GOD EATER~アラガミが嫁で悪いか?~ 作:王・オブ・王
さて、俺松田グラハムは支部内を練り歩いていた。
見慣れない少年が視界に映る。
名前は知らない。見知らないからだ。
「そうだ、今日は新型神器の美少女がくるんだったか」
ちなみに美少女かはわからない。
俺が美少女だと信じてやまないだけだ。
不細工な神器使いなんて支部長が認めても俺が認めん。
だから美少女だ。
「よぉ、えっと……」
少年が振り返る。
最近配備されたらしいが、名前を思い出せない。
一緒にミッションも行ってないしな。
「コウタっすよ! 藤木コウタ!」
「あぁ、知っている」
「嘘っすよね!」
あぁ嘘だとも、まぁ嘘だと公言しても良いが、いろいろ問題だろうから黙っておくことにしよう。
知らない方が幸せなこともある。
あぁ、俺はなんて優しいのだろう。
「とりあえずコウタ、お前は新型神器使いみたか?」
「あぁ、見ましたよ」
「美少女だったか!?」
ものっそい勢いで迫ってやった。
男に迫るのなんてこんな時ぐらいだ。
悪いが近寄りたくも無いんでな男には———。
「うわっ! えっと……はい、結構良い方だったと思います」
よっしゃぁぁぁぁっぁぁぁっっ!! 勝った!これであと10年は戦える! ゴッドイーター万歳!
「いきなりテンションあがりましたね」
「これが上がらずにいられるか馬鹿者! 良く聞けクソバカアホ野郎! オレは美少女が好きだ! お前も好きだろう!?」
「なんでそこまで言われるんっすか!? ま、まぁ好きですけど」
「わかってるじゃないか小僧、そう! それで良いのだ!」
クソバカ野郎から小僧にランクアップしてやった。
17段階もランクアップしてやったんだありがたく思うんだな。
『あ~あ~松田グラハム、至急ラボにきてくれるかな?』
ペイラー・榊こと榊が俺を呼んでいる。
任せろ。
俺は小僧を置いて走りさる。
なぜならば男に用は無いからだ。おそらくペイラー榊の元には、彼女がいる!
転がりこむようにラボに入ると、ソファに座っていた。
綺麗な黒髪をなびかせて、そこに少女が座っていた。
巫女服を着ている。まさに巫女といった風貌。長いポニーテールは腰ほどまであるだろう。
「やあグラハム君、待っていたよ」
「約束通り呼んでくれて感謝する」
「これからも協力していこうじゃないか、私のお願いを君が受けて君の願いを私が受ける。ギブ&テイク、平和の元だね」
俺と先生は高笑いする。
そして俺は座っている少女に視線をやった。
少女と俺の視線が交差する。
「俺は松田グラハム曹長だ」
立ち上がる少女。
優雅に一礼した。
―――美しい。
「
「あぁ、よろしく!」
俺が手を差し出すとその手を握り返してくる。
散々女に触れてきた俺だが、驚愕した。
―――やっこい。
「好きだ、結婚しよう」
両手を両手で握り返して言う。
えっ? と顔を傾げるマトちゃん。
そんな姿すらもさまになるなと、俺は素直な感想を心に浮かべる。
「えっと、それはどういう?」
「なにやってるんだこのバカは」
背後から聞こえる声。
いつのまにやら立っているのはおっぱい、じゃなくて俺の嫁。
いやさすがに嫁はマズイので愛人にしよう。呼び方は―――昔と同じで良いか。
「ツバキちゃん」
「私はちゃんと言われる歳でもない」
「何言ってんだ! いつまで経っても俺の中ではちゃんだぜ! 忘れたとは言わせんぞ、かつてのこと」
「黙らんと減俸を」
「すまぬ」
おとなしくしよう、減俸は怖い。
お金をたくさんためていろいろしなきゃいけないしなぁ、玩具そろえたり。
えっ、この歳になってもおもちゃかって? お子様にはわからぬ世界もあるものさ。
「マト、この後は休憩で良い。明日は午前9時からリンドウと共に実践に出てもらう」
「あっ、はい!」
俺の手を振り払わずに返事をする。良い子だ。
ツバキちゃんが俺を睨むので、なくなく手を離した。
女の嫉妬って怖いからな。
「しょうがない、いずれ再戦を申し込む。グッバイ、マイフェイバリット巫女しゃんっ!」
宣言してから走る。
あれは完全に俺にぞっこんに違い無い。
さすが俺。
俺はヒバリちゃんの元へと走る。
そして目の前にいる赤いのを蹴り飛ばすと、ヒバリちゃんの手を握った。
赤いのが何か叫んでいたが気のせいだ。
「俺にミッション無い!?」
「えっと、グラハムさん宛のミッションはありませんね。ヴァジュラ討伐ぐらいなら」
「それで良い! 俺の性欲を戦闘で発散なければ!」
そう叫ぶ俺に、ヒバリちゃんは苦笑して手順を進めていく。
カタカタ、ッターンッ。とか音を立ててヒバリちゃんがモニターを叩く。
「では、お気をつけて……と言ってもグラハムさんに心配は無用ですかね?」
「美少女から信頼の言葉とはうれしいぞ、ではな!」
俺は走ってエレベーターに乗る。
神器を取りに行って、ヴァジュラを倒す。
携帯端末で確認してみると、贖罪の街でヴァジュラ二体が相手だ。
明日の新人のために、いたしかたないのだろう。
「さて、マトちゃんのためだしな……」
エレベーターを降りると、神器のメンテナンス室に入った。
さぁ、ショウタイムだ。
贖罪の街に出た俺は、新型神器を担いで歩いていた。
我がバスター『クサナギ』の刃が陽の光を反射する。
俺個人としては、ヴァジュラ一体じゃ物足りない。
「だが、まあ良い」
街の中央に立っていた俺の見ている方向。
ビルの穴から現れたヴァジュラ。奴はその穴から俺に飛びかかる。
飛びかかってくるヴァジュラを見据えたまま俺は剣にありったけの力を込めた。
クサナギは黒い力を纏い、刀身は黒く凶悪に変わる。
「Break!」
クサナギを斜めに振ると、ヴァジュラが即座に体勢を変えて掠る程度にとどまる。
だが威力すべてを消すことはできずに地面に転がるヴァジュラ。すぐに体勢を整えると、ヴァジュラは電撃を込めた球体を飛ばす。
だがそんな攻撃が俺にあたるはずがなく、俺は横に転がり攻撃を避ける。
「これでも喰らえ!」
転がるついでに神器を変形。
銃に切り替えて、銃口をヴァジュラに向ける。
「ファイア!」
放たれる弾丸。
勢いよく放たれた弾丸は回転しながら、ヴァジュラの前足を撃ちぬいた。体勢を崩すヴァジュラを確認して、もう一撃撃つ。先ほどの弾丸と違い今回は真っ先に相手に向かうわけでは無い。
四つの弾丸がヴァジュラの上空で止まる。
ヴァジュラは体勢をもとに戻して体中に電撃を纏う。怒りによる細胞の活性。
神器を剣に変えると、走り出す。
ヴァジュラが電撃を放とうとした瞬間、上空の四つの弾から一つずつレーザーが放たれた。
そのレーザーはヴァジュラの体を貫く。
ステップからの———。
「マトちゃんのためだ!」
———縦一閃。
ヴァジュラの顔面が破砕される。
放たれた雷の弾を首を傾けて回避。
一回転して、横一閃。十字に傷つけられたヴァジュラが一度吠えた。
もう一度横なぎに斬って、同時に飛び上がる。
そして飛び上がると同時に神器を変形させ、銃口を今度はヴァジュラの顔面に向けた。
「ファイア!」
激しい音と共にはなたれた弾丸が、ヴァジュラの顔面に当たると同時に爆発した。
空中で一回転して着地する。
ヴァジュラは完全に活動を停止した。もう一度神器を変形させると、俺はヴァジュラを数度蹴る。
「動かないな」
念のための確認をすまして、ヴァジュラを神器に喰わせた。
神器がアラガミを喰らう度に血があふれるが、もう見慣れたものだ。
見慣れるのもどうかと思うのだがしかたない。
「さて、帰―――」
振り向いた時、そこに一人。
「終わったぜ、食べて良いぞ」
そこにいたアルフがうなずいて、切断されたヴァジュラの手を持って一口食べる。
嬉しそうな顔でもぐもぐと食べるアルフに和まされる。
アルフが振り返ると、もう一本の足を俺に差し出す。
「ん、俺は気にするな、今食べたばかりだ」
その言葉に頷くとヴァジュラの足を食べていく。
相変わらず可愛い、パクパクと食べると俺の服の袖をちょこっとつまむ。
頷くとアルフが俺の首に片手を回す
「おぉ?」
とうとう強引に俺に迫ってきたかと、ニヤケが止まらなくなる。
だが、それとは違いアルフは顔を近づけて俺の頬を小さな舌でなめだした。
さすがの俺も驚く。
「なにを?」
アルフが頬を舐めながらメモ帳にペンを走らせた。
そしてそれを俺に見せる。
<怪我してる>
先ほどのヴァジュラの攻撃だろうか?
なるべく顔に怪我はしたくないんだが、それもまた悪くないものだ。
「お前がこうしてくれるなら怪我して帰っても良いかもな」
そう言うと、アルフが顔を離す。
わずかに怒っているのがわかる。
一年近くも一緒にいれば馴れるものだ。
<いつでも舐める>
メモ帳を見せてきた。
これはこれは、ずいぶん大胆な言葉だ。
<だから、怪我はダメ>
そんな可愛い顔でお願いされたら引き受けないわけにはいかない。
なるべく怪我をしないことを心の中で誓いつつ。
「だがお前や仲間(女性限定)の危機には怪我ぐらいさせていただく」
そう言うと、アルフは俺に抱きつく。
心の中で誓いつつ好感度を上げる。
これこそ俺の真・グラハムスペシャル。
あまり褒めるな、照れるぜ。
あとがき
タイトルのA,イケメンと美少女しかいない神器使いはおかしい。
しかし、ゲームだもの みつお
ゴッドイーター2ももうすぐでござろう。
拙者2が出た暁には更新が遅れるで候。
では、そうなる前に終わらせよう。
また次回もお楽しみにしていただけたら僥倖。
感想をもらえたらもっと僥倖だなって……思ってしまうのでした。