GOD EATER~アラガミが嫁で悪いか?~   作:王・オブ・王

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第二話「アラガミと同居するけど質問ある?」

 この俺、イケメンこと松田グラハム。

 今何をしているかだって? 荷造りだよ。俺は起きたときに居た地下に来ていた。

 

「ん、必要なものはこれで良いな?」

 

 目の前でコク、と頷く『アルダノーヴァ・プロトタイプ』と呼ばれたアラガミ。つまりはアルフと呼ぶべき俺の嫁。俺は彼女の頭を撫でてみたが、特に違和感はなかった。

 アルフの手にある数冊の本。

 それだけは持っていくらしい。紙と書くものがあると言うとそれだけでいいとメモに書いてみせてくれた。

 

「行くか?」

 

 頷くアルフに、俺は神器を背負って外に出る。

 すると、そこにはアラガミがいた。

 たった一体のアラガミ。

 

「……シユウか」

 

 腕を組んで、翼の腕を俺に向け来いと言わんばかりに手を振る。

 そんな挑発に乗る俺では、無い!

 走り出す。そして跳んだ。

 

「ファイア!」

 

 放たれた炎のバレット。

 その弾丸を、シユウは横にステップして避け、その流から手に火炎弾を集めて何発も連射する。

 俺はすかさず神器を変形させながらのステップで火炎弾を避けながら接近した。

 バスターを後ろに振りかぶり、横なぎに振る。

 だがシユウとてバカではない。奴はバックステップと同時に空に飛び上がる。

 

「この野郎!」

 

 バスターを振りかぶる。

 そのバスターから黒い刃が伸びる。

 これがバスター使いの必殺技だ。

 

「必殺!」

 

 飛んでくるシユウに合わせて、見極める。

 そして振り下ろした。

 

「グラハムスペシャル!」

 

 その黒い刃はシユウの片翼を切断した。

 バランスを失い、地面をスライディングして倒れているシユウ。

 即座に変形させながら跳ぶ。頭を下にして銃を構え、撃つ。

 

「バーニング!」

 

 そして業火Sレーザーを吐き出す俺のアサルト。

 そのレーザーは倒れたシユウの顔面の一部を削ぎ落とした。否、結合を崩壊させた―――と言った方が正しいか……。

 身体を縦に回転させて両足で地面に着地する。

 シユウに背中を見せたが、今更何の問題も無い。

 

「余裕だな」

 

 神器をバスターに変形させると、空高く飛ぶ。

 移動性能には些か自信がある俺。

 俺が居た場所をシユウが殴っていた。

 地面がえぐれているのを見る限り、とてもじゃないが喰らえる攻撃じゃないのがわかる。

 

「喰い殺す!」

 

 真上から、シユウの背中に降りると神器でシユウの体を噛み千切った。

 地面に倒れるシユウ。

 俺はその背中から降りると、出てきた場所を見る。

 そこから恐る恐るといった感じに出てくる俺の嫁。

 

「ほら、俺から嫁へのディナー」

 

 その言葉に、アルフは頷いて近寄ってくる。

 シユウの千切れた腕の前に座るとアルフは口を開きパクパクと食べていく。

 少しずつかじるようなそれを見ていると、俺たち神器使いのほうがよっぽど暴食だなぁ、と思う。

 

「もっとバクバク食ってもいいぞ?」

 

 そう声をかけると、メモに文字を書いて俺に見せる。

 曰く『限界です』だそうだ。

 カワイイったらない。さすが俺の嫁と褒めたたえたいが食事を邪魔するわけにはいかない。

 なんたって俺は紳士だからだ。

 当分は嫁の食事光景でも見ていようとその場に座ることにした。

 

 

 

 嫁の食事が終わると、改めて俺の嫁は“アルダノーヴァ”とかいうアラガミなんだなと実感する。

 まぁ可愛ければなんでもいいわけだが、俺は紳士だからな。

 肩に神器を担いで歩き出すと、その後ろをしっかりついてくる俺の嫁。

 

「さて帰ったらどうするか、まずはアルフを部屋に連れ込むには」

 

 贖罪の街を歩きながら考えてみる。

 一つ良いことを思いついたのだが、それをやるにはまず俺に協力者が一人必要になった。

 いや、と少し考えてみたが、どうにも成功する気がしない。

 

「アルフ、一ついいか?」

 

 振り返ってアルフを見ると、首をかしげた。

 ちきしょう可愛いな。

 だが可愛い娘には旅をさせろと言う言葉がある。

 おやっさんから聞いたから間違いない。

 

 

 

 贖罪の町で、俺は大きな金属の箱を引き摺って歩いていた。

 理由は一つだけだ。

 

「なにやってんだ」

 

 声をかけてきた奴。俺に声をかける奴もコイツが声をかける奴も数少ないからわかる。

 振り向けばそこには居た。

 蒼いフードをかぶった白髪の根暗そうな青年。彼こそが俺の協力者になってくれるソーマだ。

 ファーストネームがソーマで、ファミリーネームが……知らん、男の苗字なんて覚えてどうする。

 

「俺だ」

「何を言ってる」

 

 ソーマは冷たい目で俺を見る。

 昔はもっと優しい子だったのにと愚痴をこぼしたくなった。

 だがここは我慢するのだ。なぜなら私は紳士だから———。

 

「ソーマ、この箱を運ぶの手伝ってくれ」

 

 その言葉に、怪訝な顔をする。

 実際俺だって男に頼みごとをするのは嫌だが、頼れる人間がいないのだ。今回ばかりは神器使いでも俺の信頼にたる数少ない人物の一人であるソーマ。

 現在状況では“仲の良い相手が居ない相手”が俺の信頼たる人物だ。

 だが、ソーマは今回便りになる。

 

「断る。俺も暇じゃないんだ」

「はぁん、そんなこと言うと後が面倒だぞ、ドンぐらい面倒かっていうと凄い面倒だぞ……」

 

 そんな言葉をかけると、ソーマは面倒そうに舌打ちをして箱の反対側を持った。

 乱暴に持ったソーマに危うく神器を振るところだったが、俺の少し苛立った雰囲気を察してか普通に持ってくれる。

 助かった。正直コレを乱暴に扱おうものならば、ソーマとてただではおかないところだ。

 

「チッ……」

「そんな不貞腐れるな、今度ミッションがあったら俺が手伝うから」

 

 そう言うとおとなしくついてくる。

 しっかり利益も用意してやればおとなしくなるぶんアラガミより幾分かましだ。

 アラガミでも美女ならどんなに暴れても俺が(以下略)。

 

 

 

 なんとかソーマに手伝ってもらいアナグラに帰った。

 リッカちゃんに神器を渡すと少し怒られてしまって———俺を心配してか? と言うと秒速で『神器』と答えられたのは、ちと応えた。

 いつの間にかいなくなったソーマを気にせず軽く話をして、箱を持って俺の部屋へと帰ったのだが、箱を開いたら嫁が入っていた。こいつは驚く―――わけもなかった。

 

「まぁご察しの通り俺の作戦さ」

 

 そう言うと、箱の中で丸まっていたアルフが上体を起こす。

 不思議そうな表情をしてあたりを見まわした。

 知識は豊富だが経験が足りないらしい。

 童貞(ソーマ)と同じだな! とは決して言えなかった。

 

「ここが俺の部屋だ」

 

 アルフがキョロキョロと見まわすと、メモに文字を書いて見せる。

 

<いろいろ見ていい?>

 

 その文字に無言でうなずく。

 嬉しそうな顔をして立ち上がると、トコトコと机の上や飾ってある置物などを見る。

 あぁ、と思い出すと『一つ!』と言って立ち上がった。アルフは不思議そうな顔をして俺を見る。

 

「食うなよ?」

 

 その言葉に、アルフはニコニコして頷く。

 わかれば良いのだ。

 アルフがニコニコしている間に俺は怖い顔をしておく。

 考え事をしている時のイケメンは怖い顔をしているというのが常識だ。

 

 そして黙々と考えるのはアルフを作った存在。

 正確には“アルダノーヴァ・プロトタイプ”を作った存在だ。

 まったくと言っていいほどピースは無い。

 そんな考え事をしていると、肩を叩かれた。

 

「ん?」

 

 顔だけでふりむけば無論アルフ。

 振り向いた視界に巨乳が見える。

 

 俺の部屋 巨乳が巨乳が巨乳だぜ 巨乳と一緒に秋景色

                           グラハム心の俳句

 

 おっと、つい俳句を呼んでしまった。

 流石俺だな俳句のセンスも一流だ。

 

「で、どうした?」

<部屋の外は?>

「出るともれなく恐ろしい神器使いに体をじわじわと喰われていき、最後は頭だけになって放置されるのだよ!」

 

 稲○淳二風に言うと、アルフは涙目で俺に抱きついてきた。

 顔を前に向けると背中に当たっている胸の感触がダイレクトに俺を襲う。

 たまらんと言いたいところだが、俺の理性がもたん。いや持たなくても普段なら構わんのだが、相手は嫁でもアラガミだ。喰ってる最中に喰われたら洒落にならん。

 

「ハッハッハ! 怖いのはわかるが落着け、出なきゃ大変なことにはならないから……な?」

 

 そう言ってアルフの頭をポンポンと叩くと、涙目のまま頷く。

 まじ洒落にならんな、どうにかせんとと頷く。

 あとなんとか人型になれないものか、そう言えば食い物を喰えばアラガミは進化するんだったな。そんなことを思い出して、少しだけ良いことを思いつく。

 

「まぁ、ゆっくりやれば良いか」

 

 アルフが頭をかしげた。

 可愛らしいそんな仕草に笑う。

 

「なに、これからのことを考えていたのさ」

 

 そう言うと笑みを見せてアルフは頷く。

 うむ、憤死しそうだ。しないけど……。

 少しいろいろ考えないといけないと考える。デートもしたいしな。俺もこれで既婚者か、悪いなリンドウ。

 

 俺は微笑して背中のおっぱいの感触を楽しんでいた。

 

 

 

 




あとがき
はい!みさなん、拙者ことキングですよ?
まだストックはある。焦る時間じゃない。

さぁ!みなさん、次回もお楽しみにしていただければ僥倖でござる。
では、拙者、戦があるのでこれにて!
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