人 間 発 電 機(直球)   作:どうしようもない人

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...またなんだ、すまない
一部の読者は作者名を見て天を仰いだかため息をついたか...どうだかは分からないが...

許してくれたまえ...いや、ほんとに...申し訳ない

あっ初見さんはありがとうございます、グッダグダな人間の作品ですがごゆっくりどうぞ



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あるホロウにて

 

一人のくっそラフな格好の高校生くらいの人間がホロウ内を練り歩いていた

 

「も〜...ライアルさんもワリアルさんもほっつき歩いてこいっつてもここは何もないしもう歩き尽くしたんだけどな〜...」

 

「そもそもなんで今日は一人で歩かなきゃいけないんだろ」

 

どうやら普段は同行者がいるらしいのだが今日に限っていないらしい

 

「何もないなぁ...読んだことない本が落ちてたりもしないし...ここ歩くの5回目だし」

 

青年にとって見慣れた景色

道路だったものが地面に

そこには鉄筋らしきものや銃弾のようなもの

果には布切れとなった服が落ちていた

使えそうなもの、ディニーになりそうなものはなかった

 

「はぁ...もう帰っていいかなぁ」

 

退屈が最大に達し拠点に戻ろうとした彼だが視線の先に動くものを見かけた

 

「ん?なんだ、化物か?」

 

普段からお世話になっている人たちが倒しているという化物

いつもだったら同行してくれる人が倒しているためあまり戦ったことはないが、今日彼は一人

 

「行ってみるかぁ...体動かしたいし、暇だし」

 

軽快な足取りで彼は動いてる存在へと足を進めた

 

────sideヴィクトリア家政────

 

「あ〜もう...数多すぎ...メンド」

 

「エレン、まだ敵は居ますよ、もう少し頑張ってください」

 

時と場所を同じくして

古めかしいメイドや執事のような格好をした存在がエーテリアス相手に戦闘を仕掛けていた

苦戦はしていないようだが些か数が多いのか苦労しているようだった

 

「ど、退いてください...!」

 

「カリン、落ち着いてください。攻撃が大振りすぎですよ」

 

しばらく数を減らしていると大物もやって来た

 

「デュラハンにタナトスまで?...やはりここでは過剰なエーテルの採掘が...」

 

狼のシリオン、ライカンがその異常さに一つの答えにたどり着くがその前にエーテリアスは動き出した

 

「っ!警戒を、来ます!」

 

が、エーテリアスは彼らに攻撃を当てる前に別方向からの光に貫かれた

 

「ふえ!?」

 

「!これは...」

 

「今度は何...」

 

「あら...」

 

驚きに包まれる4人の耳に青年らしき人物の声が聞こえた

 

「いっよっしゃあ!二枚抜き!!流石のエイム力!」

 

その青年は左手に指鉄砲のような構えをしており周辺には緑色の光が漂っていた

 

「火力は劣っていないようで良かった、あの程度の化物も一撃だったぜ!」

 

「申し訳ありませんが、少しよろしいでしょうか」

 

「?ん??あ、もしかしてシリオンって言う人ですか?」

 

ライカンが青年に話しかけると彼は一瞬考えるような顔でライカンを見つめ、まるで初めてみたという顔でライカンの言葉に応える

 

「...シリオンをご存知ではないのですか?」

 

「あっいえ!見たことがないだけで、知ってはいますよ」

 

ライカンの訝しむ目に彼はすこし慌てたように答える

 

「そうでしたか...ところで、お聞きしたいことがあるのですが...」

 

「あっ話逸らしちゃいましたか、すみません」

 

「いえいえ、お気になさらず...その、貴方はなぜこのような所に?」

 

ライカンが話を戻して彼に問いかけると不思議そうな顔で答える

 

「なぜって...ここが拠点ですから...」

 

「...ここが何処かは分かっていますよね?」

 

「えぇ...ここはホロウの中っていうことは知ってますけど...」

 

彼は辺りを見渡しながら答える、その顔は呑気だった

 

「......すみません、今更ながら貴方のお名前を聞かせてもらってものよろしいでしょうか」

 

「あぁ!そういうことなら!」

 

少々疑問に思ったライカンが彼の名前を聞く

その質問に彼は元気に答えた

 

「俺はアルアルレイダーズの人間発電機担当!ライン・ジェナイです!」

 

「...すみません、私の聞き間違いかもしれないのでもう一度担当を言ってもらえないでしょうか」

 

ライカンに問わずその場にいた全員が彼が言った言葉に耳を疑った

しかし、現実は変わらずとんでもない言葉が口から出てきた

 

「はい!俺は人間発電機担当です!」

 

その顔は笑顔で誇らしげだった

 

────────

──────

────

 

「...ボス、どうすんの?アレ、相当厄介だよ?」

 

少し離れた所で鮫のシリオン、エレンが少し面倒そうな顔でライカンに聞く

あのあとヴィクトリア家政は彼から事情を聞いていた

分かったこととしては

 

・彼はエーテル吸収・変換体質で基本エーテルに侵食されることはない

・吸収したエーテルは別のエネルギーに変換されそれを彼はある程度自由に使える

・指先からエネルギーを放出できるそうで先程の光はそれによるものだそう

・緑の光は変換されたエネルギーであの粒子一粒でボンプが一週間は動き続けられる程高エネルギー

・現在からはアルアルレイダーズというホロウレイダーに所属してるらしく(拾われたとのこと)もう何年もそこで活動しているとのこと

・エネルギーの容量には限界があり、それを超えるとエーテルの影響が出始める(未だに限界までエネルギーをためたことはないとのこと)

・エネルギーは無くても死にはしないが、体がだるくなったり目眩がするようになったりする

 

など、だった

 

「...そして、恐らく彼は利用されているでしょう」

 

「そ、そうですよね...ジェナイ様は気付いていないようでしたが」

 

「えぇ...それに彼を保護することは今回の依頼の解決にもつながりますわ」

 

ヴィクトリア家政の今回の依頼は最近とあるホロウレイダーが異様に活動が活発ということでそのホロウレイダーの調査と壊滅を依頼されていた

が、先程の彼のお陰でその原因を特定することができた

 

「普段は彼にエーテルの採掘を頼んでいるのでしょう、彼でしたら時間も関係なくエーテルを掘ることが可能ですから」

 

「先程のエーテリアスの多さにも合点が行きますね、際限なく掘り続けていたらホロウの活性化は免れないでしょうから」

 

「...では私が彼に交渉をしてきます、彼の純粋さを利用するようであまり気が進みませんが...」

 

「大丈夫でしょ、きっとそれにも気づかないと思うし」

 

「...では、行ってきます」

 

話をまとめたライカンは彼に再び接近した

 

彼は先程の場所から動かず、近くの鉄筋に腰掛けていた

 

「あっライカンさん...ですよね?」

 

「合っています、ジェナイ様。それで我々の要件ですが...」

 

「あっそうそうそれです!それを聞いてもいいですか?」

 

「今回、我々ヴィクトリア家政がここに訪れたのはジェナイ様の保護が目的です」

 

「...俺の保護ですか?」

 

「えぇ...アルアルレイダーズの皆様からジェナイ様の保護をご依頼されましたので」

 

「えぇっと...なんでかはお聞きすることってできますか?」

 

「構いませんよ、理由としましては所謂キャリアアップとしてアルアルレイダーズの皆様方がジェナイ様の将来に期待して我々に依頼されました」

 

「...」

 

ライカンは今の一瞬で組み立てた理由に内心無理があると思っていたが...

 

「そういうことでしたら!俺は納得です!分かりました!えっと、別れの挨拶とかは...」

 

「それは後ほど我々の方でお伝えしておきますので...ここはホロウですから、速い内にここを出ましょう」

 

彼は信じた、流石のライカンもこれには内心苦笑いだった

 

「あっ、ライカンさん達はエーテルの影響を受けるんでしたよね...了解です!ついて行けば良いですか?」

 

「えぇ...くれぐれも、お足元にご注意を」

 

「う〜ん確かにホロウの出口付近まで入ったことがないからなぁ...案内よろしくお願いします」

 

そこからホロウの脱出が始まった

 

「...なるほど、つまりライカンさん達はお偉さん達専属の何でも屋ということですね!」

 

「そのような認識で構いません...ところで、その所属していた場所では普段はどのようなことを?」

 

「え〜っと、睡眠は基本3時間で、ご飯は一日2食で、起きたら俺の面倒を見てくれる人と特訓をして、ホロウをほっつき歩いてエネルギー貯めて、指先に注射してエネルギーを渡して...それでまた特訓して寝て...」

 

「待ってください、それを毎日ですか...?」

 

やっぱり彼は壮絶な毎日を送っていた、彼からの言葉を聞いたライカンの内心は絶句の一言だった

 

「はい、そうですよ?」

 

「つ、辛くはなかったのですか?」

 

ヴィクトリア家政の一人カリンが彼に問う

 

「え?キツくはありませんでしたよ?そりゃあ特訓でいっつもボコボコにされたのは痛かったですけど...皆さん「強くなるためだ」って笑顔で言ってくれたので頑張れました」

 

その笑顔がどんな笑顔だったかは言うまでもないが...ヴィクトリア家政の面々は改めて彼の騙されやすさを再認識した

 

「そうですか...!ジェナイ様、お下がりください」

 

眼の前に十数体のエーテリアスが現れた

 

「いえ、任せてください、ライカンさん!うってつけのがあります!」

 

そう言ってジェナイは左手で指鉄砲を構えるがさっきとの違いは指の数だった

人差し指だけで銃口を作っていたのが今回は中指を加えた2本で構えていた

 

「吹っ飛べ!マグナム、SHOTォ!」

 

彼の指先に一瞬テニス球サイズの赤い光玉が現れたかと思うと赤い光はすぐさま圧倒的な光の奔流と化し、エーテリアスと周囲の地面をを一掃した

掠めただけのエーテリアスもいたが跡形もなく消えていた

 

「ふぅ...疲れるし腕が痛い...やっぱりこういう時にしか撃つもんじゃないな」

 

「...お怪我はありませんか、ジェナイ様」

 

「ダイジョブです!このくらいならすぐですから」

 

「エネルギーのほどは」

 

「あぁ...まだまだ全然ありますから!気にしないで下さい!」

 

「左様でございますか...それにしてもあの量のエーテリアスを一撃で...」

 

「エーテリアス?...あぁ!あの化物のことですか!」

 

「まさかエーテリアスっていう名前も知らなかったの?」

 

「いや、皆さん化物化物っていうので...そういえば聞いたことはありましたが...エーテリアスって言うんだ...アレ」

 

...もしかしたら保護した後少しどころではない量の常識を教えなければ生きていけないのではないのか...と思うライカンであった

 

「...そろそろ出口です、もうエーテリアスも少ないですからご安心を...大丈夫ですか?」

 

「あぁ大丈夫です...ちょっとエーテルが薄くなってるのか、吸収効率の変化にちょっと体が慣れてないだけですから...」

 

出口に近づいた一行だがすこし顔を顰めるジェナイにライカンが気に掛ける

それに対してジェナイはすぐ顔を戻し笑顔で問題ないと答えた

 

「少しゆっくり参りましょうか、外はエーテルがありませんから、体を慣らしておいたほうがいいでしょうし」

 

常に浮いているメイドのリナがそう言いながらジェナイの肩に手を置く

 

「...分かりました」

 

その提案に彼は少しばかり安心したように肩の力を抜いた

 

「やはりかなりお疲れのようですね」

 

「いえ、ちょっと皆さん、脚が速くて...」

 

そう言うと彼はため息を一つ吐いた

 

「体力無いの?」

 

「いや〜...耐久力なら自信ありなんですけどねぇ...ふぅ...もう大丈夫です」

 

「体の方は慣れましたか?」

 

「酸素が薄いようなもんだったので...今は平気です」

 

「では、行きましょう」

 

その後は出てくるエーテリアスの対処をヴィクトリア家政の方たちに任せ出口に辿り着き外に出た

 

────────

──────

────

 

「ここが...外ですか」

 

ジェナイはビルの並ぶ都市を不思議そうに見つめる

 

「えぇ...新エリー都です、来たことは?」

 

「ないですね...エーテリアス並みに外を見てないので」

 

「ではこれを」

 

ライカンはジェナイに1枚の紙を渡す

 

「...連絡先ですか?」

 

「私の仕事用のになってしまいますが、なにかお困り事がありましたらお手伝いいたしましょう」

 

「ありがとうございます!...というか俺のキャリアアップは?」

 

「...一旦はこの新エリー都を見て回ってからのほうがよろしいかと思いましたので」

 

「...なるほど!分かりました、では今日はありがとうございました」

 

「いえ、これも依頼ですから」

 

「では!またいつか会った時はお礼させてくださいね!」

 

そう言ってジェナイは走り出して新エリー都の人混みに消えていった

 

「ねぇボス、一つ疑問なんだけどさ」

 

「どうしましたか、エレン」

 

「あいつディニー持ってんの?」

 

「...」

 

果たしてあの世間知らずは生きて行けているのだろうか...不安に思いながら帰路につくヴィクトリア家政であった




因みにアルアルレイダーズはこの後滅びました、残当
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