ケロロ軍曹 転生して早々記憶喪失!? であります!   作:リボーン2期待ってます

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ケロロ映画観て勢いで書いた。個人的にはそこまで低評価じゃないけど、パロディがくどくは感じた。

少なくとも本筋に関係ない他作品キャラが長々とテンポ悪くグダグダやってんのは違うよね。


気不味い学校生活の始まり

 

「夜早くんの事が好き……!私の恋人になって下さい!!」

 

「……へ?」

 

 顔を真っ赤にして告白された。

 

 クラスメイトの日向夏美に一世一代と言っても良いような告白をされて、僕はただ惚ける事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (わたくし)、夜早四季は記憶喪失である。

 

 どっかの上条さんみたいな事を言ったが実際僕には10日以上前の記憶が全くない。

 

 魂に刻まれた前世の記憶を除いて。

 

 まぁここまで語れば分かると思うが、僕は所謂転生者という奴だ。死んだ記憶はあるし、神様を自称する男に会った記憶もある。

 

 そんな僕が転生した世界は『ケロロ軍曹』……なんで?いや、あのジャージ男に有無を言わせずに無理矢理送り込まれたのはよく覚えている。

 

 『ケロロ軍曹』についてはアニメしか知らない。それもそこまで熱心に観てた訳じゃなく、前世で小学生の頃、放送時間が近かった『家庭教師ヒットマンREBORN!』のついでに観ていた程度だ。リボーン2期、僕は信じてるぞ。

 

 とにかくまぁ、転生したと思ったら何故か怪我をして病院のベッドの上で目が覚めた。どうもそれで記憶喪失になり、脳ではなく魂に刻まれた前世の記憶だけが残ったらしい。

 最初は誰か別人に憑依したのかと思ったが、鏡で見た顔は前世から変わらない僕自身の顔だったし、色々と情報を集めてみれば恐らくは転生して僕自身が普通に人生を送っていたと思われる物証も幾つか出てきたので、その懸念は杞憂だった。

 

 だが変に目立つのも嫌だったので記憶喪失については学校の教師陣以外には公にせず、何とか周りには誤魔化してやってきた。正直最初の数日は一ノ瀬家の大罪の冒頭みたいになるんじゃないかってビクビクしてた。

 

 そんな折、昨日日向夏美に告白された。『ケロロ軍曹』の世界である事は知ってたし、最初に登校して同じクラスにいる事も知ってたけど、碌に話さなかったし、原作ヒロインに告白されるとか誰が思うよ。

 

『へ、返事はまた今度で良いからっ!!』

 

 告白して顔を真っ赤にしながらすぐにそう言ってその場を走り去って行ったので、日向とはそれっきり詳しく話せてはいない。

 

 そもそも日向夏美はサブロー先輩なる人物が好きだったはずだ。理由は知らないけど。記憶を失う前の僕が知らずにフラグを掻っ攫ったのか?

 

 だからあれだけ緊張して恥ずかしさで顔を真っ赤にされて告白をされてもどういった経緯でそこまで惚れ込まれたのかが分からない。覚えていない。記憶を失くす前の僕がそれを理解していたのかも分からないが。

 

 

 日向が好きなのは記憶を失う前の僕であって、今の僕じゃない。

 

 

 僕自身、別に日向夏美に対してそういう気持ちは持っていない。

 

 

 というか、記憶がリセットされたからか僕は前世に未練タラタラだ。リボーン2期をずっと待っていたのに、それが実現する事なくこの世を去った悔しさが分かるか。じゃなくて、こっちの感覚としてはついこないだまで二次元の存在だった相手に恋愛感情なんて抱けないって話。実際には既に転生して14年が経過している訳だけども。……継承式編、やったのかなぁ?

 

 昼休み、クラスメイトの佐藤、鈴木、山本……と見事にポピュラーネームばかりの面子と一緒に屋上で弁当を食べていた訳だが、先日の日向夏美からの告白を佐藤が目撃していたようで、強制的にその話題となった。

 

「日向かー。確かに顔も良いし、胸もでけーし、アリだよな」

 

「何その上から目線」

 

 中学生でそんな上からの下衆な評価で女性を見る奴はモテないと思う。

 

「おー余裕だね夜早っち。モテる男は違いますなー。まさか連続で告られるとはね」

 

 佐藤が茶化しながら言ってくるがこちとら真面目に考えなきゃいけない。と言うのも佐藤が言った通り僕は連続で告白されたからだ。一人は知って通り日向夏美。

 もう一人は隣のクラスの芋碁理恵という区切り方を間違えたらゴツくなりそうな名前の子だ。なんかお嬢様風で美人だった。苗字で損してるよ。因みに芋碁さんが先に告白して来た方ね。

 

「でも日向はやめとけー?いっつも掃除中にちょっと男子〜!とかうるせーじゃん」

 

「それはお前が悪くね?雑巾掛けを足でやる奴が100%悪い」

 

「うるさい!とにかく俺は日向が振られて意気消沈するのが見たいんだ!日頃の行いが招いた結果が失恋だって指差して笑ってやるんだ!」

 

「最低だよお前。日向もお前にだけは日頃の行いであれこれ言われたくないだろうよ」

 

 鈴木は日向に恨みでもあるのだろうか。

 最低な鈴木に山本が冷ややかなツッコミを入れている中、真面目に話を切り出してくれるのは佐藤だ。

 

「まぁ馬鹿言ってる奴はほっといて、どうすんの夜早っち?日向と芋碁、どっちと付き合うの?」

 

「いや何故にどっちかと付き合うの確定……?」

 

 複数人に告られたら必ずどっちかを選ばなきゃいけない風潮はおかしいと思います。告られた側に全く別の好きな人がいる場合とか考えないの?僕はいないけど。

 

「むしろどっちも…というか日向を振ったら夜早っちが白い目で見られる気がするけど」

 

「はい?」

 

 何それ。告られて振ったらこっちの立場が悪くなるとかほぼ半分脅しじゃない?僕のそんな考えが顔に出てたのか、佐藤は溜息を吐いて説明をしてくれる。

 

「だって日向が夜早っちの事好きなのはクラスのほぼ全員が知ってたし。気付いてなかったの夜早っちだけ。まぁ日向本人も公然の秘密って事は知らなかっただろうけど。女子全体が応援ムードになってたから」

 

「は?」

 

 日向夏美が僕の事が好きなのは公然の秘密……?最初は何を言っているのか分からず、鈴木と山本の方を見る。すると二人共呆れ全開で口を開く。

 

「あんだけチラチラ熱視線送ってたら誰でも分かるっつーの」

 

「てゆーかいっそ敢えて聞くわ。なんで今の今まで日向はサブロー先輩の事が好きだなんてバカみてーな勘違いしてたの?告られて呆けてた理由それだろ?」

 

「!?」

 

 僕の中にあった前提である『日向夏美はサブロー先輩が好き』という認識も周囲には筒抜けだったらしい。まさか大してない原作知識を記憶喪失前に言いふらしたりしていたのか?

 

「……そんな事僕言ってたっけ?」

 

「いや、言ってねーけど見りゃ分かる。あれ程日向を不憫に思った事はなかった」

 

 前世でもババ抜きとか表情ですぐバレて弱かったけど、そこまで……?自分の好意がバレバレなんじゃなく、別の誰かに対して、「ああ、この人が好きなんだな」みたいに考えていたのすら筒抜けってどういう事よ?

 

「……一応聞いとくけど、日向が僕を好きになった理由って?」

 

「流石にそこまでは知らないよ。割と早い段階から惚の字だったのはみんな察してたけど」

 

 流石に日向夏美が僕に好意を向ける理由は分からないか。

 けど日向もそんなにも分かりやすかったのか。そしてそれで何故記憶喪失前の僕は何一つ気付かなかったんだ。

 

 いや、そもそもアニメでサブロー先輩の事を好きだった理由もこっちは全然知らないんだ。それなのにアニメ知識だけで日向がサブロー先輩を好きだという構図を頭の中で作って疑いもしなかったんだ。その前提を決め付けていたら自分で何やったとしても日向に惚れられた事に気付ける訳がない。

 

「で、なんで夜早っちは日向がサブロー先輩を好きだなんて……うわっ、もうチャイム鳴った」

 

 これ以上は突っ込まれたくなかったタイミングでチャイムが鳴って教室に戻らなきゃいけなくなった。ある意味助かった……。

 

 昼休みが明けて教室に戻ると日向と目が合った。日向は一瞬で顔が真っ赤にして目を逸らしてそそくさと席に戻った。……うん。告られた今なら分かる。てか、退院して初めて学校行った日も似たような反応してた。なのに全然気付かなかった。これ記憶喪失前も気付いてねーわ僕。

 

****

 

 放課後になって誰もが部活に精を出す時間。クラスのみんなが各々の部活に向かう中、僕も教師陣から聞いた所属している部活に行く事にする。

 

「あ」

 

 教室を出ようとしたらバッタリ同じタイミングで日向と鉢合わせした。

 

「あ……夜早、君……えと、その……今日から部活復帰……する、の?」

 

 顔を真っ赤にしてしどろもどろになりながらどうにか会話しようとする日向。周囲にいるクラスメイトは男女問わずニヤニヤしながら僕達を見ている。周りの視線が痛い……!!

 

「ああ……うん。そのつもり……」

 

「そ、そっか。じゃ、じゃあ私家の事やんなきゃだから、帰るね!」

 

 向こうも居た堪れなくなったのか、会話を切り上げてそそくさと教室を逃げるように出て行った。廊下を走らない辺り、几帳面さが伺える。

 

「……今日から部活にも復帰だし、頑張らないとな〜」

 

 あまりに周囲の視線が痛いのであからさまに態とらしく棒読みでそう言って僕も教室を去るしかなかった。

 

 クラスの方はまぁ一点を除いて何とかなりそうではあるけど、今度は部活かぁ。自分の立ち位置が分からないのは何とも困ったもんだ。一応レギュラーらしいけど、人間関係の方が問題だよなぁ。転生してからこれまでの人生の記憶が無いのは想像以上に不便だった。僕という存在が関わった事で周囲がどんな影響を受けていたのかという点を全く考慮できていなかった。

 

 それは特に『ケロロ軍曹』の原作キャラ……というか日向夏美にも言える。

 

 原作知識もかなり中途半端だから間違った認識なのかもしれないけど、そもそも日向夏美に好きな人に告白する度胸なんてあるの?いや、僕というイレギュラーに好意を寄せている時点で色々とズレてんのは分かってるんだけどさ。つまり僕が何かしら関わった事でそういったメンタル面でも何かしらの変化が起きているという事なのかもしれない。

 

「返事をしようにも避けられてちゃなぁ……」

 

 佐藤は女子全体がかなり前から日向の応援ムードになってたって言ってたし、このまま返事ができない状況が続いたらクラスの女子が総出で僕と日向をくっ付けようとする流れを作りそうだ……。

 

「や、四季君」

 

「ん?」

 

 そんな事を考えながら部活に向かっていると後ろからポンと肩にタッチされて振り向いて僕は絶句した。その顔を見て相手が誰なのか分かってしまったからだ。

 

「さ、サブロー先輩……?」

 

 サブロー先輩。僕の知るアニメでのケロロ軍曹にて日向夏美の想い人である。絵が上手い事とクルルから貰った実体化ペンなるアイテムで描いた絵を現実に出す事くらいしか知らない。強いて言う事があるなら声が石田彰だ。

 

 どうしよう、嫌な汗が止まらない。

 

 だってこれまで名前が出て来る事はあっても見かけた事はなかったから、別にそこまで親しくもないと思ってたのに、普通に名前呼びされとる……!

 あ、いや……佐藤達との会話を思い返せば普通に面識ありそうな内容だった。

 そんな僕の内心を知らずにサブロー先輩は爽やかスマイルで当たり前のように隣を歩いて部活に向かう僕に着いて来る。貴方帰宅部ですよね?部活やってるイメージないんでせうが。

 

「いや〜退院したって聞いたけど、色々忙しくてこれまでちゃんと話せなくてごめん。退院祝いに今度また一緒に海釣り行かない?結構良い穴場見つけたんだよね〜」

 

 何コレ。なんか肩組んで来るし、僕サブロー先輩とそんな親しかったの?

 

 記憶喪失を隠したのは失敗だったか……?昨日と今日だけで学校が凄え居心地悪い。でも今更記憶喪失ですなんて言えない……!

 

 ……てゆーか、ここまで来たらもしかして僕、日向の家にいるあの宇宙人達とも顔見知りなんだろうか?なんかやだなぁ。特にあの赤いのが面倒臭そうだ。




夜早四季
前世の記憶を持つ転生者……でもケロロ軍曹の原作知識はほぼ無し。アニメをたまに観ていた程度で原作漫画を読んだ事は無い。
この度、記憶喪失になりました。クソボケ。
頭から抜けてるけど実は転生特典があったり。
 
日向夏美
原作ヒロイン。色々あって主人公に惚れた。てか脳焼かれてる。周りからは公然の秘密だったが気付いてない。主人公にサブロー先輩を好きだと思われていた事もこないだまで知らなかった。記憶喪失の主人公的にはその最初の色々が知りたい。赤ダルマの入り込む余地はない。
 
サブロー
こいつも主人公に脳焼かれてる。詳細はそのうち。
 
佐藤、鈴木、山本
ただのモブ。

芋碁理恵
アニオリキャラ。運動面で夏美とよく張り合ってるライバルらしい。サクラといのみたいな張り合いをさせたくて取り上げた。が、ちゃんと出番あるかも怪しい。クソボケに脳焼かれてます。

次回、夏美サイド。
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