わんか!

 避けようにもすでに俺は動く気が無かったゆえに全身の力を抜いていた。

 

 ―――戦場でおめおめとしているからッ!

 

 俺は攻撃に身構えたが、その攻撃が来る前に素早くグボログボロの砲台を切り裂く者があった。

 青い髪を振り乱しながら見慣れた容姿の女は、その手に持った謎の神器でグボログボロの砲台を切り裂き、俺への攻撃を防いだ。

 

「アルフ!」

 

 俺はすでに神器を変形させており、火炎弾を撃つ。

 その火炎弾はまっすぐグボログボロの背びれを破壊して、それにを理解したのかアルフはすぐに跳んで謎の青い神器の刃をその傷口に突き刺した。

 動きが止まったグボログボロを見ると、俺は周囲を確認した後にようやく落ち着いてグボログボロの元、しいてはアルフの元へと行く。

 

「なぜここに、というよりそれは?」

『なんとなくここにいる気がした。これは自分で頑張って生み出した』

「ほう、感じ合っていると……」

 

 なんだか、気分が良くなった。

 ただアルフが生み出した神器、ということは俺の娘か息子……? いやそんなことを考えているよりもその神器をまずどうするか、だ。

 だがそう思っていた瞬間、アルフはその神器を自分の手から消して見せた。

 ―――なん、だと?

 

「どういうことだ?」

『自分で生み出したから自分に還すことも可能』

 

 メモ用紙の紙を使って説明してくれるアルフに頷いて、助けてくれたことに感謝の言葉を述べてその頭を撫でる。

 くすぐったそうだが嬉しそうにするアルフを見てヨシノを思い出したのは内緒だ。

 それにしても、アルフがここにいることをどう説明するかと考えてみる。

 

「いや、わからんな、どうやってここに?」

『なんとなく、感じた』

 

 なるほど、感じた―――ふっ、いやらしいことを想像してしますな。

 まぁ、ともかく一人で来れたということは一人で帰れるということだろう。

 俺はジーナたちが来る前にアルフを帰らせる。

 

「早くせねば色々と厄介なことになる」

『了解』

 

 アルフはメモ帳を俺に見せると、神器使いなどよりよほど身軽な身のこなしで周囲のビルの間を通ったり登ったりして去っていく。

 優秀な嫁を持って俺も満足なのだが、それよりも俺からしたら問題は山ほどある。

 まずは、集合ポイントに向かうということだ。

 神器を背中にかついで走って合流ポイントで落ち合う。

 

「なんだ、生きてたのか」

「俺たちで敵は沢山たおしちまったぜ!」

「グラハムの戦いは見たかったのだけれどね、愉しいから」

 

 三人が三人とも言いたい放題言ってくれる。

 

「そもそもシユウを倒した直後にテスカトリポカが出てくることじたいが予測不可能だったからな、まったく面倒をかけてくれる」

「やっぱり一番稼ぐのはあんたか、チッ」

「つまんねー」

「見たかったわね」

 

 やっぱり言いたい放題だ、まったくこまった部下たちである。

 まぁ直属の部下ではないにしろ階級が俺より低い部下なのだからもうちょっと俺を敬っても良いのだが、おそらく支部長にあの態度の俺が言ってもなんの説得力もないことぐらい予想がつく……のだがやはり俺は敬われるべきだと思う。

 俺になれなれしくしていいのは美少女、美女のみだ。

 最近では綺麗なアラガミも可、と言ったところか。

 

 ―――とりあえず、マトちゃんに手取り足取り腰取り色々教えたいなぁ、隊長として!

 

「顔がにやけてるわよ?」

 

 ―――ジーナ、見惚れるなよ?

 

 




あとがき
お久しぶりです、申し訳ない
防衛班の帰還もやったし、そろそろインスピレーションがわいてきた模様。
ともかく、もうちょっと早く更新したいなと思いながらって感じで

見放さないで、応援してくださればまさに僥倖!
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