GOD EATER~アラガミが嫁で悪いか?~   作:王・オブ・王

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第三話「あなたは誰派?」

 俺は松田グラハム。

 言うまでも無くアルダノーヴァ派だ。中にはサリエル派などもいるが俺はアルダノーヴァ派である。ぶっちゃけると女性型アラガミなんて数は少ないし俺の嫁のアルダノーヴァもアルフ一人だ。だから何派もないのだが、俺はアルダノーヴァ派である。

 

 あぁ、ちなみに俺とアルフが同居してからかれこれ数か月と言ったところ、俺もリンドウもまた一つ年取ってしまった。

 女性はさらに美しくなったのだが、男はただ老いるだけだ。

 

「俺もそろそろ階級戻してえなぁ」

 

 数か月前降格されてからそのままだ。

 グラハムは地面に刺した神器によりかかりながらぼやく。

 

「おいしいか?」

 

 目の前でボルグ・カムランを食しているアルフを見る。

 相変わらずの青白い肌と青い髪、そして際どい服だ。

 数か月前と変わらぬ姿だが、嬉しそうに喰っている。もぐもぐと足を喰っている姿を見ると微笑ましい気持ちになってきた。

 

「そろそろ帰るか?」

 

 その言葉に頷くアルフ。

 相変わらずの小食で、あまり大きな量は食えない。なのでボルグ・カムランのパーツを俺も持っていく。

 ペイラー・榊に作ってもらったケースで、中から喰われることもなく安心だ。

 

「さて、疲れるだろうけど頼む」

 

 俺のその言葉に、アルフは黙ってうなずく。

 そして、眼をつむって強く両手を合わせる。

 さて、ここで松田グラハムの『なぜなにアラガミ』の時間だ。

 講義中に居眠りなんて失礼なマネはするなよ?

 

 ———アラガミは怒りで細胞が活性化することはご存じだろう?

 それと同様に、アルフはなんらかの“強い感情”で細胞を活性化させることができるようになった。

 まず起こる変化は身体の外側。肌は徐々に人間らしい色になり、髪もまとまった髪からサラサラとした一本一本が細い青髪に変わる。

 言い換えると、見かけが徐々に人間に近い者となっているということだろう。

 

「まぁ、どっちだろうが俺の嫁だということは変わらないのだがな」

 

 その言葉と共にアルフが嬉しそうに俺に飛びついてきた。

 フッ、さすが俺、惚れ直させてしまったか———。とか思っていると、アルフはすっかり“人間”の美少女そのものだ。

 

「よし帰るか」

 

 嬉しそうな顔をして頷くアルフをつれ、俺は踵を返した。

 

 

 

 俺はアナグラへと帰ってきた。

 堂々とアルフを連れて帰ってくる俺にも、アナグラの面々は見慣れている。

 いつも俺と一緒にいるアルフに嫉妬してかサクヤが歩いてきた。

 

「おっと、さっきゅん気持ちはわかるが落着け」

「なにがわかるのよ」

 

 溜息を吐くサクヤ、まったくシャイな奴だ。

 

「新型の子がもうすぐ来るのは知ってるわよね?」

「もちろん、美少女だと良いな」

 

 その言葉に、眉をひそめるサクヤ。

 やれやれ、モテる男はつらい。だが美少女だったら良いな、という妄想は止まらないのだから仕方ないのだ。

 願うならばそろそろアナグラにも巫女さんがほしい。

 

「まったく、あなた降格してから少しは真面目になると思ったのに」

「うむ、自分は曲げない主義でな。そういえば今日はリンドウ居ないのか」

「え、ええ……特務じゃないかしら」

 

 その言葉に、俺は思わず苦笑した。

 声に出しては言わないが降格して得したことの方が多い。その第一が支部長ヨハネスの私兵でなくなったこと。

 奴の言うことをいちいち聞いて特務とやらをこなすのは正直かったるくてしょうがない。

 

「隊長殿は大変だな」

「あなたも元隊長でしょ、リンドウのことなるべく支えてあげて」

「それはさっきゅんの仕事だろうに」

 

 そう言って俺はアルフを引き寄せて歩く。

 フハハハッ、カレルとシュンがにらんでおるがこれが年上というものだ。

 精進しろよ小僧共。そう言って俺はエレベーターで部屋のある階層に降りる。

 

 

 

 部屋に戻ってくると、アルフは変化を解く。

 アラガミの姿に戻ると、ゆっくり腰を下ろす。こうした光景にも馴れてきた。

 

 状況に即座に適応するのは人間としての順応能力。

 だが、なんでも馴れれば良いということではないと思う。

 

「さて、うぉっ」

 

 アルフが突然抱きついてきた背中から抱きついてくると、胸の感触が直に来てにやけをおさえるので精一杯だ。なに押さえなくても問題は無いだろうが紳士でいたいものでな。

 俺、いや私としてはアルフとイチャイチャするのも楽しいのだが、今日から数日は自重だ。

 紳士が自重して存在意義に問題が出るのではないかと心配になる方もたくさんいるだろう。

 だが、俺は新人神器使いが美少女だった場合、そのことを考えると数日は自重した方が良い。

 

「悪いな、かまってやれないんだ」

 

 アルフが舌を伸ばして俺の頬を舐めてくる。

 構ってほしいのはわかるがこれは良くない、性的な意味で———。否、逆に良いと言おう。

 だが今の俺には良くない。

 言わばオ○禁一ヶ月状態の俺の目の前に亀甲縛りの美少女を提供するようなものだ。

 まったく困ったアラガミだ。

 

 ———なんてこと考えていたらアルフが抱きついたままメモ帳になにかを書いて見せてくる。

 

<嫌いになった?>

 

 アルフは少し不安そうな表情をしている。

 首を横に振って、アルフの頭をなでてやると仔猫のように目をつむって気持ちよさそうにした。

 そんな表情を見てると、みなぎってくる。

 

「なにそんなことは決してないさ、神に……いや、神に誓ってもしょうがないか」

 

 そう言うとアルフのが首を傾ける。

 

「お前に誓ってな」

 

 嬉しそうに頷くアルフ。

 まったく困ったお姫様だ。

 さて、新人神器使いが来るから自重なんて———。

 

 もぉどうでも良いんじゃないか?

 そうだな、どうでも良いな。

 

「決めた。俺が神だ」

 

 首を傾けて頭の上に疑問符を浮かべるアルフ。

 俺は立ち上がるとアルフをベッドの上に投げ飛ばす。

 そこで考え直す。

 

「くそっ、新人神器使いがストライクゾーンだったらと考えると……くそっ!」

 

 俺が膝をついて床を殴る。アルフがハッとした顔をして俺の手を握る。

 何事かと思ったが突然アルフは俺の赤く腫れた手を、ぺろぺろを舐めだした。

 

「うっ……おぉぉぉぉぉっ!!」

 

 雄叫びを上げて立ち上がった俺、我慢の限界だ。

 踵を返して走る俺。

 

「しっかり鍵しめとけよっ!!」

 

 そう言うと扉をしめて出た。

 切羽つまった俺はどこにいくかわからないが、走り去る。

 

「マイネームイズ……ペェェェェェェン!!」

 

 俺でも意味不明の言葉を叫びながら走った。

 禁欲の限界を超えた結果だ。恐ろしいだろう? ならば禁欲なんてするものじゃない。

 禁欲しても良い奴は、それなりの覚悟を持つんだな。

 

 俺が言えるのはそれだけだ。

 

 




あとがき
拙者もうあとがきで用意できるネタが無くなったでござる。

では、次回も楽しんでいただけたら僥倖。
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