カードゲーム世界で考察配信したら、黒幕っぽくて楽しい   作:マクロコスモス

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幾つか過去の話とタイトルを修正しました。
・タイトルで黒幕と呼ばれていないタイトルにしました。
・黒幕云々に関して、ヴェルライトが自分からそう名乗り始めた形になりました。
以降、本人がそう名乗ってるから、及び今回の話で出てくる理由により、ヴェルライトの呼称は黒幕で安定する予定です。
(実際に黒幕であるかどうかは、また別の話という感じで進めていきます)
・ジャスティスとジャッジメントがごっちゃになっていたので、ジャスティスに統一しました。



10 世界は揺れ動く

 “黒幕”ヴェルライトの衝撃的な暴露から、一夜明け。

 世間は、突如として暴露されたマナ中抜き組織“テンバイヤ”の話題でもちきりだ。

 正式名称は不明だが、仮に判明してもその悪行から一生テンバイヤと呼ばれ続けることだろう。

 何にしても、世間の反応は二つに分かれた。

 テンバイヤを殺すか否か? そこは殺す一択なので分かれていない。

 ヴェルライトとテンバイヤ、どちらが危険なのかということだ。

 

 ヴェルライトは今回、テンバイヤという今まで誰も知らなかった組織を表舞台に引きずり出した。

 それ自体は、功績と言っていいだろう。

 しかしそのために、自身の信者を暴走させたことは事実。

 少なくとも彼は改心してライトユーザーに登録するまで、定義上はダークユーザーとして扱われることとなる。

 これまではあくまでライトユーザーではない第三者が、善意で行動しているという建前があった。

 しかし仮にも、他者に迷惑をかけたのだ。

 その被害規模は一部のおふざけ組織と同レベルとはいえ、ダークユーザーであることに違いはない。

 世間の彼に対する反応は、これからより二分されることだろう。

 何だったら、暴走被害にあった信者の中でも意見が分かれているくらいだ。

 まぁ、彼らはヴェルライトが神か悪魔かという点で論争しているので、暴走被害にあってもその信仰心は衰えるどころか、むしろパワーアップしているのだが。

 

 そして、中でもひときわ厄介なのが――

 

「とりあえず……反省しよっか、ハロちゃん」

「はい……ご迷惑をおかけしました……」

 

 ハイエロファントこと、波浪フェニ――ハロである。

 ここはアルカナ・クランの本拠地。

 ハロが住まわせてもらっている一室。

 基本的にハロの面倒を見ることが多いジャスティスの前で、ハロは正座をしていた。

 

「幸いだったのは、グッズ付けすぎて正体がバレなかったこと。顔全部出てるのにね、不思議だね」

「ヴェ、ヴェルライト様のお導きかと……」

「ん?」

「ひぃっ、な、なんでもありません」

 

 怒ったジャスティスはマジ怖い。

 笑顔で人を殺せそうだ。

 何にしても、ハロは例の暴露配信に映った上バトルまでしてしまった。

 普通なら大問題である。

 ハイエロファントであることがバレることはないにしろ、波浪フェニであるとバレてしまったら相当生活が大変になっていただろう。

 一応、ギリギリ社会的な抹殺は免れたものの、別の問題が発生していた。

 

「それで、ハロちゃんは自分がヴェルライト信者からなんて呼ばれてるか、知ってる?」

「え、ええと……」

 

 知っているけれど、口に出すのは憚られる。

 故にハロは視線を逸らした。

 ため息を吐いてから、ジャスティスは続けた。

 

()()

 

 すなわち、ハイエロファント。

 どうしてそうなった?

 理由は単純。

 

「アルカナ・クランのハイエロファントと同じデッキを使うし、ヴェルライト信者としては一番目立ってるから、教皇。ネットの人たちってセンスいいよね、あはは」

「ひいいいい……」

 

 あの配信にグッズまみれで登場したインパクトは、抜群だった。

 顔の良さも相まって、ヴェルライト信者筆頭のような扱いを受けている。

 

「結果として、アルカナ・クランに変な風評被害が発生したね」

「はい……申し訳ございません……」

「まぁ、そういうのの対応は私の管轄じゃないから、多くは言わないけど。後でちゃんとマジシャンには謝っておくんだよ」

「はい……」

 

 一応、同じデッキを使うことは、さして問題ではない。

 カードがユーザーに惹かれる関係上、同一デッキ使いは珍しいが、いないわけではないのだ。

 だからハロとあそこで暴走したヴェルライト信者の教皇が結びつくことはない。

 それはそれとして、教皇について何か知らないか各所から連絡が来ているし、ネットではハロの方までおもちゃになっている。

 

「……申し訳ありません、このような事は二度と……二度とないようにいたします」

「うんうん」

「…………で、ですから。ヴェルライト様への信仰も……心の底の……ひぐっ……底に、しまい……封印します」

「……もう」

 

 そうしてある程度話を終えて、ハロは顔を伏せ謝罪した。

 それ自体は誠意あるもので、ジャスティスだってこれ以上怒るつもりはない。

 けど、だからこそ同時にハロは本気なのだ。

 アレだけきゃいきゃいして、これまでほとんど使ってこなかったアルカナ・クランとしての給料を注ぎ込んでグッズを買い込んでいた。

 その信仰心を、完全に封印する。

 だから、泣きそうになっているのだ。

 

信仰心(それ)は捨てなくていいよ」

「え……」

「ヴェルライトの件は、これから絶対に大きな事態に発展する。あのクソおんどれゲボカステンバイヤも、そう」

「ひいいいいい」

 

 ――テンバイヤの名を口にする時、ジャスティスは今回一番恐ろしい笑みを浮かべていた。

 

「情報収集のために、“教皇”の立場は都合がいいの」

「あ……」

「頼んだよ、ハロちゃん。ヴェルライトが本当に正しい光なのか、見極めて」

「…………はいっ!」

 

 かくして、ハロはヴェルライトに関する調査を一手に任されることとなった。

 暴走の危険もあって、本当に大丈夫なのか? と思うかもしれないが――

 

「ただし、ヴェルライトに関わる時はかならずグッズで固めて、教皇として振る舞うこと」

「え、そ、それは……普通に恥ずかしいのですが……それにあのグッズは海賊版ですし……」

「公式ってことになったでしょ! まぁ気になるようなら自作しよ、私も手伝うから」

「そ、それはそれとして……恥ずかしいのですが……」

「ん?」

「な、なんでもありません……」

 

 ――正体がバレなければ問題ない。

 ジャスティスは案外クレバーであった。

 

 

 □

 

 

【黒幕?】ヴェルライトについて語るスレpartxxxx【ダークヒーロー?】

 

125:

だからさ、結局ヴェルライトって何なんだよ

 

126:

黒幕

 

127:

>>126

(自称)

 

128:

正しき正義

 

130:

クソデッキ使い

 

131:

死んでよ~

 

135:

>>131

テンバイヤは?

 

136:

死ね

 

138:

いやだから、ヴェルライトについてもう少しちゃんと教えてくれよ

俺ニュースみてなくて、まったくわからないんだけど

 

140:

テンプレ読め

 

141:

三行以上の文章は読めないんだよきっと

 

145:

しゃあねえな三行でまとめてやるよ

・突如として現れたダークユーザーの暴露屋、何か知らないけどめちゃくちゃダークユーザーの悪事に詳しい

・自分のことを黒幕とか名乗ってる。でもやってることはどっちかというとダークヒーローとかそういう感じ

・テンバイヤ撲滅を掲げてるからか、信者が滅茶苦茶増えてる

 

147:

黒幕って本人は言ってるけど、どっちかというと教祖とかの方が正しくないか?

じゃあどう言えばいいのかって言われても、俺もよくわかんないけどさ

 

150:

ヴェルライト様は神だよ

この世に正しき光をもたらしてくれる。

 

152:

うわ出た信者

 

155:

ところでヴェルライトは黒幕って言ってるけど、どう思う?

 

156:

ヴェルライト様は神だよ

この世に正しき光をもたらしてくれる。

 

158:

黒幕だとは思ってねぇな……

 

159:

実際のところ、信者の間でも意見が別れてるらしい

信者にとってヴェルライトは神だ

だけどヴェルライト本人が黒幕を名乗ってる

それを尊重すべきなんじゃ……って意見も多いみたいだ

 

161:

世間的には、本人がそう名乗ってんだから……って理由で黒幕になりそうだけどな

 

164:

というかさ、思ったんだけど……

 

165:

もったいぶるな

 

167:

そもそもの話でいうと、黒幕として本来正しいのはテンバイヤのほうじゃね?

 

168:

あっ

 

169:

あっ

 

170:

あっ

 

171:

あんなの黒幕とかいうちゃんとした呼び名で呼びたくねぇよ

ゴミで十分だろあんなん

 

172:

あんなん黒幕呼びするくらいなら、ヴェルライトを黒幕ってことにしておこうぜ

 

173:

だな……




世間の反応回でした。
次回から新展開、次回以降の更新はもう少々お待ち下さい。

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